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CPUを交換する手順とは?注意点や交換の前後でやるべきことも解説
CPUの交換は、パソコンの性能を向上させるための効果的な方法のひとつです。特にデスクトップパソコンの場合、適切なCPUを選ぶことで、ゲームやソフトの処理速度が大幅に改善されることがあります。この記事ではCPUを交換するメリットや手順、注意点などを解説します。また、CPUを交換する前と後にやるべきことについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
目次
CPUを交換するメリット
パソコンのCPUを交換することで、さまざまな効果を得られます。ここでは、CPUを交換するメリットについてご紹介します。
最新のソフトやOSでも快適に動作できる
古いCPUを新しいモデルに交換することで、性能が向上します。これにより、起動やシャットダウンの速度を速めるだけでなく、最新のソフトやOSも快適に動作するようになるため、動画編集や3Dモデリングなどの重たい作業もスムーズに行うことが可能です。
不具合を解消できる
CPUの劣化や故障により、フリーズや電源が落ちるなどの不具合が起きることがあります。そこで、高性能なCPUに交換することで、これら不具合が解消され、多くのタブやソフトを同時に使用してもスムーズに動作するようになります。また、長期間の使用によるデータ蓄積で動作が遅くなったパソコンも、CPUの交換で速度を改善できます。水没などの物理的なトラブルから復旧する場合にも、CPUを交換すると直る可能性があります。
Windows Updateでの不具合が減る
古いCPUでは、Windowsのアップデートがあるとパソコンが遅くなりがちです。特に、作業中のアップデートはパソコンが重くなり、パフォーマンスの低下やフリーズなどの不具合が発生しやすくなります。CPUを交換することで、不具合を起こさずに、Windowsのアップデートもスムーズに行えるようになります。
新しく購入するより費用がかからない
新しいパソコンへ買い替えることで、多くの不具合を一度に解消できますが、それには費用の負担がともないます。一方、CPUだけを交換する場合、買い替えよりかかる費用が少なく、性能の向上も期待できます。CPUの交換で、新品を購入するのと同様の動作を体感できるでしょう。
CPUを交換する前にやるべきこと
ここでは、CPUを交換する前にやるべきことをご紹介します。
CPUとソケットの対応を確認する
CPUの交換には、対応しているソケットが同じCPUを選ぶことが大切です。CPUの情報は、エクスプローラーの「PC」で右クリックし、「プロパティ」を選択することで確認できます。これをもとに、メーカーの公式サイトで対応するソケットを調べましょう。
マザーボードが対応しているか確認する
マザーボードが新しく導入するCPUに対応している必要があります。マザーボードの型番は、マザーボード本体やマザーボードの空箱から確認できます。また、フリーソフトの「CPU-Z」を使用すれば、マザーボードとCPUの型番を調べられます。新しいCPUを購入する際には、マザーボードのメーカー公式サイトから、使用しているマザーボードが新しいCPUに対応しているかを事前に確認しておきましょう。
BIOSのバージョンを確認する
BIOSのバージョンがマザーボードやCPUをサポートしている必要があるため、現在のBIOSのバージョンを確認し、マザーボードメーカーの公式サイトから更新の必要があるかを確認しましょう。BIOSは基本的なデータの読み書きや接続機器の入出力を管理しており、不適切なバージョンでCPUを交換するとパソコンに不具合が起きる可能性があります。
CPUの交換に必要なものを用意する
CPU交換には、新しいCPUや熱伝導グリス、グリス塗布用のヘラが必要です。ただし、リテール品のCPUを購入した場合は、グリスが塗布済みのクーラーが付属しているため、グリスやヘラは不要になります。また、パソコン内部のホコリを掃除するためのエアダスターや掃除機などの掃除用具と、必要に応じて静電気防止手袋も用意しておくとよいでしょう。
CPUを交換するときの手順
ここでは、CPUを交換するときの手順をご紹介します。
パソコンを放電し、適切な開け方でケースを開ける
CPU交換を始める前に、まずは安全のためパソコンの電源を完全に切り、すべてのケーブルを抜いてください。電源が切れてから10分程度待つことで、内部の電気が自然に放電されます。パソコンのケースを開ける際は、無理に力を加えず、ケースの構造を理解したうえで慎重に開けましょう。ケースの開け方はモデルによって異なるため、スライドで開くのか、ねじ留めされているのかなどを確認することが大切です。
パソコン内部のホコリを掃除する
ケースを開けたら、次に内部のホコリをしっかりと取り除く必要があります。エアダスターや掃除機、やわらかいブラシなどを使って、パーツを傷つけないようにホコリを掃除してください。ホコリが多いと放熱性が悪くなり、故障の原因となります。
CPUクーラーを取り外す
CPUクーラーを取り外す際は、CPUクーラーの電源ケーブルを抜き、マザーボードに固定されているねじをドライバーで均等に緩めていきます。取り外し方はCPUのメーカーによって異なるため、作業前に必ずメーカーの案内を確認しましょう。
CPUを取り外す
CPUをソケットから取り外す際は、まずソケット内にごみが入らないように注意が必要です。CPUを取り外す前に、ソケットの留め具であるレバーを外します。その後、CPUを持ち上げてソケットから引き上げます。このときに無理な力を加えず、CPUを落として破損することがないように丁寧に扱いましょう。
CPUを取り付け、グリスを塗る
新しいCPUを取り付ける際は、まずソケットの形状とCPUが合っているかを確認し、傷つかないようにソケットに装着します。次に、CPUの表面に豆粒大のグリスを塗り、表面を覆うように均一にのばします。このときに指で塗ると不純物がグリスに付着する恐れがあるため、必ずヘラを使って塗布しましょう。リテール品の場合はグリスの塗布は不要です。
CPUクーラーを取り付ける
同じCPUクーラーを再度使用する場合は、CPUクーラーについている古いグリスをきれいに拭き取りましょう。ティッシュで拭き取れない場合は、無水エタノールを少量含ませたティッシュで拭くと効果的です。CPUクーラーを取り付ける際は、マザーボードの対応する穴に対角線の順番でねじを装着します。CPUクーラーの電源ケーブルをマザーボードに接続してからパソコンのケースを閉じましょう。
CPUを交換するときの手順
ここでは、CPUを交換する際の注意事項をご紹介します。
ほかのパーツへの接触や静電気に注意する
CPUの交換時は、特に慎重な取り扱いが求められます。CPUソケットは非常にデリケートで、ほかのパーツに軽く触れただけでも損傷の原因になることがあります。内部が見えにくい場合はルーペを使用するか、スマートフォンで写真を撮って拡大するなど、細部まで注意深く確認しながら進めましょう。
また、メモリやマザーボードなど、静電気に弱いパーツもあるので、CPUを取り付ける際はほかのパーツに触れないよう注意しましょう。静電気防止手袋を使用することは、安全な作業を行うために効果的です。
メーカーの保証を受けられなくなる
自分でCPUを交換することはパソコンの改造行為と見なされ、メーカー保証の対象外になります。保証期間内に何か問題が生じた場合、保証を受けられなくなるため、保証期間が残っているうちはCPU交換を避けることをおすすめします。また、CPUの交換は誤った取り扱いによりパソコンが故障するリスクがともないますので、自己責任で行いましょう。
マザーボードが対応しているCPUのみ使用可能
搭載するCPUは、使用するマザーボードによって決まります。各メーカーのCPUは特有のソケット形状を持っており、マザーボードが対応しているCPUのみ搭載可能です。そのため、Intel® Core™ i シリーズとAMD Ryzen™ シリーズの間での交換は不可能です。Intel®製品とAMD製品は互換性がないため、CPUを購入する際には、必ず現在のマザーボードと互換性があるかを確認しましょう。
ノートパソコンのCPU交換は推奨できない
CPUの交換はデスクトップパソコンであれば可能ですが、ノートパソコンのCPUは基本的に交換できないと考えるのがよいでしょう。ノートパソコンのCPU交換には専門的な技術や知識が必要です。市場にあるノートパソコン用のCPUも非常に限られているため、ノートパソコンのCPUに問題が生じた場合は、本体の買い替えを検討するとよいでしょう。
CPUを交換した後にやるべきこと
ここでは、CPUを交換した後にやるべきことをご紹介します。
パソコンを起動し、BIOSのメッセージを確認
マザーボードによってはパソコンの起動後にBIOSから新しいCPUの認識に関するメッセージが表示されることがあります。この場合は表示された指示に従い、「F1」キーを押してBIOS設定画面に入り、「SAVE」で設定を保存してから「EXIT」で退出しましょう。
CPUの交換が正常にできているかを確認
パソコンが正常に起動したら、エクスプローラーの「PC」で右クリックし、「プロパティ」を開いてCPUの情報を確認します。新しく装着したCPUの名前が表示されていれば、正常に交換できています。また、システム情報(外部サイト)でも同様の情報を閲覧できます。
CPUクーラーが正常に取り付けられているかを確認
CPUクーラーの取り付けが不適切だと、CPUの温度が上昇し、パソコンが故障する原因になります。そのため、パソコンの起動後にWindowsの標準機能である「パフォーマンス モニター」を利用してCPUの温度を確認しましょう。
専門業者によるCPUの交換にかかる費用
CPU交換を自分で行うのが難しい場合、専門の修理業者に依頼する方法があります。交換費用は業者によって異なりますが、一般的には工賃が4,000円〜10,000円ほどで、これに部品代(CPU代)が加算されるのが相場となっています。
CPU交換後にパソコンの電源が入らないときの対処法
ここでは、CPU交換後にパソコンの電源が入らないときの対処法についてご紹介します。
ディスプレイの電源やケーブルなどを確認
CPU交換後にパソコンが起動しない場合、まずディスプレイの電源が入っているかを確認してください。ディスプレイの電源コードがしっかりとコンセントに接続されているか、HDMIやほかのケーブルがしっかりと挿し込まれているかもチェックしましょう。また、CPUの交換が正常にできていないと、パソコンが動かなくなることがあります。
BIOSのバージョンを確認
BIOSのバージョンが最新であることを確認しましょう。古いバージョンのBIOSでは新しいCPUをサポートしていない場合があり、パソコンが起動しなくなります。問題が発生した場合は、元のCPUに戻してBIOSを更新し、その後に新しいCPUを再度取り付けましょう。
熱暴走が起きていないかを確認
CPUクーラーが適切に取り付けられていない場合、CPUが冷却されず、熱暴走を引き起こす可能性があります。CPUクーラーの接続や熱伝導グリスの塗布状況を再度確認してください。グリスの塗り忘れがあると、高温になりやすくなります。
マザーボードとCPUに互換性があるかを確認
CPU交換後にパソコンが起動しない原因として、マザーボードとCPUの互換性がない場合があります。マザーボードの仕様と購入したCPUに互換性があるかを確認しましょう。互換性がないCPUを誤って購入していた場合は、適合するCPUを購入するか、マザーボードを交換する必要があります。
CPUの交換に関するよくある質問
ここでは、CPUの交換に関するよくある質問をご紹介します。
ゲーミングノートパソコンのCPUは交換できる?
ゲーミングノートパソコンにおいては、CPU交換は基本的に推奨されません。市場に流通するノートパソコン用のCPUは非常に限られており、入手できても大幅な性能の向上は期待できません。メモリやストレージの場合は交換・増設が可能です。
ノートパソコンのCPU交換はできる?
多くのノートパソコンでは、コスト削減やパーツの小型化を目的として、CPUはマザーボードに直接はんだ付けされているため、交換は困難だといえます。プロの修理技術者であっても交換は難易度が高いため、前述したとおりノートパソコンのCPU交換は推奨されません。それでも個人で解決したい場合は、以下の方法で交換を行えます。
ノートパソコンのCPU交換方法
ノートパソコンに搭載されているCPUには「はんだ付けマザーボードに直付け」と「ソケット式で抜き挿し可能」の2種類があります。ここでは後者の方法を紹介します。
- ノートパソコンを裏返してバッテリーを取り外して、底面のカバーを開けます。
- CPUソケットと冷却ファンのねじを取り外し、冷却ファンとCPUを取り出します。
- 新しいCPUを装着後、熱伝導グリスを適切に塗布し、冷却ファンを取り付けてカバーとバッテリーを戻します。
- パソコンが正常に起動するかを確認します。
この作業は高度な技術が必要であり、間違った操作をするとパソコンを損傷するリスクがあるため、自己責任で慎重に行う必要があります。
ドスパラでは、CPUの交換・アップグレードサービス(外部サイト)を実施しています。お客様の問題・目的に合わせたCPUをご提案していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、CPUの交換についてご紹介しました。CPUの交換はデスクトップパソコンにおいては性能の向上などに効果的ですが、ノートパソコンでは技術的な制約やリスクがあるため、一般的に推奨されません。CPUを交換する際は、CPUのソケットやマザーボード、BIOSのバージョンなどを確認し、保証の対象外になることも認識してから慎重に作業を進めましょう。