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RAW現像・写真編集用パソコンとは?必要なスペックやおすすめをご紹介
RAW現像・写真編集用パソコンは、ファイルサイズが大きな高解像度の画像ファイルを大量に読み込む時やRAW現像時に大きなリソースが必要になります。
リソース(resource)とは、資質や資源、資金などを表す英単語で、パソコンにおいてはCPUやメモリの処理能力、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)の容量などを表します。
この記事では、RAW現像・写真編集用パソコンの選定のポイントや、おすすめの機種についてお伝えしていきます。
目次
目次
RAW現像・写真編集用パソコンとは
RAW画像とは
RAW画像とはカメラ内の画像エンジンを通さずに撮像素子が生成した画像データを加工しない状態で記録するモードや、そのファイル形式のことです。
Rawは英語で「生」「未処理」を意味し、撮影した生のRAW画像はフィルムカメラにたとえると現像していないフィルムと同じ状態で、その形式は、カメラのメーカーや機種によって異なるため、RAW画像に対応した現像ソフトで現像処理する必要があります。
容量の大きいRAW画像は取扱いに手間がかかる
RAW画像の大きな特長は、撮影後に露出補正やホワイトバランス調整、明暗や濃淡の調整などが自由にできることですが、反面RAW画像として記録された画像ファイルは後素数や容量が大きく、画像の取り扱いに手間がかります。
このRAW画像を現像し、写真を編集していくことに向いたパソコンが、RAW現像・写真編集用パソコンです。
RAW現像・写真編集用パソコンを選ぶ際のポイント
さっそくRAW現像・写真編集用パソコンを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
ディスプレイは最重要!5つのポイントを押さえて
1.高解像ディスプレイが必須。サイズは27型
写真編集をするうえで、高解像度のディスプレイは必須です。また大き過ぎるディスプレイは視線をあちこちに散らさなくてはならず、小さいものは表示画素数に限界があるため、27型程度のものを選択しておくと作業しやすいでしょう。
2.4Kディスプレイも最近は低価格に
また最近のカメラは多画素化が進んでいるため、可能な限り高画質のディスプレイを選択しましょう。4Kのディスプレイも最近は価格が落ち着いてきているので検討の余地があります。
3.液晶の駆動方式はIPSタイプ
液晶の駆動方式はTNタイプ、VAタイプ、IPSタイプがあります。それぞれの特徴は下記の通りです。
TNタイプ | 安価だが視野角が狭く色変化が大きい |
VAタイプ | バックライト遮断により純粋な黒を表現。TNタイプ同様、視野角が狭く色変化が大きい |
IPSタイプ | 視野角が3つタイプの中では最も広く、色変化も少ない。バックライトの透過率が高いためコントラスト比が低いのがデメリット |
IPSタイプのディスプレイを選択すれば、斜めから見ても色や明るさが変わりにくいため、姿勢によって色が違うなどの状態を回避できます。反面IPSタイプは明暗や色彩の差異を表すコントラストが弱点といわれていますが、近年この弱点も改善されてきています。
4.表面加工は目が疲れないノングレアがおすすめ
表面の加工はマットな質感のノングレア、ツルツルのグレア(光沢)の2つがあります。ノングレアの方が光の反射が少なく目が疲れにくいため、おすすめです。
5.色域は「AdobeRGB」
ディスプレイの色域については、主に「sRGB」「Adobe RGB」の2つがあります。sRGBはWindows環境における標準の色域で、Adobe RGBは、Photoshopや現像ソフトの中でも一般的なAdobe Lightroomなどを販売するアドビシステムズ株式会社によって定義された色域です。
sRGBはAdobe RGBの70%程度しか表示可能な色域がなく、特に緑色の表示が弱いため、写真編集をするならば必然的にAdobe RGBに対応したディスプレイを選択することになるでしょう。
※5ー1.(おまけ)こだわるなら「キャブリレーション」実施モデルを
液晶ディスプレイはパネルの特性や個体差などで表示される色が微妙に異なることが多いのですが、色にこだわったモデルでは工場出荷時点でsRGBやAdobeRGBといった基準値に1台ずつキャリブレーション(調整)を行っています。このキャリブレーションを実施しているディスプレイを選定することも重要です。出荷時のキャリブレーション有無については、製品の詳細情報に記載されていることが多いため確認してみましょう。
ドスパラプラスでもRAW現像に使用するPCとご一緒にディスプレイをご購入いただけます。
持ち運びやすいノートパソコンがおすすめ
一般的にはデスクトップの方が、パソコンケース内にスペースが多く拡張性に優れ、安値で高性能なパソコンが手に入ります。撮影した画像をそのまま現像する撮って出しや、撮影現場で簡単な編集だけするタイプの人は、持ち運びが簡単なノートパソコンがおすすめです。
OS:性能差は少ないが、Windows PCがおすすめ
写真編集の場合、OSは基本的にMac OSかWindows OSの2択です。従来は写真編集やRAW現像といえばMacというイメージがありましたが、最近はWindowsでも問題なく動作する写真編集ソフトが各社から多数リリースされています。
性能差がないならと、安値でパソコンを揃えられるWindowsPCを選択する方は増えています。
CPU:Core i5以上を推奨
CPUは、OSや写真編集などの各種アプリケーションを動かす役割があり、性能が高いほど作業が快適に行えます。CPUの性能で重要なのは、クロック周波数・コア数・スレッド数の3点です。
クロック周波数 | GHzという単位で表記され、数値が高いほど高速な処理ができる |
コア数 | CPU内部にある演算回路。数が多いほど平行して処理をこなせる |
スレッド数 | 同じコア内で同時に処理できる作業単位。数が多いほど平行して処理をこなせる |
コア数とスレッド数が増えると、同時に複数の処理を実行でき、処理効率がアップします。
写真編集をする際の読み込みやRAW一括現像などのスピードはCPUに依存する部分が大きいため、Core i5以上のCPUを搭載するハイクラス機種を選定すると快適に編集作業を進められるでしょう。
CPUについて詳しくは以下の記事でご説明しています。合わせてご覧ください。
メモリ:16GB以上が必要
メモリは、パソコンで処理したデータの一時保管場所としての役割を持ちます。数値が高いほど作業領域が広くなり、より多くのデータをメモリ上に保持できるようになるので、高画質の写真などの大容量データを扱っても処理落ちしにくくなります。
現像ソフト Adobe Lightroomでは16GB以上のメモリが推奨されており、その他の現像ソフトでも16GBか、それ以下のスペックが推奨されているものが多いため、16GB以上のメモリを最低限搭載するようにすれば、大きな問題はないでしょう。
メモリについて詳しくは以下の記事でご説明していますので、合わせてご覧ください。
GPU:そこまで重要視する必要はなし
GPUはパソコンにおけるグラフィックを描画する際に必要な計算処理を行う半導体チップのことです。GPUは「グラフィックボード」と呼ばれるパーツに搭載されており、GPUを動作させることによってCPUと処理を分担できるため、CPUにかかる負荷を軽減できます。
最近ではGPGPU(General Purpose Computing on GPU)という新しい技術が登場し、画像処理などに限らず、CPUのように汎用的な処理を行えるようになりました。
写真編集は動画などを操作するわけではなく、Adobe Lightroomをはじめとした現像ソフトでもGPUは積極的に使用されないため、GPUへの依存は薄くなります。そのため、GeForceやNVIDIA RTX™などの外部GPUは必ずしも搭載する必要はないでしょう。Intel Iris XeなどCPU内蔵のグラフィックスも性能があがっていますので、写真編集用途としては十分な力を発揮してくれるはずです。
GPUについて詳しくは以下の記事でご説明しております。合わせてご覧ください。
ストレージ:SSDとHDDの併用&使い分けがおすすめ
ストレージはデータを保管するための部品です。メモリがデータの一時的な保存に使われるのに対し、ストレージはデータの長期的な保管に使用されます。
メディアの種類としては、HDDとSSDの2つが主流です。
SSDはHDDよりも処理速度が速く、衝撃に強いので、メインストレージにはSSDを選択するようにしましょう。反面、価格は割高のため、ストレージを組む際にはHDDとSDDを併用し、OSやアプリケーションなど、頻繁に読み込むモノはSSDで高速処理し、素材や完成コンテンツはHDDへ大量保存といった方針をとることがおすすめ。SSDの容量は500GBはあると安心です。
ストレージについては以下の記事で詳しくご説明していますので、合わせてご覧ください。
RAW現像・写真編集用パソコンの推奨スペックとおすすめモデル
RAW現像・写真編集用パソコンにおすすめしたいスペックをまとめました。ご購入の参考にしてください。
OS | Windows 11、 Windows 10 |
CPU | Intel®Core i5、AMD Ryzen 5以上 |
メモリ | 16GB以上 |
GPU | Intel Iris Xeなど内蔵GPU |
ストレージ | 500GB SSD以上 |
以下は推奨スペックを参考にドスパラプラスで選定したRAW現像・写真編集におすすめのパソコンです。
RAW現像・写真編集用パソコンならドスパラプラスのBTOパソコン
ここで掲載したスペックはあくまでRAW現像・写真編集用機としてみたときの目安です。例えば、3000万台や4000万台にのぼる画素数の高解像度一眼レフカメラを使いたいという場合はCPUはCore i7以上あったほうが無難であるとか、それぞれの条件によって実際に必要になるスペックは違います。
「本当に自分にぴったりのパソコンがわからない!」という方は、ぜひお気軽にドスパラプラスへご相談ください。
ドスパラプラスはBTOパソコンのドスパラの法人様向けサービスブランド。お好みの構成でRAW現像・写真編集用パソコンのお見積りがかんたんにできる他、お客様のRAW現像・写真編集用パソコンに最適なモデルのご提案や選定のサポートもさせていただきます。
お問い合わせは記事最下部のお問い合わせボタンからフォームにて、またはお電話やメールでも受け付けております。
まとめ
RAW現像・写真編集用パソコンは、大量の高画質画像の読み込み時やRAW現像時に大きな負荷がかかるため、余裕のあるリソースが求められます。
必要なスペックを把握して快適な作業をしていきましょう。