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Xeon Gold 6326とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Gold 6326」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Gold 6326のベンチマークや、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、これからCPUを導入する方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Gold 6326の基本スペック
Intel® Xeon® Gold 6326 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake |
プロセス | 10 nm |
コア数 | 16 |
スレッド数 | 32 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.9GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz |
メモリの種類 | DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 24MB |
対応ソケット | FCLGA4189 |
PCI Express リビジョン | 4.0 |
TDP | 185W |
発売日 | 2021/4 |
Intel® Xeon® Gold 6326は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUで、高い性能が要求されるメインストリームのデータセンターやマルチクラウド・コンピューティング、ストレージのワークロードに最適化されたIntel® Xeon® Goldシリーズにあたります。
中でもXeon Gold 6326は、第3世代のXeon Goldシリーズのミドルクラスにあたり、16コア32スレッドのスペックを備えています。
また、Xeon Goldシリーズには、Xeon Gold 6326の前世代のIntel® Xeon® Gold 6248Rや、上位モデルのIntel® Xeon® Gold 6330など多くのCPUがあり、この記事では、これらの同シリーズのCPUとスペックやベンチマークを比較した結果もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Gold 6326はどのような用途におすすめ?
Xeon Gold 6326は、データセンターやサーバー向けに設計されたXeon GoldシリーズのCPUで、16コア32スレッドの高いスペックを備えていることから、優れたマルチスレッド性能を生かして、膨大なデータセットの処理や科学技術分野でのシミュレーションなどで十分なパフォーマンスを発揮します。
また、AIを活用したデータ分析や機械学習などのワークロードで高い性能を発揮する「Intel® Deep Learning Boost」にも対応しているのも特徴のひとつで、普段の業務でAIを活用している方や、効率的にAIを運用したい方におすすめです。
Xeon Gold 6326のスペック比較
Intel® Core™ i9-12900TE | Intel® Xeon® Gold 6326 | Intel® Xeon® Gold 6248R | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake | Ice Lake | Cascade Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 16(Pコア8+Eコア8) | 16 | 24 |
スレッド数 | 24 | 32 | 48 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.1GHz | 2.9GHz | 3.0GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.8GHz | 3.5GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR4 3200 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 30MB | 24MB | 35.75MB |
対応ソケット | FCLGA1700 | FCLGA4189 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 4.0 | 3.0 |
TDP | 35W | 185W | 205W |
発売日 | 2022/1 | 2021/4 | 2020/2 |
Xeon Gold 6326のスペックを同じIntel製CPUのIntel® Core™ i9-12900TEや、Xeon Gold 6248Rとで比較してみていきましょう。
Core i9-12900TEは、Intel® Core™ iシリーズの第12世代にあたるCPUで、Xeon Gold 6326との大きな違いには、Eコアの有無があります。
Eコアとは、従来のPコアとは異なり、電力効率を重視して設計されたコアで、Xeon Gold 6326に搭載された16コアはすべてPコアであるのに対し、Core i9-12900TEには8個のEコアが搭載されています。
また、Core i9-12900TEのプロセッサー・ベース動作周波数は1.1GHzと、Xeon Gold 6326の2.9GHzとは大きな差がみられましたが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Core i9-12900TEのほうが上回る数値です。
通常利用時の処理速度を重視したい方はXeon Gold 6326、動画編集やCADなどの高負荷なタスクの処理速度を求める方はCore i9-12900TEがおすすめです。
次に、Xeon Gold 6326の前世代にあたる第2世代のXeon Gold 6248Rと比較します。
Xeon Gold 6248Rのコア数・スレッド数は24コア48スレッドと、Xeon Gold 6326を上回る搭載数で、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数もXeon Gold 6248Rのほうが優れた数値です。
高性能な分、消費電力は205Wと高めですが、より優れたマルチスレッド性能や処理速度を求める方は、Xeon Gold 6248Rも検討してみてください。
Xeon Gold 6326とAMD Ryzenシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 7 7700 | Intel® Xeon® Gold 6326 | AMD Ryzen™ 7 PRO 7745 | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 7 Processors | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 PRO Desktop Processors |
開発コード名 | Raphael | Ice Lake | Raphael |
プロセス | 5 nm | 10 nm | 5 nm |
コア数 | 8 | 16 | 8 |
スレッド数 | 16 | 32 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.8GHz | 2.9GHz | 3.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 5.3GHz | 3.5GHz | 5.3GHz |
メモリの種類 | DDR5 | DDR4 3200 | DDR5 |
L3キャッシュ容量 | 65MB | 24MB | 32MB |
対応ソケット | AM5 | FCLGA4189 | AM5 |
PCI Express リビジョン | 5.0 | 4.0 | 5.0 |
TDP | 65W | 185W | 65W |
発売日 | 2023/1 | 2021/4 | 2023/6 |
競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 7 7700とAMD Ryzen™ 7 PRO 7745は、同じRyzen™ 7シリーズのCPUで、基本スペックに差はみられません。
Xeon Gold 6326と比較すると、コア数・スレッド数はXeon Gold 6326が2倍の数値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、AMD製の両製品が大きく上回っています。
また、Ryzen 7 7700とRyzen 7 PRO 7745のL3キャッシュ容量は32MBと、こちらもXeon Gold 6326を上回る大容量で、消費電力も65Wに抑えられています。
タスクの大きさを問わず快適な処理速度を求める方や、大規模なデータに高速でアクセスしたい方は、Ryzen 7 7700やRyzen 7 PRO 7745がおすすめです。
後ほどXeon Gold 6326のベンチマークとあわせてRyzen 7 7700とRyzen 7 PRO 7745のベンチマークも紹介するので、より詳細な性能差を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
Xeon Gold 6326の特徴
Xeon Gold 6326の特徴を3つ解説します。
Xeon Gold 6326と従来モデルや上位シリーズのCPUを比較した結果を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
従来モデルのXeon Gold 6226からクロック速度などが向上
Xeon Gold 6326は、前世代の第2世代にあたる従来モデルのIntel® Xeon® Gold 6226からクロック速度などの基本スペックの向上がみられます。
Intel® Xeon® Gold 6326 | Intel® Xeon® Gold 6226 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake | Cascade Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 16 | 12 |
スレッド数 | 32 | 24 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.9GHz | 2.7GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz | 3.7GHz |
メモリの種類 | DDR4 3200 | DDR4 2933 |
L3キャッシュ容量 | 24MB | 19.25MB |
対応ソケット | FCLGA4189 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 |
TDP | 185W | 125W |
発売日 | 2021/4 | 2019/4 |
Xeon Gold 6226ではCascade Lake アーキテクチャが採用されていますが、Xeon Gold 6326ではIce Lake アーキテクチャが採用されています。
プロセスは14nmから10nmに微細化されており、このことが要因で、コア数・スレッド数の向上がみられます。
また、Xeon Gold 6226では2.7GHzだったプロセッサー・ベース動作周波数も、Xeon Gold 6326では200MHz向上しており、L3キャッシュ容量も24MBへ増量されました。
スペックアップした分、消費電力も60W増えましたが、より優れたマルチスレッド性能や通常利用時の処理速度を求める方は、Xeon Gold 6326がおすすめです。
高負荷なタスクの同時実行に優れた「Intel Hyper Threading Technology」に対応
Xeon Gold 6326は、高負荷なアプリケーションやタスクの同時実行時のパフォーマンスを高める「Intel® Hyper Threading Technology」に対応しています。
Intel Hyper Threading Technologyは、1つのコアで複数のスレッドを同時に実行することで、CPUのリソースを効率的に運用し、マルチスレッド・ソフトウェアのパフォーマンス向上を実現する機能です。
グラフィック性能を駆使したファイルの作成やエンコード、ウイルス保護ソフトウェアなどのタスク・アプリケーションの同時実行のパフォーマンスを高く維持できるため、生産性の向上が狙えます。
より高いマルチスレッド性能を求めるならXeon Platinumシリーズがおすすめ
従来モデルからのスペックアップがみられ、Intel Hyper Threading Technologyに対応しているXeon Gold 6326ですが、より高いマルチスレッド性能を求めるなら、Xeon Goldシリーズの上位シリーズにあたるIntel® Xeon® PlatinumシリーズのCPUがおすすめです。
Intel® Xeon® Gold 6326 | Intel® Xeon® Platinum 8358 | |
製品コレクション | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Ice Lake | Ice Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm |
コア数 | 16 | 32 |
スレッド数 | 32 | 64 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.9GHz | 2.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz | 3.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 3200 | DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 24MB | 48MB |
対応ソケット | FCLGA4189 | FCLGA4189 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 4.0 |
TDP | 185W | 250W |
発売日 | 2021/4 | 2021/4 |
例えば、Xeon Gold 6326と同じ第3世代のIntel® Xeon® Platinum 8358とスペックを比較すると、Xeon Platinum 8358のコア数・スレッド数は32コア64スレッドと、Xeon Gold 6326の2倍の数値です。
また、Xeon Platinum 8358もIntel Hyper Threading Technologyに対応しているため、複数のアプリケーションやタスクを同時並行でスムーズに実行したい方や、科学計算やビッグデータ処理などの高度な並列計算タスクで高いパフォーマンスを求める方は、Xeon Platinum 8358もおすすめです。
Xeon Platinum 8358のプロセッサー・ベース動作周波数は2.6GHzと、Xeon Gold 6326を下回る数値ですが、Xeon Platinumシリーズの上位モデルであれば、Xeon Gold 6326を上回るクロック速度を備えたCPUもあるので、ぜひ比較してみてください。
Xeon Gold 6326のベンチマーク
Xeon Gold 6326のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Gold 6326の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingは、CPUの総合的な性能を数値化したベンチマークです。
Xeon Gold 6326のスコアは35224と、Ryzen 7 7700やCore i9-12900TEを上回る数値でした。
Xeon Gold 6326は、Core i9-12900TEよりもスレッド数やプロセッサー・ベース動作周波数が上回っており、Ryzen 7 7700を大きく上回るコア数・スレッド数である点が、上位に位置づけられた要因のひとつとして考えられます。
一方で、Xeon Gold 6248RやRyzen 7 PRO 7745と比較すると、わずかに下回るスコアでした。
PassMarkのCPU Mark Ratingは、CPUのおおまかな性能を調べるうえで参考になるベンチマークのひとつなので、これからCPUを選定する方は、基本スペックとあわせて確認してみてください。
PassMark(CPU Value)
※Ryzen 7 PRO 7745は、必要な情報が不足しているため、4製品で比較
CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueも比較します。
Xeon Gold 6326のスコアは26.1と、4つの製品の中では、Xeon Gold 6248Rに次いで低い数値でした。
最も高いスコアだったのはRyzen 7 7700で、Xeon Gold 6326の421%の数値でほかの2製品とも大きな差がみられることから、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
PassMarkのCPU Valueのスコアは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されます。
コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、上記のように複数の製品のCPU Valueを比較してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
シングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきます。
Xeon Gold 6326のスコアは2338と、5つの製品の中では2番目に低い数値でした。
特に、AMD製の両製品との性能差が大きく、最も高いスコアだったRyzen 7 PRO 7745はXeon Gold 6326の179%の数値で、優れたシングルスレッド性能がみうけられます。
シングルスレッド性能は、資料作成やメールの管理といった、ビジネスシーンにおける比較的負荷の軽いタスクの処理性能を表すので、特に一般的なビジネスでPCを使用する方は、CPU Single Thread Ratingのスコアも参考にしてください。
消費電力
最後に、消費電力を比較した結果もみていきましょう。
Xeon Gold 6326の消費電力は185Wと、Xeon Gold 6248Rの205Wに次いで高い数値でした。
最も消費電力が低かったのは、電力効率を重視して設計されたEコアを搭載したCore i9-12900TEで、Xeon Gold 6326とは150Wもの差がみられます。
消費電力の低いCPUは、発熱量も抑えられるため冷却がしやすく、安定した処理速度を維持できるので、CPUを選定する際は、そのほかの基本スペックとあわせて確認してみてください。
Xeon Gold 6326を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon Gold 6326のカスタマイズが可能なおすすめPC
Xeon Gold 6326のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon Gold 6326の導入を検討している方は、参考にしてください。
raytrek Workstation X4620 標準モデル
raytrek Workstation X4620は、強力なグラフィック処理性能を実現するハイエンドモデルのPCで、Xeon Gold 6326をカスタマイズ選択できます。
デュアルプロセッサー構成時には、最大32コア64スレッドの実現が可能で、標準搭載されたNVIDIA® T1000以外にも、ウルトラハイエンドのグラフィックボードを最大2枚まで搭載できるため、高解像度の動画編集や3Dアニメーションなど、あらゆる用途に対応できます。
また、Intel® Gigabit LANを搭載しており、低いCPU使用率と温度、優れたパフォーマンスをサポートします。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Gold 6326」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。
Xeon Gold 6326は、第3世代のXeon GoldシリーズのミドルクラスにあたるCPUで、16コア32スレッドの高いマルチスレッド性能を備えており、なおかつ高負荷なタスクの同時実行時のパフォーマンスを高める「Intel Hyper Threading Technology」にも対応しています。
サーバー向けに設計されているため、膨大なデータセットの処理においても十分なパフォーマンスを発揮します。
CPUの選定に悩んでいる方は、この記事で紹介したXeon Goldシリーズの特徴や、Xeon Gold 6326の基本スペックやベンチマークを参考に、用途に応じたCPUを導入してください。