ドライブシミュレーター用PC提供
高い描画性能と省スペースを両立
2Uラック型PCに高性能グラフィックカードを搭載
株式会社フォーラムエイト
ドライブシミュレーター用PC提供
高い描画性能と省スペースを両立
2Uラック型PCに高性能グラフィックカードを搭載
株式会社フォーラムエイト
課 題
ソリューション
PC用パッケージソフトウェアを開発・販売するフォーラムエイトでは、主力製品のひとつである3DリアルタイムVRソフト「UC-win/Road」の販売に際し、同ソフトを搭載するPCとして、高い描画性能を備えた小型のラック型PCを求めていた。そこで、以前から取引があり、堅牢性やコストパフォーマンス、納期を評価していたドスパラに相談。ドスパラは、高性能グラフィックカードを搭載した2Uのラック型PCを制作し、フォーラムエイトの期待に応えた。
【導入の背景】
高い描画性能のグラフィックカードを
搭載した2Uラック型PCを求めるも皆無
3DリアルタイムVRソフト「UC-win/Road」の画面例。
あらゆる道路状況や天候をシミュレーションできる
開発環境としては「ガレリア」が多くの場面で採用されている。
フォーラムエイトは、創業以来30年にわたって、一貫してPC用パッケージソフトウェア開発を行ってきた。
土木分野の各種解析やシミュレーション、3Dモデリングなどに強みを持つ。近年はバーチャルリアリティー(VR)に注力し、ドライブシミュレーターの3DリアルタイムVRソフト「UC-win/Road」は、「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2002」に選定されるなど高い評価を受け、多くの研究機関や自動車関連企業などが採用。長年進化を繰り返し、現在はVer.12を提供中だ。
「いま自動車は大半がソフトウェアで制御されています。開発スピードの迅速化が求められており、コスト面からもすべてのテストを実際の車で行うことはできません。そこで、高性能なドライブシミュレーターが求められています」と同社の松田 克巳 氏は語る。
2014年、同社は、自動車関連メーカーからUC-win/Roadの発注を受けた。ドライブシミュレーターは、ハンドルやブレーキ、最低3面のディスプレイなど特別な入出力装置が必要となる。高速な描画を行うため、ディスプレイ1面につき高い描画性能を持つPC1台が必要で、さらにそれらを制御するコントローラーPCが必要。顧客の要望に合わせて、これらのハード/ソフトを組み合わせて納品する。
今回の仕様はバックミラーを含めて5面のディスプレイを備えており、予備機を含めるとPCが7台必要だった。一般的に描画性能を高めるためには高性能グラフィックカードを搭載するため、タワー型PCを使用することが多いが、顧客から「場所がないので、できるだけ小型のラック型にしてほしい」との要望を受けた。そこで、高い描画機能を有したグラフィックカードを備えた2Uのラック型PCを探したものの、そのような製品はどこにも存在しなかった。
【導入のポイント】
ケース探しから始め、困難を乗り越え完成
性能もスペースも妥協しない2UラックマウントのカスタムPC
そこで、同社が相談をもちかけたのが、ドスパラである。
松田氏は、「高性能グラフックカードを搭載した2UのPCは、米国メーカーの製品があり使ったことがありますが、初期不良やよくわからないバグが多いうえ、サポートが悪く使い物になりませんでした。また、1Uの製品があるにはあったのですが、畳くらいの大きさがあり、小型であることを求められていたのでそれも論外でした。やはり、こういうニッチな製品はサポートが重要であり、ドスパラなら対応してくれると思い相談しました」と回想する。
同社は、多くの開発用マシンにドスパラが販売する「ガレリア」を採用するなど、ドスパラとの付き合いはかなり長い。「ドスパラのPCはコストパフォーマンスが高く、ガレリアなら2日と納期も非常に早い。壊れにくいことも評価しています」(松田氏)。
同社から相談を受けたドスパラは、ケース探しから始め、14年12月に固まった仕様に基づき、機能とサイズが適合するパーツを調達していった。仕様上問題ないはずのモジュールが入らないなどの問題がありつつも、それらをひとつずつ解決し製品を完成。15年2月に納品した。「そもそも2Uサイズに収まる高性能なグラフィックカードは限られます。そうした特殊なパーツもドスパラで調達してくれ、助かりました」(松田氏)。
【導入の効果】
最大の効果は同構成のリピートオーダー
ドスパラが提供するカスタムPCが、様々なシミュレーターを支えている。
UC-win/Roadはカスタムメイドなので、一旦フォーラムエイトに納入されたPCや各種パーツを組み立て、すべてセットアップしたうえで顧客に納入される。
顧客の元に納められた今回の製品は、自動車の操作パネルの設計や、制御部の試験環境などに利用されている。松田氏は、「今回納入してもらったPCは1点ものなので、ある程度故障のリスクがあるのは仕方ないと思っています。しかし、仮に壊れたとしてもドスパラならすぐに対応してもらえるので安心です」と語っている。
今回納品したシステムは、顧客の元で順調に活躍しているとのこと。「同じ仕様でリピートオーダーが来たことが、何よりの効果ですね」(松田氏)
【今後の展開】
オリジナルケースを作成し、
さらに小型化に挑戦
ドライブシミュレーターにとって、PCは必要不可欠なものである。しかしながら、ユーザーはディスプレイに向かってハンドルやブレーキ、アクセルなどを操作するのであり、そこにPCの存在感は必要ない。換言すれば、PCの性能は必要ながら、ボディはできるだけ小さい方が望ましい。
そこで、フォーラムエイトはドスパラに対し、今回のPCと同等の性能のPCを、2Uハーフでできないかと相談をもちかけている。ドスパラでは、このリクエストに応えるべく、オリジナルケースを制作することを検討している。「ドスパラには、今回のような特別な構成にも柔軟に対応してもらい、とても助かっています。今後もさまざまな提案に、ドスパラのPCを使っていきたいですね」(松田氏)。
フォーラムエイトの優れたソフトウェアと、ソフトウェアの性能を最大限引き出すドスパラのPCによるソリューションは、これからも日本のものづくりを支えていくに違いない。
※文中記載の組織名・所属・役職等はすべて2016年時点(インタビュー時)のものです。
導入サービスのご紹介
お客様紹介
株式会社フォーラムエイト
設計、解析、CADおよびVR/CGソフトウェアの開発・販売・サポートおよび技術サービスにより、エンジニアの業務環境最適化を目指す。2015年には、経済産業省が実施する「攻めのIT経営」中小企業百選に選定された。
松田克己 氏
執行役員 システム営業マネージャ
設立 | 1987年5月1日 |
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所在地 | 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟21F |
担当者名 | 松田克己 氏 |
企業HP | https://www.forum8.co.jp/ |
設計、解析、CADおよびVR/CGソフトウェアの開発・販売・サポートおよび技術サービスにより、エンジニアの業務環境最適化を目指す。2015年には、経済産業省が実施する「攻めのIT経営」中小企業百選に選定された。