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Xeon Silver 4208とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Silver 4208」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Silver 4208のベンチマークや、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、これからCPUを導入する方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Silver 4208の基本スペック
Intel® Xeon® Silver 4208 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 8 |
スレッド数 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 11MB |
対応ソケット | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 |
TDP | 85W |
発売日 | 2019/4 |
Intel® Xeon® Silver 4208は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
データセンターでのコンピューティングやネットワークに求められる性能を備えたIntel® Xeon® SilverシリーズのCPUで、中でもXeon Silver 4208は、エントリーレベルのIntel® Xeon® Silver 4200シリーズにあたります。
また、Xeon Silver 4200シリーズには、Xeon Silver 4208の上位モデルのIntel® Xeon® Silver 4210や、最上位モデルのIntel® Xeon® Silver 4216など、さまざまな製品があり、この記事ではそれらの製品とXeon Silver 4208のスペックを比較した結果なども解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4208はどのような用途におすすめ?
Xeon Silver 4208は、エントリーレベルのデータセンター環境で優れたパフォーマンスを発揮するXeon SilverシリーズのCPUであるため、一般的なビジネスシーンからデータベースサーバーまで幅広い用途に利用できます。
8コア16スレッドを備えており、複雑な計算やデータ処理を効率的に行えるため、Webサイトの閲覧やメールの送受信といった一般的なビジネスシーンだけでなく、大規模なデータセットやファイルを扱う方におすすめです。
Xeon Silver 4208のスペック比較
Intel® Xeon® Silver 4209T | Intel® Xeon® Silver 4208 | Intel® Core™ i3-1215U | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i3 プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake | Alder Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm | 10 nm |
コア数 | 8 | 8 | 6(Pコア2+Eコア4) |
スレッド数 | 16 | 16 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.2GHz | 2.1GHz | 1.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz | 3.2GHz | 4.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2400 | DDR5 4800 DDR4 3200 LPDDR5 5200 LPDDR4x 4267 |
L3キャッシュ容量 | 11MB | 11MB | 10MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 | FCBGA1744 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 | 不明 |
TDP | 70W | 85W | 15W |
発売日 | 2019/4 | 2019/4 | 2022/2 |
Xeon Silver 4208のスペックを、同等のスペックを持つ、同じIntel製CPUのIntel® Xeon® Silver 4209Tや、 Intel® Core™ i3-1215Uとで比較してみていきます。
Xeon Silver 4209Tは、Xeon Silver 4208と同じ第2世代のCPUで、プロセスやコア数・スレッド数は同値です。
プロセッサー・ベース動作周波数は2.2GHzと、Xeon Silver 4208の2.1GHzよりわずかに高い数値ですが、そのほかの基本スペックでは大きな差はみられません。
また、Xeon Silver 4209Tは、末尾にTがつく省電力設計のCPUであるため、消費電力は70Wと、Xeon Silver 4208の85Wより抑えられています。
後ほど両製品のベンチマークを比較するので、より詳細な性能差を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
一方で、Core i3-1215Uと比較すると、コア数はXeon Silver 4208のほうが多いですが、Core i3-1215Uには電力効率を重視して設計されたEコアが搭載されています。
Xeon Silver 4208に搭載されているのは、従来の性能重視で設計されたPコアのみであるため、Eコアの有無が両製品の大きな違いといえるでしょう。
加えて、Core i3-1215Uはノートパソコン向けCPUの中でも特に省電力性に優れたUシリーズのCPUであるため、消費電力は15Wに抑えられています。
Core i3-1215Uのプロセッサー・ベース動作周波数は1.2GHzと、Xeon Silver 4208よりも下回る数値ですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.4GHzと高く、高い負荷がかかるアプリケーションやタスクの実行時の処理速度の高さがうかがえます。
Xeon Silver 4208とAMD Ryzenシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 3 4300GE | Intel® Xeon® Silver 4208 | AMD Ryzen™ 3 PRO 5450U | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 3 4000 G-Series Desktop Processors with Radeon™ Graphics | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD Ryzen™ 3 PRO 5000 Series Mobile Processors |
開発コード名 | Renoir | Cascade Lake | Cezanne-U PRO |
プロセス | 7 nm | 14 nm | 7 nm |
コア数 | 4 | 8 | 4 |
スレッド数 | 8 | 16 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.5GHz | 2.1GHz | 2.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.0GHz | 3.2GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 | DDR4 2400 | DDR4 LPDDR4 |
L3キャッシュ容量 | 4MB | 11MB | 8MB |
対応ソケット | AM4 | FCLGA3647 | FP6 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 35W | 85W | 15W |
発売日 | 2020/7 | 2019/4 | 2021/3 |
競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 3 4300GEのプロセスは7nmと、Xeon Silver 4208の14nmよりも微細に設計されていますが、コア数は4コアで、Xeon Silver 4208の半分の搭載数です。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は3.5GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.0GHzと高く、それぞれXeon Silver 4208の数値を上回っています。
加えて、Ryzen 3 4300GEは、末尾にEのつく低消費電力のCPUで、消費電力が35Wに抑えられているため、高い処理速度や省電力性を重視したい方は、Ryzen 3 4300GEも検討してみてください。
次に、AMD Ryzen™ 3 PRO 5450Uと比較します。
コア数・スレッド数は4コア8スレッドと、Ryzen 3 4300GEと同様に、Xeon Silver 4208の半分の数値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon Silver 4208を上回っています。
また、Ryzen 3 PRO 5450Uの消費電力は15Wと、3つの製品の中で最も低い消費電力である点も特徴のひとつです。
消費電力が抑えられていれば、低発熱で冷却がしやすいため、安定した稼働を求めるうえでの重要な項目のひとつとして注目してみてください。
Xeon Silver 4208の特徴
Xeon Silver 4208の特徴を3つ解説します。
同じXeon Silver 4200シリーズや従来モデルのCPUと比較した結果を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4200シリーズのエントリークラスのCPU
Xeon Silver 4208は、Xeon Silver 4200シリーズのエントリークラスにあたるCPUです。
Xeon Silver 4200シリーズには、Xeon Silver 4208だけでなく、上位モデルのXeon Silver 4210や、省電力性に特化して設計されたIntel® Xeon® Silver 4214YなどのCPUがあり、それぞれで性能は大きく異なりますが、Xeon Silver 4208はその中でもエントリークラスにあたり、コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
実際に、CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueを比較すると、Xeon Silver 4208のスコアが特に優れた数値で、上位モデルとの差がみられました。
Xeon Silver 4208はエントリークラスのCPUであるため、スペック面では上位モデルより劣る場合がありますが、コストパフォーマンスを求める方にはおすすめです。
従来モデルのXeon Silver 4108からクロック速度・省電力性が向上
Xeon Silver 4208は、従来モデルのIntel® Xeon® Silver 4108からさまざまな面でスペックの向上がみられるCPUです。
Intel® Xeon® Silver 4208 | Intel® Xeon® Silver 4108 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Skylake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 1.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz | 3.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 11MB | 11MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 85W | 85W |
発売日 | 2019/4 | 2017/7 |
Xeon Silver 4208とXeon Silver 4108のコア数・スレッド数に差はありませんが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数で向上がみられます。
加えて、消費電力が85Wと据え置きであるため、電力効率の向上がうかがえます。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較してみても、Xeon Silver 4208のスコアはXeon Silver 4108の128%の数値で、確かな向上がみられました。
上記のように、CPUは次世代モデルのほうが高性能である傾向があるので、より高性能なCPUを導入したい方は、目的のCPUを従来モデルやほかの製品と比較して性能を見極めてみてください。
より高いマルチスレッド性能を求めるならXeon Silver 4216がおすすめ
従来モデルからのスペック向上がみられるXeon Silver 4208ですが、Xeon Silver 4200シリーズの中では、エントリークラスにあたるため、より高いマルチスレッド性能を求める方は、Xeon Silver 4200シリーズの最上位モデルにあたるXeon Silver 4216がおすすめです。
Intel® Xeon® Silver 4208 | Intel® Xeon® Silver 4216 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 11MB | 22MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 85W | 100W |
発売日 | 2019/4 | 2019/4 |
Xeon Silver 4216のプロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon Silver 4208と同値ですが、コア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon Silver 4208の2倍の搭載数で、高いマルチスレッド性能がうかがえます。
L3キャッシュ容量も2倍の22MBに増量されているので、より多くのデータを高速に処理したい方や、複数のアプリケーションやタスクを同時並行で行いたい方は、Xeon Silver 4216がおすすめです。
Xeon Silver 4208のベンチマーク
Xeon Silver 4208のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Silver 4208の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingから比較します。
Xeon Silver 4208のスコアは11136と、同じXeon SilverシリーズのXeon Silver 4209Tや、Ryzen 3 PRO 5450Uを上回る数値でした。
Xeon Silver 4209Tは、Xeon Silver 4208と同じ第2世代のCPUで、先ほど基本スペックを比較したとおり、大きな性能差はみられませんでしたが、Xeon Silver 4208のほうが上回る結果となりました。
一方で、Core i3-1215UやRyzen 3 4300GEと比較すると、わずかに下回っています。
Core i3-1215Uは、Xeon Silver 4208と比べてコア数・スレッド数は下回っていますが、Eコアが搭載されていて省電力性に優れており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数が大きく上回っているため、上位のスコアだと考えられます。
PassMark(CPU Value)
※Ryzen 3 4300GE・Core i3-1215U・Ryzen 3 PRO 5450Uは必要な情報が不足しているため、2製品で比較
PassMarkのCPU Valueも比較します。
Xeon Silver 4208のスコアは56.3と、Xeon Silver 4209Tの329%の数値で、大きな差がみられました。
PassMarkのCPU Valueは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されるベンチマークです。
CPUのコストパフォーマンスを一目で把握できるので、コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、ほかのベンチマークとあわせて参考にしてみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingをみていきましょう。
Xeon Silver 4208のスコアは1813と、5つの製品の中ではXeon Silver 4209Tに次いで低い数値でした。
最も高いスコアだったのはCore i3-1215Uで、Core i3-1215UのスコアはXeon Silver 4208の186%の数値です。
また、AMD製の両製品と比較すると、およそ40%〜50%の性能差がみられました。
シングルスレッド性能は、単一のスレッドで実行が可能な、Webサイトの閲覧やメールの管理といった負荷の軽いタスクの処理性能を表すので、特にビジネスシーンでの使用を検討している方は、注目してみてください。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Xeon Silver 4208の消費電力は85Wと、5つの製品の中で最も高い数値でした。
一方で、最も低い消費電力だったのは、Core i3-1215UとRyzen 3 PRO 5450Uの15Wで、Xeon Silver 4208とは70Wもの差があります。
Core i3-1215Uは、ノートパソコン向けCPUの中でも特に省電力性を重視して設計されたUシリーズのCPUです。
消費電力を抑えて運用したい方は、Core i3-1215UをはじめとしたUシリーズのCPUも検討してみてください。
Xeon Silver 4208を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon Silver 4208をカスタマイズ可能なおすすめPC
Xeon Silver 4208をカスタマイズ可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon Silver 4208の導入を検討している方は、参考にしてください。
raytrek Workstation X4612 標準モデル
raytrek Workstation X4612は、raytrek WorkstationシリーズのハイエンドモデルのPCです。
優れた拡張性が特徴で、最大28コア56スレッドまで対応しているのに加え、NVIDIA® GeForceシリーズ、NVIDIA® RTX™ シリーズのGPUを最大2枚まで搭載できます。
そのため、高いグラフィック処理性能が求められる動画編集や3Dアニメーションなどのクリエイティブタスクでも高いパフォーマンスが期待できます。
また、デスクサイドでの使用を想定して設計されており、商用100V電源での運用が可能です。
raytrek Workstation X8612 標準モデル
raytrek Workstation X8612は、幅広い用途に対応した、raytrek WorkstationシリーズのフラッグシップモデルのPCです。
デュアルプロセッサー構成時には、最大28コア56スレッドまで拡張が可能で、標準搭載されているNVIDIA® T600 4GB以外にも、最大4枚のグラフィックボードを搭載できるため、高解像度の動画編集やディープラーニング、CADなど、さまざまな用途で高いパフォーマンスを発揮します。
加えて、メモリスロットを12基搭載しており、最大768GBの大容量メモリを実現できるので、大量のデータを扱う科学技術計算処理といった負荷の大きいタスクでも高速に処理できるでしょう。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Silver 4208」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。
Xeon Silver 4208は、Xeon Silver 4200シリーズのエントリークラスにあたるCPUでありながら、従来モデルからの大幅なスペック向上がみられ、なおかつ上位モデルよりもコストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
一般的なビジネスシーンはもちろん、エントリーレベルのデータセンターやビジネス向けサーバーでの使用が適しているので、これからCPUを選定する方は、この記事で紹介したスペックやベンチマーク、比較結果を参考に、用途に合ったCPUを選定してみてください。