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Xeon W-2225とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® W-2225」のスペックや特徴について解説します。

Xeon W-2225のベンチマークや、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、CPUの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

Xeon W-2225の基本スペック

Intel® Xeon® W-2225
製品コレクション インテル® Xeon® W プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake
プロセス 14 nm
コア数 4
スレッド数 8
プロセッサー・ベース動作周波数 4.1GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.6GHz
メモリの種類 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 8.25MB
対応ソケット FCLGA2066
PCI Express リビジョン 3.0
TDP 105W
発売日 2019/10

Intel® Xeon® W-2225は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発した、プロフェッショナルなクリエイター向けのIntel® Xeon® WシリーズのCPUです。

コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、Xeon Wシリーズの中では、Intel® Xeon® W-2200シリーズのエントリークラスにあたるため、ほかのXeon W-2200シリーズのCPUと比べて少なめですが、比較的負荷の小さいビジネスシーンでは十分な性能を発揮します。

また、Xeon Wシリーズには、Xeon W-2225の上位モデルのIntel® Xeon® W-2235やIntel® Xeon® W-2245などさまざまな製品があるので、CPUの選定に迷っている方は、後述する【Xeon W-2225の特徴】をぜひ参考にしてください。

Xeon W-2225はどのような用途におすすめ?

Xeon W-2225は、4コア8スレッドをサポートするマルチスレッド対応のエントリーレベルのCPUであるため、メールの送受信やMicrosoft Wordの使用といった負荷の小さいタスクはもちろん、大量のデータ処理や複数のアプリケーションの同時実行など、多くのビジネス関連タスクに対して十分なパフォーマンスを提供します。

ただし、より大規模なプロジェクトや高度な3Dレンダリング、大容量のビデオ編集などのタスクでは、コア数が4コアと限られているため、スペックが不足する可能性があります。そのため、これからCPUを導入する方は、それぞれの用途や作業内容に適したCPUを選定し、最適なパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。

Xeon W-2225のスペック比較

Intel® Core™ i9-8950HK Intel® Xeon® W-2225 Intel® Core™ i7-9700TE
製品コレクション 第 8 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー インテル® Xeon® W プロセッサー 第 9 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー
開発コード名 Coffee Lake Cascade Lake Coffee Lake
プロセス 14 nm 14 nm 14 nm
コア数 6 4 8
スレッド数 12 8 8
プロセッサー・ベース動作周波数 2.9GHz 4.1GHz 1.8GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.8GHz 4.6GHz 3.8GHz
メモリの種類 DDR4 2666
LPDDR3 2133
DDR4 2933 DDR4 2666
L3キャッシュ容量 12MB 8.25MB 12MB
対応ソケット FCBGA1440 FCLGA2066 FCLGA1151
PCI Express リビジョン 3.0 3.0 3.0
TDP 45W 105W 35W
発売日 2018/4 2019/10 2019/4~6

Xeon W-2225のスペックを、同等のスペックを持つ、同じIntel製CPUのIntel® Core™ i9-8950HKや、 Intel® Core™ i7-9700TEとで比較してみていきます。

Core i9-8950HKはIntel® Core™ iシリーズの8世代にあたるCPUで、コア数・スレッド数は6コア12スレッドと、Xeon-W2225を上回る搭載数です。

ターボ・ブースト利用時の最大周波数も4.8GHzと、Xeon-W2225の4.6GHzを200MHz上回っており、高負荷時の処理性能の高さがうかがえますが、プロセッサー・ベース動作周波数は2.9GHzと低めで、Xeon-W2225とは性能差がみられます。

通常時の優れた処理速度や、比較的負荷の小さいタスクの処理性能を求める方は、Xeon-W2225のほうが適しているでしょう。

次に、Core i9-8950HKの次世代にあたる9世代のCore i7-9700TEと比較します。

Core i7-9700TEのコア数は8コアと、Xeon-W2225の2倍の搭載数ですが、スレッド数は8スレッドと同値です。

また、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、どちらもXeon-W2225のほうが優れた数値で、Xeon-W2225の処理性能の高さがみられました。

一方で、Core i7-9700TEは省電力性に優れたTEシリーズのCPUであるため、消費電力は35Wと低めです。

ランニングコストを抑えてCPUを運用したい方は、消費電力も把握しておきましょう。

Xeon-W2225と両製品のベンチマークスコアを比較した結果も後述するので、ぜひ最後までご覧ください。

Xeon W-2225とAMD Ryzenシリーズのスペック比較

AMD Ryzen™ 3 PRO 4355GE Intel® Xeon® W-2225 AMD Ryzen™ 5 PRO 1600
製品コレクション AMD Ryzen™ 3 PRO 4000 Series Desktop Processors インテル® Xeon® W プロセッサー AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors
開発コード名 Renoir Cascade Lake Summit Ridge
プロセス 7 nm 14 nm 14 nm
コア数 4 4 6
スレッド数 8 8 12
プロセッサー・ベース動作周波数 3.5GHz 4.1GHz 3.2GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.0GHz 4.6GHz 3.6GHz
メモリの種類 DDR4 DDR4 2933 DDR4
L3キャッシュ容量 4MB 8.25MB 16MB
対応ソケット AM4 FCLGA2066 AM4
PCI Express リビジョン 3.0 3.0 3.0
TDP 35W 105W 65W
発売日 2022/10 2019/10 2017/4

同等のスペックを持つ競合のAMD RyzenシリーズのCPUともスペックを比較します。

AMD Ryzen™ 3 PRO 4355GEのプロセスは7nmと、Xeon-W2225の半分の大きさで微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、Xeon-W2225と同値です。

また、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数、L3キャッシュ容量は、Xeon-W2225のほうが上回っていることから、より多くのデータを高速に処理したい方は、Xeon-W2225がおすすめです。

Ryzen 3 PRO 4355GEの消費電力は、デスクトップ向けでありながら35Wと低く抑えられているので、なるべく消費電力の低いCPUを導入したい方は、Ryzen 3 PRO 4355GEも選択肢のひとつとして検討してみてください。

AMD Ryzen™ 5 PRO 1600のプロセスは14nmと、Xeon-W2225と同値ですが、コア数・スレッド数は6コア12スレッドで、Xeon-W2225を上回っており、高いマルチスレッド性能がうかがえます。

一方で、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、先ほど比較したIntel製CPUやRyzen 3 PRO 4355GEと同様に、Xeon-W2225が大きく上回っていることから、Xeon-W2225のタスクの負荷に左右されない処理性能の高さがうかがえます。

AMD製の両製品も後ほどベンチマークを解説するので、ぜひ参考にしてください。

Xeon W-2225の特徴

Xeon W-2225の特徴を3つ解説します。

Xeon W-2200シリーズのほかのCPUと比較した結果を中心にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

Xeon W-2200シリーズの中では消費電力が低め

Xeon-W2225は、Xeon-W2200シリーズの中では、消費電力が低めのCPUです。

Xeon W-2225とXeon W-2200シリーズのほかの製品の消費電力を比較した結果が、以下のとおりです。

Xeon-W2225_消費電力_vs_W-22XX.png

Xeon W-2225の消費電力は105Wと、ほかのCPUと比較すると低く抑えられています。

具体的には、Xeon-W2235は130W、Xeon W-2245は155W、Intel® Xeon® W-2255とIntel® Xeon® W-2265は165Wと、Xeon-W2225とは25W~60Wの差がみられます。

消費電力が低く抑えられていれば、低コストで運用できるため、少しでも省電力性に優れたCPUを導入したい方は、基本スペックも確認したうえで、消費電力にも注目してみてください。

クロック速度が高く作業の効率化を実現

Xeon-W2225は、省電力性に優れたCPUでありながら、クロック速度が高く、作業の効率化を実現してくれます。

Xeon-W2225_プロセッサーベース.png

先ほど比較したXeon-W2200シリーズの上位モデルとプロセッサー・ベース動作周波数を比較すると、Xeon-W2225は4.1GHzと、5つの製品の中で最も高い数値でした。

特にXeon-W2265との差が大きく、600MHzの開きがみられます。

Xeon W-2225_ターボブースト.png

また、ターボ・ブースト利用時の最大周波数を比較してみても、Xeon-W2225は上位モデルに引けを取らない数値であることから、処理性能の高さがうかがえます。

コア数・スレッド数は上位モデルのほうが上回っていますが、処理速度を重視したい方は、Xeon-W2225も検討してみてください。

高いマルチスレッド性能を求めるならXeon W-2295がおすすめ

処理性能と省電力性に優れたXeon-W2225ですが、4コア8スレッドとエントリーレベルのスペックであるため、高いマルチスレッド性能を求めるなら、Xeon 2200シリーズの最上位にあたるIntel® Xeon® W-2295がおすすめです。

Intel® Xeon® W-2225 Intel® Xeon® W-2295
製品コレクション インテル® Xeon® W プロセッサー インテル® Xeon® W プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake Cascade Lake
プロセス 14 nm 14 nm
コア数 4 18
スレッド数 8 36
プロセッサー・ベース動作周波数 4.1GHz 3.0GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.6GHz 4.6GHz
メモリの種類 DDR4 2933 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 8.25MB 24.75MB
対応ソケット FCLGA2066 FCLGA2066
PCI Express リビジョン 3.0 3.0
TDP 105W 165W
発売日 2019/10 2019/10

Xeon W-2295のコア数・スレッド数は18コア36スレッドと、Xeon-W2225の4コア8スレッドを大きく上回る搭載数で、高いマルチスレッド性能がうかがえます。

プロセッサー・ベース動作周波数はXeon-W2225のほうが優れた数値ですが、負荷の大きい複数のアプリケーションやタスクを同時並行で快適に行いたい方は、コア数・スレッド数の多いXeon-W2295がおすすめです。

Xeon W-2225のベンチマーク

Xeon W-2225ベンチマークのPassMarkを中心に解説します。

Xeon W-2225の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。

PassMark(CPU Mark Rating)

Xeon-W2225_mark_rating.png

CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。

Xeon W-2225のスコアは10635と、Core i9-8950HKやRyzen 3 PRO 4355GEを上回る数値でした。

Xeon W-2225は、Core i9-8950HKと比べてコア数は少ないですが、プロセッサー・ベース動作周波数で大きな性能差がみられることから、上位のスコアになったと考えられます。

一方で、Core i7-9700TEやRyzen 5 PRO 1600と比較すると、わずかに下回るスコアです。

Core i7-9700TEは、Xeon W-2225よりも多くのコアを搭載していますが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は下回っています。

CPUの性能は、基本スペックだけでなく、以降で紹介するシングルスレッド性能なども加味されているので、ぜひ参考にしてください。

PassMark(CPU Value)

Xeon-W2225_value.png

 

※Ryzen 5 PRO 1600とRyzen 3 PRO 4355GEは必要な情報が不足しているため、3製品で比較

CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきます。

Xeon W-2225のスコアは18.8と、CPU Mark Ratingと同様に、Core i9-8950HKを上回る結果でした。

一方で、Core i7-9700TEのスコアは33と、Xeon-W2225と大きな差をつけて最も高い数値でした。

PassMarkのCPU Valueのスコアは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されます。

おおまかなコストパフォーマンスを一目で確認できるので、コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、基本スペックやそのほかのベンチマークとあわせて確認してみてください。

PassMark(CPU Single Thread Rating)

Xeon-W2225_single.png

PassMarkのCPU Single Thread Ratingは、CPUのシングルスレッド性能を数値化したベンチマークです。

Xeon-W2225のスコアは2650と、5つの製品の中で最も高い数値でした。

CPU Mark Ratingで最も高い数値だったRyzen 5 PRO 1600との性能差が大きく、Xeon-W2225のスコアはRyzen 5 PRO 1600の148%の数値で、シングルスレッド性能の高さがうかがえます。

また、CPU Mark RatingやCPU ValueでXeon-W2225を上回るスコアだったCore i7-9700TEと比較しても、性能差がみられます。

シングルスレッド性能は、Webサイトの閲覧やメールの送受信といった、単一のスレッドで実行できるタスクの処理性能を指すので、特にビジネスシーンでの使用を検討している方は、注目してみてください。

消費電力

Xeon-W2225_消費電力.png

 

最後に、消費電力も比較します。

Xeon-W2225の消費電力は105Wと、5つの製品の中で最も高い数値でした。

最も低い消費電力だったのは省電力性に優れたTEシリーズのCore i7-9700TEや、Ryzen 3 PRO 4355GEの35Wで、Xeon-W2225とは70Wもの差がみられます。

消費電力が抑えられていれば、低コストで運用できるので、省電力性に優れたCPUを導入したい方は、消費電力にも注目しましょう。

Xeon W-2225を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

Xeon W-2225のカスタマイズが可能なおすすめPC

Xeon W-2225のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。

Xeon W-2225の導入を検討している方は、参考にしてください。

raytrek Workstation X2614 標準モデル

raytrek Workstation X2614は、あらゆる業務への対応が可能な、拡張性とコストパフォーマンスのバランスが取れたスタンダードモデルのPCです。

最大18コア36スレッドの搭載が可能で、標準搭載されたNVIDIA® T1000のほかにグラフィックボードも最大2基まで搭載できるため、高解像度な2Dのグラフィックデザインや動画編集、コンテンツ制作などのクリエイティブシーンにおすすめです。

まとめ

この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon W-2225」のスペックや特徴、ベンチマーク、おすすめのパソコンまでを解説しました。

Xeon W-2225は、Xeon W-2200シリーズのエントリークラスでありながら、上位モデルに引けを取らない処理性能と、優れた省電力性が備わっているCPUです。

一般的なビジネスシーンから負荷の小さい動画編集・グラフィックデザインに対応しています。

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