「高等学校DX加速化推進事業」
(DXハイスクール)を活かし、
全校生徒が授業や部活で利用するPC環境を実現
惺山高等学校
「高等学校DX加速化推進事業」
(DXハイスクール)を活かし、
全校生徒が授業や部活で利用するPC環境を実現
惺山高等学校
課 題
・生徒の“好き”の醸成に対する妨げの原因がPCのスペック不足
・次世代を担う生徒の育成を一緒に取り組んでくれる企業への伝手がない
ソリューション
・生徒の原体験を育むため、PC組立ワークショップやネットワークワークショップの開催
・「e-Sports部が楽しいから学校に来たい」という部員も増え、部員の定着率も増加した
惺山高等学校は文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業」(以下、DXハイスクール)※で得た予算を活かしつつ、サードウェーブの「raytrek(レイトレック)」および「GALLERIA(ガレリア)」を導入。スペックの高い機種を増やしたことで、デザインや映像作成などクリエイティブなカリキュラムの授業、e-Sports部やメディアクリエイト部をはじめとする部活動にて、幅広い用途で生徒が利用できるPC環境を整備した。
※「高等学校DX加速化推進事業」(DXハイスクール)・・・情報や数学の教育に力を入れるカリキュラムを導入し、ICTを活用した学びを強化する学校に対し、文部科学省が必要な環境整備の経費を支援する事業。
インタビュー参加者
- 進路指導部 部長 e-Sports部 顧問 髙橋 亮氏
- e-Sports部 部長 矢部 海翔氏
- e-Sports部 事務局長 管 悠南氏
- e-Sports部 菖蒲 凰介氏
“好き”を“学び”に変える教育方針で人材育成
─最初に貴校のご紹介をお願いします。
髙橋 亮氏(以下、髙橋氏) 当校は令和3年10月に創立100周年を迎え、長い歴史を誇ります。近年はその伝統を守るだけでなく、時代の変化にあわせて、学校教育のあり方そのものの変革に取り組んでいます。大きな方針は「生徒の“好き”を“学び”に変える」です。生徒一人ひとりに好きなことがあり、それに対して逆算して学びを組み立てていくことで、生徒が主体的に学んでいく意欲を引き出します。 そして、“好き”を将来の自分の仕事につなげてほしいのですが、その際の可能性の幅広さも重視しています。自分の“好き”であるジャンルを軸に、自分がどの領域で力を発揮するのか、生徒がその視野を広く持つよう導いています。 また、当校は大学や企業との連携も積極的に行っています。生徒が興味ある分野の第一線の方々と、一緒に何かを作り上げるなどの交流を通じて、生徒の見識を深めたりモチベーションを高めたりしています。
惺山高等学校 進路指導部 部長 e-Sports部 顧問
髙橋 亮氏
DXハイスクール予算でraytrekを導入
─貴校の以前のPC環境には、どのような課題がありましたか?
髙橋氏 通常の授業で使うPCは十分な台数が揃っていたのですが、ハイスペックなPCが不足していました。例えば当校には「クリエイティブコース」があります。IT分野の即戦力を目指して人材を育成するコースです。授業ではグラフィックスやアニメーションの作成、動画編集などを行い、生徒はプロが使う高機能なソフトウェアを使用します。そういったソフトウェアを生徒が快適に使うには、ハイスペックなPCが欠かせません。
また、当校にはクリエイティブコースとともに「デザインコース」もあります。その授業でも同様にプロが使うソフトウェアを生徒が使うので、スペックの高いPCが必要となってきます。その上、来年度から新たに始まる「スポーツサイエンスコース」では、各種データを用いて選手の動作やチームの戦術などの分析を行います。その際もスペックの高いPCが必要になることが見込まれています。
高機能なソフトウェアを快適に動かせるスペックを備えたPCは、十分な台数が用意できておらず、台数を大幅に増やしたくても、予算などの関係により、難しい状況が続いていました。生徒の“好き”の醸成がPCのスペック不足に妨げられることは極力避けたいと考えていました。
─貴校は法人向けPCのraytrekを文部科学省のDXハイスクールで得た予算で購入されましたね。
髙橋氏 はい。以前よりraytrekは同じ予算でも、より高スペックな機種が得られるなどの理由から、導入候補に挙げていました。また、ハイスペックなPCは少しずつですが増やしていたものの、まだまだ台数が足りず、追加で購入を検討していました。
そんな折、文部科学省のDXハイスクールのお話をいただきました。今まで壁となっていた予算の問題が解決できるので、まさに渡りに船でしたね。校長の指示の下、私自身が申請書を書いて申し込みました。無事申請が通り、令和6年6月にraytrekを15台購入したのです。
─導入してPC環境の課題は改善されましたか。
髙橋氏 生徒の授業の本格的な活用はこれからですが、ハイスペックなPCを15台増やすことができたので、より多くの生徒が高機能なソフトウェアを快適に使える環境を整備できました。これでクリエイティブやデザインにおいて、生徒が自分の“好き”をより醸成でき、将来に向けてさまざまな機会を掴めるようになるでしょう。
DXハイスクールを利用し、導入されたraytrek。
GALLERIAをeスポーツなど多彩な用途に利用
─貴校のe-Sports部のご紹介をお願いします。
矢部 海翔氏(以下、矢部氏) 私はe-Sports部の部長をしております。部員数は約100名です。主にオンラインゲームをプレイしており、「全国高校生eスポーツ選手権大会」などの競技会にも随時参加しています。
─e-Sports部の活動も貴校の教育方針と同じく、生徒の“好き”が根底にありますよね。
髙橋氏 そうですね、生徒にゲームのプレイだけでなく、ゲーム周辺にも広く興味を持ってもらい、将来につなげてもらいたいと思っています。ゲームソフトの開発、ハードウェアの開発やメンテナンス、ネットワークの構築や運用、さらには関連イベントの企画運営など、eスポーツにまつわる仕事は実に多彩です。e-Sports部での経験や学びが何かしらのかたちで生徒の将来につながれば、とてもうれしいですね。
その糸口となる原体験をどうやって生み出すのかも、また重要なミッションです。そのために企業や地域と連携し、意欲的に企画を行っています。
─部活動ではGALLERIAを導入いただいていますが、導入した経緯や選んだ理由をお聞かせください。
管 悠南氏(以下、管氏) GALLERIAを選んだ理由は評判の高さです。インターネットの情報などから、部員の多くが「ゲーミングPCと言えばGALLERIA」という認識を抱いていました。
菖蒲 凰介氏(以降、菖蒲氏) 私は中学生の頃からeスポーツに励んでおり、そのなかでGALLERIAの名前はたくさん聞いていました。e-Sports部に入部した時、「GALLERIA使っているんだ!」とわくわくしましたね。
髙橋氏 学校の視点として何より大きかったのがサードウェーブさんの姿勢です。当校はさまざまな企業と連携していますが、連携先を選ぶ際は、一緒に教育体制づくりに取り組んでもらえるかどうかを明確な基準としています。当校としては次世代を担う生徒の育成を一緒に取り組んでくれる企業を望んでいます。サードウェーブさんはその点でも最適でした。
─実際にGALLERIAを導入して使ってみていかがですか。
髙橋氏 当初の狙い通り、部員からe-Sports部のPCでプレイしたいという声が多くなり、なおかつ、全校生徒がクリエイティブ用途などにも利用できるPC環境づくりを達成できました。また、部活の楽しみとともに、eスポーツ周辺への興味の抱きやすさも増したと思っています。
管氏 私はeスポーツ部で事務局長を務めているのですが、「部活が楽しいから学校に来たい」という部員も増え、部員の定着率も上がりました。e-Sportsを快適にプレイできるための必要なPC台数が揃い、部員にいきわたった影響が大きいです。
部活動ではGALLERIAを使用。惺山高等学校では部活に必要な高性能なPCを用意している。
ワークショップでPCやネットワークの知識を深める
─ドスパラフレスポ山形北店の協力のもと、PC組立のワークショップに参加されたと伺っています。経緯や狙いをお聞かせください。
髙橋氏 生徒にもっとPC自体を知ってもらい、ちょっとしたトラブルが起きた際の解決まで、生徒が自分たちでできるようになってもらうことが狙いでした。そういった機会を生徒がときめくようなかたちで設けられないか考えていたところ、ドスパラフレスポ山形北店の店長さんからPC組立のワークショップのご提案をいただいたので実現に至りました。
─参加された生徒の方はいかがでしたか。
管氏 PCを好きな色に光らせるなど、みんなとワイワイやりながら楽しく参加できました。PCがどんな部品で構成されていて、トラブル時はどこを見ればよいかわかるようになったと思います。
─ ネットワークのワークショップも開催されましたよね。
髙橋氏 はい、オンラインゲームに欠かせないネットワークの知識も身に付け、トラブル解決などを生徒が自分たちでできるようになってほしかったので、サードウェーブさんにご紹介いただいたゲーミングネットワークに強みを持つGameWith ARTERIA さんに依頼して開催しました。
管氏 ネットワークの仕組みを知ることにより、トラブル時に、どこが悪いのか調べて解決できる部員も増えました。
授業と部活動でPCを活用し、生徒の将来の夢につなげる
─今後の展望をお聞かせください。
髙橋氏 当校のPC環境をより良くして、授業や部活を軸に生徒たちの生活がもっと豊かになるようにしたいです。e-Sports部も部員一人ひとりがeスポーツの部活動を通じて、自分の夢や将来進みたい方向を見つけ、歩みを進められるよう見守っていきたいですね。
今後のe-Sports部について語る髙橋氏。
─e-Sports部の皆さんも、今後学校でやりたいことや将来の夢をお聞かせください。
矢部氏 私はe-Sports部に入って、昨年は当校のオープンスクール「サマチャレ」で、ゲーム実況や運営に携わりました。その経験がとても楽しくて、今の夢は大きなeスポーツイベントの開催です。
管氏 私はもともと税理士になりたいという夢があります。e-Sports部に入ってから、学校や部のイベントの企画や運営に携わり、さまざまな仕事の知識や経験を得ました。自分の夢に向かいつつ、その知識や経験を活かして人の役に立ちたいです。
菖蒲氏 私は次のサマチャレを任されました。まずはその成功を目指します。e-Sports部をがんばりながら、将来の夢を見つけていきたいです。
左からe-Sports部長 矢部 海翔氏、e-Sports事務局長 管 悠南氏、菖蒲 凰介氏。
今後学校でやりたいことや将来の夢を語る。
ドスパラフレスポ山形北店 店長 小原 颯太氏コメント
惺山高等学校様のPC組立ワークショップで心掛けたこと
生徒さんがプレイされるゲームを事前に聞いて、必要なスペックを把握したうえで、ご希望に応じて最適な組み合わせが予算内でできるよう、パーツをセレクトし、選択肢として極力わかりやすく提示しました。また、生徒さんは見た目も重視されるので、「このケースのここの部分に、このファンを置いて光らせたらよく見えますよ」などといった提案もしました。
今後も、デバイスや設定関連など生徒さんだけではわからないところを中心に、パソコンのプロとして手厚くサポートしていきます。もちろん学校に赴いてのサポートも対応しますので、お気軽に声をかけてください。
GameWith ARTERIA株式会社 青沼 寛氏コメント
ネットワーク講座実施にあたり工夫したこと
ゲームとインターネットの関係性を生徒さんにお伝えするにあたり、写真や図などを交えつつ、できるだけわかりやすい表現を用いることを意識しました。例えば、ゲームのコントローラーのボタンを押すと、何がどうなって相手に情報が届き、それが画面にどう描画されるのか、生徒一人ひとりが自身の過去の体験と照らしあわせ、具体的なイメージを膨らませられるようお伝えしました。将来的には生徒がネットワークやPCの仕組みを理解し、それを後輩に伝えていく。それが部活動を通した高校教育の場で、もっとも重要であると考えており、当社はネットワークのプロとして、困ったときの相談役のように、できる範囲のアドバイスをさせていただきたいと考えております。何かあればお気軽にお問合せください。
導入機種のご案内
お客様紹介
惺山高等学校
「健康」「誠実」「友愛」の校訓の基、「地域を支える人間を育てる」を学園ポリシーとする私立の高等学校。令和4年度から現在の校名に変更し、制服もリニューアルした。IT分野の即戦力を目指す「クリエイティブコース」、社会課題を解決しながらビジネスへと展開する「ビジネスコース」など6つのコースをはじめ、生徒の“好き”を学び変える教育体系によって、地域や日本の将来を担う人材を育成する。
所在地 | 山形県山形市城西町3丁目13番7号 |
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企業HP | https://www.seizan.ed.jp |
「健康」「誠実」「友愛」の校訓の基、「地域を支える人間を育てる」を学園ポリシーとする私立の高等学校。令和4年度から現在の校名に変更し、制服もリニューアルした。IT分野の即戦力を目指す「クリエイティブコース」、社会課題を解決しながらビジネスへと展開する「ビジネスコース」など6つのコースをはじめ、生徒の“好き”を学び変える教育体系によって、地域や日本の将来を担う人材を育成する。