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CPUとは?パソコン選びで知っておくべき要素や比較方法を解説!

パソコンを購入する際、必ず「CPU」という用語を目にすると思います。

CPUはパソコンの性能に最も大きく左右する部品であるため、パソコンを選ぶうえで最も重要な部品だといえますが、「CPUってなにもの?」「結局どのCPUを選べばいいのかが分からない」 などといった悩みがある方も多いのではないでしょうか。 

この記事では、CPUの概要、CPUの性能を測るうえで重要な要素、主要なメーカーについて解説していきます。

目次

CPUとは?パソコンにおける頭脳の役割

CPUとは?パソコン選びにおけるCPUについて分かりやすく解説!_01.jpgのサムネイル画像

CPUとは「Central Processing Unit」の略で、日本語では「中央演算処理装置」と訳します。 

主な役割としては、計算、情報の処理や他の部品の管理であり、コンピュータにおける司令塔の位置づけになります。そのため、CPUはよく人間の「頭脳」や「心臓」に例えられることが多いです。 

CPUの性能がパソコン全体に影響するため、性能面においてパソコンで最も重要なパーツだといえます。 

CPUとGPUの違いは?

CPUと混同されやすいものに「GPU(Graphics Processing Unit)」があります。

CPUがコンピュータの頭脳として機能するのに対し、GPUはグラフィック処理に特化しています。

CPUのように複雑な計算や情報の処理はできませんが、並列処理性能に優れ、高速な画像処理を実行します。

より詳細な違いを知りたい方は「CPUとGPUの違い」や「GPUとは?」の記事を参考にしてください。

CPUを選ぶうえで知っておくべき基本性能

パソコンを選ぶためには、パソコンで重要な役割を担うCPUのことをよく理解することが大事ではないでしょうか。なぜならば、CPUの性能とパソコンの性能はほぼ比例するためです。 

CPUの仕様や性能を測るためには以下の観点が存在します。 

  • コア
  • スレッド
  • クロック周波数
  • キャッシュメモリ
  • ベンチマークスコア

この章ではそれぞれのキーワードについて詳しく解説します。 

コア数

コアとはCPU内部にある演算回路のことであり、CPUの核となる部品だといえます。 

コア数が多ければ多いほど同時に演算が行えるため、処理の性能が上がります。近年は一つのCPUに複数のコアが存在することが一般的になっており、その状態を「マルチコア」と呼びます。また、コア数が1つだと「シングルコア」、2つだと「デュアルコア」と表します。 

現在、6コア「ヘキサコア」が一般的になっておりますが、中にはコアが8つある「オクタコア」の製品も販売されています。 

なお、コア数が多ければ多いほど 

  • 発熱が多くなる
  • 消費電力が多くなりノートPCであればバッテリーの持ちに影響する
  • 製造コストが高くなる

といったことが発生するため注意が必要です。 

特にCPUは高熱になると処理速度が落ちるので、CPUの温度を下げるために、パソコン内のCPUクーラーという装置で冷やします。 

CPUクーラーは、ヒートシンクと呼ばれる熱伝導性の高いアルミや銅で作られた放熱版を用いて熱を吸収し、ファンと呼ばれる扇風機のような装置を用いてCPUに風を送り込んでCPUを冷却する空冷が一般的です。 

スレッド数

コア数とあわせて確認しておきたい項目が、スレッド数です。

スレッドとは、CPU内のコアが行う仕事の単位のことを指します。 

スレッド数が多ければ多いほど、複数の処理を同時並行で作業を分担させることができるので、効率的に処理を行うことが可能です。 

かつては1コアにつき1スレッドが原則でしたが、2002年以降はIntel®社のPentium® 4 プロセッサーやXeon® プロセッサーなどのCPUで1コアにつき2スレッドで処理しています。この技術を「ハイパースレッディング」と呼びます。 

クロック周波数

クロック周波数はCPUのデータ処理速度を示す値です。CPUが1秒間に処理できる命令数を表しており、単位は「Hz(ヘルツ)」を用います。高性能化と共に数値が大きくなったことにより、MHz(メガヘルツ)やGHz(ギガヘルツ)と表現されるようになりました。

1MHzは10万Hz、1GHzは10億Hzです。クロック周波数の値が大きければ大きいほど性能が高いです。また、クロック周波数には「定格クロック」と「最大ブーストクロック」という指標があります。 

クロック周波数の指標
定格(ベース)クロック CPU内のすべてのコアが問題なく動作する速度
最大ブーストクロック PUの内のコアが最大で動作する速度

この二つの指標と照らし合わせてCPUの性能を判断できます。

CPUのコア数・スレッド数・クロック周波数の確認方法は「CPUの「コア数」「クロック数」「スレッド数」とは?」で解説しているので、あわせてご確認ください。

キャッシュメモリ

キャッシュメモリを説明する前に、まずはメモリについて説明します。メモリはデータを記憶する部品を指します。 

メモリには主に「メインメモリ」と「キャッシュメモリ」の2種類があります。 

メインメモリとは、コンピュータ内のデータやプログラムを一時的に記憶するための装置で、こちらはCPUの外にあります。 

一方でキャッシュメモリはCPUとメインメモリの間に配置される部品です。キャッシュメモリはCPUモジュールの中に実装し、アクセス頻度の高いデータや命令を保存することで処理速度を高速化しています。メインメモリより容量が少ないが、メインメモリより高速であるのが特長です。

ベンチマークスコア(CPUの性能)

ベンチマークスコアとは、コンピュータや製品がどの程度優れているかを数値化したものです。専用のソフトを用いて測定します。 

世の中にはさまざまなベンチマークの指標が存在します。“CPUベンチマークソフトウェア”と検索するとベンチマークを測るためのソフトウェアが多く存在することが分かります。各ソフトウェアの観点でベンチマークスコアが算出されており、中にはコストパフォーマンスの高いCPUを表すベンチマークも存在します。 

ベンチマークスコアの数値が高いほどCPUの性能が高いです。 

ストレージやグラフィック、パソコンの総合性能を測るソフトウェアも各種存在します。目的に応じた計測が行え、指標を得ることができます。

CPU性能の比較方法

CPU性能の比較を行う際は、ベンチマークスコアを確認しましょう。

ベンチマークの比較で便利なのが「PassMark(外部サイト)」です。

PassMarkは、CPUのシングルスレッド性能や処理性能、コストパフォーマンス、価格などを確認できるサービスで、誰でも無料で利用できます。

また、「CPUの性能比較表|2024年最新版」では、CPUの基本スペックやPassMarkのベンチマークを表でまとめています。どのCPUを導入すべきか悩んでいる方や、最新のCPUを導入するか検討している方はご参考にしてください。

CPUを選ぶ際に注目すべきポイント

CPUを選ぶ際に特に注目すべきポイントとして、メーカー・世代・グレードの3つを解説します。

これらは、前述したコア数やスレッド数、クロック周波数などの基本スペックと同様に、CPUの処理性能に関わる重要なポイントなので、しっかりと把握しておきましょう。

メーカー

CPUの代表的なメーカーには「Intel」と「AMD」の2社があります。

IntelとAMDのCPUの性能を比較した結果が、以下のとおりです。

Intel® AMD
シングルスレッド性能
マルチスレッド性能
安定性
価格

Intel製のCPUは、1スレッドあたりの処理性能を表すシングルスレッド性能に優れており、一つのタスクを効率的に素早く行いたい方におすすめです。

一方で、AMD製のCPUは、複数のタスク・アプリケーションの並列処理性能を表すマルチスレッド性能に優れているので、クリエイターに選ばれている特徴があります。

このように、メーカーによって得意分野が異なるので、用途にあわせてメーカーを選びましょう。

世代

CPUにはそれぞれ世代があり、世代が最新世代に近いほど処理性能や速度が高い傾向にあります。

2023年10月時点では、Intelは第14世代、AMDは第6世代が最新です。

また、IntelとAMDの世代の見分け方は、以下のとおりです。

世代 見分け方
Intel® 1~14 プロセッサーナンバーの先頭の数字
例:Intel® Core™ i9 9900→第9世代
  Intel® Core™ i5 124000→第12世代
AMD

1~3 プロセッサーナンバーの先頭が1~3
4 プロセッサーナンバーの先頭が5
5 プロセッサーナンバーの先頭が6
6 プロセッサーナンバーの先頭が7

このように、メーカーによってCPUの世代の見極め方に違いがあります。

CPUの型番の見方や選び方が分からない方は、上記を参考に、最新のCPUを選定するのも一つの方法なので、確認してみてください。

グレード

CPUには、世代とあわせてグレードもあり、上位のグレードほど高性能で、搭載しているコア数やスレッド数も多い傾向にあります。

IntelとAMDのグレード一覧は、以下のとおりです。

Intel® AMD
最上位モデル Core™ i9 Ryzen™ 9
ハイエンドモデル Core™ i7 Ryzen™ 7
ミドルモデル Core™ i5 Ryzen™ 5
エントリーモデル Core™ i3 Ryzen™ 3

ブラウザでの調べ物や資料作成であれば、エントリーモデルのCPUでも十分な処理速度と性能を発揮してくれますが、比較的負荷の小さいグラフィックデザインやプログラミングならミドルモデル以上のCPUがおすすめです。

また、3Dを扱うタスクや動画編集の場合は、ハイエンドモデル以上をおすすめします。

型番の見方やCPUの選び方に悩んでいる方は、上記を参考にしてください。

CPUメーカーIntelとAMDの特徴や違い

パソコン向けのCPUを製造している主要なブランドは、IntelとAMDの2社です。アメリカの調査会社Mercury Researchによると2021年第3四半期のCPUの販売台数の世界シェアはIntelが75.4%、AMDが24.6%で、この2社のみで100%となっています。 

ここから、IntelとAMDについて詳しく紹介します。 

Intel(インテル)

Intel(Intel Corporation)はアメリカのカリフォルニア州に本社を置く世界最大手の半導体素子メーカーです。アメリカのIT工業地帯で有名なシリコンバレーに位置する企業の一つです。「インテル、入ってる(英語ではIntel Inside)」のCMでなじみのある方も多いかと思います。 

Intelは1968年に後に「シリコンバレーの主」とうたわれるロバート・ノイスと将来予測の法則「ムーアの法則」を唱えたゴードン・ムーアによって設立された歴史ある会社です。現在はパット・ゲルシンガーがIntelのCEOを務めています。 

近年のIntelの主要製品は「Core i9」と呼ばれるCPUです。この製品はコア数が8つある「オクタコア」で、スレッド数が16個存在し、高速な処理を実現します。 

Intel CPUの種類・比較一覧

Intelで製造されているCPUは、Celeron® プロセッサー・ファミリー、Pentium プロセッサー・ファミリー、Core™ プロセッサー・ファミリーに大きく分類することができます。表の左から右にいくにしたがって性能は向上します。

ブランド名 Celeron® Pentium® Core™ i3 Core™ i5 Core™ i7 Core™ i9
特徴

安価なエントリーモデル。バッテリーの持ちがいいため、モバイルノート向き。

【適した用途】

  • ネットサーフィン
  • Office利用
  • 作文
  • 簡単な資料作成

Celeron®よりやや性能が向上。現行は4スレッドのため、多少のマルチタスクはこなせる。

【適した用途】

  • ネットサーフィン
  • Office利用
  • 作文
  • 簡単な資料作成

まだまだエントリーモデル。8スレッドと、スレッド数に余裕があるためテレワークに推奨できるのはこのあたりから。

【適した用途】

  • Office利用
  • WEB会議
  • WEBデザイン
  • プログラミング

一般的な用途なら難なくこなすミドルモデル。常にマルチタスクである場合は事務用途でもおすすめ。

【適した用途】

  • Office利用
  • WEBデザイン
  • 画像編集
  • 動画編集
  • 2D CAD

動画編集など高負荷処理に適したハイエンドモデル。高解像度の3Dゲームにも活用できる。

【適した用途】

  • 4K動画編集
  • 3DCG
  • 3DCAD/BIM
  • 高度な画像編集
  • ビッグデータ分析(基本的なレベル)
  • ゲーム

24コア搭載のCoreシリーズ最上位モデル。圧倒的マルチタスク性能で、3Dグラフィックゲームの配信などに利用される。

【適した用途】

  • 4K動画編集
  • 3DCG
  • 3DCAD/BIM
  • ビッグデータ分析
  • ゲーム
  • 3Dゲーム配信

AMD(エーエムディー)

AMDはAdvanced Micro Devices(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の略で、アメリカのカリフォルニア州に本社を置く世界第2位の半導体素子メーカーです。AMDは「エーエムディー」と読みます。本社はIntelと同じくシリコンバレーに位置します。 

AMDは1969年に「真の男ならファブ(工場)を持つ」というセリフを残したジェリー・サンダースが設立しました。当初はIntelの「セカンドソースメーカー」として、Intelの製品と全く同じ仕様の製品を製造していたメーカーの一つでした。その後、Intelがセカンドソースを認めず、製造資料を公開しない方針を取ったため、多くのセカンドソースメーカーが撤退する中、AMDは独自設計のCPUを製造するようになり、今の地位を築くことに成功しました。 

現在の主要製品は「Ryzen™ シリーズ」であり、Intelの「Core プロセッサ-・ファミリー」と同じく、マルチコアCPUで、Threadripperに代表される多コアプロセッサーなど独自技術も特徴です。 

AMDの最も大きな特長としては、比較的費用がIntelと比べて安価の傾向にあるため、コストパフォーマンスに優れていることが多いです。そのため、費用を抑えたい場合はAMDのCPUが搭載されたパソコンを購入することも選択の一つです。 

AMDについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

AMDとは?パソコンを選ぶ際に知りたい性能や特徴について紹介!

AMD CPUの種類・比較一覧

AMDで製造されているCPUは、Athlon™、Ryzen™に分類することができます。同じく表の左から右にいくにしたがって性能は向上します。

ブランド名 Athlon™ Ryzen™ 3 Ryzen™ 5 Ryzen™ 7 Ryzen™ 9
特徴

手頃な価格のエントリーモデル。基本的なパソコン作業に適しています。

【適した用途】

  • ネットサーフィン
  • Office利用
  • 作文
  • 簡単な資料作成

省電力性とコスト効率が魅力のまだまだエントリーモデル。

【適した用途】

  • ネットサーフィン
  • Office利用
  • 作文
  • 簡単な資料作成
  • WEBデザイン
  • プログラミング

高度なマルチタスクとライトなゲームに適したミドルモデル。性能とコストバランスが良い。

【適した用途】

  • Office利用
  • WEBデザイン
  • 画像編集
  • 動画編集
  • 2D CAD

ヘビーユーザー向けハイエンドモデル。高度なマルチタスクとゲーミング、動画編集などの性能を求められる作業に対応。

【適した用途】

  • 4K動画編集
  • 3D CAD/BIM
  • 高度な画像編集
  • ビッグデータ分析(基本的なレベル)
  • 音楽制作
  • ゲーム

16コア搭載のRyzenシリーズ最上位モデル。マルチタスク性能に優れており、3Dグラフィックゲームの配信などに利用される。

【適した用途】

  • 4K動画編集
  • 3DCG
  • 3DCAD/BIM
  • ビッグデータ分析
  • ゲーム
  • 3Dゲーム配信

さらに詳しくIntelとAMDのCPUの違いを知りたい方は、Core iシリーズとRyzenシリーズの違いを解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

CPUの型番とは

CPUを区別するのは、ブランドだけではありません。一口に「Core™ i3」といっても性能はさまざま。Core i3なのにCore i5よりも性能がいいなんていうこともあります。この現象が起きる原因は、CPUには世代やシリーズが存在するから。世代やシリーズが新しいCPUは過去の上位モデルの性能を上回ることがあります。

CPUは、その型番から製造された世代やシリーズなどを判断できます。

CPU製品名読み方.pngのサムネイル画像

例えばIntelの場合、型番は一般的に数字とアルファベットで記載されています。「Core i5-12600K」という表記は画像のように区別でき、以下のような意味合いを持ちます。 

  • Core:ブランド名(IntelのCoreというブランドを示す) 
  • i5:シリーズ名(Coreブランドのi5というシリーズを示す) 
  • 12600:プロセッサーナンバー(世代とSKUナンバーに区別できる)
  • 12:世代
  • 600:SKUナンバー(数字が大きいほど高性能)
  • K:カテゴリー(どのような機能が搭載されている、あるいは非搭載かを示す) 

より詳しい解説は「Intel Core i シリーズとは?数字の意味や違い、性能を解説!」で行っています。あわせてご覧ください。

最新CPUをドスパラでチェック!

BTOパソコン、ゲーミングPCでお馴染みのパソコン専門店「ドスパラ」では、Intel®、AMDの最新CPUを豊富なラインアップでご用意しております。CPUをご検討の際はぜひご利用ください。法人のお客様もご購入いただけます。

まとめ

CPUの性能や特長を把握することで、ご要件に合ったパソコンを導入することができます。 

ある程度のパソコンの知識が必要になるものの、問い合わせ窓口が設置されているドスパラプラスなら初心者でも安心してパソコンを導入できますのでぜひご活用ください。

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