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ラックマウント型サーバーとは?ブレード、タワー型との違い
大規模システムなどを運用する際に複数サーバーを導入することは珍しくありません。しかしサーバーを複数設置すると「保管場所」が問題になります。ラックマウント型サーバーは複数のサーバーをまとめて安全に収納できるため、スペースを有効活用できるのが特徴です。
本記事ではラックマウント型サーバーのメリット・デメリットや他の物理サーバーとの違い、さらに選ぶときのポイントまで解説します。購入を検討している場合は参考にしてみてください。
目次
目次
ラックマウント型サーバーとは
ラック収納型のサーバー
ラックマウント型サーバーは、通称・ラックサーバーとも呼ばれるサーバーのことです。一般的にサーバーは本体をむき出しでは運用せず、サーバーラックに収納します。
サーバーには「タワー型」「ラックマウント型(ラック型)」「ブレード型」の3タイプがありますが、サーバーラックをどれにするかによって「タワー型」「ラックマウント型(ラック型)」「ブレード型」からサーバーを選択すると考えればよいでしょう。どのサーバーを選ぶかは、設置場所やまとめて管理したいサーバーの台数など用途によって変わってきます。
まとめて運用できる中規模~大規模システム向き
ラックマウント型サーバーは複数のサーバーをまとめて運用できるため、中規模~大規模のシステムにも耐えられます。鍵付きのものであれば物理的なセキュリティ対策も可能で、少数サーバー用のサイズが小さいタイプもあるため、中小企業でも導入されています。
ラックマウント型サーバーのメリット
ここからはラックマウント型サーバーのメリットとデメリットを確認していきましょう。
フロアスペースを有効活用できる
複数のサーバーを縦空間に積み上げられるため、フロアスペースの圧迫を最小限にできます。
保守・メンテナンス作業が容易に
サーバー関連機器を一カ所にまとめられるため、その場で作業が完結するというメリットがあります。これはトラブル対応時にも有効で、復旧の時間短縮が期待できます。
物理的な故障リスクを軽減できる
サーバーを設置する場所は、なるべくクリーンな環境であることが望ましいでしょう。これはホコリがたまると不具合が発生しやすいためです。専用のサーバーラックに収納することで外部環境からの影響を最小限にでき、故障リスクを軽減できます。
ラックマウント型サーバーのデメリット
稼働音が大きい
ラックマウント型サーバーに静音性を求めることは難しいものです。ラックマウント型サーバーは省スペースのために小型の冷却ファンを採用しています。そのため十分にサーバーを冷却するにはフル回転で稼働することが多く、サーバー周辺の稼働音は大きくなります。
サーバールームを用意できることが理想ですが、人が作業するオフィスなどに設置する場合はなるべく部屋の隅に設置するなどの工夫が必要になります。
消費電力が大きい
ラックマウント型サーバーは性質上、ほかのサーバーと比べても消費電力が大きくなります。維持費に直結するため、導入する場合は年間コストを試算することをおすすめします。
ブレードサーバー、タワー型サーバーとの違い
ラックマウント型サーバーは、ブレードサーバーやタワー型サーバーとどのように違うのか確認していきましょう。以下の表は各サーバーの特徴をまとめたものです。
|
タワー型サーバー |
ラックマウント型サーバー |
ブレードサーバー |
導入費用 |
低い |
中間 |
高い |
消費電力 |
低い |
高い |
中間 |
サーバーラックへの収納 |
不要 |
必要 |
必要 |
システム規模 |
小規模 |
中規模~大規模 |
中規模~大規模 |
サーバーラックに必要なスペース |
省スペース |
一定のスペースが必要 |
省スペース |
場所を選ばないタワー型サーバー
タワー型サーバーはオフィスや工場、医療現場など場所を選ばず導入できるのが特徴といえます。安定して稼働する信頼性や静音性、なによりもデスクの下にでも設置できる省スペースが魅力です。
データセンター向きのラックマウント型サーバー
ラックマウント型サーバーは、複数のサーバーを1つのサーバーラックに集積できるのが特徴です。専用のサーバールームやスペースを必要とするため、データセンターなどで利用されます。
省スペースのブレードサーバー
ブレードサーバーは、シャーシ(筐体)にブレード(サーバー)を差し込んで使うタイプのサーバーです。増設する場合はブレードをシャーシに追加していくだけで非常に管理が容易なのが特徴です。大学の研究室など、高度な処理能力が必要にもかかわらず、設置スペースが限られる場合に有効でしょう。
予算とスペースで選定しよう
それぞれに特徴がありますが、ラックマウント型サーバーとブレードサーバーを比較すると、ブレードサーバーは導入費用が高額な一方で、運用維持費はラックマウント型サーバーよりも低めになります。これは消費電力の違いから来るもので、ブレードサーバーはファンや給電ユニットを複数台で共有できる設計になっているので、運用コストの面では低価格になります。
タワー型サーバーは導入費用は低額になりやすいですが、スペースがない場合は増設がしにくいという問題があります。
選定に迷ったときは導入予算と設置スペースの兼ね合いでどのサーバーが最適か検討するとよいでしょう。
ラックマウント型サーバーを選ぶポイント
ラックマウント型サーバーを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 設置スペースは十分か
- 設置方法はどうするか
- どのユニットサイズにするか
- どのパネルにするか
- 耐震性は確保できるか
それぞれ見ていきましょう。
設置スペースは十分か
まずはサーバーを設置するスペースの確保です。どの程度の大きさのサーバーラックなら設置できるか確認しましょう。
スペースにはできるだけ余裕を
サーバーラックを増設する場合を見越して、余裕のあるスペースを確保しておくことが重要です。サーバーラックが設置できても作業スペースが確保できていない場合は、保守メンテナンスの効率が悪くなるため注意してください。
オフィスへの設置は非推奨
また、ラックマウント型サーバーは稼働音が大きいため、オフィスへの設置は避けましょう。どうしてもオフィスに置くのであれば、部屋の奥まったエリアを区切って設置するなど工夫が必要です。
設置方法はどうするか
サーバーの設置方法は「19インチマウント」と「据え置き」の2種類があります。
19インチマウント方式で設置する場合は、サーバーラックも19インチマウントに対応したものを選びましょう。据え置き方式の場合は気にする必要はありません。
どのユニットサイズにするか
1U(ユニット)はラックマウント型サーバーを表す単位
19インチマウントを選択した場合は、サーバーラック選定のときに「24U」「36U」のような表記を見ることになります。U(ユニット)は1つのラックマウント型サーバーを表した単位です。つまり、基本的には1Uであれば1台、24Uであれば24台のサーバーが収納可能ということになります。ただし、サーバーによっては1台で2U、4Uサイズのものがあり、その数字分のスペースを必要とする場合があるので注意してください。
ギリギリのサイズは排熱に影響の恐れ
「必要なサーバー台数は10台なのに6Uのサーバーラックを購入してしまった」ということが起きないようにしましょう。また必要台数ぎりぎりのユニットサイズを選ぶのも避けてください。フルで積載してしまうと、排熱処理が不十分になる可能性があるためです。ある程度余裕を持たせたユニットサイズのものを選びましょう。
1Uの具体的なサイズ
ラックマウント型サーバーには、米国電子工業会(EIA)によって定められた「EIA規格」に準拠したものが多くあります。
EIA規格では以下のようにと定められており、サーバーラックを選ぶ際にもEIA規格のものを選ぶようにしたほうが選択肢の幅は広がるでしょう。注意点として、EIA規格は奥行きを定めていないため、サーバー本体とサーバーラックの奥行きが合うか確認する必要があります。
EIA規格 | 1U=幅19インチ(482.6mm)、高さ1.75インチ(44.45mm) |
どのパネルにするか
ラックマウント型サーバーのサーバーラックはパネルによって種類があります。主に「メッシュパネルタイプ」「通常パネルタイプ」「フレームタイプ」に分かれます。以下に特徴をまとめました。
- メッシュパネルタイプ・・・メッシュ加工されているため通気性が高く放熱に優れています。
- 通常パネルタイプ・・・外から中身が見えにくく、サーバー室以外に置く場合など、あまり人目に触れさせたくない場合に有効です。
- フレームタイプ・・・構成部品が少ないため安価に購入できます。扉・パネルがなくすぐにサーバーにアクセスでき、メンテナンス性も高いのが特徴です。ただし、セキュリティ性は低いのでセキュリティ対策がしっかりできている部屋で運用する必要があります。
耐震性は確保できるか
地震が起きたときの転倒リスクを考慮して、耐震性も確保しておきたいところです。床固定金具やスタビライザー、固定ベルトなどを使って大きな揺れが来たときの備えをしましょう。耐震オプションはサーバーラックによって異なるのでよく検討してください。
まとめ
ラックマウント型サーバーは複数のサーバーを一カ所にまとめて設置できるため、集積性に優れているのが特徴です。また価格帯もブレードサーバーほど高くないので、中小企業にも導入しやすいといえるでしょう。
ただし、稼働音が大きいためオフィスの中央などに設置するのは現実的ではありません。しっかりと配置場所を検討することをおすすめします。ドスパラプラスではIntelやAMDのCPUを搭載したモデルから、機械学習に耐えられる高機能サーバーまでご用意しています。
ラックマウント型サーバーを導入の際は、ぜひ検討してみてください。