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Xeon Silver 4314とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Silver 4314」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Silver 4314のベンチマークや、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、CPUの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Silver 4314の基本スペック
Intel® Xeon® Silver 4314 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake |
プロセス | 10 nm |
コア数 | 16 |
スレッド数 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 2667 |
L3キャッシュ容量 | 24MB |
対応ソケット | FCLGA4189 |
PCI Express リビジョン | 4.0 |
TDP | 135W |
発売日 | 2021/4 |
Intel® Xeon® Silver 4314は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
Intel® Xeon® Bronzeシリーズからクロック速度や電力効率が向上し、エントリーレベルのデータセンターにおいてハードウェア支援型のパフォーマンスを発揮するIntel® Xeon® SilverシリーズのCPUで、中でもXeon Silver 4314は、性能と電力効率のバランスが取れた第3世代のIntel® Xeon® Silver 4300シリーズにあたります。
また、Xeon Silverシリーズには、Xeon Silver 4314のほかに、従来モデルのIntel® Xeon® Silver 4214や、上位モデルのIntel® Xeon® Silver 4316などさまざまな製品があり、この記事でも比較した結果を解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4314はどのような用途におすすめ?
Xeon Silver 4314は、エントリーレベルのデータセンターにおけるコンピューティングやストレージに求められるパフォーマンスを発揮するXeon SilverシリーズのCPUであるため、データベースサーバーでの使用がおすすめです。
また、16コア32スレッドのスペックを備えており、高い並列処理性能を持っているため、データベースサーバーで大規模なデータの処理や、高い処理性能が要求されるデータベースアプリケーションで十分なパフォーマンスを発揮できるでしょう。
Xeon Silver 4314のスペック比較
Intel® Xeon® W-3245M | Intel® Xeon® Silver 4314 | Intel® Xeon® Gold 6254 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Ice Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 16 | 16 | 18 |
スレッド数 | 32 | 32 | 36 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.2GHz | 2.4GHz | 3.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.4GHz | 3.4GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 2933 | DDR4 2667 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 22MB | 24MB | 24.75MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA4189 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 4.0 | 3.0 |
TDP | 205W | 135W | 200W |
発売日 | 2019/6 | 2021/4 | 2019/4 |
Xeon Silver 4314のスペックを、同じIntel製CPUのIntel® Xeon® W-3245MやIntel® Xeon® Gold 6254とで比較してみていきます。
Xeon W-3245Mは、プロフェッショナルなクリエイター向けに設計されたIntel® Xeon® WシリーズのCPUで、コア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon Silver 4314と同値です。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は3.2GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.4GHzと、Xeon Silver 4314を大きく上回る数値で、高い処理速度を実現します。
優れたクロック速度が備わっている分、消費電力は205Wと高めですが、タスクの負荷に左右されず、高いクロック速度を求める方にXeon W-3245Mはおすすめです。
次に、Xeon Silver 4314の上位シリーズにあたるIntel® Xeon® GoldシリーズのXeon Gold 6254と比較します。
Xeon Gold 6254のコア数・スレッド数は18コア36スレッドと、Xeon Silver 4314を上回る数値で、高いマルチスレッド性能を備えています。
加えて、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数、L3キャッシュ容量もXeon Silver 4314より優れた数値であることから、上位シリーズとしての性能の高さがうかがえます。
Xeon Silver 4314と両製品のベンチマークも後ほど詳しく解説するので、より詳細な性能差を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4314とAMDシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 7 7840H | Intel® Xeon® Silver 4314 | AMD EPYC™ 7282 | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 7 Processors with Radeon™ Graphics | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD EPYC™ 7002 Series |
開発コード名 | Phoenix | Ice Lake | Rome |
プロセス | 4 nm | 10 nm | 7 nm |
コア数 | 8 | 16 | 16 |
スレッド数 | 16 | 32 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.8GHz | 2.4GHz | 2.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.1GHz | 3.4GHz | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR5(FP7r2) LPDDR5/x(FP7、FP8) |
DDR4 2667 | DDR4 |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 24MB | 64MB |
対応ソケット | FP7 FP7r2 FP8 |
FCLGA4189 | SP3 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
TDP | 54W | 135W | 120W |
発売日 | 2023/1~3 | 2021/4 | 2019/8 |
競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 7 7840Hはノートパソコン向けのCPUで、プロセスは4nmと、Xeon Silver 4314の10nmよりも微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は8コア16スレッドで、搭載数は少なめです。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon Silver 4314を大きく上回っており、消費電力も54Wと低く抑えられています。
メモリもDDR4から転送速度が向上したDDR5に対応している点も大きな違いで、処理速度を重視してCPUを選定したい方は、Ryzen 7 7840Hのほうが適しているでしょう。
次に、AMD EPYC™ 7282と比較すると、コア数・スレッド数は同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数はEPYC 7282のほうが優れた数値です。
ターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.2GHzと、Xeon Silver 4314の3.4GHzとは大きな差はみられませんでした。
また、L3キャッシュ容量は64Mと、Xeon Silver 4314の24MBを大きくしのぐ大容量で、大規模なデータを扱う方や、より快適にデータの読み込みを行いたい方におすすめです。
AMD製の両製品のベンチマークも後ほど解説します。
Xeon Silver 4314の特徴
Xeon Silver 4314の特徴を3つ解説します。
Xeon Silver 4314が対応しているIntelの独自機能や、ほかのCPUと比較したことでわかる特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。
高速なデータアクセスを提供する「Intel Optane Persistent Memory」に対応
Xeon Silver 4314は、高速なデータアクセスを提供する「Intel® Optane™ Persistent Memory(外部サイト)」に対応しています。
Intel Optane Persistent Memoryとは、Intelが提供するメモリ技術のひとつで、電源供給しなくてもデータを保持する不揮発性メモリが採用されており、なおかつ大容量のデータを保持できるため、大規模なデータセットやアプリケーションに適しています。
また、DRAMと比べてコストが低く、高速なアクセスを提供してくれるため、迅速なレスポンスが求められるデータベースや仮想化環境などで利用されています。
第3世代のXeon Silverシリーズの中では、Intel Optane Persistent Memoryに対応しているのはXeon Silver 4314のみなので、選定する際には注意しましょう。
従来モデルのXeon Silver 4214から基本スペックが大幅に向上
Xeon Silver 4314は、従来モデルの第2世代にあたるXeon Silver 4214から基本スペックが大幅に向上しています。
Intel® Xeon® Silver 4314 | Intel® Xeon® Silver 4214 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake | Cascade Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 16 | 12 |
スレッド数 | 32 | 24 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz | 2.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.4GHz | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2667 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 24MB | 16.5MB |
対応ソケット | FCLGA4189 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 |
TDP | 135W | 85W |
発売日 | 2021/4 | 2019/4 |
第2世代のXeon Silver 4214では、Cascade Lake アーキテクチャが採用されていましたが、第3世代のXeon Silver 4314では、Ice Lake アーキテクチャが採用されており、プロセスも14nmから10nmに微細化されています。
このことで、コア数・スレッド数も12コア24スレッドから16コア32スレッドにスペックアップしており、マルチスレッド性能の向上がうかがえます。
加えて、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数、L3キャッシュ容量などの基本スペックも向上がみられました。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較してみても、およそ30%の性能差がみられます。
より高いマルチスレッド性能とクロック速度を求めるならXeon Goldシリーズがおすすめ
従来モデルから大幅なスペック向上がみられるXeon Silver 4314ですが、より高いマルチスレッド性能やクロック速度を求める方は、上位シリーズのXeon GoldシリーズのCPUがおすすめです。
Intel® Xeon® Silver 4314 | Intel® Xeon® Gold 6342 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake | Ice Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm |
コア数 | 16 | 24 |
スレッド数 | 32 | 48 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz | 2.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.4GHz | 3.5GHz |
メモリの種類 | DDR4 2667 | DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 24MB | 36MB |
対応ソケット | FCLGA4189 | FCLGA4189 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 4.0 |
TDP | 135W | 230W |
発売日 | 2021/4 | 2021/4 |
例えば、Xeon Silver 4314と同じ第3世代のIntel® Xeon® Gold 6342と比較すると、コア数・スレッド数は24コア48スレッドと、Xeon Silver 4314を大きく上回る数値で、マルチスレッド性能の高さがうかがえます。
また、Xeon Gold 6342のプロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数もXeon Silver 4314より優れた数値で、クロック速度を重視したい方におすすめです。
このように、Xeon GoldシリーズのCPUは、Xeon Silverシリーズと比べてコア数・スレッド数が多く、クロック速度も優れている傾向にあるので、より高性能なCPUを導入したい方は、あわせて検討してみてください。
Xeon Silver 4314のベンチマーク
Xeon Silver 4314のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Silver 4314の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingから比較していきます。
Xeon Silver 4314のスコアは29283と、Xeon W-3245MやRyzen 7 7840Hを上回る数値でした。
Xeon W-3245Mは、Xeon Silver 4314よりも優れたクロック速度を備えていますが、消費電力が高く、Xeon Silver 4314の2世代前にあたるCPUであるため、わずかに下回る結果になったと考えられます。
一方で、Xeon Gold 6254やEPYC 7282と比較すると下回るスコアです。
Xeon Gold 6254は、Xeon Silver 4314よりもコア数・スレッド数が多く、クロック速度も上回っていることから、上位のスコアであると考えられます。
PassMark(CPU Value)
※Ryzen 7 7840Hは必要な情報が不足しているため、4製品で比較
CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきます。
Xeon Silver 4314のスコアは55.7と、EPYC 7282に次いで高い数値でした。
特に、Xeon W-3245Mとの差が大きく、Xeon Silver 4314のスコアはXeon W-3245Mの944%の数値で、CPU Mark Ratingでは下回っていたXeon Gold 6254と比較しても、スコアに大きな開きがみられることから、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
PassMarkのCPU Valueは、CPUのコストパフォーマンスを把握するうえで参考になるベンチマークなので、ぜひほかのベンチマークとあわせて確認してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較していきましょう。
Xeon Silver 4314のスコアは2222と、5つの製品の中では、EPYC 7282の次に低い数値でした。
最も高いスコアだったのはRyzen 7 7840Hで、Xeon Silver 4314の177%の数値を誇り、高いシングルスレッド性能が備わっています。
Ryzen 7 7840Hは、CPU Mark RatingやCPU Valueでは、5つの製品の中で最も低いスコアでしたが、Webサイトの閲覧や資料作成といった、一般的なビジネスタスクにおいて優れたシングルスレッド性能を求める方は、Ryzen 7 7840Hも選択肢のひとつとして検討してみてください。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Xeon Silver 4314の消費電力は135Wと、同じIntel製の両製品と比較すると最も低い数値で、65W〜70Wの差がみられました。
一方で、AMD製の両製品と比較すると、Xeon Silver 4314が最も高く、Ryzen 7 7840Hとは81Wもの開きがあります。
CPUは、高性能である分、消費電力が高めである傾向がありますが、世代やシリーズによっては、性能よりも省電力性を重視して設計されたCPUもあります。
消費電力を重視してCPUを選定したい方は、製品の世代やシリーズにも注目して選定してみてください。
Xeon Silver 4314を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon Silver 4314のカスタマイズが可能なおすすめPC
Xeon Silver 4314のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon Silver 4314の導入を検討している方は、参考にしてください。
raytrek Workstation X4620 標準モデル
raytrek Workstation X4620は、幅広いクリエイティブシーンで高いパフォーマンスを発揮するハイエンドモデルのPCです。
優れた拡張性が特徴で、デュアルプロセッサー構成時には、最大32コア64スレッドの実現が可能です。
加えて、標準搭載されているNVIDIA® T1000 4GB以外に、NVIDIA® GeForceシリーズやNVIDIA® RTX™シリーズといったGPUを最大2枚まで搭載できるため、PCのグラフィック処理性能を向上させ、高解像度の動画編集やディープラーニング、CADなどのさまざまな用途で高いパフォーマンスを発揮させられます。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Silver 4314」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめPCまでを解説しました。
Xeon Silver 4314は、サーバー向けに設計されたXeon SilverシリーズのCPUで、16コア32スレッドのスペックを持ち、高い並列処理性能を備えているため、大規模なデータの処理やデータベースアプリケーションで十分なパフォーマンスを発揮します。
CPUの選定に悩んでいる方は、紹介したスペックやほかの製品との比較結果を参考に、用途に合ったCPUを選定してみてください。