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ミドルウェアとは?役割や機能についてわかりやすく解説!
システム開発に携わっている方であれば一度は「ミドルウェア」という言葉をお聞きになったことがあるのではないでしょうか。一方で「ミドルウェア」という言葉を耳にするが、いまいち「ミドルウェア」が何かを理解していない、または説明ができないといった方が多いのではないでしょうか。
本記事ではミドルウェアとは何か、ミドルウェアの役割や機能について、わかりやすく解説します。
目次
ミドルウェアとは
OSとアプリの中間に位置するソフトウェア
皆さんは日々パソコンやスマートデバイス上で、WindowsやmacOS、iOSなどといったオペレーティングシステム(OS)上で動いているさまざまなアプリケーションソフトを操作されているかと思います。ミドルウェアは、コンピューターの構成上、このOSとアプリケーションソフトの中間に位置するソフトウェアです。
近年はChromeやMicrosoft Edge、SafariなどのWebブラウザ上で動かす、いわゆるクラウド上で動くアプリケーションが主流です。そのため、ミドルウェアは皆さんが使用されているパソコン内ではなく、データセンターなどのサーバー上にインストールされていることが多いです。
ミドルウェアの役割・機能
OSとアプリケーションの橋渡し役
ミドルウェアの役割を一言であらわすと、「OSとアプリケーションの橋渡し役」です。
具体的には、ミドルウェアは複数のソフトウェアで共通する機能を担います。OSは汎用的な機能のみを持っている一方、ソフトウェアは業務に特化した機能をもっています。ミドルウェアはOSでは担えない複雑な処理を実施する役割をもっています。
例えば、OS上に動くソフトウェアが1つや2つ程度であれば、特にミドルウェアは不要かもしれませんが、皆さんのパソコンには非常に多くのソフトウェアが動いています。そのため、複数のソフトウェアで共通する機能をそれぞれのソフトウェアで開発するのは、開発者目線でいうと非常に非効率であり技術的な難易度が上がり、開発期間も多くなってしまいます。
ミドルウェアの種類は?
ミドルウェアには主に「Webサーバー」「アプリケーションサーバー」「データベースサーバー」の3種類が存在します。一般的にこの3つのサーバーの構成を「Web3層構造」と呼ばれています。それぞれの種類について詳しく説明します。
Webサーバー
Webサーバーはパソコンやスマートデバイスなどの端末からChromeやMicrosoft Edge、SafariなどのWebブラウザ上で操作した内容を送信先のサーバーへ送り、そのサーバーから情報を返す役割をもっています。Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーのWeb3層構造の中では、最も利用者に近くに位置するサーバーです。
例えば、インターネット上のページを閲覧していて、「次へ」ボタンを押下すると画面上に次のページが表示されるように動きますが、これもWebサーバーが存在することにより実現しているのです。
代表例: Apache、IIS、Nginx
より技術的な説明をしますと、パソコンやスマートデバイスの利用者がWebブラウザ上で何らかの操作をすると、WebサーバーはHTTP/HTTPSという形式で送られたリクエストに対して、HTML、CSS、JavaScriptなどの画面を生成するための情報を返す役割を持っています。Webサーバーの代表的な例として、Apache、IIS、Nginxと呼ばれるものがあります。
Webサーバーが存在しなければ、皆さんが日々利用されているインターネットが使えないといっても過言ではありません。
アプリケーションサーバー
アプリケーションサーバーはJavaやRubyなどといったプログラミング言語で構成されたアプリケーションを動作させるためのサーバーです。そのため、各アプリケーションはそれぞれのアプリケーションサーバー上に動作しています。
代表例: Tomcat(Java)、Unicorn(Ruby)、Apache(PHP)
アプリケーションサーバーの代表例は、Tomcat(Java)、Unicorn(Ruby)、Apache(PHP)が挙げられます。
Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーのWeb3層構造の中では、Webサーバーとデータベースサーバーの間に位置するサーバーです。 そのため、アプリケーションサーバーはWebサーバーから発信された命令を受け取り、データベースサーバーに蓄積されたデータを取得・更新・削除する必要がある場合は、データベースサーバーからデータを受け取ったり、データを更新、削除したりするような働きを行います。
データベースサーバー
データベースサーバーはシステムで取り扱うデータを一元管理し、データの登録や更新、削除、バックアップなどを行います。Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーのWeb3層構造の中で、最もユーザーから遠い場所に位置するサーバーです。
データベースサーバーはその名の通り、データーを蓄積するための領域であるデータベースを保持しています。データベースサーバーの主な役割は、アプリケーションサーバーから送られてきたリクエストに対して、データの検索、書き換え、削除を実行し、アプリケーションサーバーへ結果を返すことです。
代表例:MySQL、Oracle、Postgre
データベースサーバーの代表例は、MySQL、Oracle、Postgreなどが挙げられます。
ここまで各サーバーの役割についてご紹介しましたが、サーバーそのものの役割についてより詳しく知りたい方は、「サーバーとは?役割・種類、選び方をわかりやすく解説」をご覧ください。
ミドルウェアの用途・メリット
おそらくユーザー目線では、ミドルウェアの存在を意識することなく、各アプリケーションを利用されているかと思いますが、システムを開発される開発者目線ではミドルウェアが存在することのメリットを実感されるのではないかと思います。一方で、システムを導入したユーザーにとっても間接的にメリットを享受することもあります。
ここではミドルウェアの用途やメリットについて3点ご紹介します。
標準化により開発コストを抑えることができる
ミドルウェアはソフトウェアの共通部分をパッケージ化されたものであるため、多くのソフトウェアで使用される汎用的な機能を搭載しています。そのため、ミドルウェアを導入することで、アプリケーションの開発者は、ソフトウェアの共通部分を一から構築することなく、アプリケーションの業務的な機能の開発に注力できます。
開発者がアプリケーションの業務的な機能の開発に注力することで、開発工数を削減することができるため、開発コストを抑えることができますし、開発期間の短縮にもつながります。
高度な処理を効率的に実装可能
OSでは汎用的な機能しか持ち合わせていないため、OSだけでは複雑な処理が行えません。ミドルウェアを導入することで、より高度な処理を実行することが可能となります。
OSとソフトウェア側で複雑な処理を行う必要がないため、OSとソフトウェア側の負担も軽減させることもできます。
OSやハードウェアとソフトウェアの違いを吸収
ミドルウェアを導入することでOSやハードウェアとソフトウェアの互換性を気にすることなく環境構築が行えるといったメリットがあります。OS・ハードウェアとソフトウェアに互換性がなくとも、ミドルウェアを導入することで実現できるといったケースが存在します。
まとめ
ミドルウェアはシステムを構成する上で今ではなくてはならない領域です。アプリケーションやシステムを開発される開発者はミドルウェアを導入することで効率的にアプリケーションを開発することが可能になります。
また、システムを新規導入されたい担当者にとっては、開発コストを抑えることができますし、システムの早期導入にもつながります。ミドルウェアの特性を理解したうえで今後のシステム開発に役立ててください。