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【2025年最新】TensorFlowとは?できること・使い方・導入手順まとめ
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TensorFlowとは?
ここでは、TensorFlowに関する基本的な情報を解説します。
TensorFlow はどのような仕組みで動き、どんな場面で活用されているのか、全体像をつかむことで、AI開発の基礎理解がぐっと深まります。
TensorFlowの基本概要
TensorFlowとは、Googleが開発した機械学習・深層学習のためのオープンソースライブラリです。ディープラーニング(ニューラルネットワーク)を扱う代表的なフレームワークとして有名で、画像認識・音声認識・自然言語処理など、幅広いAIモデルの構築に利用できます。
TensorFlowの大きな特徴は、「テンソル(多次元配列)」を使った計算フローに基づいてモデルを構築できる点にあります。データはテンソルとしてノード間を流れ、開発者は計算グラフを組み立てることで複雑な数学的処理を効率よく実行できるのがポイントです。
また、Pythonを中心とした高レベルAPIを使えば、初心者でも直感的にモデルを設計・学習させることが可能です。研究、実務、さらにはクラウドサービスやモバイルアプリまで、近年幅広いシーンでTensorFlowが活用されるようになっています。
TensorFlowの進化
TensorFlowは、公開から以下の順で進化を遂げています。
| 年 | 出来事 | 内容・ポイント |
| 2015年 | TensorFlow リリース | GoogleがApache2.0ライセンスでオープンソース化。前身はクローズドソースのDistBelief。 |
| 2016年 | 第1世代 TPU リリース | TensorFlow と組み合わせて社内利用されるように。Google の検索アルゴリズム「RankBrain」や、地図技術「Street View」などのサービスを支える。 |
| 2017年 | TensorFlow 1.0.0 リリース | 深層学習フレームワークとして広く普及し始める。 |
| 2018年 | 第2世代 TPU を GCP でリリース | 開発者がクラウドで高速にモデルを学習・実行できる環境を提供した。 |
| 2019年9月 | TensorFlow 2.0 リリース | 使いやすさを重視した大幅アップデート。Keras API を標準化。 |
現在のTensorFlowは、ユーザーからのフィードバックを取り入れながら進化し、フレームワーク全体が大幅に使いやすく刷新されています。
特に、モデル構築や学習に直感的なKeras APIを標準搭載した点は、開発者から高く評価されるポイントになりました。
TensorFlowの仕組み
TensorFlowは、以下の仕組みで稼働します。
| 項目 | 内容 |
| データ構造 | 多次元データ「テンソル(Tensor)」を扱う |
| 計算方式 | 計算ノードをつないだ「データフローグラフ」で処理 |
| フロントエンド | Python APIでモデル構築・操作を行う |
| バックエンド | 実際の数学演算は高速なC++バイナリが実行 |
また、実行可能な環境も、以下の通り多岐に渡ります。
| 種類 | 内容 |
| ローカル | CPU / GPU上で実行可能 |
| モバイル | iOS / Androidにも対応 |
| クラウド | Google Cloudなどのクラスタ上でも稼働 |
| 専用ハード | Google Cloud TPU を利用可能 |
提供されるAPIは高レベルAPIと低レベルAPIの2種類存在します。
Google は、データパイプライン構築やアプリ開発の場合より扱いやすい高レベルAPIを推奨しているのでチェックしておきましょう。
一方で、アルゴリズムの微調整や実験には、より細かい制御が可能な低レベルAPIが便利とされています。
TensorFlowでできること
TensorFlowは単なる機械学習ライブラリではなく、幅広い用途に対応できる柔軟性が魅力です。ここでは、TensorFlowでできることを確認していきましょう。
関連記事:AIの作り方や初心者が作る前に知っておくべきこと、ポイントを解説
画像認識・分類
TensorFlowは、画像認識・分類で使われることが多いです。
例えば「この写真は犬か猫か」「この製品はどのカテゴリーに属するか」などの判定ができる他、画像の中に複数の物体が含まれる場合にそれぞれの位置と種類を同時に特定するなど、さまざまな使い方が可能です。
| 分類項目 | 内容 | 応用例 |
| 画像分類 | 画像をカテゴリーごとに分類するタスク | 猫・犬の判定、製品の種類判定 |
| 物体検出 | 画像内の複数オブジェクトを検出し、位置を特定 | 自動運転の歩行者検知、防犯カメラ解析 |
| 画像生成・変換 | 既存の画像から新しい画像を生成、スタイル変換も可能 | GANを使った顔画像生成、画像の色付け |
創作、デザイン、エンタメ分野での活用も広がっており、クリエイティブ作業と相性がよいのが特徴です。その他、画像情報を使う業務の効率化にも活用されています。
自然言語処理(NLP)
チャットボット、翻訳、文章分類などで使われることも多いです。
TensorFlowでは、RNN(再帰型ニューラルネットワーク)やTransformerなどを利用して高精度モデルを構築できます。
| 分類項目 | 内容 | 応用例 |
| 文章分類 | 文章をカテゴリーに分類 | スパム判定、感情分析(ポジティブ/ネガティブ判定) |
| 機械翻訳 | ある言語の文章を別の言語に翻訳 | 英語 ⇄ 日本語の翻訳、リアルタイム翻訳 |
| 文章生成 | 自然な文章を自動生成 | チャットボット、記事の自動作成 |
| 質問応答 | 与えられた文章や知識から質問に答える | FAQ自動応答、検索エンジンのサジェスト |
例えば、SNSの投稿が肯定的か否定的かを分類したり、テキストや知識ベースから質問に答えたりしたいときに役立ちます。
音声認識・生成
声データの解析や生成を行うAIモデルにも、TensorFlowが活用されています。
特に近年は、音声認識によって人間の話す言葉をテキスト化するシーンや、音声生成によってテキストから自然な音声を生成するシーンなどで使われています。
| 分類項目 | 内容 | 応用例 |
| 音声認識 | 音声をテキストに変換 | 音声アシスタント、会議の自動文字起こし |
| 音声合成(TTS) | テキストから自然な音声を生成 | ナビゲーション音声、読み上げアプリ、AIキャラクターの音声 |
| 音声変換・加工 | 音声の特徴を変換・加工 | 声質変更、エフェクト付き音声生成 |
人間らしい滑らかな発音やイントネーションを再現するAIや、リアルタイムでの音声認識やノイズ耐性の高い音声認識をするAIも増えています。音声コンテンツの多様化やエンタメ分野での応用が広がるとして、今後更なる進化も期待されています。
強化学習や時系列予測
株価・需要・センサー値などの時系列データ分析にも活用できます。高度な予測や最適化が必要な分野で広く使われており、実務でも応用範囲の広い領域です。
| 分類 | 内容 | 応用例 |
| 強化学習(Reinforcement Learning) | エージェントが「試行錯誤」を通じて最適な行動を学習 | ロボット制御、ゲームAI、広告最適化、自動運転 |
| 時系列予測(Time Series Forecasting) | 過去データから未来を予測 | 株価予測、需要予測、異常検知、売上予測 |
ゲームの攻略などエンタメ性の高いシーンから、自律ロボットの動作制御など業務要素の高いシーンまで、幅広く使えるのが特徴です。
TensorFlowのメリット
ここでは、TensorFlowのメリットを解説します。実務レベルのプロジェクトから研究用途まで幅広く使われている理由をチェックしてみましょう。
無料で使えるオープンソース
TensorFlowにおける最大のメリットとして、完全無料で利用できるオープンソースである点が挙げられます。
Googleが中心となって開発していますが、コードはすべて一般公開されており、誰でも自由に利用・改変できます。学生・研究者はもちろん、スタートアップから大企業まで、コストを気にせず本格的なAI開発が始められます。
Google製の信頼性と豊富なドキュメント
「Google製である」という圧倒的な信頼性も、選ばれる理由のひとつになっています。
TensorFlowは、Googleの検索・音声認識・画像解析などの実務で使われている技術をベースにしており、フレームワーク自体の安定性や性能が非常に高いです。
また、Googleは教育・普及にも力を入れており、TensorFlowのドキュメントやチュートリアルも豊富です。開発・実装まで「迷わず進める環境」が整っている点も大きな魅力といえるでしょう。
GPU/TPU対応による高速化
GPUやTPUに対応した圧倒的な高速処理ができるため、モデルの学習速度を大幅に短縮できます。
通常のCPUだけでは、ディープラーニングの学習に膨大な時間がかかります。しかしTensorFlowは、NVIDIA GPUをはじめとしたハードウェアアクセラレータに対応しているのがポイント。画像認識や自然言語処理など大量の行列演算を必要とするタスクでも、高速に処理できます。
TensorFlow Hub・Model Gardenによる再利用性
学習済みモデルを手軽に再利用できる仕組みが充実していることも強みです。
TensorFlow Hubには、世界中の研究者や企業が公開した学習済みモデルが多数登録されています。画像分類、自然言語処理、テキスト埋め込み、物体検出など用途に応じたモデルをすぐに利用でき、ゼロから学習し直す必要がありません。
同様に、TensorFlow Model GardenにはGoogleや研究コミュニティによって実装された最先端(SOTA)モデルが公開されています。業務レベルのAI開発でもよく利用されており、実績十分な技術を活用できます。
TensorFlowのデメリット
TensorFlowには多数のメリットがありますが、デメリットも存在します。どちらにも目を向けてから、導入を検討してみましょう。
初学者にはやや難解なコード構造
TensorFlowは高機能で柔軟性の高いフレームワークですが、一方で 「初心者にとって理解しづらい」 という課題もあります。
TensorFlow 2.xにはKerasが標準化され、コードの読み書き難易度が大幅に改善されましたが、それでも行列計算やグラフ構造を深く理解する必要がある点に変わりはありません。「高機能ゆえに複雑」であることが、大きなデメリットと言えるでしょう。
学習曲線がやや急
学習曲線がやや急であり、習得するまでに時間がかかることも懸念されます。
APIの種類が多くてどれを使えばいいのか迷いやすいことや、高レベル(Keras)と低レベル(TensorFlow Core)の2層構造を理解する必要があることもハードルとなります。データ前処理・モデル構築・学習・デプロイまでのステップが多いので、難解に感じられるかもしれません。
「基礎を押さえて使いこなす」ためには一定の時間と練習が必要です。
TensorFlowの導入手順
ここでは、TensorFlowの導入手順を解説します。初めてTensorFlowを触る方でも迷わず進められるよう、環境準備からインストール方法まで事前にチェックしておきましょう。
開発環境の準備
TensorFlowを導入する前に、Pythonをインストールする必要があります。
TensorFlowがサポートするPythonバージョン(例:3.9〜3.12)を確認してインストールしましょう。インストール時は「Add Python to PATH」にチェックを入れるのを忘れずに。コマンドラインからPythonを直接実行できるようになります。
その後、Python標準のvenvを使うか、Anaconda / Minicondaを使うかして仮想環境を構築しましょう。
仮想環境を使うことで、TensorFlow をインストールしても他のプロジェクト環境が壊れにくくなります。
TensorFlowのインストール方法
TensorFlowのインストールは、WindowsのコマンドプロンプトやmacOS(またはLinux)のターミナルでpipコマンドを実行しながら進めます。
【CPU版TensorFlowをインストールする場合】
<code>pip install tensorflow</code>
【GPU版TensorFlowをインストールする場合】
<code>pip install tensorflow[and-cuda]</code>
上記のコマンドを入力し、問題なく完了すればインストールは完了です。
※ Windows環境でのGPU対応はTensorFlow 2.10までとなっており、2.11以降はWSL2環境での利用が推奨されています。
TensorFlowの使い方
ここでは、代表的なTensorFlowの使い方を紹介します。
TensorFlowは、機械学習モデルの構築・学習・評価・推論まで一貫して行えるフレームワークです。実際の開発で役立つシーンも多いので、ぜひご参考ください。
Kerasによる簡易モデル構築
Keras(ケラス) を利用することで、初心者でもシンプルなコードでモデルを構築できます。
TensorFlowの中でも特に「扱いやすさ」に特化した高レベルAPIとして活用されており、複雑なAIモデルをシンプルな手順で作れるのが特徴です。
また、Kerasでは簡単なネットワークだけでなく、以下のような高度なモデルも手軽に構築できます。
| モデル種類 | 主な用途 | Kerasでの扱いやすさ |
| CNN(畳み込みニューラルネット) | 画像認識・画像分類 | レイヤーを追加するだけで構築可能 |
| RNN / LSTM / GRU | 時系列データ・文章生成 | 数行でモデルを定義できる |
| Transformer系モデル | NLP(要約・翻訳) | 高度だがKerasで直感的に設定可能 |
| 全結合ネット(DNN) | 基本的な分類・回帰 | 初心者に最も使われる |
自前のカスタム層を組み込める柔軟性やスケールしやすい運用性も、「AIモデルの入門に最適な仕組み」と呼ばれる理由となりました。
TensorFlow Hubの活用
TensorFlow Hub(TF-Hub)は、すでに学習済みのAIモデルを無料で使えるモデル配布プラットフォームです。一からモデルを作る必要がないため、開発時間を大幅に短縮できるのが最大のメリットです。
TensorFlow Hubには、多くの企業・研究機関によって公開された、高精度のモデルが多数揃っています。情報をそのまま読み込んで使えるため、初心者でも高度なAI処理をすぐに試せます。
画像分類モデルを短時間で自分用にカスタマイズしたり、カスタムテキスト分類を効率的に構築したり、開発効率が劇的に向上するのがポイントです。
TensorFlow Liteでのスマホ実装
TensorFlow Lite(TFLite)は、TensorFlowで作ったAIモデルをスマホ・タブレット・IoTデバイスなどの軽量デバイス向けに最適化するための仕組みです。Android・iOSの両方に対応しており、高速・省メモリでAIを動かせるのが最大の特徴です。
スマホ上でAIを直接実行したいときや、画像認識・音声処理など比較的重い処理でもスマホでサクサク動作させたいときに役立ちます。
まとめ
TensorFlowは、Googleが提供する強力な機械学習・深層学習フレームワークです。
画像認識・自然言語処理・音声解析・時系列予測など、さまざまなAIモデルを構築できるだけでなく、GPU/TPU対応による高速処理や、TensorFlow Hub・TensorFlow Liteなどの周辺ツールも充実しており、初心者から上級者まで幅広いニーズに応えられます。
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