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ディープラーニングとは?その仕組みや実用例をわかりやすく紹介
近年は、ビジネスシーンにおいてディープラーニングという言葉がよく聞かれるようになりました。実際に業務の中でもディープラーニングを用いた仕組みが多く生み出されています。しかしながら、このディープラーニングという言葉に対して、内容をよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ディープラーニングについて、その仕組みや実用例、ディープラーニングに適したPCなどを紹介していきます。
目次
ディープラーニングとは
ディープラーニング(深層学習)とは、人が普段実施している作業をコンピュータでもできるように学習させる機械学習の手法の1つです。すでにディープラーニングは複数の分野において導入されており、特に画像認識や文字認識、音声認識などの分野においては重要な役割を果たしています。最近ではディープラーニングによって学習を施されたAIが各分野で導入されています。
ディープラーニングは、主に自動運転や電話での音声認識、部品の不良チェックなどに使用され、従来の機械学習では不可能だった高い認識精度を発揮していることが特徴です。特に画像認識の分野では、人間の精度を超えることが多々あります。また高性能なGPUが手軽に入手できるようになったことも、ディープラーニングの普及を後押ししています。
機械学習について詳しくは、「機械学習とは?3種類の機械学習手法について解説?」の記事をご参照ください。
ディープラーニングの仕組み
ニューラルネットワーク
ディープラーニングの技術は、人間の神経細胞(ニューロン)を模したニューラルネットワークがベースです。このニューラルネットワークを多層にして構成し、データに含まれる特徴を各層で学習していくのがディープラーニング特有の学習の仕組みです。
ニューラルネットワークの層の数は、数百におよぶこともあります。さらに読み込ませるデータは数百万、数千万といった数になることもあります。
畳み込みニューラルネットワーク
昨今のディープラーニングには畳み込みニューラルネットワークがよく使われます。畳み込みニューラルネットワークはデータから直接特徴を抽出していけるため、特に画像による物体識別や音声認識などの分野において大量の処理を精度高くこなしていけるようになっています。
畳み込みニューラルネットワークでは、以下のような流れで入力画像についての処理が進んでいきます。
以下は畳み込みニューラルネットワークの画像判別内容です。
前提として、コンピュータは画像をピクセルの2次元配列として認識し、色がある場所にはそれぞれ値が割り振られるということにします。さらに今回は説明しやすいように1ピクセルを1マスと考えます。
例えば下記のような「1」の文字を考えます。
まずは特徴を示すフィルタを作成します。今回は1の特徴をとらえている以下2つのフィルタを作成します。色がついている箇所は1、白の箇所は-1と指定します。
このフィルタを利用して「畳み込み層」にて画像の畳み込みを実施していきます。畳み込みの処理を実施することによって画像のマス目(ピクセル数)を圧縮でき、後段の演算が少なくなるという利点があります。
畳み込みには入力画像の指定の場所とフィルタの同じマスを掛け算していきます。今回は、下記のような画像が入力されたと仮定し、この画像が「1」であるかどうかを判別する処理をみていきます。
これを入力画像の全てのパターンで実施していきます。今回は計算箇所を3マスずつずらして計算していく( ストライド3) ことにします。
全てのパターンについて畳み込みを実施すると次のようになります。
続いて「プーリング層」において、さらにマスの数を減らしていきます。今回は「MAXプーリング」と呼ばれる手法で、2×2マスの中で最大の数を選ぶ手法を用います。プーリングを実施するマスの数は、状況に応じて変えることができます。
もっと規模の大きな画像について処理を実施する場合には、畳み込み層とプーリング層を必要なだけ重ねて処理します。
フィルタの数だけ処理を終えたら、「全結合層」で出力に向けての処理をしていきます。
出力にあたって重要な処理が「重みづけ」です。今回は1の特徴をとらえたフィルタを使っているため、「1である」という出力に関して重点がおかれていると仮定します。
仮に「1である」のスコアが0.85、「1でない」のスコアが0.15と出たとして、今回は1である可能性が高いという結果になりました。
畳み込みニューラルネットワークの処理は、このような形で実施されています。
ディープラーニングの実用例
ここからは、ディープラーニングの実用例について具体的に見ていきましょう。
画像認識
犬の画像なら「犬」、猫の画像なら「猫」とラベルづけされた画像をディープラーニングで大量に学習させることで、画像認識ができるようになります。あくまで学習させたものに対する判別しかできませんが、高い精度で未知の画像が学習した物体に該当するかどうかを判別できます。
音声認識
音声認識とは、音声データをテキストデータに変換する技術です。音声認識を活用すると、音声データを録音と同時に文字に起こす、顧客の音声から感情にまつわる特徴量を抽出し、感情をデータ化するといった処理が可能になります。
自然言語処理
自然言語処理は、人が発する言語からデータを抽出し、さまざまな分野で活用することです。処理にあたって話し声や文章などの意味を解析していきますが、自然言語は文脈によって解釈が変わるため、開発は困難を極めています。
異常検知処理
AIにあらかじめ正常な物体の画像を学習させておけば、正常な物体と異なる物体を認識した場合に検知されます。この技術の実用化により、従来は人の目で製品の検品を実施していた工場で、コンピュータによる自動的な製品の検品ができるようになりました。
ディープラーニングに適したPCとは
スムーズな進行にはスペックの高いPCが必要
業務で使用するようなAIを構築する場合、学習させる画像は数百万以上におよぶこともあるため、ディープラーニングの学習や推論をスムーズに進めるためにはスペックの高いPCが必要になります。
一方、ディープラーニングの勉強をしたい、ディープラーニングだけでなくいろいろな機械学習の方法を試してみたいという程度であれば、業務用PCにおける普及価格帯程度のPCでも問題ないでしょう。
ノートPCは小型化にコストがかかっているため、デスクトップPCよりはスペックが劣ります。そのため、ディープラーニングをはじめとする機械学習用PCを検討する場合には、必然的にデスクトップPCが中心になっていきます。
「ひとまず勉強」程度なら低スペックPCでも実施可能
ただし、前述した通り個人的にディープラーニングや他の機械学習を学びたいといった程度であれば、ノートPCを選んでも問題ないでしょう。近年はクラウドサービスが発達してきたため、GPUクラウドなど、インターネット経由でリソースを補うことも可能です。
ディープラーニングをはじめとした機械学習に必要なPCのスペックについては「機械学習に最適なPCとは?必要なスペックやおすすめPCについても紹介」の記事をご参照ください。
まとめ
ディープラーニングとは、人間の神経細胞を模したニューラルネットワークと呼ばれる仕組みを利用した機械学習です。昨今、機器の異常検知や自動運転などさまざまな分野で活用されています。ディープラーニングを理解して、効果的な活用を目指しましょう。
ディープラーニングに使用できるPCやサーバーなどをご検討されている方は、ドスパラプラスへお問い合わせください。