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レンダリングサーバーとは?作業効率化した事例も紹介
3DCGアニメーションなどの制作現場で課題になりやすいのが「レンダリング」です。レンダリングに時間を取られてしまうと作業効率が悪化するだけでなく、人的リソースが不足してしまう可能性もあります。
こういった課題を解消するのに注目されているのが「レンダリングサーバー」です。本記事ではレンダリングサーバーの基礎知識や導入方法、導入時の注意点、実際の導入事例を紹介していきます。
目次
レンダリングサーバーとは
レンダリングサーバーとは、レンダリング処理に特化したサーバーです。画像データの処理に特化しており、モニターに表示されるまでの時間を大幅に短縮できるのが大きな特徴です。
また、中央演算処理装置(以下CPU)の負荷を軽減できるため「レンダリング処理中にパソコンが固まって動かない」といった課題の解決が期待できます。複数のレンダリングサーバーを集積したものを「レンダリングファーム」とも呼びます。
レンダリングとは
モニターにデータを描写する処理
レンダリングとは「モニターに表示されるデータを描画する処理」のことです。代表的なものとしては、3次元グラフィックス(以下3DCG)が挙げられます。3DCGは物体の形状や光の当たる位置や陰影、さらに光源はどこにあるのかなど、細かな情報を数値データで表現します。この数値データを組み合わせ、計算して画像化する処理のことをレンダリングと呼ぶのです。
レンダリング処理は動画編集、3DCG制作やDTM(音楽制作)、身近な例ではウェブサイトでもHTMLやCSSを元に行われています。
主にGPUが担当
レンダリングは、画像演算処理装置(以下GPU)が担当します。CPUにもGPUは搭載されていますが、処理性能が低いため別途独立したGPUを追加するのが一般的です。しかしいくらGPUがあっても、制作現場で作成されるデータを処理するには膨大な処理と時間が必要になります。そこで必要になるのがレンダリングサーバーです。
※GPUについて詳しく知りたい方は、「GPUとは?CPUとの違いや役割・種類についてもわかりやすく解説!」の記事をご参照ください。
サーバーとは
サーバーとは、コンピューターの一種でパソコンの処理を引き継いで実行する機能を持ちます。代表的なものでいえば「Webサーバー」「ファイルサーバー」などが挙げられます。
Webサーバーはパソコンからのリクエストを処理し、データを送受信することが仕事ですが、本記事で取り上げるレンダリングサーバーは、レンダリング処理をパソコンの代わりに実行するのが仕事ということになります。
なぜレンダリングサーバーが必要なのか
膨大なレンダリング時間がボトルネックに
レンダリング処理には膨大な計算が求められます。3DCG制作の現場では、作成したデータのレンダリング処理に数時間~1日かかるということも珍しくありません。しかも、レンダリング処理中はパソコンがほとんど操作できない状態になってしまうため、ボトルネックとなります。クリエイターの作業がストップしてしまうのは大きな問題です。
専用サーバーの導入で作業が効率化
そのためレンダリング処理はクリエイターが帰宅した夜間に行う、といった手段が取られるケースも珍しくありません。レンダリング処理を代わりに行ってくれるサーバーがあれば、処理を任せて次の作業に進むことができます。
レンダリングサーバーを導入すれば、レンダリング処理のボトルネックを解消して現場の作業効率向上が期待できます。
レンダリングサーバーの導入方法
レンダリングサーバーを導入する方法は以下の4パターンです。
- 物理サーバーを購入する
- レンタルサーバーを利用する
- クラウド型を利用する
- 自作する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物理サーバーを購入する
レンダリングサーバーを自社で購入して運用する方法です。レンダリングサーバーは家電量販店で販売されているわけではありません。
そのため、自社で選定してコンピューターメーカーから購入するか、専門の仲介業者やベンダーに依頼するといった方法が考えられます。自社で必要なレンダリングサーバーの選定ができない場合は、仲介業者やベンダーに相談することをおすすめします。専門知識がないと、現場で必要なサーバースペックの見積りをすることが困難なためです。
レンタルサーバーを利用する
「人的リソースを考えると自社でサーバーを運用するのは難しい」という場合にはサーバーをレンタルする方法もあります。サーバーをレンタルする最大のメリットは「設置場所に物理的な制約を受けない」という点でしょう。また、障害対応をサーバー側で行うなど運用面でも手間が省けます。
クラウド型を利用する
最近ではクラウド型のレンダリングサービスも登場してきています。クラウド型のメリットはサーバーのOSアップデートなどの管理が不要になる、専門的な知識がなくても手軽に導入できる点などが挙げられます。
必要に応じて処理性能を調整できるため、無駄なコストを払わなくて済むのも見逃せません。
自作する
パソコンを自作できるという場合は、レンダリングサーバー用として構築することが可能かもしれません。要件を満たすという意味では一番自由度が高い方法になります。
注意点としては、それ相応の知識と技術が求められるという点。例えばパソコンとサーバーでは搭載するOSが異なります。サーバー用のOSである「Windows Sever」もしくは「Linux」をインストールをしましょう。
ドスパラプラスなら希望のレンダリングサーバーが作れるかも
希望に叶うサーバーが見つからない場合は、制作を外部に頼むのもひとつの手です。ドスパラプラスでは要望通りの仕様のハードウェアを1から受注生産する「フルカスタマイズCTO」サービスをご用意しております。
既製品ではぴったりのサーバーが見つからない、と思った場合はぜひご相談ください。
※サーバーOSについては「サーバーOSとは?クライアントOSとの違いや種類について解説」で詳しくご説明しています。合わせてご覧ください。
レンダリングサーバーの導入事例
テレビ番組の制作現場でもレンダリング業務は発生します。番組のオープニング、画面に表示されるテロップなど、CGが利用される場面は年々増え、リッチになっています。
以下は当社によるレンダリングサーバー導入事例です 。限られた予算のなかで無駄なリソースを発生させずに運用できるレンダリングシステムを提案し、従来の2倍以上の性能とすることに成功しました。
レンダリングサーバー導入でCG制作効率化、クオリティが向上
番組に欠かせない「CG(コンピューターグラフィックス)」の制作過程において重要なレンダリング作業を行うための「レンダーサーバー」を刷新。徹底した検証により最もコストメリットの高い構成を提案しました。
レンダリングサーバー導入時の注意点
ここからはレンダリングサーバー導入における注意点を見ていきます。注意点は以下の3つです。
- コストがかかる
- 保守管理が必要
- 設置場所の確保が必要
コストがかかる
当然のことながら、レンダリングサーバーには導入コスト、運用維持コストがかかります。サーバー1台あたりの価格が高ければ導入コストも増加していきます。
また、サーバーを購入して運用するのであれば電気代も無視できません。導入前にしっかり試算しておきましょう。
保守管理が必要
レンダリングサーバーでは使用するOSやソフトウェアのバージョン管理、アップデート管理などさまざまな保守作業が発生します。
それだけでなく、ハードウェアにトラブルが起きた場合は適切に対処できる人員も必要です。サーバー管理のリソースをしっかり確保しておく必要があります。
クラウド型やレンタルサーバーであれば保守管理作業は大幅に減らせるでしょう。
設置場所の確保が必要
これもレンダリングサーバーを購入して運用する場合の注意点です。
サーバーは台数が増えればそれだけ設置スペースが必要になります。専用のサーバールームが確保できれば理想ですが、オフィスの一角にサーバースペースを設けるなど工夫が必要になるかもしれません。
もしオフィスの一角を利用するのであれば、サーバーの騒音や熱による室内温度の調整など、事前に検討する必要があります。
まとめ
クリエイティブ制作の作業効率をアップさせたいのであれば、レンダリングサーバーの導入をおすすめします。レンダリングサーバーの導入にはある程度のコストがかかりますが、レンダリング処理で発生する時間的、人的リソースを考えれば価値ある投資になるといえるでしょう。
レンダリングサーバーには物理サーバーとクラウドサーバーの2種類があり、自社の用途に合わせた選択が可能です。物理サーバーを検討するのであれば、ドスパラプラスでサーバーをぜひチェックしてみてください。
お問い合わせいただければ法人様向けに実績のあるサーバーをご提案させていただきます。