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AIを活用したセキュリティ対策のメリット・デメリット、具体例を解説

この記事では、AIを活用したセキュリティ対策が注目されている背景やメリット、デメリットを解説します。

AIを活用したセキュリティ対策の具体例や、より効果的にAIを活用するためのポイントもあわせてお伝えします。

自社でAIを活用したセキュリティ対策に取り組みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

AIを活用したセキュリティ対策が注目されている背景

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近年は、サイバー攻撃の増加とセキュリティ人材の不足から、AIを活用したセキュリティが注目を集めています。

それぞれを具体的に解説します。

近年のサイバー攻撃の動向

近年のIoTやリモートワークの普及に伴い、標的となるデバイスが増えたことで、サイバー攻撃による被害も増加しています。

警視庁の発表によると、令和4年の企業・団体におけるランサムウェア(感染したデバイス内のデータを暗号化したうえで、金銭などの対価を要求する不正プログラム)の被害件数は230件と、前年から57.5%も増加しています。

また、サイバー攻撃は常に高度化・巧妙化していて、なかにはAI技術を悪用したものもあり、従来のセキュリティ対策では防御が困難な例もみられます。

そこで注目されているのが、AIを活用したセキュリティ対策です。

AIを悪用したサイバー攻撃の特徴や傾向を学習させることで、サイバー攻撃を受けても瞬時に検出できるため、リアルタイムでの対応が期待されています。

出典:令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について |警視庁(外部サイト)

従来のセキュリティ対策の課題

前述のとおり、サイバー攻撃の技術は日々向上しているため、企業には最新のサイバー攻撃から会社を守るための準備と対策が求められています。

しかし、現在の日本のセキュリティ人材不足は深刻で、多くの企業が適切なセキュリティ対策を講じるための仕組みを構築できていません。

実際に、令和3年の経済産業省の発表によると、日本企業のCISO(最高情報セキュリティ責任者)などの設置状況は7.5%、 CSIRT(セキュリティインシデントが発生した際に対応する組織) に1名以上の専任のメンバーを配置している企業は 31.1%となっており、多くの場合はほかの業務と兼務しているのが現状です。

このように、従来のセキュリティ対策には人材不足の課題がありますが、そこで注目されているのがAIを活用したセキュリティ対策です。

AIは、人間では扱えない大量のデータを瞬時に処理し、異常なパターンや外部の脅威を検出する能力を持っています。

AIを活用すれば、従来よりも効率的にセキュリティ対策を実施できることから、セキュリティ対策へのAIの活用が検討されています。

出典:サイバーセキュリティ体制構築・人材確保の手引き ~ ユーザー企業におけるサイバーセキュリティ対策のための 組織づくりと従事する人材の育成 ~ 第1.1版|経済産業省(外部サイト)

AIを活用したセキュリティ対策のメリット

AIを活用したセキュリティ対策のメリットを解説します。

自社でAIを活用したセキュリティ対策に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。

サイバー攻撃の検出率が向上

AIは、大量のデータを解析・学習し、パターンを認識する能力に優れています。

常に過去のサイバー攻撃の特徴や傾向、最新のサイバー攻撃の情報を学習させることで、サイバー攻撃の検出率を向上させられます。

加えて、社内システムの平常時の状態もあわせて学習させれば、異常事態が発生しても、リアルタイムでの検出が可能です。

また、AIは24時間365日稼働し、絶え間なく監視できるため、担当者がいなくても早期に異常の検出と対応が行えます。

新種のマルウェアにも対応が可能

従来のセキュリティ対策ソフトは、既知のマルウェアの検出・駆除に優れていますが、新種のマルウェアを検出するのは困難です。

また、セキュリティ対策ソフトは、新種のマルウェアが発見されたら都度アップデートを行い、対策を講じますが、アップデートが反映されるまでに時間がかかるため、ゼロデイ攻撃(脆弱性の発見から対策実行までの期間を狙ったサイバー攻撃)の被害に遭う恐れがあります。

AIを活用すれば、新種のサイバー攻撃にも対応が可能です。

近年は、AI技術を導入して従来型から検出精度を高めたウイルス対策ソフトの「NGAV(次世代アンチウイルス)」が注目を集めており、企業での導入も進んでいます。

NGAVは、行動パターンや痕跡などを解析して悪意のあるものか判断するため、未知・既知を問わず対応できます。

AIを活用したセキュリティ対策のデメリット

AIを活用したセキュリティ対策のデメリットも解説します。

セキュリティ対策にAIを取り入れたい方は、デメリットも把握したうえで、検討してみてください。

AI人材の確保が必要

自社でAIを取り入れるには、AIの開発・運用に関する専門的な知識とスキルを持った人材が必要です。加えて、効果的なセキュリティ対策を講じるには、セキュリティの専門的な知識も求められます。

しかし、AIの普及に伴い、AI人材の需要は高まっているため、人材の確保は容易ではありません。

AI人材がいない企業は、自社で教育するか、早めに採用活動に取り掛かることをおすすめします。

または、必要に応じてAI技術を活用したセキュリティ製品・サービスを導入するのも、セキュリティ対策を構築する方法のひとつです。

AIを対象にしたサイバー攻撃からの防御が不可欠

セキュリティ対策に活用するAIもまた、サイバー攻撃の対象になり得ます。

たとえば、セキュリティ対策に活用しているAIに対して、外部からサイバー攻撃に関する誤ったデータを与えられると、検出能力が低下し、誤った出力・対応を行うリスクがあります。

そのため、AIをセキュリティ対策に活用するには、AIが学習するデータが改変されていないかなどをチェックし、AI自体を保護するための防御策が不可欠です。

AIを活用したセキュリティ対策の具体例

AIを活用したセキュリティ対策の具体例を解説します。

マルウェアの検出

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AIは、マルウェアの検出に活用が可能です。

AIに社内システムのプログラムの挙動と、正常ではない挙動を学習させることで、機械学習を通してマルウェアの挙動を把握し、検出します。

また、マルウェアの種類別の特徴や攻撃の手口を解析させれば、より検出率を向上させられます。

不正アクセス・利用の検知

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近年は、悪意のある第三者がサイバー攻撃でID・パスワードなどの個人情報を不正に入手し、ECサイトや社内システムに不正アクセスする事例も多く見られています。AIを活用すれば、これらの不正アクセス・利用の検知が可能です。

AIにユーザーの正常な行動パターンを学習させることで、異常な行動を自動的に検知します。

実際にクレジットカード会社では、クレジットカードの不正利用を検知するシステムが導入されており、被害防止に貢献しています。

認証

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AIは、認証プロセスの強化にも活用されています。

従来のID・パスワードに頼った認証の場合、ID・パスワードが悪意のある第三者に知られてしまうと、不正アクセスなどに悪用される恐れがあります。AIを活用した顔認証や声紋認証などの生体認証であれば、セキュリティレベルの高い認証の実現が可能です。

また、現代では、AIにIPアドレスやアクセス元をリアルタイムで確認させ、通常とは異なる端末や場所からアクセスが試みられた際に、ユーザーに通知したり、ワンタイムパスワードを発行したりする認証方法も活用されています。

セキュリティ診断

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AIを用いたセキュリティ診断は、社内システムの脆弱性を自動的に検出し、セキュリティリスクを評価するツール・サービスです。

組織内のセキュリティ状況の把握と適切な対策の実施に役立つので、特にセキュリティ人材不足に悩んでいる企業は、活用してみてください。

なかには無料で利用できるツールもありますが、より正確な診断を受けたい場合は、専門業者への依頼をおすすめします。

より効果的なAIセキュリティを行うためのポイント

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より効果的なAIセキュリティを行うためのポイントを解説します。

AIを活用したセキュリティ対策に取り組む方は、以下で解説する内容をぜひ実施してみてください。

継続的にAIに機械学習させる

AIの性能は、学習させるデータの量と質に依存します。そのため、より効果的なAIセキュリティを行うには、AIの継続的な機械学習が欠かせません。

AIは、継続的な機械学習を通して新たな攻撃手法や最新の脅威を理解し、それらに対する対策を導き出します。

現在のサイバーセキュリティ環境は絶えず変化しているため、対策も進化が求められます。

AIを活用したセキュリティ対策に取り組む方は、AIに一度データを与えて終わりではなく、常に最新のサイバー攻撃の情報を収集し、継続的に学習させてください。

常に最先端のAI情報を収集・活用する

AIによるセキュリティ対策の効果を最大化するためには、最新のAI情報の収集・活用が必要です。

テクノロジーの進化と同時に、サイバー攻撃も進化しています。常に最先端の情報を収集し、優れたAIを活用することで、最新のサイバー攻撃に対応でき、組織のセキュリティが一段と強化されます。

情報収集を行う際は、サイバー攻撃に関する情報とあわせて、最先端のAI情報も収集してください。

AIだけに頼り過ぎない

AIセキュリティを行う際には、AIだけに頼り過ぎないこともポイントです。

AIは、マルウェアの検出や不正アクセスの検知に活用できる強力なツールである一方で、AIの判断が必ずしも正確であるとは限りません。AI自体がサイバー攻撃の対象になる場合もあります。そのため、AIを活用したセキュリティ対策には、AIだけでなく、サイバーセキュリティに関する専門的な知識を持った人間による監視とAIの評価が必要です。

AIの出力に対して必要な調整・修正を行うことで、より効果的なセキュリティ対策を実施できます。

まとめ

この記事では、AIを活用したセキュリティ対策が注目されている背景やメリット、デメリットを解説しました。

セキュリティ対策にAIを活用することで、サイバー攻撃の検出率の向上や新種のマルウェアの検出が期待できます。

しかし、AIを活用した効果的なセキュリティ対策を実施するには、AI人材の確保が必要不可欠です。

AI人材がいない企業は、自社で育成するか、新たに採用を検討してみてください。

育成・採用が難しい場合は、AI技術を活用したセキュリティ製品・サービスを導入するのも選択肢のひとつです。

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