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Xeon W-2223とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® W-2223」のスペックや特徴について解説します。
Xeon W-2223のベンチマークやおすすめPCもお伝えするので、どのCPUを搭載したパソコンを導入すべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon W-2223の基本スペック
Intel® Xeon® W-2223 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 4 |
スレッド数 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.9GHz |
メモリの種類 | DDR4 2666 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB |
対応ソケット | FCLGA2066 |
PCI Express リビジョン | 3.0 |
TDP | 120W |
発売日 | 2019/10 |
Intel® Xeon® W-2223は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
プロフェッショナルなクリエイター向けに設計されたIntel® Xeon® WシリーズのCPUで、Xeon Wシリーズの中では、Intel® Xeon® W-2200シリーズのエントリークラスにあたります。
そのため、コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、ほかのXeon W-2200シリーズのCPUと比べて少なめですが、ビジネスシーンでは十分な性能を発揮し、比較的安価で消費電力も抑えられていることから、採用されています。
また、Xeon Wシリーズには、Xeon W-2223のほかに後継モデルのIntel® Xeon® W-3223や、同じXeon W-2200シリーズのIntel® Xeon® W-2235など多くの製品があるので、CPUの選定に迷っている方は、後述する【Xeon W-2223のスペック比較】や【Xeon W-2223の特徴】をぜひ参考にしてください。
Xeon W-2223はどのような用途におすすめ?
Xeon W-2223は、8つのスレッドをサポートするマルチスレッド対応で、なおかつ8.25MBのL3キャッシュが搭載されており、高速なデータアクセスが可能です。
そのため、Webサイトの閲覧やメールの受送信、リモート会議といったビジネスシーンだけでなく、画像編集やグラフィックデザインなどのクリエイティブシーンでも十分な性能を発揮します。
ただし、コア数が4コアと限られているため、特に大規模なプロジェクトや高度な3Dレンダリング、大容量のビデオ編集などのタスクでは、スペック不足になる場合があります。
より多くのコアを持つCPUを検討する必要があるため、これからCPUを導入する方は、用途や作業内容にあわせて、最適なパフォーマンス発揮できる製品の選定が重要です。
Xeon W-2223のスペック比較
Intel® Core™ i5-1130G7 | Intel® Xeon® W-2223 | Intel® Core™ i7-8559U | |
製品コレクション | 第 11 世代インテル® Core™ i5 プロセッサー | インテル® Xeon® W プロセッサー | 第 8 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Tiger Lake | Cascade Lake | Coffee Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 4 | 4 | 4 |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.1GHz | 3.6GHz | 2.7GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.0GHz | 3.9GHz | 4.5GHz |
メモリの種類 | LPDDR4x-4267 | DDR4 2666 | DDR4 2400 LPDDR3 2133 |
L3キャッシュ容量 | 8MB | 8.25MB | 8MB |
対応ソケット | FCBGA1598 | FCLGA2066 | FCBGA1528 |
PCI Express リビジョン | 不明 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 15W | 120W | 28W |
発売日 | 2020/9 | 2019/10 | 2018/4~6 |
Xeon W-2223のスペックを、同等のスペックを持つ、同じIntel製でノートパソコン向けCPUのIntel® Core™ i5-1130G7や、 Intel® Core™ i7-8559Uとで比較してみていきます。
Core i5-1130G7のプロセスは10nmと、Xeon W-2223より微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は4コア8スレッドで同値です。
一方で、Core i5-1130G7のプロセッサー・ベース動作周波数は1.1GHzと低く、Xeon W-2223の3.6GHzを大きく下回っています。
消費電力は15Wと、プロセッサー・ベース動作周波数が抑えられている分、Core™ iシリーズの中でもトップクラスに低い数値ですが、負荷の軽い一般的なビジネスシーンでタスクを快適な速度で処理したい方には、プロセッサー・ベース動作周波数が上回っているXeon W-2223をおすすめします。
次に、Core iシリーズの超省電力モデルにあたるCore i7-8559Uと比較した結果をみていきましょう。
Core i7-8559Uのコア数・スレッド数は、Xeon W-2223と同値ですが、Core i5-1130G7と同様に、プロセッサー・ベース動作周波数はXeon W-2223のほうが優れた数値です。
ただし、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Core i7-8559Uが上回っているため、負荷の大きい動画編集や3Dレンダリングなどの作業を、快適な速度を維持して行いたい方は、Core i7-8559Uがおすすめです。
Core i7-8559Uの消費電力は28Wと省電力性にも優れており、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
Xeon W-2223とそれぞれの製品のベンチマークを比較した結果は、後ほど解説するので、より詳細なスペックの性能差を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Xeon W-2223とAMDシリーズのスペック比較
AMD EPYC™ 3201 | Intel® Xeon® W-2223 | AMD Ryzen™ 5 2400G | |
製品コレクション | AMD EPYC™ Embedded Processors | インテル® Xeon® W プロセッサー | AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors with Radeon™ Vega Graphics |
開発コード名 | 不明 | Cascade Lake | Raven Ridge |
プロセス | 14 nm | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 8 | 4 | 4 |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.5GHz | 3.6GHz | 3.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.1GHz | 3.9GHz | 3.9GHz |
メモリの種類 | DDR4 | DDR4 2666 | DDR4 |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 8.25MB | 4MB |
対応ソケット | BGA SP4r2 | FCLGA2066 | AM4 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 30W | 120W | 65W |
発売日 | 2018/2 | 2019/10 | 2018/2 |
同等のスペックを持つ競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD EPYC™ 3201のプロセスやスレッド数は、Xeon W-2223と同値で差はみられませんでしたが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon W-2223が大きく上回っています。
一方で、EPYC 3201のL3キャッシュ容量は16MBと、Xeon W-2223のおよそ2倍の容量で、消費電力もXeon W-2223より90Wも抑えられています。
処理速度はそこそこに、大容量のデータを、消費電力を抑えて処理していきたい方には、EPYC 3201がおすすめですが、より快適な作業環境を整えたい方は、Xeon W-2223のほうが適しているといえるでしょう。
次に、AMD Ryzen™ 5 2400Gとの性能差をみていきます。
上記の表のとおり、プロセスやコア数・スレッド数、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数の項目では、Xeon W-2223とRyzen 5 2400Gの性能差はみられませんでした。
しかし、Ryzen 5 2400GのL3キャッシュ容量は4MBと、Xeon W-2223のおよそ半分の大きさで、消費電力はRyzen 5 2400Gのほうが優れた数値でした。
Xeon W-2223とそれぞれのベンチマークを比較した結果も、後ほどIntel製CPUとあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon W-2223の特徴
Xeon W-2223の特徴を3つ解説します。
Xeon W-2200シリーズのほかのCPUや、後継モデルと比較した結果を中心にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
Xeon W-2200シリーズの中では省電力性に優れたCPU
Xeon W-2223は、Xeon W-2200シリーズのほかの製品と比べて、優れた省電力性を備えているCPUです。
Xeon W-2223とXeon W-2200シリーズのほかの製品の消費電力を比較した結果が、以下のとおりです。
Xeon W-2223の消費電力が120Wであるのに対し、上位モデルにあたるXeon W-2235は130W、Intel® Xeon® W-2245は155W、Intel® Xeon® W-2255とIntel® Xeon® W-2265は165Wと、Xeon W-2223よりも高い数値です。
そのため、少しでも消費電力が抑えられたXeon W-2200シリーズのCPUを導入したい方には、Xeon W-2223がおすすめです。
ただし、CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingを比較してみると、上記のグラフのように、上位モデルの製品のほうが高いスコアがみられました。
これからCPUを導入する方は、消費電力と処理性能のどちらを優先すべきか検討したうえでの採用をおすすめします。
小規模ビジネスをターゲットにしたXeon Bronzeシリーズより高性能
Xeon W-2223は、Xeon W-2200シリーズのエントリークラスのCPUですが、小規模ビジネスを対象としたIntel® Xeon® BronzeシリーズのIntel® Xeon® Bronze 3104よりも高い性能を持っています。
Intel® Xeon® W-2223 | Intel® Xeon® Bronze 3104 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー | インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Skylake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 4 | 6 |
スレッド数 | 8 | 6 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.6GHz | 1.7GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.9GHz | 不明 |
メモリの種類 | DDR4 2666 | DDR4 2133 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB | 8.25MB |
対応ソケット | FCLGA2066 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 120W | 85W |
発売日 | 2019/10 | 2017/7~9 |
Xeon Bronze 3104のコア数は6コアと、Xeon W-2223の4コアより多い搭載数ですが、スレッド数はコア数と同じ6スレッドであるため、マルチタスクを行う場合は、マルチスレッドに対応したXeon W-2223がおすすめです。
また、Xeon Bronze 3104のプロセッサー・ベース動作周波数は1.7GHzと、Xeon W-2223のおよそ半分の数値であることからも性能差がみられます。
加えて、PassMarkのCPU Mark Ratingを比較してみると、Xeon W-2223のスコアは187%の数値で、性能の違いがみてとれました。
より高性能を求めるならXeon W-3223がおすすめ
Xeon W-2223は、Xeon W-2200シリーズのエントリークラスにあたるCPUであるため、より高い性能を求めるなら、後継モデルのXeon W-3223がおすすめです。
Intel® Xeon® W-2223 | Intel® Xeon® W-3223 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー | インテル® Xeon® W プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 4 | 8 |
スレッド数 | 8 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.6GHz | 3.5GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.9GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 2666 | DDR4 2666 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB | 16.5MB |
対応ソケット | FCLGA2066 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 120W | 160W |
発売日 | 2019/10 | 2019/6 |
Xeon W-3223のコア数・スレッド数は8コア16スレッドと、Xeon W-2223の2倍の搭載数で、ターボ・ブースト利用時の最大周波数やL3キャッシュ容量もXeon W-2223を上回っています。
加えて、PassMarkのCPU Mark Ratingを比較すると、Xeon W-3223のスコアはXeon W-2223の202%の数値で、大きな性能差がみられました。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingをみてみても、Xeon W-3223のスコアはXeon W-2223の111%の数値です。
Xeon W-2223は、後継モデルのXeon W-3223や、同じXeon W-2200シリーズのCPUと比べて省電力性に優れた特徴がありますが、省電力性よりも処理性能を重視したい方は、Xeon W-3223をはじめとした上位モデルを選択肢のひとつとして検討してみてください。
Xeon W-2223のベンチマーク
Xeon W-2223のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon W-2223の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。
Xeon W-2223のスコアは8589と、5つの製品の中では4番目に低い数値でした。
競合のEPYC 3201を上回ってはいますが、ノートパソコン向けのCore i7-8559UやCore i5-1130G7、競合のRyzen 5 2400Gと比較すると、わずかに下回っています。
一般的には、デスクトップ向けCPUのほうがノートパソコン向けCPUより高い性能である傾向にありますが、シリーズや世代によっては、上記のようにノートパソコン向けCPUが上回る場合もあります。
これからCPUの導入を行う方は、基本スペックだけでなく、ベンチマークも確認し、求めるスペックを満たした製品を採用しましょう。
PassMark(CPU Value)
※EPYC 3201は必要な情報が不足しているため、4製品で比較
PassMarkのCPU Valueは、CPUのコストパフォーマンスを数値化したベンチマークスコアです。
Xeon W-2223のスコアは22.4と、CPU Mark Ratingでは下回っていたノートパソコン向けのCore i7-8559Uを上回る数値でした。
一方で、CPU Mark Ratingと同様にCore i5-1130G7の数値を下回っており、Ryzen 5 2400Gと比較すると、Ryzen 5 2400GのスコアはXeon W-2223のおよそ400%の数値で、大きな差がみられました。
コストパフォーマンスに優れたCPUの導入を検討している方は、基本スペックやほかのベンチマークとあわせて、PassMarkのCPU Valueも参考にしてみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較します。
Xeon W-2223のスコアは2223と、Ryzen 5 2400Gの103%、EPYC 3201の148%の数値で、AMD製のCPUを上回る結果がみられました。
一方で、ノートパソコン向けのIntel製CPUと比較すると、10%〜15%ほどの性能差があります。
一般的には、大きな電力供給を持つデスクトップ向けCPUのほうが高いシングルスレッド性能を持つ傾向にありますが、今回は上記のような結果がみられました。
優れたシングルスレッド性能を求める方は、CPU Single Thread Ratingを参考に、CPUを選定しましょう。
消費電力
最後に、消費電力もみていきましょう。
Xeon W-2223の消費電力は120Wと、5つの製品の中で最も高い数値でした。
Xeon W-2223はデスクトップ向けCPUであるため、デスクトップ向けより省電力性に優れたノートパソコン向けのCore i7-8559UやCore i5-1130G7を上回る数値になったと考えられます。
また、AMD製のCPUと比較しても、55W〜90Wもの差がみられました。
消費電力が低いCPUを導入したい方には、ノートパソコン向けCPUがおすすめですが、基本スペックやCPU Mark Ratingなどのベンチマークを参考に、用途に合ったものを選定しましょう。
Xeon W-2223を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon W-2223を搭載したおすすめPC
Xeon W-2223を搭載したおすすめPCを紹介します。
Xeon W-2223の導入を検討している方は、参考にしてください。
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X2614 標準モデル
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X2614は、拡張性とコストパフォーマンスのバランスが取れたスタンダードモデルのPCです。
優れた拡張性が特徴で、最大18コア・36スレッドの搭載が可能です。
加えて、グラフィックボードも最大2基まで搭載できるため、高解像度の映像処理やデザイン・コンテンツ制作などのクリエイティブシーンにも対応します。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Intel® Xeon® W-2223」のスペックや特徴、ベンチマーク、おすすめのパソコンまでを解説しました。
Xeon W-2223は、Xeon W-2200シリーズのエントリークラスでありながら、Xeon BronzeシリーズのCPUよりも高い性能を持っています。
加えて、Xeon W-2200シリーズの中では省電力性に優れているため、消費電力を抑えてCPUを運用したい方におすすめです。
どのCPUが搭載されたPCを選んだらいいかわからない方は、この記事を参考に、基本スペックやベンチマークを比較して、CPUを選定してみてください。