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Xeon W-2245とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® W-2245」のスペックや特徴について解説します。

Xeon W-2245のベンチマークや、ほかのCPUとの比較結果、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、これからCPUを選定する方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

Xeon W-2235の基本スペック

Intel® Xeon® W-2245
製品コレクション インテル® Xeon® W プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake
プロセス 14 nm
コア数 8
スレッド数 16
プロセッサー・ベース動作周波数 3.9GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.5GHz
メモリの種類 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 16.5MB
対応ソケット FCLGA2066
PCI Express リビジョン 3.0
TDP 155W
発売日 2019/10

Intel® Xeon® W-2245は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。

プロフェッショナルなクリエイター向けのIntel® Xeon® WシリーズのCPUで、Xeon Wシリーズの中ではIntel® Xeon® W-2200シリーズのミドルクラスにあたります。

コア数・スレッド数は8コア16スレッドと、一般的なビジネスシーンからマルチスレッド性能が求められるクリエイティブシーンまで、幅広く対応できるのが特徴です。

また、Xeon W-2245と同じXeon W-2200シリーズには、上位モデルのIntel® Xeon® W-2255や、最上位モデルのIntel® Xeon® W-2295などの製品があり、この記事ではこれらの製品と性能を比較した結果もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

Xeon W-2245はどのような用途におすすめ?

Xeon W-2245は、プロフェッショナルなクリエイター向けに設計されたXeon WシリーズのミドルクラスにあたるCPUで、上位モデルに引けを取らない優れたシングルスレッド性能が特徴です。

そのため、メールの管理やMicrosoft Wordを使用した資料作成といった、シングルスレッド性能が求められる一般的なビジネスタスクにおすすめです。

また、8コア16スレッドのスペックを備えているため、負荷の小さいグラフィックデザインやDTMなどのクリエイティブタスクでも十分な性能を発揮します。

ただし、大容量の動画編集やCADなどのタスクでは、場合によってはスペック不足になる可能性があるので、これからCPUを選定する方は、用途に応じたCPUの導入を心がけましょう。

Xeon W-2245のスペック比較

Intel® Core™ i5-12400 Intel® Xeon® W-2245 Intel® Core™ i9-10900E
製品コレクション 第 12 世代インテル® Core™ i5 プロセッサー インテル® Xeon® W プロセッサー 第 10 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー・ファミリー
開発コード名 Alder Lake Cascade Lake Comet Lake
プロセス 10 nm 14 nm 14 nm
コア数 6 8 10
スレッド数 12 16 20
プロセッサー・ベース動作周波数 2.5GHz 3.9GHz 2.8GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.4GHz 4.5GHz 4.7GHz
メモリの種類 DDR5 4800
DDR4 3200
DDR4 2933 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 18MB 16.5MB 20MB
対応ソケット FCLGA1700 FCLGA2066 FCLGA1200
PCI Express リビジョン 5.0 and 4.0 3.0 3.0
TDP 65W 155W 65W
発売日 2022/1 2019/10 2020/4~6

Xeon W-2245のスペックを、同じIntel製CPUのIntel® Core™ i5-12400や、Intel® Core™ i9-10900Eとで比較してみていきます。

Core i5-12400は、Intel® Core™ iシリーズの第12世代にあたるCPUで、コア数・スレッド数は6コア12スレッドと、Xeon W-2245の8コア16スレッドと比べると、少ない搭載数です。

加えて、プロセッサー・ベース動作周波数は2.5GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.4GHzと、いずれもXeon W-2245のほうが優れた数値で、特にプロセッサー・ベース動作周波数で大きな差がみられました。

Core i5-12400の消費電力は65Wと抑えられた消費電力ですが、通常利用時に優れた処理速度を求める方は、Xeon W-2245がおすすめです。

次に、Core i5-12400の2世代前にあたるCore i9-10900EとXeon W-2245を比較します。

Core i9-10900Eは、性能を重視して設計されたIntel® Core™ i9シリーズのCPUで、コア数・スレッド数は10コア20スレッドと、Xeon W-2245よりも多い搭載数であるため、より優れたマルチスレッド性能を求める方はCore i9-10900Eがおすすめです。

その一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は2.8GHzと、Xeon W-2245とは1.1GHzの差があり、ターボ・ブースト利用時の最大周波数も200MHzの差にとどまることから、Xeon W-2245の優れたクロック速度がうかがえます。

Xeon W-2245と両製品のベンチマークも後ほど解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

Xeon W-2245とAMDシリーズのスペック比較

AMD EPYC™ 7252 Intel® Xeon® W-2245 AMD Ryzen™ 5 5500
製品コレクション AMD EPYC™ 7002 Series インテル® Xeon® W プロセッサー AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors
開発コード名 Rome Cascade Lake Cezanne
プロセス 7 nm 14 nm 7 nm
コア数 8 8 6
スレッド数 16 16 12
プロセッサー・ベース動作周波数 3.1GHz 3.9GHz 3.6GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 3.2GHz 4.5GHz 4.2GHz
メモリの種類 DDR4 DDR4 2933 DDR4
L3キャッシュ容量 64MB 16.5MB 16MB
対応ソケット SP3 FCLGA2066 AM4
PCI Express リビジョン 4.0 3.0 3.0
TDP 120W 155W 65W
発売日 2019/8 2019/10 2022/4

同等のスペックを持つ競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。

AMD EPYC™ 7252のプロセスは7nmと、Xeon W-2245の14nmよりも微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は8コア16スレッドと、Xeon W-2245と同値です。

一方で、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon W-2245が大きく上回っているのが最も顕著な性能差でしょう。

EPYC 7252のL3キャッシュ容量は64MBと大容量なので、大規模なデータに高速にアクセスしたい方は、EPYC 7252のほうが適しています。

次に、AMD Ryzen™ 5 5500と比較すると、コア数・スレッド数は6コア12スレッドと、Xeon W-2245を下回る搭載数で、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数もXeon W-2245のほうが優れた数値です。

また、L3キャッシュ容量は16MBと、Xeon W-2245との大きな差はみられませんでした。

消費電力は65Wと、3つの製品の中では最も低く、省電力性に優れています。消費電力が抑えられたCPUを求めている方は、そのほかの基本スペックとあわせて消費電力にも注目してみてください。

Xeon W-2245の特徴

Xeon W-2245の特徴を3つ解説します。

Xeon W-2200シリーズや上位シリーズのCPUと比較した結果を中心にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

Xeon W-2200シリーズの中ではトップクラスのシングルスレッド性能を備えている

Xeon W-2245は、Xeon W-2200シリーズの中ではトップクラスのシングルスレッド性能を備えたCPUです。

Xeon W-2245_single_vs_22XX.png

CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを、Xeon W-2200シリーズの上位モデルと比較すると、最も高いスコアだったのはIntel® Xeon® W-2265ですが、次いでIntel® Xeon® W-2275とほぼ同値でXeon W-2245が並んでいます。

特に、Xeon W-2200シリーズの最上位モデルにあたるXeon W-2295との性能差が最も大きかった点が特徴的です。

シングルスレッド性能は、Webサイトの閲覧やメールの送受信といった、単一のスレッドで実行できる負荷の小さいタスクの処理性能を表しているので、ビジネスシーンでの使用を検討している方は、Xeon W-2245がおすすめです。

上位シリーズのXeon W-3223を上回る性能を持つ

Xeon W-2245は、上位シリーズのIntel® Xeon® W-3200シリーズにあたるIntel® Xeon® W-3223を上回る性能を持つCPUです。

Intel® Xeon® W-2245 Intel® Xeon® W-3223
製品コレクション インテル® Xeon® W プロセッサー インテル® Xeon® W プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake Cascade Lake
プロセス 14 nm 14 nm
コア数 8 8
スレッド数 16 16
プロセッサー・ベース動作周波数 3.9GHz 3.5GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.5GHz 4.0GHz
メモリの種類 DDR4 2933 DDR4 2666
L3キャッシュ容量 16.5MB 16.5MB
対応ソケット FCLGA2066 FCLGA3647
PCI Express リビジョン 3.0 3.0
TDP 155W 160W
発売日 2019/10 2019/6

コア数・スレッド数は8コア16スレッドと、Xeon W-2245とXeon W-3223は同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon W-2245が上回っています。

加えて、上記の性能差がみられるにもかかわらず、消費電力はXeon W-2245のほうが5W抑えられていることから、省電力性の向上もみられます。

Xeon W-2245_single_vs_3223.png

また、PassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較してみても、Xeon W-2245のスコアはXeon W-3223の110%の数値で、性能差がみられました。

このように、製品によっては下位シリーズのほうが高性能な場合があるので、これからCPUを導入する方は、複数のCPUを比較して性能を見極めてみてください。

より優れたマルチスレッド性能を求めるならXeon W-3245がおすすめ

上位シリーズに引けを取らないシングルスレッド性能を備えたXeon W-2245ですが、より優れたマルチスレッド性能を求める方は、Intel® Xeon® W-3245がおすすめです。

Intel® Xeon® W-2245 Intel® Xeon® W-3245
製品コレクション インテル® Xeon® W プロセッサー インテル® Xeon® W プロセッサー
開発コード名 Cascade Lake Cascade Lake
プロセス 14 nm 14 nm
コア数 8 16
スレッド数 16 32
プロセッサー・ベース動作周波数 3.9GHz 3.2GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.5GHz 4.4GHz
メモリの種類 DDR4 2933 DDR4 2933
L3キャッシュ容量 16.5MB 22MB
対応ソケット FCLGA2066 FCLGA3647
PCI Express リビジョン 3.0 3.0
TDP 155W 205W
発売日 2019/10 2019/6

Xeon W-3245は、Xeon W-2245の上位シリーズにあたるXeon W-3200シリーズにあたるCPUです。

コア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon W-2245の2倍の搭載数で、優れたマルチスレッド性能がうかがえます。

プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Xeon W-2245のほうが優れた数値ですが、複数のタスクやアプリケーションを同時並行で行いたい方は、Xeon W-3245がおすすめです。

Xeon W-2245のベンチマーク

Xeon W-2245のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。

Xeon W-2245の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。

PassMark(CPU Mark Rating)

Xeon W-2245_mark_rating.png

CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。

Xeon W-2245のスコアは19510と、Core i5-12400やEPYC 7252を上回る数値でした。

Xeon W-2245は、Core i5-12400よりもコア数・スレッド数が多く、EPYC 7252を大きく上回るクロック速度であることから、上位に位置づけられていると考えられます。

一方で、Core i9-10900EやRyzen 5 5500と比較すると、わずかに下回るスコアです。

Core i9-10900Eは、Xeon W-2245とプロセッサー・ベース動作周波数を比較すると、大きな差がみられますが、コア数・スレッド数、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は上回る数値である点が、上記の結果となった要因のひとつに考えられます。

PassMark(CPU Value)

Xeon W-2245_value.png

CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきましょう。

Xeon W-2245のスコアは23.2と、5つの製品の中では最も低い数値でした。

最も高いスコアだったのはCPU Mark Ratingと同様にRyzen 5 5500で、Xeon W-2245のおよそ10倍の数値であることから、コストパフォーマンスのよさがうかがえました。

PassMarkのCPU Valueは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されるベンチマークなので、おおまかなコストパフォーマンスを一目で把握したい方は、ぜひ参考にしてください。

PassMark(CPU Single Thread Rating)

Xeon W-2245_single.png

PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較していきます。

Xeon W-2245のスコアは2744と、5つの製品の中ではEPYC 7252に次いで低い数値でした。

特に、CPU Mark Ratingでは下回っていたCore i5-12400との差が大きく、Core i5-12400のスコアはXeon W-2245の129%の数値で、優れたシングルスレッド性能がうかがえました。

また、Core i9-10900EやRyzen 5 5500と比較しても、10%前後の性能差がみられます。

Webサイトの閲覧やMicrosoft Wordを使用した資料作成といった、単一のスレッドで実行できる負荷の小さいタスクを中心に行う方は、基本スペックとあわせてPassMarkのCPU Single Thread Ratingも把握しておきましょう。

消費電力

Xeon W-2245_消費電力.png

最後に、消費電力も比較します。

Xeon W-2245の消費電力は155Wと、5つの製品の中では最も高い数値でした。

Ryzen 5 5500やCore i9-10900E、Core i5-12400の消費電力は65Wと、Xeon W-2245と比較すると、90Wもの差がみられました。

低消費電力のCPUは発熱量が低く、冷却しやすいため、快適なパフォーマンスを維持したい方は、省電力性に優れたCPUを選定してみてください。

Xeon W-2245を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

Xeon W-2245のカスタマイズが可能なおすすめPC

Xeon W-2245のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。

Xeon W-2245の導入を検討している方は、参考にしてください。

raytrek Workstation X2614 標準モデル

raytrek Workstation X2614は、一般的なビジネスシーンからクリエイティブシーンまで、あらゆる業務に最適なスタンダードモデルのPCです。

拡張性に優れており、最大18コア36スレッドのスペックを実現できるのに加え、標準搭載されたNVIDIA® T1000以外にも、NVIDIA® TシリーズやNVIDIA® GeForceシリーズのGPUを最大2基まで搭載可能です。

そのため、高いグラフィック処理性能が求められる高解像度な映像の処理やコンテンツ制作で高いパフォーマンスを期待できます。

まとめ

この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon W-2245」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。

Xeon W-2245は、Xeon W-2200シリーズのミドルクラスにあたるCPUです。

上位モデルに引けを取らないシングルスレッド性能が特徴で、8コア16スレッドのスペックを備えているため、メールの管理や資料作成といった一般的なビジネスタスクから、負荷の小さいグラフィックデザインなどのクリエイティブタスクまで、幅広く対応します。

これからCPUを導入する方は、この記事で解説した基本スペックやベンチマークをぜひ参考にしてください。

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