近年盛り上がりを見せているeスポーツに積極的に取り組む富士通株式会社（以下、富士通）。企業や地域社会との交流を深めることで、コミュニケーションやリレーションの構築を図り、地域共生社会や「ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン※」の実現に貢献する社会的意義のある取り組みと捉え推進している。その交流の場所となる“eスポーツルーム”に設置されているのが、サードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA」だ。

※ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン：企業や組織がさまざまな背景や視点を持つ個人を受け入れ、支援し、共に働く環境を作ること

• 総務本部 ワークスタイル戦略室 マネージャー 河野 芳枝氏
• 総務本部 ワークスタイル戦略室 柳沼 聡氏

──まず自己紹介をお願いします。

河野 芳枝氏（以下、河野氏）　総務本部のワークスタイル戦略室に所属しており、「Work Life Shift」※に関する企画とその社内促進を担当しています。また、広報活動やeスポーツ、その他の施設の運営や関連するシステムのサポートなどもワークスタイル戦略室で行っています。

※Work Life Shift：持続可能な社会に向けて、業種・国を越え、これからの企業と人々の働き方・暮らしを支えていくために富士通が推進する、ニューノーマルな時代における新たな働き方改革のコンセプト。

富士通株式会社 総務本部 ワークスタイル戦略室 マネージャー
河野 芳枝氏

柳沼 聡氏（以下、柳沼氏）　私も河野と同様にワークスタイル戦略室に所属し、社内の働き方改革を担当しています。主にハイブリッドワークの推進や社員の生産性向上、エンゲージメント向上に関する施策を実践しています。具体的には社内オフィスの中で社員の位置情報がわかるようなWEBアプリを全国の拠点に導入してコミュニケーション活性化を促す施策を行ったり、eスポーツルームや集中に特化したフォーカスルームといった施設を構築して社内検証行っていく、働き方に関するデータを集めて社員に対して可視化していくといったような業務を行っています。

富士通株式会社 総務本部 ワークスタイル戦略室
柳沼 聡氏

――ハイブリッドワークは、従来のオフィス勤務とリモートワークを組み合わせた働き方のスタイルですよね？

柳沼氏　その通りです。当社ではオフィスでのリアルなコミュニケーションの効果的な活用を組み合わせた、真のハイブリッドワークの実現を目指しています。社員がどの場所で働くかを選択することを通し、自律的に働いて欲しいという思いがあります。

──そうした中で、御社がeスポーツに取り組まれている意義や目的はなんでしょうか？

柳沼氏　eスポーツが徐々に広がりを見せ、社会的な認知度が高まっていく中で、当社としてもeスポーツが社内やお客様、自治体や地域とのコミュニケーションやリレーションの強化に活用できるのではないかというところに着目して、取り組みをスタートしました。

eスポーツを通じて企業や地域社会との交流を深めることで、地域共生社会やダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョンの実現にも貢献する、社会的意義のある取り組みと捉えて活動しています。

eスポーツを通しての取り組みについて語る柳沼氏。

──eスポーツを「コミュニケーションツール」と捉えて取り組んでいるのですね。

柳沼氏　eスポーツは年齢や性別、障がいなども問わず、オンラインでもオフラインでも誰でもプレイできます。そうした観点でも、当社がこうした取り組みを広げていくことで、共生社会やダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョンの理解浸透へ繋がることを期待しています。また2020年には社内に「富士通eSports部」が発足し、現在約600名の部員がeスポーツルームだけでなく、社外やオンラインなどで活動しています。

──eスポーツルームの具体的な運用について教えてください。

河野氏　eスポーツルームは2022年7月に、Fujitsu Uvance Kawasaki Tower内に設置しました。eスポーツルームは予約制で、初心者向けのゲームから本格的なeスポーツタイトルまで、さまざまなゲームがプレイ可能です。eスポーツルームでは、PCゲームだけでなくコンシューマーゲーム機を持ち込んで対戦することなども許可しています。

──創立記念日の今日（2024年6月20日、取材時）に開催されているeスポーツ大会はどういった趣旨で開催されているのでしょうか？

河野氏　コロナ禍に従業員同士のエンゲージメント向上に繋がるのではと考え、eSports部が中心となって企画しました。2021年から創立記念日にeスポーツ大会という形で毎年開催しています。この大会には役員も参加して、エキシビションマッチを行っています。職場の枠を超えて役員と一緒にプレイする機会はなかなかないと思います。

──社内の交流を図って、親睦を深めているのですね。こうした定期的な大会などは、他にもありますか？

河野氏　最近ですと、学生との交流イベントを、四半期に一度くらいのペースで開催しています。また他企業とのeスポーツによる交流も行っていまして、今後も定期的に企画していきたいと考えています。
また、昨今はさまざまな企業や学校、自治体などでeスポーツの大会が開催されており、そうしたところには、こちらからも参加していきたいと考えています。

eスポーツルームの様子

──eスポーツルームにはサードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA」を導入いただいています。選定理由は何だったのでしょうか？

柳沼氏　他のメーカー製品も検討しましたが、社内の関係者やeSports部の人からも話を聞いて導入を進め、性能や予算、デザイン性などを考慮してGALLERIAを選びました。
eスポーツルームのオープンに合わせてGALLERIA RM5C-R36Tを8台。昨年2023年にさらに2台追加して、現在は計10台です。5対5の対戦ゲームも可能な環境になりました。

──具体的にどのようなスペックを重視されたのでしょうか？

柳沼氏　eスポーツ用のPCとして、グラフィックボードやCPUの性能は重要でした。またゲーミングPCらしいデザインも評価ポイントでした。GALLERIAはケース前面のRGB-LEDライトで人目を引くデザインで、人が集まるeスポーツルームでの活用にも向いています。いろいろなメーカーのPCを比較しましたが、コストパフォーマンスやデザイン性を考慮してGALLERIAが最適だと判断しました。

eスポーツルームに導入された「GALLERIA」。

──発注から納品までのスケジュールは希望通りでしたか？

柳沼氏　eスポーツルームのオープンに向けてタイトなスケジュールでしたが、発注から1週間程度で納品いただきました。サードウェーブの担当者さんには予算内で最適な提案をしていただき、非常に満足しています。また、PCの設定などで不明なことがあった際も、迅速に対応していただきました。

──ゲーミングPCの進化は早く、2、3年に1回はPCを更新（買い換え）されるケースも多いですが、そうした要望も出ていますか？

柳沼氏　今のところはそうした要望は出ていないですね。ただ最初に購入したモデルが2年を経過して、これから検討していくフェーズに入っていくと思います。サードウェーブ製のPCはコストパフォーマンスがとくに高いと評価していますので、買い替えの際にはまた提案をお願いできたらと思います。

──GALLERIAを導入してeスポーツルームの反応はどうですか？

河野氏　PCを含めて非常に好評です。とくにeスポーツを通じたコミュニケーションが活発になり、社員同士の交流が深まりました。

eスポーツルームで交流する社員の様子。

──eスポーツルームの効果と今後の展望について教えてください。

柳沼氏　eスポーツはコミュニケーションツールとして非常に好評です。対面でのコミュニケーションが増え、ポジティブな意見が多く寄せられています。今後も交流の場を増やし、コミュニケーションやリレーションの構築に役立てたいと考えています。

河野氏　他の企業や地域の方々とのコミュニケーションを通じて、eスポーツをきっかけにコミュニティのさらなる拡大を目指しています。目的がより一層叶えられる形になればと思っています。

　 eスポーツをきっかけにした今後の展望について語る河野氏。

──今後の具体的な計画はありますか？

柳沼氏　eスポーツルームの設備をさらに充実させ、社員の利用頻度をさらに高めたいと考えています。また他企業や学生との交流イベントを増やし、eスポーツを通じた新たなビジネスチャンスを模索していく予定です。

──最後に一言お願いします。

柳沼氏　eスポーツを通じた取り組みを続け、社内外のコミュニケーションをさらに深めていきたいです。

河野氏　eスポーツルームを活用して、富士通の社員がより一層つながりを持てるよう、また社外とのコミュニケーションも向上するように引き続き取り組んでいきます。

※印がついている項目はカスタマイズスペックです。