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Celeron N4120とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Celeron® N4210」のスペックや特徴について解説します。
Celeron N4120のベンチマークをほかの製品と比較した結果や、おすすめPCもあわせてお伝えするので、CPUの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Celeron N4120の基本スペック
Intel® Celeron® N4120 | |
製品コレクション | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ |
開発コード名 | Gemini Lake Refresh |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 4 |
スレッド数 | 4 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 2.6GHz |
メモリの種類 | DDR4 LPDDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 4MB |
対応ソケット | FCBGA1090 |
PCI Express リビジョン | 2.0 |
TDP | 6W |
発売日 | 2019/11 |
Intel® Celeron® N4120は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
低価格帯のエントリークラスのPC向けに設計された、低消費電力が特徴のIntel® Celeron® NシリーズのCPUで、中でもCeleron N4120は、ノートパソコン向けの4000番台にあたります。
Celeron N4120と同じCeleron Nシリーズの4000番台のCPUには、従来モデルのIntel® Celeron® N4100や、下位モデルのIntel® Celeron® N4000などがあります。
それぞれの製品とCeleron N4120を比較した結果は、後ほど詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
Celeron N4120はどのような用途におすすめ?
Celeron N4120は、Webサイトの閲覧やメールの送受信、リモート会議などの一般的な負荷の軽いビジネスタスクに適しています。
ただし、Celeron N4120のコア数・スレッド数は、4コア4スレッドと、CPUの中ではエントリークラスのスペックです。
プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数も低めであるため、3Dレンダリングや容量の大きい動画の編集といった高負荷のタスクには向いていません。
そのため、ビジネスシーンでの必要最低限の使用を検討している方や、手頃な価格帯のものを導入したいと考えている方におすすめです。
Celeron N4120のスペック比較
Intel® Celeron® N4000 | Intel® Celeron® N4120 | Intel® Celeron® N5100 | |
製品コレクション | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ |
開発コード名 | Gemini Lake | Gemini Lake Refresh | Jasper Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm | 10 nm |
コア数 | 2 | 4 | 4 |
スレッド数 | 2 | 4 | 4 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.1GHz | 1.1GHz | 1.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 2.6GHz | 2.6GHz | 2.8GHz |
メモリの種類 | DDR4 LPDDR4 2400 |
DDR4 LPDDR4 2400 |
DDR4 LPDDR4x |
L3キャッシュ容量 | 4MB | 4MB | 4MB |
対応ソケット | FCBGA1090 | FCBGA1090 | FCBGA1338 |
PCI Express リビジョン | 2.0 | 2.0 | 2.0 |
TDP | 6W | 6W | 不明 |
発売日 | 2017/12 | 2019/11 | 2021/1 |
Celeron N4120のスペックを、同等のスペックを持つ、同じCeleron NシリーズのCeleron N4000や、Intel® Celeron® N5100とで比較してみていきます。
Celeron N4000は、Celeron N4120の下位モデルにあたるCPUで、コア数・スレッド数は2コア2スレッドと、Celeron N4120の半分の搭載数です。
そのほかのスペックに差はみられず、消費電力も同じ6Wでした。
より高い並列処理性能を求める方は、コア数・スレッド数の多いCeleron N4120がおすすめです。
次に、Celeron N4120の上位モデルにあたるCeleron N5100と比較します。
Celeron N4120ではGemini Lake Refresh アーキテクチャが採用されていましたが、Celeron N5100ではJasper Lake アーキテクチャが採用されており、プロセスも14nmから10nmに微細化されています。
加えて、コア数・スレッド数は同値ですが、Celeron N5100のターボ・ブースト利用時の最大周波数は2.8GHzと、Celeron N4120を上回っています。
Celeron N4120からのスペックアップがみられる中で、消費電力は据え置きの6Wであることから、省電力性にも優れているといえるでしょう。
Celeron N4120よりも高い処理速度を求める方は、Celeron N5100を選択肢のひとつとして検討してみてください。
また、Celeron N4120と両製品のベンチマークスコアを比較した結果は、後ほど詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
Celeron N4120とAMDシリーズのスペック比較
AMD A8-5550 M APU | Intel® Celeron® N4120 | AMD A8-5500 APU | |
製品コレクション | AMD A8-Series APU for Laptops | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ | AMD A8-Series APU for Desktops |
開発コード名 | Richland | Gemini Lake Refresh | Trinity |
プロセス | 32 nm | 14 nm | 32 nm |
コア数 | 4 | 4 | 4 |
スレッド数 | 4 | 4 | 4 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 1.1GHz | 3.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.1GHz | 2.6GHz | 3.7GHz |
メモリの種類 | 不明 | DDR4 LPDDR4 2400 |
DDR3 |
キャッシュ | 4MB(L2) | 4MB(L3) | 4MB(L2) |
対応ソケット | FS1r2 | FCBGA1090 | FM2 |
PCI Express リビジョン | 不明 | 2.0 | 不明 |
TDP | 35W | 6W | 65W |
発売日 | 2013/3 | 2019/11 | 2012/10 |
競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD A8-5550 M APUは、Celeron N4120と同じノートパソコン向けのCPUで、コア数・スレッド数は、4コア4スレッドとCeleron N4120と同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数とターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Celeron N4120を上回っています。
一方で、Celeron N4120がL3キャッシュに対応しているのに対し、A8-5550 M APUはL2キャッシュまでしか対応していません。
そのため、大きなデータの読み込みを高速に行い、業務を効率化させたい方は、Celeron N4120がおすすめです。
次に、デスクトップ向けのAMD A8-5500 APUと比較します。
A8-5500 APUのコア数・スレッド数は、Celeron N4120と同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数とターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Celeron N4120を大きく上回っている数値で、優れた処理性能がうかがえます。
ただし、A8-5550 M APUと同様に、L3キャッシュには対応しておらず、消費電力も65Wと、デスクトップ向けで性能が高い分、Celeron N4120よりも高い数値です。
Celeron N4120と両製品のより詳細な性能差は、後ほど【Celeron N4120のベンチマーク】で解説するので、ぜひあわせてご覧ください。
Celeron N4120の特徴
Celeron N4120の特徴を3つ解説します。
ほかの製品と比較したことでわかるメリットやデメリットを中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
Celeron Nシリーズの4000番台の中ではトップクラスの性能を持つ
Celeron N4120は、Celeron Nシリーズの4000番台の中では、トップクラスの性能を持つCPUです。
Celeron N4100のリフレッシュモデルにあたるCPU
Celeron N4120は、Celeron N4100のリフレッシュモデルとして登場したCPUです。
Intel® Celeron® N4120 | Intel® Celeron® N4100 | |
製品コレクション | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ | インテル® Celeron® プロセッサー N シリーズ |
開発コード名 | Gemini Lake Refresh | Gemini Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 4 | 4 |
スレッド数 | 4 | 4 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.1GHz | 1.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 2.6GHz | 2.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 LPDDR4 2400 |
DDR4 LPDDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 4MB | 4MB |
対応ソケット | FCBGA1090 | FCBGA1090 |
PCI Express リビジョン | 2.0 | 2.0 |
TDP | 6W | 6W |
発売日 | 2019/11 | 2017/11 |
Celeron N4100ではGemini Lake アーキテクチャが採用されていましたが、Celeron N4120ではGemini Lake Refresh アーキテクチャに変更されています。
プロセスやコア数・スレッド数に差はみられませんが、Celeron N4120のターボ・ブースト利用時の最大周波数は2.6GHzと、Celeron N4100の2.4GHzから200MHz向上しています。
加えて、PassMarkのCPU Mark Ratingのスコアをみてみると、Celeron N4120のスコアはCeleron N4100の104%の数値で、性能差がみられました。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較してみると、Celeron N4120のスコアはCeleron N4100の109%の数値で、スペックアップがうかがえます。
負荷の大きいクリエイティブシーンで高いパフォーマンスを求める方には向いていない
Celeron Nシリーズの4000番台の中ではトップクラスの性能を持つCeleron N4120ですが、コア数・スレッド数は4コア4スレッドで、プロセッサー・ベース動作周波数は1.1GHzと、CPUの中ではエントリークラスにあたるため、ハイスペックなCPUを求める方には向いていません。
Webサイトの閲覧や資料作成、メールの送受信、リモート会議といった一般的なビジネス業務での使用には適していますが、負荷の大きい動画編集や3Dレンダリングなどのクリエイティブな業務には適していないため、あくまで低価格帯に位置づけられているCPUだと認識しておきましょう。
Celeron N4120のベンチマーク
Celeron N4120のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Celeron N4120の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。
Celeron N4120のスコアは2548と、5つの製品の中では中間の数値でした。
具体的には、Celeron N4120のスコアは下位モデルのCeleron N4000の178%、A8-5550M APUの136%の数値です。
一方で、A8-5500 APUと比較すると、わずかにCeleron N4120が下回っており、上位モデルのCeleron N5100とは、スコアにおよそ30%の開きがみられました。
同じシリーズであっても、製品によっては上記のように性能差があります。
CPUの選定に迷っている方は、基本スペックだけでなく、CPU Mark Ratingも判断指標のひとつとして活用してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきましょう。
Celeron N4120のスコアは1102と、CPU Mark Ratingと同様に、Celeron N4000とA8-5550M APUよりも優れた数値がみられました。
ただし、A8-5500 APUやCeleron N5100との性能差が大きく、およそ20%〜27%の開きがみられます。
Celeron N5100は、Celeron N4120の上位モデルにあたるため、性能が大きく上回ったと考えられます。
シングルスレッド性能は、Webサイトの閲覧やMicrosoft Wordの使用といった、単一のスレッドで実行される比較的負荷の軽いタスクの処理性能のことです。
高いシングルスレッド性能を求める方は、PassMarkのCPU Single Thread Ratingも参考に、CPUを選定してみてください。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Celeron N4120の消費電力は6Wと、5つの製品の中ではCeleron N4000やCeleron N5100と並んで最も低い数値でした。
Celeron N5100は、CPU Mark RatingやCPU Single Thread RatingでCeleron N4120を大きく上回るスコアであったにもかかわらず、同じ6Wであるため、消費電力だけでみると、コストパフォーマンスに優れたCPUだといえるでしょう。
また、最も高い消費電力は、A8-5500 APUの65Wで、Celeron N4120とは59Wの差がみられました。
A8-5500 APUはデスクトップ向けのCPUであるため、性能が高い分、ノートパソコン向けのCeleron N4120よりも消費電力が大きくなったと考えられます。
消費電力の低いCPUを導入したい方は、CPUの対応デバイスにも注意して、選定してください。
Celeron N4120を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Celeron N4120」のスペックや特徴、ベンチマーク、おすすめのパソコンまでを解説しました。
Celeron N4120は、Celeron Nシリーズの4000番台の中ではトップクラスの性能を持つCPUで、なおかつ消費電力は6Wと、省電力性に優れている点も大きな特徴です。
なお、Celeron N4120は、CPUの中ではエントリークラスにあたるため、Webサイトの閲覧、Microsoft WordやMicrosoft PowerPointを使用した資料作成などの一般的なビジネスシーンでの使用がおすすめですが、2024年現在は手に入りにくくなっています。
CPUの選定に悩んでいる方は、この記事で紹介した基本スペックやベンチマークを参考に、用途に合った製品を導入しましょう。