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Xeon W-2295とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® W-2295」のスペックや特徴について解説します。
Xeon W-2295のベンチマークをほかのCPUと比較した結果や、Xeon W-2295のカスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、CPUの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon W-2295の基本スペック
Intel® Xeon® W-2295 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 18 |
スレッド数 | 36 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.0GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.6GHz |
メモリの種類 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 24.75MB |
対応ソケット | FCLGA2066 |
PCI Express リビジョン | 3.0 |
TDP | 165W |
発売日 | 2019/10 |
Intel® Xeon® W-2295は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
3DレンダリングやAI開発といった、高いスペックが求められるタスクを実行するクリエイター向けに設計されたIntel® Xeon® WシリーズのCPUで、Xeon Wシリーズの中ではIntel® Xeon® W-2200シリーズの最上位クラスにあたります。
Xeon W-2200シリーズには、エントリークラスのIntel® Xeon® W-2223や、ミドルクラスのIntel® Xeon® W-2255などの製品があり、この記事ではこれらの製品と基本スペックやベンチマークを比較した結果もお伝えするので、ぜひCPU選定の参考にしてください。
Xeon W-2295はどのような用途におすすめ?
Xeon W-2295は、プロフェッショナルなクリエイターに卓越したパフォーマンスとセキュリティーを提供するXeon WシリーズのCPUで、Xeon W-2200シリーズでは最上位クラスの性能を備えています。
コア数・スレッド数は18コア36スレッドと、高いマルチスレッド性能を備えていることから、資料作成やメールの管理といった一般的なビジネスシーンはもちろん、動画編集や3Dレンダリングなどのクリエイティブシーンまで幅広く対応します。
また、1つのコアで複数のスレッドを同時に実行し、CPUのパフォーマンスと効率性の向上を実現する「Intel® Hyper Threading Technology」にも対応しているため、より優れた並列処理性能を実感できるでしょう。
Xeon W-2295のスペック比較
Intel® Core™ i7-12850HX | Intel® Xeon® W-2295 | Intel® Xeon® Gold 6246R | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | インテル® Xeon® W プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 16(Pコア8+Eコア8) | 18 | 16 |
スレッド数 | 24 | 36 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 3.0GHz | 3.4GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.8GHz | 4.6GHz | 4.1GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR4 2933 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 25MB | 24.75MB | 35.75MB |
対応ソケット | FCBGA1964 | FCLGA2066 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 55W | 165W | 205W |
発売日 | 2022/5 | 2019/10 | 2020/2 |
Xeon W-2295のスペックを、同じIntel製CPUのIntel® Core™ i7-12850HXや、Intel® Xeon® Gold 6246Rとで比較してみていきます。
Core i7-12850HXは、Intel® Core™ iシリーズのハイエンド向けにあたるHXシリーズのCPUで、コア数・スレッド数は16コア24スレッドと、Xeon W-2295よりも少ない搭載数ですが、Xeon W-2295にはないEコアが搭載されているのが特徴です。
Eコアとは、従来のPコアよりも電力効率を重視して設計されたコアで、Pコアと使い分けることで、性能と省電力性の両立を図れます。
そのため、Core i7-12850HXの消費電力は55Wと、Xeon W-2295よりも抑えられています。
一方で、Core i7-12850HXのプロセッサー・ベース動作周波数は2.1GHzと、Xeon W-2295の3.0GHzを大幅に下回っているため、通常利用時の処理速度を重視したい方は、Xeon W-2295がおすすめです。
次に、高い性能が要求されるデータセンターやネットワークに最適化されたIntel® Xeon® GoldシリーズのXeon Gold 6246Rと比較します。
Xeon Gold 6246Rのコア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon W-2295の18コア36スレッドを下回る搭載数ですが、プロセッサー・ベース動作周波数はXeon W-2295よりも400MHz高い3.4GHzです。
また、L3キャッシュ容量も35.75MBと、Xeon W-2295を上回る大容量で、大規模なデータへの高速なアクセスを実現できます。
Xeon W-2295と両製品の性能を数値化したベンチマークも後ほど解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
Xeon W-2295とAMDシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 9 7940HS | Intel® Xeon® W-2295 | AMD EPYC™ 7371 | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 9 Processors with Radeon™ Graphics | インテル® Xeon® W プロセッサー | AMD EPYC™ 7001 Series |
開発コード名 | Phoenix | Cascade Lake | Naples |
プロセス | 4 nm | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 8 | 18 | 16 |
スレッド数 | 16 | 36 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 4.0GHz | 3.0GHz | 3.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.2GHz | 4.6GHz | 3.8GHz |
メモリの種類 | DDR5(FP7r2) LPDDR5/x(FP7、FP8) |
DDR4 2933 | DDR4 |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 24.75MB | 64MB |
対応ソケット | FP7 FP7r2 FP8 |
FCLGA2066 | SP3 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 54W | 165W | 200W |
発売日 | 2023/4 | 2019/10 | 2018/11 |
同等のスペックを持つ競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 9 7940HSのプロセスは4nmと、Xeon W-2295の14nmよりも微細に設計されていますが、コア数・スレッド数は8コア16スレッドと、Xeon W-2295より少ない搭載数です。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は4.0GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は5.2GHzと高く、Xeon W-2295を大きく上回る数値であることから、優れた処理速度がうかがえます。
消費電力も54Wに抑えられているため、処理速度や省電力性を重視したい方は、Ryzen 9 7940HSも検討してみてください。
次に、AMD EPYC™ 7371と比較すると、コア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Xeon W-2295を下回る搭載数で、プロセッサー・ベース動作周波数はほとんど差がみられず、ターボ・ブースト利用時の最大周波数はXeon W-2295のほうが優れた数値でした。
また、EPYC 7371のL3キャッシュ容量は64MBと、Xeon W-2295の24.75MBを大きく上回る容量ですが、消費電力は200Wと高めです。
このように、比較するCPUによっては、基本スペックに大きな差がみられる場合があるため、重視する性能や用途を明確にしたうえで、後述するベンチマークも参考に選定してみてください。
Xeon W-2295の特徴
Xeon W-2295の特徴を3つ解説します。
Xeon W-2200シリーズや上位シリーズのCPUとスペックを比較した結果を中心にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
Xeon W-2200シリーズの最上位クラスのCPU
Xeon W-2295は、Xeon W-2200シリーズの中で最上位クラスの性能を誇るCPUです。
ほかのXeon W-2200シリーズのCPUとコア数を比較すると、Xeon W-2295の18コアが最も多く、Intel® Xeon® W-2275の14コア、Intel® Xeon® W-2265の12コアが次いで多い搭載数です。
コア数の多いCPUは、同時に複数のタスクを処理する並列処理性能が高い傾向にあり、大規模で複雑なデータの処理や計算にも適しているので、業務の効率化を図りたい方には、Xeon W-2295をはじめとしたコア数が多いCPUをおすすめします。
また、CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingを比較してみても、Xeon W-2200シリーズの中ではXeon W-2295が最も高く、次いで高いスコアだったXeon W-2275と比較しても9%のスコア差がみられることから、Xeon W-2295の性能の高さがうかがえます。
Xeon W-2200シリーズの中で特にハイスペックなCPUを求める方は、Xeon W-2295がおすすめです。
上位シリーズのXeon W-3245を上回るスペックを持つ
Xeon W-2200シリーズのXeon W-2295は、上位シリーズのIntel® Xeon® W-3200シリーズのミドルクラスにあたるIntel® Xeon® W-3245を上回るスペックを持ちます。
Intel® Xeon® W-2295 | Intel® Xeon® W-3245 | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー | インテル® Xeon® W プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 18 | 16 |
スレッド数 | 36 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.0GHz | 3.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.6GHz | 4.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 2933 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 24.75MB | 22MB |
対応ソケット | FCLGA2066 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 165W | 205W |
発売日 | 2019/10 | 2019/6 |
Xeon W-3245のコア数・スレッド数は16コア32スレッドであるのに対し、Xeon W-2295は18コア36スレッドと上回る搭載数で、優れたマルチスレッド性能がうかがえます。
また、Xeon W-2295は、プロセッサー・ベース動作周波数こそXeon W-3245よりも200MHz低い数値ですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数やL3キャッシュ容量は、Xeon W-2295のほうが優れた数値です。
さらに、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較してみても、Xeon W-2295のほうが上位のスコアです。
一般的にCPUは、上位シリーズのほうが高い性能を備えている傾向がありますが、比較対象によっては、今回のように下位シリーズのほうがハイスペックである場合があるので、これからCPUを導入する方は、複数のシリーズの製品を比較して性能を見極めてみてください。
プロセッサー・ベース動作周波数は低め
Xeon W-2200シリーズの中ではコア数が最多のXeon W-2295ですが、プロセッサー・ベース動作周波数に注目すると、ほかのCPUと比べて低めです。
Xeon W-2200シリーズのCPUとプロセッサー・ベース動作周波数を比較すると、Xeon W-2295は3.0GHzと最も低く、Intel® Xeon® W-2245とは900MHzもの差があります。
そのため、通常利用時の処理速度を求める方は、Xeon W-2295よりも優れたプロセッサー・ベース動作周波数を備えたCPUがおすすめです。
Xeon W-2295のベンチマーク
Xeon W-2295のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon W-2295の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。
Xeon W-2295のスコアは30568と、Intel製のXeon Gold 6246RやCore i7-12850HXを上回るスコアでした。
Xeon W-2295は、Xeon Gold 6246RやCore i7-12850HXよりもコア数・スレッド数が多く、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数も引けを取らない数値であることから、上位に位置づけられたと考えられます。
一方で、AMD製のEPYC 7371やRyzen 9 7940HSと比較すると、下回るスコアです。
Ryzen 9 7940HSは、Xeon W-2295よりもコア数・スレッド数が少ないですが、優れたクロック速度を備えている点が、Xeon W-2295のスコアを上回ったひとつの要因として考えられます。
まずはCPUのおおまかな性能を比較したい方は、PassMarkのCPU Mark Ratingを参考にしてみてください。
PassMark(CPU Value)
※Ryzen 9 7940HSは、情報が不足しているため、4製品で比較
PassMarkのCPU Valueは、CPUのコストパフォーマンスを数値化したベンチマークです。
Xeon W-2295のスコアは18.3と、4つの製品の中では2番目に低い数値でした。
特に、Core i7-12850HXとのスコア差が大きく、Core i7-12850HXのスコアはXeon W-2295の388%で、Core i7-12850HXは2番目に高い数値だったEPYC 7371とも大きな差がみられることから、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、ほかのベンチマークとあわせてPassMarkのCPU Valueも確認し、性能を見極めてみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較していきます。
Xeon W-2295のスコアは2635と、5つの製品の中では中間の数値でした。
Xeon W-2295は、CPU Mark RatingやCPU ValueではEPYC 7371よりも劣るスコアでしたが、CPU Single Thread Ratingでは上位のスコアでした。
一方で、最も高いスコアだったRyzen 9 7940HSと比較すると、およそ50%の性能差がみられ、同じIntel製のCore i7-12850HXともスコアに40%の開きがあります。
シングルスレッド性能は、単一のスレッドで実行できるWebサイトの閲覧やメールの送受信といった、負荷の小さいタスクの処理性能を表すので、特にビジネスシーンでのPCの使用を検討している方は、CPU Single Thread Ratingのスコアの高いCPUの導入を検討してみてください。
消費電力
最後に、消費電力もみていきます。
Xeon W-2295の消費電力は165Wと、EPYC 7371やXeon Gold 6246Rと比較すると低い数値ですが、ノートパソコン向けのRyzen 9 7940HSやCore i7-12850HXとは110W以上の差がみられました。
ノートパソコン向けCPUは、デスクトップ向けと比べて消費電力が低く抑えられている傾向にあるので、省電力性に優れたCPUを導入したい方は、ノートパソコン向けを検討してみてください。
注意点として、消費電力が抑えられているCPUは、消費電力の高いCPUと比べてコア数・スレッド数が少なく、クロック速度も低い傾向にあるので、用途に対して十分なスペックを持っているかも確認しておきましょう。
Xeon W-2295を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon W-2295のカスタマイズが可能なおすすめPC
Xeon W-2295のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon W-2295の導入を検討している方は、参考にしてください。
raytrek Workstation X2614 標準モデル
raytrek Workstation X2614は、一般的なビジネスタスクだけでなく、高いグラフィック処理性能が求められるクリエイティブタスクにも対応できるPCです。
優れた拡張性が特徴で、最大18コア36スレッドを実現可能であるのに加え、NVIDIA® TシリーズやNVIDIA® GeForceシリーズのグラフィックボードを最大2基まで搭載できます。
また、最大22110サイズのSSDをサポートしており、PCIe Gen 3×4リンク速度で動作するデュアルオンボード M.2スロットも装備しているため、最大2TBの大容量NVMe SSDの利用が可能です。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon W-2295」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。
Xeon W-2295は、Xeon W-2200シリーズの最上位クラスにあたるCPUで、18コア36スレッドのスペックを備えているため、Webサイトの閲覧や資料作成といった一般的なビジネスタスクだけでなく、動画編集などのクリエイティブタスクでも十分なパフォーマンスを期待できます。
CPUの選定に悩んでいる方は、この記事で解説した基本スペックやベンチマーク、ほかの製品との比較結果を参考に、用途にあったCPUをみつけてみましょう。