生成AIサービスのおすすめ9選を比較！特徴や強み、活用方法をそれぞれ解説

この記事では、生成AIサービスの比較や種類、それぞれの特徴や強み、具体的な活用事例について解説します。
従来の「AI」と「生成AI」との違いや、生成AIに関する企業ユーザー動向調査もあわせてお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

生成AIサービスとは？概要と基本知識を解説

生成AIサービスは、学習済みのデータを活用して新しいデータを生み出す技術で、テキストから画像や動画、音声などのデータの生成を実現します。
以下では、生成AIサービスの特徴や仕組み、従来のAIとの違い、生成AIに対する企業の対応などについて解説します。

AIによる画像生成技術の仕組みや特徴

生成AIは、ジェネレーティブAIとも呼ばれ、学習データから画像、文章、動画、デザインなどのコンテンツやアイデアを作成できる技術のことです。

生成AIは主にディープラーニング（深層学習）と呼ばれる機械学習の手法を用いており、大量のデータから特徴やパターンを学習し、新しいデータを創り出します。

一方で、生成AIを悪用されると、フェイクニュースやフェイク動画などが広まり、社会に混乱をもたらす危険性があるので、長所と短所を理解したうえで慎重に活用しましょう。

従来AIと生成AIとの違い

従来AIと生成AIとの大きな違いは、オリジナルのコンテンツを生成できるかどうかです。

従来AIは、与えられた大量の学習データの中から、適切な回答を探して提示する性質がありましたが、生成AIは0からコンテンツを生成する学習能力を備えています。

これまでのAIは人間のようなクリエイティブな成果物を生成できませんでしたが、生成AIは人間にしかできないとされていたクリエイティブな行為を実現できるようになりました。

例えば、従来AIは大量のデータから特徴や傾向を学習し予測や判別を行いますが、生成AIは画像や文章などの新しいコンテンツの創造を目的に活用できます。

 生成AIの取り組みに関する企業ユーザー動向調査

引用：日本と世界での生成AIの活用状況｜IDC Japan 株式会社（外部リンク）

IT専門調査会社のIDC Japan株式会社は、生成AIの取り組みに関する国内と世界の企業ユーザー動向調査の比較分析結果を発表しました。

2023年3月と2023年7月の調査結果の比較において、「生成AIを可能性のある適用分野について検討している」と、「AIテクノロジー投資する / している」の項目で、日本は世界よりも生成AIの活用に期待していることが示されています。

日本ではChatGPTをきっかけとして国内企業がAIの活用を再検討し、DXや業務効率化、先端AI技術の需要が高まったことから、国内の生成AIへの期待度が世界よりも高くなったと考えられます。

生成AIの種類と具体的にできること

生成AIには、テキスト生成、画像生成、動画生成、音声生成などの種類があり、用途に応じて選ぶことで、イメージした形に近い成果物を生成できます。

以下では、それぞれの性質に適した活用方法と、消費者や企業にどのようなメリットがあるのか解説します。

画像生成AI

画像生成AIは、テキストで指示をするだけで、イメージに近い画像を自動的に生成してくれるAIです。

この技術は、AIが学習したデータをもとに特徴を探したり、テキストの意味を理解したりして、最も一致率の高い画像を生成する仕組みです。

世界的に利用されている画像生成AIは、「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL·E」などが有名です。

活用方法を誤ると著作権や知的財産権を侵害する可能性があるので、注意して利用しましょう。

テキスト生成AI

テキスト生成AIは、人工知能を活用し、プロンプトと呼ばれる命令文をフォームに入力することで、自動で文章を生成してくれるAI技術のことです。

テキスト生成AIのサービスは、OpenAIが開発した「ChatGPT」、Googleが開発した「Google Bard」、Notion Labs社によって開発された「Notion AI」などがあります。

想定される利用シーンは、Webメディア向けの記事コンテンツ、商品説明、長文の要約、プログラミングなどの業務で活用できます。

動画生成AI

動画生成AIは、プロンプトで指示したイメージに近い動画コンテンツを自動で生成してくれる技術です。

動画生成は、テキスト生成や画像生成に比べ、AIの開発難易度が高いといわれていますが、最近ではクオリティの高い動画を生成できる「Gen-2」などの動画生成AIが登場しています。

現時点では数秒程度の短い動画を生成することは可能ですが、長尺の動画や高品質な動画は生成することが難しいため、人の手によって調整が行われているのが現状です。

将来的には、シンプルな動画素材を準備するだけで、字幕や音楽を付けたり、実写化をアニメーションにできたりと、編集業務の効率化が期待されています。

音声生成AI

音声生成AIは、音声データを入力することによって、音声の特徴や傾向を学習し、新しい音声を生成する技術です。

例えば、ある対象人物の声を大量に学習させると、対象人物の声のトーンや抑揚、リズムを忠実に再現し、さまざまな文章を自由に話す音声を生成することができます。

音声生成AIサービスは、OpenAIが開発した音声認識モデル「Whisper」、テキストをオーディオブックに変換する「Speechify」、音声合成ソフトウェア「Murf AI」などがあります。

音声生成AIは、緊急時のアナウンスやテレビ番組などのナレーションの読み上げなどで活用されています。

生成AIの活用事例を紹介

生成AIは、クリエイターの業務効率化やコンテンツ制作業務のサポートなど、幅広い業務で利用できます。

プロンプトの指示内容によっては、さまざまな応用が利くため、より創造性の高い業務も自動でできます。

以下では、それぞれの性質に適した活用方法と、消費者や企業にどのようなメリットがあるのか解説します。

社内データへのアクセスの仕組み作り

生成AIは、ChatGPTを活用することで、企業が保有するドキュメントやマニュアルから社内データを抽出し、自社のFAQページやサービスポータルの強化、従業員の社内トレーニングプログラムなど、業務効率化、生産性向上、働き方改革などに寄与します。

例えば、社員が会社のデータへアクセスする際、データ量が多いほど調べたい情報へアクセスする時間がかりますが、社内ナレッジとChatGPT技術とを連携した「AIチャットボット」を活用すれば、すぐに回答を自動学習により導き出すことが可能です。

文章の要約

テキスト生成AIは、文章の要約を得意としており、長文の文章であっても入力した指示や質問に対して、要点をくみ取ってコンパクトで読みやすい文章にまとめてくれます。

例えば、会議の議事録をわかりやすく要約してくれたり、情報収集やプレゼン作成などの時間を短縮できたりと、労力と時間を削減し作業効率化を図れます。

テキスト生成AIを活用すれば、人手が少なくても質の高い情報発信を行うことが可能になり、業務効率化や作業負荷の削減、顧客のエンゲージメント強化にも貢献します。

キャッチコピーのアイデアを提供

テキスト生成AIは、文章の要約以外にもキャッチコピーのアイデアも提供してくれます。

ChatGPTを活用すれば、商品やサービスの特性を理解し、それに応じたキャッチコピーを作成してくれます。

例えば、商品やサービスのキャッチコピーが思い浮かばないときに、「○○商品のキャッチコピーアイデアが欲しい」と指示すれば、いくつかのアイデアの候補を提示してくれます。

今まで思いつかなかったアイデアも、テキスト生成AIを使用すれば簡単にキャッチコピーを作成できるので、クリエイティブな業務の作業効率化につながります。

WebサイトやSNSなどの画像作成

画像生成AIでは、Webサイトの背景画像やSNSの投稿画像、Web広告などの素材を作ることもできます。

誰でも簡単にあらゆるデザインを作成できますが、利用の仕方によっては著作権侵害となる恐れもあります。
著作権法第30条の4では、特定の条件を満たす場合に著作権者の許諾なく著作物を利用することを認めていますが（文化庁「AI と著作権」（外部リンク））、認められない場合もあるので、画像生成AIサービスを業務で使用する方は注意しましょう。

プログラミング言語でのコード生成やデバッグ

テキスト生成AIでは、プログラミング言語を使用したコード生成やデバッグを行うことができます。

新しくコードを生成する際は、生成したいコードをプロンプトで詳細に指示することにより、文脈を読み取りつつ、コードスニペットや解説を出力してくれます。

ほかにもコードのバグ内容やその問題点についても指摘してくれたり、「どの箇所を間違えているのか教えてほしい」と指示すれば、詳細に解決方法を教えてくれたりします。

会議音声の文字起こし

文字起こしAIは、音声認識機能を利用して、リアルタイムで文字起こしをしてくれるツールです。

例えば、会議の内容を録音した音声データを入力すると、自動でテキスト化してくれたり、

長時間の音声を短時間で文字に起こし文章を要約してくれたりします。

音声をテキスト化しなければいけない業務や、会議が頻繁に開催される職場において重宝されます。

生成AIの商用利用について

生成AIで作った画像やイラストは学習データに依存するため、使用する生成AIサービスの利用規約で商用利用の許可があれば利用できます。

一方で、商用利用不可の創作物を生成AIの学習に使用して生成した画像やイラストは、著作権侵害に該当する可能性が高いので注意が必要です。

主要な生成AIサービス9選！特徴や強みをそれぞれ解説

主要な生成AIサービスの特徴や強みについて、それぞれ詳しく解説しますので、目的や用途に応じて自分に合ったサービスを選びましょう。

Copilot for Microsoft 365

Copilot for Microsoft 365（コパイロット）は、2023年3月に発表されたツールで、OpenAIのGPT-4をベースにした生成AI機能が利用できるAIアシスタントです。

日本では2023年11月から一般企業向けに公開され、Microsoft Excel、Word、PowerPoint、Outlookなどのソフトウェアに組み込まれたかたちで提供され、業務効率化や生産性向上を実現します。

例えば、PowerPointやPDFの資料をCopilot for Microsoft 365にアップロードして、「ここの箇所を翻訳してほしい」「ファイルをまとめてほしい」などと指示すれば、文章の要約や翻訳をしてくれます。

ほかにもメール作成や文書の作成、会議のスケジューリングなど、さまざまな業務をサポートしてくれるので、誰でもできる単純な作業を代わりに行ってくれることで、より創造的な作業に集中できます。

Microsoft Bing(ビング)

Microsoft Bing（マイクロソフト・ビング）は、Microsoftが提供するOpenAIのGPT-4をベースにした検索エンジンです。

Bingの検索エンジンは、Googleとは異なる独自の検索エンジンを採用しており、画像や動画検索がしやすく、直観的な操作ができる特徴があります。

特に動画検索に向いており、検索結果上でサムネイルが大きく表示されたり、マウスのカーソルを合わせることでプレビューが再生されたりGoogle検索より動画検索しやすいです。

Google Bard(グーグルバード)

Google Bard（グーグルバード）は、Googleが開発した生成AIです。

Google検索によってリアルタイムの最新情報にアクセスして回答を得られたり、調べたい画像をアップロードし、その画像に関する質問ができたりします。

また、拡張機能によってGmail、Google Docs、Google マップ、Googleドライブ、YouTubeなどの各種ツールと連携して利用できるので、生産性の向上が期待できます。

Perplexity AI(パープレクシティーエーアイ)

Perplexity AI（パープレクシティーエーアイ） は、無料で利用できるAI搭載の対話型検索エンジンです。

OpenAIのGPT-3.5、GPT-4（制限あり）を搭載しており、複雑な質問に対してインターネットの情報先の引用元を示したうえで的確に回答してくれるのが特徴です。

iOSとAndroidにも対応しているので、PCのみならずスマートフォンでも利用でき、どこにいても最新の情報を検索できます。

基本的に無料で利用できますが、有料プラン「Perplexity Pro」もあります。

Notion AI(ノーションエーアイ)

Notion AI（ノーションエーアイ）は、2023年2月にリリースされたNotionのワークスペース上で活用できるAIアシスタントサービスです。

文章作成や要約・リライト、タスク管理、ノーコード開発、営業メール作成、SNS投稿文の作成などの幅広い機能を備えており、業務効率化や生産性向上などのシーンで活躍します。

料金プランは無料版と有料版があり、無料版は1ユーザーあたり20回までの使用制限がありますが、有料版は月額10ドルで無制限に利用可能です。

Adobe Firefly(アドビファイアフライ)

Adobe Firefly（アドビファイアフライ）は、画像生成機能およびテキストエフェクトを中心とした生成AIです。

主な機能は、Webアプリ上でテキストから画像生成、生成塗りつぶし、テキスト効果、生成再配色、3Dから画像生成、Project Stardustなどの機能を利用できます。

Adobe Fireflyを活用すれば、Webサイトのデザイン、SNS投稿画像、テキストベースでの動画編集、画像生成などのシーンで活躍します。

プロンプトにシンプルなテキストで指示を入力すれば、デザイン初心者の方でも簡単に画像生成をしたり、アイデアを創出したりできます。

Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)

Stable Diffusion（ステーブルディフュージョン）は、入力したテキストをもとに高品質な画像を生成するAIツールです。

システムに搭載された潜在拡散モデルというディープラーニング技術を用いているので、シンプルな入力のみで、さまざまな画像を生み出すことができるのが特徴です。

例えば、エジプトのピラミッド、アマゾンのジャングル、京都のお寺、沖縄のきれいな海などを英単語で区切って入力するだけで、イメージに近い画像を生成してくれます。

また、Stable Diffusionは全世界にソースコードが公開されており、無料で使用できるうえに生成枚数に制限がないといった特徴もあります。

Midjourney(ミッドジャーニー)

Midjourney（ミッドジャーニー）は、入力した説明文に基づき、独自のアルゴリズムによって画像生成できるAIツールです。

チャットアプリのDiscord（ディスコード）を通じて、生成したい画像のイメージをテキストで入力すると、指示した内容に近い高精度の画像を生成してくれます。

主な利用シーンは、広告デザイン、商品開発、アート作品、ミュージックビデオ、広告デザイン、SNS投稿画像などで、さまざまな業務で活用できます。

初心者でも利用できる簡単な操作性や多様な用途に対応できるので、個人から企業まで幅広いニーズに利用されている画像生成AIです。

VALL-E(ヴァルイー)

VALL-E（ヴァルイー）は、音声サンプルを入力すると、その人の声を忠実に再現できるMicrosoftが開発した音声合成AIです。

たった3秒間の音声データを入力するだけで、対象者のトーンやアクセント、音響環境などを認識し瞬時に音声を合成できます。

将来的にはテレビ番組のナレーションやニュースキャスター、声優などが文章を読み上げずとも、音声合成AIに代替されていくでしょう。

VALL-Eは2023年1月に発表され、一般公開はされていませんが、RVCやso-vits-svcといった別の音声変換技術はすでにオープンソースとなっており、世界中の人が音声交換デモを聴くことができます。

生成AIサービスに関するFQA

最後に、生成AIサービスに関する疑問に回答しているので、参考にしてください。

生成AIのデメリットとは？

生成AIの活用におけるデメリットは、大きく分けると3つあります。

• フェイクコンテンツの生成
• 悪用されるリスクがある
• クリエイターの競争激化

生成AIは発展途上の技術なので、情報の解析精度が低く、利用者が生成した画像が意図せずフェイクコンテンツに該当する場合があるので注意しましょう。

また、0から新しいコンテンツを生成できるが故に、詐欺やなりすまし、尊厳を傷つける画像を生成するユーザーも中にはいるため、論理観やリテラシーの向上が欠かせません。

生成AIが普及することでコンテンツの質はより向上しましたが、誰でも簡単に生成AIを利用できるので、クリエイターの競争が激化し、雇用や収入が減る可能性が高いです。

生成AIでやってはいけないことは？

生成AIは必ずしも万能ではないので、全ての回答をうのみにしてはいけません。

差別的な思想や論理的に問題のある表現が出力される場合があるので、指示した内容に対する回答は、必ず人間が最終チェックを行いましょう。

また、画像生成AIと音声生成AIを利用する場合は、著作権に気をつけて利用してください。

著作権に抵触しないオリジナルコンテンツの作成は問題ありませんが、著作者が作成した画像をAIに学習させ、似たような画像を生成し商用利用する行為は著作権に抵触します。

生成AIの倫理的課題は？

生成AI技術が広がることで起こる課題は、偏見、差別、権利、自立性、プライバシーなどの倫理的価値に影響を与えることです。

個人の尊厳を損なわないよう、倫理的かつ透明性のある生成AIシステムの設計、運用が必要です。

まとめ

この記事では、生成AIサービスの種類とそれぞれの特徴や強みを比較し、業務で具体的にできることについて解説しました。

生成AIは、テキスト生成AI、画像生成AI、音声生成AIなど、さまざまな種類があり、業務効率化や生産性向上などのシーンで活用できます。

生成AIは有用性の高い技術である一方、まだまだ発展途上の技術なので、利用者のリテラシー向上が重要になってきます。

著作権やモラルの問題など、注意するべきポイントを押さえながら生成AIを活用していきましょう。