監視映像の確認に
Windowsタブレットが貢献
エレベーター点検業務で携帯性と視認性を両立
NRS株式会社
監視映像の確認に
Windowsタブレットが貢献
エレベーター点検業務で携帯性と視認性を両立
NRS株式会社
課 題
・顧客の業務に支障が出ないように確実なサポートが必要。
・専用アプリの開発が必要なスマートフォンは既存ソフトウェア資産の流用が難しい。
ソリューション
・国内にサポート部門を持つドスパラからの調達で安心。
・Windowsの採用により、開発生産性と拡張性を向上。
エレベーター用監視カメラ映像の録画・閲覧システムを開発・販売するNRS株式会社は、業界初のWindowsによるシステムを開発。同時に、閲覧用端末としてWindowsタブレット導入検討を始めた。多くのメーカーや製品を比較した結果、ドスパラのDG-D08IWシリーズを選定した。性能や価格競争力はもとより、法人営業部があり、国内にサポート部門を持つ安心感が、採用の決め手となった。
【導入の背景】
エレベーター用監視カメラ映像の閲覧用
としてWindowsタブレットを検討
視認性が高いため、定期検査や保守点検の品質向上につながっている。
都市部を中心に高層建築物が増え続ける今日、もはやエレベーターはなくてはならない都市インフラのひとつとなっている。同時に、繁華街や駅などで監視カメラが増加を続けるなか、エレベーター内の監視カメラもまた、増加の一途をたどっている。
一方で、万が一、エレベーター事故が発生すると人命に関わることになりかねないことから、その安全性確保も重要だ。そのため、年1回の定期検査と2カ月に1回の保守点検が義務付けられている。また、監視カメラが設置されている場合、映像が正しく録画されているかを確認することが求められている。NRSは、このエレベーターに設置された監視カメラの映像を録画・閲覧するシステムを開発し、閲覧用タブレットや監視カメラ、レコーダーなどと組み合わせて販売している。
従来大手エレベーターメーカーでは、スマートフォンに専用ソフトウェアを搭載し映像を閲覧する仕組みを提供していたが、現場では不満もあったと同社代表取締役の加藤文夫氏は語る。「エレベーターのメンテナンス担当者からは、小さな画面では見にくいため、画面を大きくしてほしいという要望が根強くありました。また、ソフトウェア開発の観点からも、既存ソフトウェアとの親和性が高く、拡張性も高いWindowsの方が適していると考えていました」
そこで、同社は2015年、業界で初めてWindowsによる監視カメラ映像の録画閲覧システムの開発に着手。開発と並行し、閲覧用の端末としてスマートフォンよりも画面が大きく視認性がよいWindowsタブレット導入の検討を始めた。
【導入のポイント】
国内メーカーで充実したサポートが
得られることを重視
タブレットの選定にあたっては、安定した品質や柔軟な対応力が期待できる国内メーカーを探した。端末に関しては、Windowsを実装しており、価格面でもリーズナブルであることが求められた。
これらの条件に合致したのが、ドスパラのDG-D08IWシリーズである。DG-D08IWシリーズは、8インチの高性能タブレット。IEEE802.11acに対応した無線LANチップを搭載しているので、必要に応じて動画を社内のサーバーやクラウドに高速で転送することも可能だ。点検時は持参する荷物が多いため、画面の大きさと携帯性のバランスをとって8インチを選んだ。
ドスパラを選定した理由について加藤氏は、「法人営業部があり、国内にサポート部門を持っているところを重視しました。エレベーターに関わるシステムは5年サイクルなので、長期間にわたって安定的に端末を供給してもらう必要があります。そのためには、営業体制が整っていないと不安です。また、お客様に安心してご利用いただくためにも、充実したサポートは必須と考えました」と語る。サポートを重視する同社は、担当者が事前にDG-D08IWシリーズを購入し、その品質やサポートの体制をチェックした上で導入を決定した。
同社はWindows 10を採用したが、開発時期がWindows 10がリリースされて間もない頃だったこともあり、OSのバージョンとUSBドライバの整合性をとるのに苦労した。監視カメラ映像は多くの個人情報を含むため、その取扱いには一層の慎重さが求められる。そのため、現場ではデータを有線で送信する仕組みをとっており、USBポートの確実な作動が必須条件だったのだ。
「OSとUSBドライバの組み合わせによっては動かないこともありましたが、そうした時もドスパラが迅速に対応してくれました。今までは専用機ばかりを扱ってきたので、タブレットのような市販品を扱うことには多少不安がありましたが、おかげさまでスムーズに導入できました」(加藤氏)。
【導入効果】
ユーザーの要望にも柔軟に
対応することで、滑り出しは好調
これまで同社では、この運賃箱に搭載するタブレット端末に他社製品を利用していたが、モデルチェンジのたびに筐体デザインやボタン位置の変更が加わるため、その都度、機器の調整を余儀なくされていた。些細な変更と感じるかもしれないが、実際に機器を扱う乗務員側の立場になれば、操作に微妙な違いが生じれば、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていくリスクもある。これはバスの安全運行を担保するうえでも、決して軽視できない問題だった。
そこで、同社では新たなタブレット端末導入を模索する。端末選定で主導的役割を担った、システム部プロジェクトマネージャーの松田治氏は、自作パソコンの愛好家であり、かねてより「ドスパラ」は慣れ親しんだ存在。BTOパソコンのトップブランドとして信頼されるドスパラのパソコンを製造しているサードウェーブデジノスならと考え、思い切って法人窓口に相談を持ちかけてみた。こうした過程を経て採用に至ったのが、10.1型Windows 10タブレット「DG-D10IW」シリーズ。モデルの新旧に関わらず、筐体サイズやボタン位置が同一のため、懸念していたモデルチェンジごとの微調整も不要。そのうえ、新モデルではCPUやインターフェイスの高速化によって、操作のレスポンスや処理速度が向上し、タブレットをリプレースするだけで運賃箱としての使い勝手をそのまま底上げさせることもできたという。
NRS株式会社開発の監視カメラ映像の閲覧システム「REC Viewer」。
操作ボタンや文字が大きいところが、メンテナンス担当者に好評だ。
充電、インストール、動作検証を行い出荷される。グラフィカルで読みやすい操作マニュアルも同梱される。
【今後の展開】
映像以外のデータ収集などへの応用も検討
エレベーターは、監視映像以外にも日々さまざまなデータを収集・蓄積している。メーカーやメンテナンス会社は保守点検時にそれらを吸い上げて顧客に報告するとともに、より安全で効率的な運用ができるように解析を行っている。
現在DG-D08シリーズは監視カメラ映像の録画・閲覧のみに利用されているが、今後他の多くのデータの収集などへの活用が期待される。「Windowsタブレットなので基幹システムとの親和性も高く、メーカーも興味を持っています」
DG-D08シリーズは、これからもNRSが提供するソリューションの一部としての重要なガジェットとして、同社のビジネスを支え続ける。
お客様紹介
NRS株式会社
エレベーター用監視カメラ映像の録画・閲覧システムを開発。閲覧用タブレットや監視カメラ、レコーダーなどと組み合わせて販売している
加藤 文夫 氏
代表取締役
設立 | 2014年2月 |
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所在地 | 茨城県取手市藤代南3-11-2 増山ビル |
担当者名 | 加藤 文夫 氏 |
エレベーター用監視カメラ映像の録画・閲覧システムを開発。閲覧用タブレットや監視カメラ、レコーダーなどと組み合わせて販売している