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Core i7-13700とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Core™ i7-13700」のスペックや特徴について解説します。
Core i7-13700のベンチマークや後継機種であるCore i7-14700を搭載したおすすめパソコンもあわせてお伝えするので、どのCPUを採用しようか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Core i7-13700の基本スペック
Intel® Core™ i7-13700 | |
製品コレクション | 第 13 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Raptor Lake |
プロセス | 10 nm |
コア数 | 16(Pコア8+Eコア8) |
スレッド数 | 24 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.2GHz |
メモリの種類 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 30MB |
対応ソケット | FCLGA1700 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 |
TDP | 65W |
発売日 | 2023/1 |
Intel® Core™ i7-13700は、アメリカの半導体メーカー「Intel」が開発したCPUです。
Intel® Core™ iシリーズの中ではIntel® Core™ i7シリーズにあたり、従来モデルのIntel® Core™ i7-12700の後継として登場しました。
下位グレードのIntel® Core™ i3シリーズやIntel® Core™ i5シリーズからグラフィックス処理性能や並列処理性能を強化されており、動画編集やエンコード、3Dレンダリングなど幅広い用途に対応できるのが特徴です。
また、Core iシリーズには、Core i7-13700の下位モデルのIntel® Core™ i5-13400や、上位モデルのIntel® Core™ i9-13900など、さまざまな種類の製品があります。
この記事では、同シリーズのほかの製品や競合製品と比較した結果もお伝えするので、ぜひ選定の参考にしてください。
なお「CPUの性能比較表|2024年最新版」では、比較対象となる基本スペックやCPUの性能目安となるPassMarkのベンチマークスコアを製品別で比較してご覧いただけます。どのCPUを導入すべきか悩んでいる方や、最新のCPUを検討している方は参考にしてください。
Core i7-13700はどのような用途におすすめ?
Core i7-13700の魅力のひとつは、16コア24スレッドを搭載している点です。
高い並列処理性能や演算性能を備えているため、動画編集やRAW現像、Webデザイン、DTMなどのクリエイター向けの作業で高いパフォーマンスを発揮します。
ただし、動画視聴やWebサイトの閲覧、ビジネスメールのやり取りといった用途ではオーバースペックになる場合もあります。
比較的負荷の軽い作業は、Core i3シリーズやCore i5シリーズなどの下位モデルでも十分な性能を発揮するので、これからCPUを選定する方は、用途に合わせて、適切なモデルを選択することで、コストパフォーマンスを追求できるでしょう。
Core i7-13700のスペック比較
Intel® Core™ i7-13850HX | Intel® Core™ i7-13700 | Intel® Xeon® Gold 6248R | |
製品コレクション | 第 13 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 13 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Raptor Lake | Raptor Lake | Cascade Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 20(Pコア8+Eコア12) | 16(Pコア8+Eコア8) | 24 |
スレッド数 | 28 | 24 | 48 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 2.1GHz | 3.0GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.3GHz | 5.2GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
DDR5 5600 DDR4 3200 |
DDR4-2933 |
キャッシュ | 30MB | 30MB | 35.75MB |
対応ソケット | FCBGA1964 | FCLGA1700 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 5.0 and 4.0 | 3.0 |
TDP | 55W | 65W | 205W |
発売日 | 2023/1~3 | 2023/1 | 2020/1~3 |
Core i7-13700のスペックを、Intel® Core™ i7-13850HXと、Intel® Xeon® Gold 6248Rとで比較してみていきます。
Core i7-13850HXは、Core i7-13700と同じ13世代のCore i7のCPUで、両製品ともRaptor Lakeのアーキテクチャを採用しています。
コア数やスレッド数、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Core i7-13850HXがCore i7-13700をわずかに上回っており、消費電力もCore i7-13850HXの方が10W少ない55Wです。
基本スペックでは大きな性能差はみられませんが、後ほどCPUの定量的測定結果を表すベンチマークも解説するので、より細かい性能差を比較したい方は、あわせてご確認ください。
次に、Core i7-13700と同じIntel製のXeon Gold 6248Rと比較します。
コア数・スレッド数はXeon Gold 6248Rが上回っていますが、Xeon Gold 6248Rには、電力効率を重視したEコアが搭載されていません。
Eコアが搭載されていない場合、低負荷時や軽いタスクの際にも通常の高性能コアが動作するため、消費電力は上がる傾向があり、実際にXeon Gold 6248Rの消費電力は、Core i7-13700より140Wも高い205Wです。
省電力性を重視したい方には、Core i7-13700をはじめとしたEコアが搭載されたCPUをおすすめします。
特にクリエイティブシーンで負荷の大きいアプリケーションを使用する方は、Eコアの有無に注目しておくとよいでしょう。
また、最新のCPUは省電力技術が進化しており、通常のコアでも低負荷時にはクロック周波数を下げるなどして消費電力を抑える動作をする場合があります。
そのため、Eコアの有無だけが消費電力に影響を与える要因ではなく、CPUのアーキテクチャや設計によっては異なる場合があることも押さえておきましょう。
Core i7-13700とAMD Ryzenシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 9 3950X | Intel® Core™ i7-13700 | AMD Ryzen™ 7 7700X | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 9 Desktop Processors | 第 13 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 Processors |
開発コード名 | Matisse | Raptor Lake | Raphael |
プロセス | 7 nm | 10 nm | 5 nm |
コア数 | 16 | 16(Pコア8+Eコア8) | 8 |
スレッド数 | 32 | 24 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.5GHz | 2.1GHz | 4.5GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.7GHz | 5.2GHz | 5.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
DDR5 |
キャッシュ | 64MB | 30MB | 32MB |
対応ソケット | AM4 | FCLGA1700 | AM5 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 5.0 and 4.0 | 5.0 |
TDP | 105W | 65W | 105W |
発売日 | 2019/11 | 2023/1 | 2022/9 |
競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 9 3950Xのコア数は16と、Core i7-13700と同じ搭載数ですが、スレッド数は32でCore i7-13700より8スレッド多く搭載されています。
また、プロセッサー・ベース動作周波数とL3キャッシュ容量は、Ryzen 9 3950Xが大きく上回っているため、負荷の大きいアプリケーションや大量のデータの処理、高速な演算処理が必要なケースで高い処理速度を保ちたい方は、Ryzen 9 3950Xがおすすめです。
一方で、Ryzen 9 3950Xの消費電力は105Wと、Core i7-13700より40W高いため、消費電力が気になる方は、そのほかの基本スペックを加味したうえでコストパフォーマンスに優れたCPUを選びましょう。
次に、AMD Ryzen™ 7 7700Xと比較すると、コア数・スレッド数はCore i7-13700が上回っていますが、プロセッサー・ベース動作周波数とターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Ryzen 7 7700Xの方が優れています。
加えて、Core i7-13700と同様に、従来のDDR4から転送速度が向上したDDR5に対応していることから、処理速度や転送速度に優れたCPUだとわかりました。
CPUの選定に悩んでいる方は、上記のように競合の製品と性能を比較し、より用途に合った最適なCPUを導入しましょう。
Core i7-13700の特徴
Core i7-13700の特徴を3つ解説します。
従来モデルとの性能差や、高性能であるがゆえのデメリットをお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
従来モデルのCore i7-12700からスペックが大幅に向上
Core i7-13700は、従来モデルのCore i7-12700から大幅なスペックアップがみられたことで、さまざまな用途で採用されています。
Intel® Core™ i7-13700 | Intel® Core™ i7-12700 | |
製品コレクション | 第 13 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm |
コア数 | 16(Pコア8+Eコア8) | 12(Pコア8+Eコア4) |
スレッド数 | 24 | 20 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.2GHz | 4.8GHz |
メモリの種類 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
DDR5 4800 DDR4 3200 |
キャッシュ | 30MB | 25MB |
対応ソケット | FCLGA1700 | FCLGA1700 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 5.0 and 4.0 |
TDP | 65W | 65W |
発売日 | 2023/1 | 2022/1 |
Core i7-13700のコア数は、Core i7-12700からEコアが4コア増えて16に増量され、これに伴いスレッド数も20から24に増えています。
ターボ・ブースト利用時の最大周波数も4.8GHzから5.2GHzへ向上し、L3キャッシュ容量も5MB増えています。
これらのスペック向上がありながら、消費電力は65Wのままである点も注目ポイントでしょう。
また、CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingを比較しても、Core i7-13700のスコアは38746と、Core i7-12700のおよそ125%の数値です。
前世代のオーバークロック対応モデルCore i7-12700Kを上回る性能を持つ
Core i7-13700は、前世代のオーバークロック対応モデルにあたるIntel® Core™ i7-12700Kを上回る性能を持っています。
PassMarkのCPU Mark Ratingを比較すると、Core i7-13700のスコアは、Core i7-12700Kの111%の数値で、大きな性能差がみられます。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingもみてみると、Core i7-13700のスコアは4182で、Core i7-12700Kの103%と向上がみられました。
プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、オーバークロック対応モデルのCore i7-12700Kが上回っていますが、CPUの全体的なスペックやシングルスレッド性能を重視する方は、Core i7-13700がおすすめです。
高性能であるためMTPも高め
Core i7-13700は、高性能であるがゆえに、MTPが高めです。
MTPとは、CPUがブースト時(CPUの最大パフォーマンスを発揮したとき)に消費される電力のことで、負荷の大きい作業を行う頻度が高い方は注目しておきたい指標です。
Core i7-13700のMTPは219Wと、従来モデルのCore i7-12700の180Wより39W、オーバークロック対応モデルのCore i7-12700Kの190Wより29Wも高い数値です。
少しでも消費電力を抑えたいという方は、TDPだけでなく、MTPにも注目するようにしましょう。
また、CPUは、プロセスの進化やアーキテクチャの改良によって高い性能と電力効率を維持していくため、Core i7-13700はMTPが高めでしたが、今後の進化も期待されています。
Core i7-13700のベンチマーク
Core i7-13700のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Core i7-13700の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingは、CPUの総合的な性能を数値化したベンチマークスコアです。
Core i7-13700のスコアは38795と、オーバークロック対応モデルのIntel® Core™ i5-13600Kや、Xeon Gold 6248Rを上回る数値でした。
Intel® Core™ i5-13600Kは、Core i7-13700と同じIntel Core iシリーズの同世代にあたるCPUですが、Core i7より1グレード下位のCore i5のCPUであるため、性能差がみられたと考えられます。
一方で、ゲーミングやワークステーション向けのCore HXシリーズのCore i7-13850HXや、競合のRyzen 9 3950Xと比較すると、Core i7-13700はわずかに下回るスコアです。
このように、CPUには同社製であってもさまざまなシリーズがあり、それぞれで特徴や性能は異なるので、用途が決まっている方は、用途に合った製品のベンチマークを比較するようにしましょう。
PassMark(CPU Value)
CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきます。
Core i7-13700のスコアは110.7と、5つの製品の中ではCore i5-13600Kに次いで高い数値でした。
特にXeon Gold 6248Rとの差が大きく、Core i7-13700のスコアはXeon Gold 6248Rの570%の数値です。
CPU Mark Ratingでは下回っていたCore i7-13850HXや競合のRyzen 9 3950Xと比較しても、Core i7-13850HXの121%、Ryzen 9 3950Xの130%の数値で、大きな差がみられます。
CPUの選定にあたってコストパフォーマンスを重視したい方は、上記のように複数の製品のCPU Valueを比較してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
CPU Single Thread Ratingは、CPUのシングルスレッド性能を数値化したベンチマークスコアです。
Core i7-13700のスコアは4181と、Core i5-13600Kに並んで5つの製品の中で最も高い数値でした。
CPU Valueと同様に、Xeon Gold 6248Rとの性能差が最も大きく、Core i7-13700のスコアは、Xeon Gold 6248Rの182%の数値で、Core i7-13850HXの107%、Ryzen 9 3950Xの154%の数値でした。
ビジネスシーンやクリエイティブシーンで単一の負荷の大きいアプリケーションを快適に使用したい方は、上記のようにCPUのシングルスレッド性能を確認して導入すれば、より最適なCPUを選定できるでしょう。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Core i7-13700の消費電力は65Wと、Core i7-13850HXの55Wに次いで優れた数値でした。
同世代のCore i5-13600Kと比較すると、60Wもの差があります。
Core i5-13600Kをはじめとした、品番の末尾にKがついたオーバークロック対応モデルは消費電力が高めな傾向があるため、消費電力を抑えて運用したい方は、Core i7-13700のような無印モデルか、末尾にTのついた省電力モデルをおすすめします。
PassMarkのベンチマークスコアや消費電力を製品別で比較したい方はこちら
Core i7-13700を使用している方の口コミ・評価
Core i7-13700を使用している方の口コミ・評価を紹介します。
問題無く利用できてます。
※ドスパラ通販サイトより引用
Core i7-13700をスペックに不足はなく、問題なく利用できていることがわかりました。
その他の口コミ・評価は、随時掲載していきます。
ドスパラでCore i7-13700をご購入いただけます
以下リンクからCore i7-13700がご購入いただけます。合わせてご覧ください。
※名称末のアルファベット(K、KFなど)の違いはこちらで解説しています。合わせてご覧ください
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Core i7-13700」のスペックや特徴、ベンチマークを解説しました。
Core i7-13700は、従来モデルのCore i7-12700からコア数やターボ・ブースト利用時の最大周波数、L3キャッシュ容量などのスペックが向上しています。2024年1月現在最新世代のi7-14700は、13世代と変わらず消費電力65Wと抑えられているので、コストを抑えて運用したい方にもおすすめです。
動画編集やWebデザイン、DTMなどのクリエイター向けの作業で高いパフォーマンスを発揮するため、特にCPUの選定に悩んでいるクリエイターの方は、この記事を参考に導入を検討してみてください。