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Xeon Gold 5222とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Gold 5222」のスペックや特徴について解説します。

Xeon Gold 5222のベンチマークをほかのCPUと比較した結果や、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、どのCPUを導入すべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

Xeon Gold 5222の基本スペック

Intel® Xeon® Gold 5222
製品コレクション 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake
プロセス 14 nm
コア数 4
スレッド数 8
プロセッサー・ベース動作周波数 3.8GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 3.9GHz
メモリの種類 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 16.5MB
対応ソケット FCLGA3647
PCI Express リビジョン 3.0
TDP 105W
発売日 2019/4

Intel® Xeon® Gold 5222は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。

高い性能が求められるメインストリームのデータセンターやネットワーク、ストレージのワークロードに最適化されたIntel® Xeon® GoldシリーズのCPUで、中でもXeon Gold 5222は、第2世代のエントリークラスにあたります。

また、Xeon Goldシリーズには、上位モデルのIntel® Xeon® Gold 6250やIntel® Xeon® Gold 6256などさまざまなCPUがあります。

この記事では、これらの同シリーズのCPUと性能を比較した結果もお伝えするので、複数の製品を比較して性能を見極めたい方は、ぜひ参考にしてください。

Xeon Gold 5222はどのような用途におすすめ?

Xeon Gold 5222は、下位シリーズのIntel® Xeon® Silverシリーズからメモリ速度を中心に、全体的なパフォーマンスの向上がみられるXeon GoldシリーズのCPUで、高度なデータ処理が要求されるアプリケーションやデータセンターに適しています。

また、AIを活用したデータ分析や機械学習などのワークロードを効率的に実行する「Intel® Deep Learning Boost」にも対応しているため、普段の業務でAIを扱う方や、新規事業でAIの活用を検討している方におすすめです。

ただし、コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、上位モデルと比べると搭載数は少なめなので、より高い処理性能を求める方は、より多くのコアを搭載したCPUの検討をおすすめします。

Xeon Gold 5222のスペック比較

Intel® Core™ i5-9400F Intel® Xeon® Gold 5222 Intel® Xeon® E5-4620 v2
製品コレクション 第 9 世代インテル® Core™ i5 プロセッサー 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー インテル® Xeon® プロセッサー E5 v2 ファミリー
開発コード名 Coffee Lake Cascade Lake Ivy Bridge EP
プロセス 14 nm 14 nm 22 nm
コア数 6 4 8
スレッド数 6 8 16
プロセッサー・ベース動作周波数 2.9GHz 3.8GHz 2.6GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.1GHz 3.9GHz 3.0GHz
メモリの種類 DDR4 2666
DDR4 2933 DDR3 800/1066/1333/1600
L3キャッシュ容量 9MB 16.5MB 20MB
対応ソケット FCLGA1151 FCLGA3647 FCLGA2011
PCI Express リビジョン 3.0 3.0 3.0
TDP 65W 105W 95W
発売日 2019/1 2019/4 2014/1

Xeon Gold 5222のスペックを同じIntel製CPUのIntel® Core™ i5-9400Fや、 Intel® Xeon® E5-4620 v2とで比較してみていきます。

Core i5-9400Fは、Intel® Core™ iシリーズの中でも内蔵GPU非搭載のFシリーズにあたるCPUです。

コア数・スレッド数は6コア6スレッドと、コア数はXeon Gold 5222を上回る搭載数ですが、スレッド数は下回っています。

また、プロセッサー・ベース動作周波数は2.9GHzと、Xeon Gold 5222の3.8GHzを大きく下回る数値で、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は大きな性能差がみられませんでした。

L3キャッシュ容量もXeon Gold 5222のほうが優れた数値であるため、大規模なデータを扱う方は、Xeon Gold 5222がおすすめです。

一方で、Xeon E5-4620 v2と比較すると、Xeon E5-4620 v2のコア数・スレッド数は8コア16スレッドで、Xeon Gold 5222の2倍の搭載数です。

ただし、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、どちらもXeon Gold 5222のほうが上回っていることから、Xeon Gold 5222の処理性能の高さがうかがえます。

タスクの負荷の大きさを問わず、高い処理速度を求める方は、Xeon Gold 5222を検討してみてください。

Xeon Gold 5222とAMD Ryzenシリーズのスペック比較

AMD Ryzen™ 5 2500X Intel® Xeon® Gold 5222 AMD Ryzen™ 5 PRO 3350GE
製品コレクション AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー AMD Ryzen™ 5 PRO 3000 Series Desktop Processors
開発コード名 Pinnacle Ridge Cascade Lake Picasso
プロセス 12 nm 14 nm 12 nm
コア数 4 4 4
スレッド数 8 8 4
プロセッサー・ベース動作周波数 3.6GHz 3.8GHz 3.3GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.0GHz 3.9GHz 3.9GHz
メモリの種類 DDR4 DDR4 2933 DDR4
L3キャッシュ容量 8MB 16.5MB 4MB
対応ソケット AM4 FCLGA3647 AM4
PCI Express リビジョン 3.0 3.0 3.0
TDP 65W 105W 35W
発売日 2018/9 2019/4 2020/7

競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。

AMD Ryzen™ 5 2500Xのプロセスは12nmと、Xeon Gold 5222の14nmよりも微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、Xeon Gold 5222と同値です。

また、プロセッサー・ベース動作周波数やL3キャッシュ容量は、Xeon Gold 5222のほうが高い数値でした。

消費電力は65Wと、Xeon Gold 5222の105Wより40W抑えられているため、省電力性の観点では、Ryzen 5 2500Xのほうが優れているといえるでしょう。

一方で、AMD Ryzen™ 5 PRO 3350GEとスペックを比較すると、Ryzen 5 PRO 3350GEのコア数・スレッド数は4コア4スレッドと、コア数はXeon Gold 5222と同値ですが、スレッド数はXeon Gold 5222が上回っています。

プロセッサー・ベース動作周波数は、Ryzen 5 2500Xと同様に、Xeon Gold 5222のほうが優れた数値で、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は同値でした。

Xeon Gold 5222と両製品のベンチマークは、後ほど解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

Xeon Gold 5222の特徴

Xeon Gold 5222の特徴を3つ解説します。

Xeon Gold 5222と同じXeon GoldシリーズのCPUと比較した結果を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。

Xeon Gold 5200シリーズの中でトップクラスのシングルスレッド性能とクロック速度を誇る

Xeon Gold 5222は、Intel® Xeon® Gold 5200シリーズにあたるCPUで、その中でも特に優れたシングルスレッド性能とクロック速度を誇ります。

Xeon Gold 5222_single_vs_Gold 52XX.png

CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較すると、Xeon Gold 5222は、最も高いスコアだったIntel® Xeon® Gold 5220に次いで高い数値でした。

また、最も低い数値だったIntel® Xeon® Gold 5215と比較すると、Xeon Gold 5222はXeon Gold 5215の127%の数値で、性能差がみられました。

Xeon Gold 5222_プロセッサーベース.png

プロセッサー・ベース動作周波数を比較してみても、Xeon Gold 5222の数値が際立って高い数値で、通常利用時の処理速度の高さがうかがえます。

一般的なビジネスシーンでの資料作成やメールの管理といった、比較的負荷の小さいタスクの処理性能・速度を求める方は、Xeon Gold 5222がおすすめです。

第2世代のXeon Goldシリーズの中では消費電力が低め

Xeon Gold 5222は、第2世代のXeon Goldシリーズの中でも特に消費電力が低いCPUです。

Xeon Gold 5222_消費電力_vs_Gold XXXX.png

Xeon Gold 5222と第2世代Xeon GoldシリーズのCPUの消費電力を比較すると、Xeon Gold 5222は特に低い数値で、Intel® Xeon® Gold 6238とは35Wの差があります。

消費電力の高いCPUは、搭載しているコア数が多く、高性能な傾向にありますが、消費電力を抑えたい方は、用途に対して十分な性能を発揮できるか基本スペックも確認したうえで、消費電力にも注目してみてください。

Xeon Platinumシリーズと比較するとマルチスレッド性能は劣る

Xeon Gold 5200シリーズの中では高いシングルスレッド性能とクロック速度を誇るXeon Gold 5222ですが、Xeon Goldシリーズの上位シリーズにあたるIntel® Xeon® PlatinumシリーズのCPUと比較すると、マルチスレッド性能は低めです。

Intel® Xeon® Gold 5222 Intel® Xeon® Platinum 8253
製品コレクション 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake Ivy Bridge EP
プロセス 14 nm 14 nm
コア数 4 16
スレッド数 8 32
プロセッサー・ベース動作周波数 3.8GHz 2.2GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 3.9GHz 3.0GHz
メモリの種類 DDR4 2933 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 16.5MB 22MB
対応ソケット FCLGA3647 FCLGA3647
PCI Express リビジョン 3.0 3.0
TDP 105W 125W
発売日 2019/4 2019/4

例えば、同じ第2世代でXeon PlatinumシリーズのエントリークラスにあたるIntel® Xeon® Platinum 8253と比較すると、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数はXeon Gold 5222が上回っているものの、Xeon Platinum 8253のコア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon Gold 5222の4コア8スレッドの4倍の搭載数です。

そのため、動画編集や機械学習、科学計算といった高度な並列処理性能が求められるタスクにPCを使用する方は、コア数・スレッド数の多いXeon Platinum 8253をはじめとしたXeon PlatinumシリーズのCPUがおすすめです。

また、Xeon Platinumシリーズの上位に位置づけられたCPUであれば、Xeon Gold 5222と同等かそれ以上のクロック速度を備えているので、複数の製品を比較して性能を見極めてみてください。

Xeon Gold 5222のベンチマーク

Xeon Gold 5222のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。

Xeon Gold 5222の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。

PassMark(CPU Mark Rating)

Xeon Gold 5222_mark_rating.png

CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。

Xeon Gold 5222のスコアは9504と、Core i5-9400FやRyzen 5 2500Xを上回る数値でした。

Xeon Gold 5222は、Core i5-9400Fよりもスレッド数が多く、プロセッサー・ベース動作周波数やL3キャッシュ容量を比較しても、大きく上回る数値であることから、上位に位置づけられたと考えられます。

一方で、Xeon E5-4620 v2やRyzen 5 PRO 3350GEと比較すると、Xeon Gold 5222はわずかに下回っています。

CPUのおおまかな性能を一目で把握・比較したい方は、基本スペックやほかのベンチマークとあわせてPassMarkのCPU Mark Ratingを参考にしてみてください。

PassMark(CPU Value)

Xeon Gold 5222_value.png

 

※Ryzen 5 PRO 3350GEとRyzen 5 2500Xは、必要な情報が不足しているため、3製品で比較

CPU Valueは、CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのベンチマークです。

Xeon Gold 5222のスコアは7.8と、今回比較したIntel製の2製品のスコアを大きく下回る数値でした。

特に、Xeon E5-4620 v2との差が大きく、Xeon E5-4620 v2のスコアはXeon Gold 5222の1343%の数値で、コストパフォーマンスのよさがうかがえました。

CPU Valueは、CPU Mark Ratingを販売価格で割って算出されるベンチマークスコアで、CPUのコストパフォーマンスを見極めるうえで参考になるので、コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、ぜひ確認してみてください。

PassMark(CPU Single Thread Rating)

Xeon Gold 5222_single.png

PassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきましょう。

Xeon Gold 5222のスコアは2348と、5つの製品の中ではCore i5-9400Fに次いで高い数値でした。

Xeon Gold 5222は、CPU Mark RatingやCPU ValueではXeon E5-4620 v2を下回るスコアでしたが、CPU Single Thread Ratingでは144%の性能差がみられました。

また、CPU Valueではスコアに大きな開きがみられたCore i5-9400Fと比較しても、下回ってはいるものの、CPU Valueほどの差はみられません。

Webサイトの閲覧や資料作成といった、単一のスレッドで実行できる比較的負荷の軽いタスクの優れた処理性能を求める方は、CPU Single Thread Ratingを参考にしてください。

消費電力

Xeon Gold 5222_消費電力.png

最後に、消費電力も比較します。

Xeon Gold 5222の消費電力は105Wと、5つの製品の中では最も高い数値でした。

最も低い消費電力だったのは、Ryzen 5 PRO 3350GEの35Wで、Xeon Gold 5222とは70Wもの差があります。

消費電力が低いCPUは発熱量を抑えられるため、CPUの冷却がしやすく、性能も安定しやすいメリットがあるので、より省電力性に優れたCPUを導入したい方は、ほかの基本スペックとあわせて消費電力にも注目してみてください。

Xeon Gold 5222を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

Xeon Gold 5222のカスタマイズが可能なおすすめPC

Xeon Gold 5222のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。

Xeon Gold 5222の導入を検討している方は、参考にしてください。

raytrek Workstation X4612 標準モデル

raytrek Workstation X4612は、優れた拡張性と高いパフォーマンスが特徴のハイエンドモデルのPCです。

デュアルプロセッサー構成時には、最大28コア56スレッドの実現が可能であるのに加え、標準搭載されたNVIDIA® T400だけでなく、NVIDIA® GeForceシリーズやNVIDIA® RTX シリーズのグラフィックボードを最大2枚まで搭載できます。

そのため、高いグラフィック処理性能が求められる動画編集やオーディオ編集などのクリエイティブシーンで高いパフォーマンスを期待できます。

raytrek Workstation X8612 標準モデル

raytrek Workstation X8612は、raytrek WorkstationシリーズのフラッグシップモデルのPCです。

X4612を上回る最大4枚までのグラフィックボードを搭載できるため、ディープラーニングや3Dアニメーションなど、幅広い用途に対応できます。

また、デスクサイドでの使用を想定して設計されており、商用100V電源での運用が可能であるため、オフィスや大学研究所などでの使用に適しています。

まとめ

この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Gold 5222」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。

Xeon Gold 5222は、Xeon Gold 5200シリーズの中でトップクラスのシングルスレッド性能とクロック速度を誇るCPUで、一般的なビジネスタスクでの使用に適しています。

また、第2世代のXeon Goldシリーズの中では、特に消費電力が低く抑えられているのも特徴です。

これからCPUを選定する方は、この記事で紹介した基本スペックやベンチマーク、ほかの製品との比較結果を参考に、用途に対して十分な性能を発揮できるCPUを導入してください。

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