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機械学習でPythonが選ばれる理由は?できることやライブラリも解説

この記事では、機械学習の概要やPythonが選ばれる理由を解説します。

あわせてPythonの機械学習におすすめのライブラリや注意点もお伝えしますので、Pythonを使って機械学習を行いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

機械学習とは?

機械学習 Python アイキャッチ.jpeg

機械学習は、人工知能(AI)を開発するための技術領域のひとつです。

コンピュータに大量のデータを学習させることで、予測・決定などの特定のタスクを自動で実行する能力を身につけさせます。

コンピュータは、与えられたデータをもとにトレーニングを繰り返すことで、より精度の高いタスクを実行できるようになります。

タスクの精度は与えるデータの質と量に左右されるため、機械学習を行ううえでデータの収集のステップがもっとも重要です。

そして、機械学習は与えるデータによって、大きく分けて3つに分かれます。

AIを活用して実現したいことによって採用すべき手法は異なるので、機械学習を行いたい方は、これから紹介するそれぞれの特徴を把握してから手法を選択してください。

教師あり学習

教師あり学習は、コンピュータに正解パターンを学習させる手法です。

正解パターンのデータを与えることで、正解と不正解の判別が可能になり、合わせて出力してほしいデータも学習させます。

代表的な活用事例が、自動翻訳です。

たとえば日本語を英語に翻訳したい場合、コンピュータが日本語に対応する英訳を学習しているため、日本語を入力するだけで自動で英語に翻訳してくれます。

自動翻訳はすでに多くのサービスが誕生しており、教師あり学習の代表的な事例と言えます。

教師なし学習

教師あり学習は入力データと出力データを与えていたのに対し、教師なし学習は、入力データのみをコンピュータに学習させる手法です。

コンピュータは、与えられた入力データから自身でパターンや特徴を学習し、処理を実行します。

たとえば、コンピュータに規格基準を満たした合格品の画像データを学習させれば、工場の生産ラインに不良品を検出できるAIを搭載でき、品質管理の精度向上と業務効率化を実現します。

また、顧客ごとの購買データを学習させれば、購買回数や金額ごとに自動でクラスタリングさせることもできるため、顧客分析の効率化も図れます。

強化学習

強化学習は、コンピュータ自身が試行錯誤を繰り返し、報酬の価値を最大化する行動を学習する手法です。

教師あり学習や教師なしのように正解のデータを学習させるのではなく、行動に対して報酬を与えることで、報酬を最大化していきます。

報酬とは、コンピュータの行動に対する評価指標で、行動に対して報酬を与えることで、コンピュータが自身の行動の良し悪しを判断し、以降の行動を決定します。

たとえば、株価予測において、ただ利益が出るタイミングで売却するのではなく、利益が最大化する時期を見極めて実行したり、車両が周囲の環境を認識して自動運転するなど、試行錯誤を通じて最適な戦略を見つけていきます。

 AI・ディープラーニングとの違い

機械学習と同時に語られるものに「AI」と「ディープラーニング」があります。

AI(人工知能)とは、人間の知能をコンピュータによって再現する技術です。人間では処理できないような膨大なデータを人間の思考プロセスを持ちながら高速に処理したり、データをもとに推論して最適案を提案してくれることから、すでにさまざまな分野で活用されており、生産性の向上やコスト削減を実現しています。機械学習は、このAIを実現するための技術のひとつです。

ディープラーニングは機械学習の一種で、深層学習とも呼ばれます。コンピュータが与えられたデータを階層構造として捉え、人間の手を介さずに自身で学習する手法のひとつです。機械学習のなかでも特に精度が高く、画像認識や自然言語処理などで用いられています。

両者の違いについて詳しくは「機械学習と深層学習の違いとは?アルゴリズムの種類や活用シーンも解説」で解説しています。合わせてご覧ください。

機械学習でPythonが選ばれる理由

Python 初心者 作れるもの アイキャッチ.jpegのサムネイル画像

機械学習に使われる言語には、JavaScriptやRがありますが、そのなかでもっとも選ばれている言語がPythonです。

機械学習でPythonが選ばれる理由を4つ紹介します。

Pythonの特徴も解説するので、Pythonを使ったプログラミングに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

ライブラリやフレームワークが豊富

Pythonを使用するメリットのひとつが、その豊富なライブラリ・フレームワークです。

ライブラリ・フレームワークは、アプリケーションを作成するうえで補助的な役割を持つプログラムで、アプリケーションに必要な機能や骨組みがあらかじめ構築されているため、活用することで効率的に開発できます。

Pythonは「NumPy」や「pandas」といった、機械学習に必要な関数がまとめられたライブラリ・フレームワークが豊富なので、機械学習において採用されています。

企業への導入実績が多く信頼性が高い

Pythonは、GoogleやAmazonなどの世界を代表する企業を中心に、多くの導入実績がある信頼性の高い言語です。

具体的には、AmazonのECサイトでおすすめ製品や関連製品が表示されるリコメンド機能には、Pythonの技術が用いられています。

また、Googleが提供するアプリケーションや、YouTube、Instagramといったサービスの開発にもPythonが使われています。

文法が分かりやすい

Pythonは、ほかのプログラミング言語と比べて構文がシンプルで書きやすく、開発工数が抑えられる点が大きな特徴の言語です。

エラーを発見しやすく開発・デバックしやすい点も選ばれている理由のひとつです。

また、少ないコード量でプログラミングできるため、AIエンジニアの需要の高まりも相まって、プログラミング初心者からも選ばれています。

学習に活かせるリソースが豊富

書籍やオンライン教材などの学習に活かせるリソースが豊富な点も、Pythonが機械学習に選ばれている理由のひとつです。

Pythonの人気はAIの急激な発展と比例して上昇しており、多くの学習教材が流通しています。

Python公式ドキュメントにはチュートリアルからQ&A、用語集まで用意されていて、初心者でも学習しやすい環境が整っており、最新情報も入手しやすいことから、選ばれ続けています。

Pythonを用いた機械学習で実現できること

Pythonを用いた機械学習は、すでに幅広い分野で活用されています。

以下で紹介する機械学習で実現できることを把握し、ぜひ自社での取り組みに活かしてください。

自動運転

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機械学習によって実現できる秘術の一つ目が「自動運転」です。

人間が自動車を運転するときと同様に、車両に搭載されたカメラが目の役割を果たし、得られる人や車、建物などの情報をもとに機械学習(強化学習)を行い、車両をコントロールします。

自動運転の機械学習は、まずはバーチャル空間上でシミュレーションを繰り返し行い、事故を起こした場合はペナルティを与えるなどして、最適な運転を学習させます。

すでに自動運転が可能な自動車は発売されており、機械学習の代表的な事例のひとつです。

顔認証

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実用化されている機械学習の身近な事例に「顔認識」があります。

顔認識は、画像やカメラに映った人間の顔を認識する技術で、スマートフォンのロック解除で使用されています。コンピュータに従業員の顔のデータを与えて機械学習を行えば、セキュリティレベルの高い入退館や出退勤管理の実現が可能です。

また、非接触で衛生的であることから、医療施設や介護施設を中心に注目されており、導入実績が増え続けています。

音声認識

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SiriやAlexaをはじめとした音声認識サービスにも機械学習が用いられています。

機械学習を施すことで、人間の音声を認識するだけでなく、理解してテキストに変換し、適切な行動を取ってくれます。

議事録作成サービスや字幕作成、翻訳などにも応用されており、ヒューマンエラーの防止や業務効率化、コミュニケーションの円滑化などの観点で注目されている技術です。

画像解析

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Pythonの機械学習は、画像解析にも活用されています。

たとえば、工業製品の生産ラインに合格品の画像データを学習させた画像認識AIを導入すれば、不調品の発生や異物の混入を防止できます。

また、パンの種類別の画像と価格データを学習させれば、AIレジシステムの構築が可能です。

AIレジは、パン屋をはじめとした食料品販売店を中心に展開されており、従業員不足の解消に役立てられています。

スクレイピング

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Pythonの機械学習は、Web上の情報を自動で抽出するスクレイピングにも応用が可能です。

スクレイピングとは、WebサイトのHTMLデータをもとに、文章・画像などの情報を自動で抽出するプログラムで、自動で特定の情報を取得できるため、競合調査や自社に関連するニュースの収集など、ビジネスシーンでの活躍が期待できます。

また、定期的なレポート作成業務も、スクレイピングのプログラムを組んでおけば自動でデータが抽出され、スプレッドシートにまとめられるので、業務の効率化にも効果的です。

膨大なデータをもとにした予測

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Pythonを用いた機械学習は、膨大なデータをもとに未来の予測が可能です。

人間では分析できないような膨大な過去のデータから予測を行うため、これまで以上の精度が期待できることから、株価や天候の予測、商品の売上予測などさまざまな領域で応用されています。

 Pythonの機械学習におけるライブラリの定義

Pythonを用いて機械学習を行うには、ライブラリと機械学習モデルの理解が必要不可欠です。

コンピュータに機械学習を施してより高性能なAIを開発したい方は、ぜひ参考にしてください。

ライブラリとは?

ライブラリとは、特定の機能を提供するためのプログラムの集合体です。

プログラミングのスキルが不足していても、ライブラリを活用すれば、特定の機能を効率的に実装できます。

また、機械学習モデルの構築には、データの準備や分析、モデルの評価などさまざまな段階があります。

ライブラリを用いてこれらのステップを効率化すれば、開発者の負担が削減されるだけでなく、より高度な機能の開発が可能です。

以上を踏まえると、Pythonの機械学習におけるライブラリとは、「機械学習モデルを構築するためのプログラミングの集合体」であり、複雑なアルゴリズムの実装が必要な機械学習モデルの構築において、必要不可欠なものだと言えます。

機械学習モデル構築の流れ

機械学習モデルの構築は、以下の流れで行われます。

  1. データの収集・確認
  2. データの分析
  3. データの前処理
  4. モデルの構築
  5. モデルの評価

まずは、コンピュータに学習させるデータの収集が必要です。

ただ収集するだけでなく、コンピュータが学習しやすいようにデータをまとめたり、適切な変数を付けるなど、各データの確認・準備がポイントです。

次に、収集したデータの分析と前処理を行います。データを分析することで、特徴や異常なデータを発見でき、モデル構築の際のヒントが得られるため、モデルの質を左右する重要なステップと言っても過言ではありません。

データの準備が完了したら、実際にライブラリやフレームワークを活用してモデルを構築します。

そして、構築したモデルは、運用して終わりではなく、運用した結果何が得られてどれほどの精度を発揮できるのかの評価も重要です。

定期的な評価と改善を繰り返すことで、高性能な機械学習モデルを構築できます。

Pythonの機械学習におすすめのライブラリ

機械学習モデル構築の流れが把握できたところで、次はPythonの機械学習におすすめのライブラリを解説します。

機械学習モデルを構築する際の参考にしてください。

NumPy

NumPy(外部サイト)は、Pythonの代表的なライブラリのひとつで、数値計算ツールとして用いられます。

C言語やFortranなどを使った高度な科学計算をPythonで実現してくれたり、多次元配列の操作や行列演算など、機械学習に不可欠な機能を提供してくれます。

機械学習モデルの構築において「データの分析」や「データの前処理」のステップで活用するのが一般的です。

pandas

pandas(外部サイト)は、データの分析・操作に特化したライブラリです。

NumPyはデータを処理する際に、それぞれのデータの配列の型が同じでなくてはいけない制約がありますが、pandasにはその制約がありません。

異なるタイプのデータをひとつの表形式で操作できるため、データの分析をより効率的に行えます。

また、データのソートや集約などの前処理作業も簡単に行えるのも特徴です。

Matplotlib

Matplotlib(外部サイト)は、Pythonの主要なデータ可視化ライブラリで、膨大なデータからグラフやチャートを作成する際に用いられます。

扱うデータが膨大な機械学習において、数値だけではわかりづらいデータの可視化が、データの理解には欠かせません。

Matplotlibを用いれば、ヒストグラムや散布図などさまざまなスタイルの提供が可能で、より高性能な機械学習モデルの構築につながります。

seaborn

seaborn(外部サイト)は、Matplotlibにもとづいて作られたデータ可視化ライブラリです。

Matplotlibよりも少ないコードで洗練された図の描写が可能です。

一方で、利用者数はseabornよりもMatplotlibの方が多く、その分使用方法やQ&AなどのソリューションコンテンツはMatplotlibの方が豊富です。

両方ともデータの可視化に特化したライブラリなので、操作性や提供される図の質を比較して、自分に合ったライブラリの選択をおすすめします。

scikit-learn

scikit-learn(外部サイト)は、NumPyやMatplotlib上で動作する、Pythonの代表的な機械学習ライブラリです。

主に分類・回帰・クラスタリング・次元削減・機種選定・前処理の機械学習をサポートする6つの機能が備わっており、データの前処理やモデル構築のステップで用いられます。

また、評価指標を用いた性能評価も行えるため、モデルの改善や見直しにも適しています。

Pythonの機械学習に適したPCスペック

Pythonを用いて機械学習を行うには、プログラミングスキルやライブラリを活用する技術はもちろん、モデル構築を快適に行えるPCが必要です。

Pythonの機械学習に最適なPCやスペックについては、「機械学習に最適なPCとは?必要なスペックやおすすめPCについても紹介」で解説しているので、あわせてご確認ください。

Pythonで機械学習をする際の注意点

Pythonで機械学習を行うにはライブラリの活用が必要不可欠であり、それらを使いこなすための知識と技術が求められます。

また、収集したデータを前処理の段階で整えたり、分類する作業は、機械学習モデルに直結します。

そのため、Pythonで機械学習を行う際には、十分な知識と時間を確保したうえで、適切な手順に沿った実施が重要です。

自社でリソースが確保できない場合は、外部への委託も選択肢のひとつとして検討してみてください。

まとめ

この記事では、機械学習の概要やPythonが選ばれている理由、おすすめのライブラリまで解説しました。

Pythonを用いた機械学習は、顔認識や音声認識など、さまざまな分野で活用されており、私たちの身の回りにあふれています。

これからPythonを用いて機械学習を行いたいと思っている方は、今回の記事で解説した機械学習モデルの構築の流れたおすすめのライブラリをぜひ参考にしてください。

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