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CPUの「コア数」「クロック周波数」「スレッド数」とは?

パソコンで重要なパーツの一つであり「パソコンの頭脳」と呼ばれるCPU。CPUの性能はパソコンの性能に直結するほど重要な役割を担います。そのCPUの性能を示す「コア数」「クロック周波数」「スレッド数」。 

しかし、「コア、クロックとはどういう意味?」「CPUの良し悪しはどこを見ればわかるの?」「数字を見ても基準がわからない」などといった疑問や悩みがあるのではないでしょうか。 

本記事では、「コア数」「クロック周波数」「スレッド数」とは何か、それぞれの違いなどについて解説します。 

CPUについて改めておさらいしたい方は以下のページを先にご確認ください。

目次

「コア数」とは

CPUの「コア数」とは

コアは頭脳そのもの

まずは「コア」とは何かについて簡単に説明します。コアは英語でCore(中核)を意味しており、CPUの中核を担う機能であり、実際に処理を行う部品のことを指します。そのため、コアはパソコンの頭脳そのものといってよいでしょう。 

コア数は作業を分担できる数

コア数はその1つのCPU内にあるコアの数を表します。コア数が多ければ多いほど、コンピューターが同時に複数のプログラムを動かす際に、複数のコアで作業を分担することが可能になりますので、処理速度が上がります。 

「シングルコア」と「マルチコア」の違い

CPUのコア数には、大きく分けて「シングルコア」と「マルチコア」の2種類があります。

「シングルコア」は、1つのCPUに対して1つのコアが内蔵されているCPUで、「マルチコア」は、1つのCPUに複数のコアが内蔵されたCPUを指します。

コア数が多いマルチコアのほうが、並列に処理できる作業が増えるため、処理性能は高いといえます。

また、マルチコアは、作業量を複数のコアに分散させられるため、1つのコアの作業量をシングルコアよりも削減でき、1コアあたりの発熱量や消費電力量を抑えられるメリットもあります。

現在は複数コア搭載が主流

かつては1CPUにつき1コアのシングルコアが主流でしたが、大手半導体メーカーのIntel®AMDが2005年6月に同時に、CPU内にコアが2つ搭載された「デュアルコア」と呼ばれる製品を発表したのがきっかけで、1つのCPUにつき複数のコアが搭載されるようになりました。 

コア数の数え方は「~コア」となるため、2つの場合は2コア、4つの場合は4コアという表現になります。2コアは「デュアルコア」、4コアは「クアッドコア」、6コアは「ヘクサコア」、8コアは「オクタコア」と呼ばれます。 

第12世代のIntel Core プロセッサーからPコアとEコアの2種類が搭載

マルチコアが主流となったのと並行して、IntelのIntel® Core iシリーズの第12世代からは、従来の処理性能に優れたPコアとあわせて、電力効率を重視して設計されたEコアが搭載されました。

Pコアが動画編集や演算処理などの高負荷なタスクを受け持つのに対して、Eコアはバックグラウンド処理を行います。

また、Eコアは省電力性に優れており、第12世代からPコアと同時に搭載されたことで、性能と低消費電力の両立が可能となりました。

CPUの「スレッド数」とは

スレッド数は1つのCPUが同時実行できるプログラム数

スレッド数とは1つのCPUが同時に実行することのできるプログラムの数のことを示します。 

スレッドは英語のThreadから由来しており、「より糸」「脈路」「筋」といった意味を持ちます。 

シングルスレッドorマルチスレッド

スレッドは「シングルスレッド」と「マルチスレッド」の2つに分類されます。 

「シングルスレッド」は一つの実行プログラムを一つのスレッドで行い、処理を並行で行わない形式のことを指します。一方「マルチスレッド」は複数の処理を並行で行うことを表します。近年のCPUは大方「マルチスレッド」で対応しています。 

マルチスレッドは並行でプログラムを実行することができるため、マルチスレッドに最適化されたアプリケーションであれば早い処理速度で動作させることが可能です。 

CPUの「クロック周波数」とは

クロック周波数は指示を処理するスピード

クロック周波数はCPUが指示されたことを処理できるスピードのことをいいます。コア数、スレッド数と同様に、CPUの性能を示す指標の一つです。 

コンピューターの世界では、情報を0と1の2つの数字で表現します。これは電気のON(1)とOFF(0)の切り替えを行っているためです。このONとOFFの切り替えが早ければ早いほど処理スピードも上がるという仕組みです。 

単位はHz。1秒間で何回振動したか

クロック周波数はHz(ヘルツ)という単位で表され、1秒間に何回振動したかを表す単位です。CPUが1秒間に何回ONとOFFの切り替えが可能かを示す指標という理解でよいです。  

例えば、最新のCPUはクロック周波数が3GHzである場合、1秒あたり約30億回ONとOFFの切り替えを行っているということになります。 

コア数、クロック周波数、スレッド数の確認方法

パソコンなどを購入する際に、企業の公式ホームページや比較サイトなどで、パソコンのスペック表に記載されていることがあります。 

一方で現在、使用されているパソコンからそれぞれの数を確認できることは意外に知られていないかもしれません。これより、コア数、クロック周波数、スレッド数の詳しい確認方法についてWindowsとMac別に紹介します。 

Windowsでの確認方法

まずは、Windows11で確認する方法を紹介します。

複数の方法で確認できるので、実行しやすいもので確認してみてください。

「システム情報」からの確認

Windows11の場合、左下のタスクバー上にある検索入力欄に「システム情報」と入力すると、「最も一致する検索結果」に「システム情報」が表示されますのでクリックします。 

クリックすると、「システム情報」アプリが表示されプロセッサという欄にCPUの情報が記載されています。

cpuコア数_1.png

例えば「Intel(R) Core(TM) i5-7300U CPU @ 2.60GHz、2712 MHz、2個のコア、4個のロジカル プロセッサ」と記載されている場合、それぞれ 

  • 2.60GHz・・・クロック周波数 
  • 2個のコア・・・コア数 
  • 4個のロジカルプロセッサ・・・スレッド数 

を表しています。

「タスクマネージャー」からの確認

Windows11の場合、左下のタスクバー上にある検索入力欄に「タスクマネージャー」と入力すると、「最も一致する検索結果」に「タスクマネージャー」が表示されますのでクリックします。または「Ctrl」と「Alt」と「Del」を同時に押すと、「タスクマネージャー」という項目が表示されますのでクリックします。 

すると「タスクマネージャー」のアプリケーションが開きます。

cpuコア数_4.pngのサムネイル画像

左横の「パフォーマンス」を選択すると基本速度(クロック周波数)、コア数、論理プロセッサ数(スレッド数)をそれぞれ確認することができます。 

「PowerShell」からの確認

Windows11の場合、左下のタスクバー上にある検索入力欄に「Windows PowerShell」と入力すると、「最も一致する検索結果」に「Windows PowerShell」が表示されますのでクリックします。

 するとWindows PowerShellと呼ばれるコマンドプロンプトのような画面が表示されます。

cpuコア数_2.pngのサムネイル画像

コマンドに以下の項目を入力するとコア数とスレッド数を取得できます。 

コマンド:WMIC CPU Get NumberOfCores,NumberOfLogicalProcessors 

Macでの確認方法

ここまでWindowsでの確認方法を紹介しましたが、Macでのコア数、スレッド数、クロック周波数の確認方法も紹介します。 

画面右上のリンゴマークのアイコンをクリックして、「このMacについて」をクリックします。 

すると、MacOSに関する情報が記載されているポップアップが表示され、プロセッサ欄にクロック周波数が「○GHz」という表記で記載されています。 

さらに、「システムレポート」をクリックするとコア数などの詳細な情報を確認できます。 

CPUでパソコンを選ぶ際のポイント、見方

コア数とクロック周波数に特に注意

CPUを選ぶ際のポイントとして、特に気にするべきなのはコア数とクロック周波数です。パソコンの用途と使い方によって、コア数ないしクロック周波数のどちらをより重視するべきかが変わります。例えば、CPUへの負荷が高いとされる動画編集や3Dモデリング、ネットゲームを行う場合は、CPUの上位モデルを選ぶとよいでしょう。8コア(オクタコア)以上のCPUを選べば間違いないです。 

ネットの閲覧やWeb会議、文書編集を主に利用される場合は、コストパフォーマンスを加味すると2~6コアの下位、ミドルレンジモデルのCPUで十分です 

CPUはメーカーやブランドから選ぶのも方法の一つ

CPUは、コア数・スレッド数だけでなく、IntelやAMDなどのメーカー・ブランドから選ぶのも方法の一つです。

今回は、CPUの主要メーカーであるIntelの「Core iシリーズ」とAMDの「Ryzenシリーズ」のブランドを紹介します。

エントリーモデル「Core i3」「Ryzen 3」

Intel® Core i3シリーズAMD Ryzen 3シリーズは、両ブランドの中でエントリーモデルにあたります。

現在発売されているものの中で最新の第13世代のCore i3シリーズは、コア数が4コア〜8コア、スレッド数が8〜12、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が4.1GHz〜4.6GHzで設計されています。

Ryzen 3シリーズは、最大4コア8スレッド、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が4.7GHzです。

Webサイトでの調べ物や資料作成などの一般的なビジネス用途では十分なパフォーマンスを発揮します。

また、Core i3シリーズには、Intel® Core i3-13100Intel® Core i3-13100FなどのCPUがあります。Core i3に関しては、最新世代である14世代CPUは2023年11月現在は未発売となっています。

ミドルモデル「Core i5」「Ryzen 5」

Intel® Core i5シリーズAMD Ryzen 5シリーズは、両ブランドのミドルモデルに位置づけられます。

最新の第14世代のCore i5シリーズは、14コア20スレッド、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が5.3GHzで設計されており、Core i3シリーズを大きく上回っています。

Ryzen 5シリーズは、最大6コア12スレッド、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が5.3GHzです。

高いマルチスレッド性能と省電力が両立されており、動画編集やグラフィックデザインなどでも利用できます。

また、Core i5シリーズには、Intel® Core i5-13400Intel® Core i5-13400FなどのCPUがあり、最新版は14世代となっています。気になる方はリンク先から製品ページをご覧ください。

ハイエンドモデル「Core i7」「Ryzen 7」

Intel® Core i7シリーズAMD Ryzen 7シリーズは、両ブランドのハイエンドモデルにあたります。

第14世代のCore i7シリーズは、コア数が20、スレッド数が28、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が5.6GHzです。

Core i5シリーズと比べて消費電力は高めですが、動画編集や3Dレンダリングで高い処理性能が期待できるため、より性能を重視して設計されたCPUを求めている方におすすめです。

Core i7シリーズには、Intel® Core i7-13700Intel® Core i7-13700Fなどがあり、最新版は14世代となっています。ぜひ参考にしてください。

また、Ryzen 7シリーズは、最大8コア16スレッド、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が5.4GHzです。

最上位モデル「Core i9」「Ryzen 9」

Intel® Core i9シリーズAMD Ryzen 9シリーズは、両ブランドの最上位モデルのシリーズです。

第14世代のCore i9シリーズは、コア数が24、スレッド数が32、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が6.0GHzと、それぞれが各ブランドで高い数字を誇ります。

Ryzen 9シリーズは、最大16コア32スレッド、クロック周波数(ターボ・ブースト利用時の最大周波数)が5.7GHzです。

一般的なビジネスシーンではオーバースペックとなってしまうほどの性能で、CPUへの負荷が大きいクリエイティブタスクや3Dゲームを快適に行えます。

また、Core i9シリーズのCPUには、Intel® Core i9-13900KIntel® Core i9-13900KFなどがありがあり、最新版は14世代となっています。

ほかのCPUとあわせて性能を比較し、用途に合ったものを選定してみてください。

ワークステーション・サーバー用途向け「Xeon」

Intel® Xeon® シリーズは、ワークステーションやサーバー向けのブランドです。

Core iシリーズは、家庭やビジネス用途での使用を想定して設計されているのに対し、Xeonシリーズは、業務用サーバーやワークステーションでの使用に特化しています。

コア数が多いのが特徴で、最大で60コアを搭載しており、4Kや8Kなどの高解像度の画像・映像処理や、ゲームの開発などの作業も効率よく行えます。

また、Xeonシリーズには、Intel® Xeon® SilverシリーズIntel® Xeon® Silver 4310や、Intel® Xeon® GoldシリーズIntel® Xeon® Gold 5222など、さまざまなCPUがラインナップされています。

Xoen搭載ワークステーション販売中

まとめ

CPUはコア数、スレッド数、クロック周波数の数値を確認することでCPUの性能を把握することができます。これらの数値をチェックして、「今利用されているパソコンが用途に合っているのか」「今後購入予定のパソコンに必要なCPUの性能はどれくらいか」などについて理解したうえでパソコンを選びましょう。 

PCの購入で悩まれている方は、ぜひ一度ドスパラプラスにご相談ください。

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