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Xeon Silver 4214Rとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Silver 4214R」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Silver 4214Rのベンチマークをほかの製品と比較した結果や、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、Xeon Silver 4214Rの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Silver 4214Rの基本スペック
Intel® Xeon® Silver 4214R | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 12 |
スレッド数 | 24 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 16.5MB |
対応ソケット | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 |
TDP | 100W |
発売日 | 2020/2 |
Intel® Xeon® Silver 4214Rは、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
Intel® Xeon® Bronzeシリーズからメモリの高速化や電力効率の向上を実現したIntel® Xeon® SilverシリーズのCPUで、エントリーレベルのデータセンターにおけるコンピューティングやストレージに求められるパフォーマンスを発揮します。
また、Xeon Silverシリーズの中でもXeon Silver 4214Rは、第2世代のIntel® Xeon® Silver 4200シリーズにあたり、同シリーズには従来モデルのIntel® Xeon® Silver 4214や、上位モデルのIntel® Xeon® Silver 4216などさまざまなCPUがあります。
この記事では、これらの製品とXeon Silver 4214Rを比較した結果もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4214Rはどのような用途におすすめ?
Xeon Silver 4214Rは、エントリーレベルのデータセンター向けに設計されたXeon SilverシリーズのCPUで、12コア24スレッドの優れたスペックを備えていることから、大量のデータを扱うデータベースやファイルサーバーなどにおすすめです。
また、ビジネス用途での使用も可能で、Webサイトの閲覧やメールの管理、Microsoft Wordなどのビジネスアプリケーションを活用した資料作成でも十分な性能を発揮します。
マルチスレッド性能にも優れているため、動画編集や3Dレンダリングなどのクリエイティブタスクにも適しているでしょう。
Xeon Silver 4214Rのスペック比較
Intel® Xeon® W-11855M | Intel® Xeon® Silver 4214R | Intel® Core™ i9-9900KF | |
製品コレクション | インテル® Xeon® W プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 9 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー |
開発コード名 | Tiger Lake | Cascade Lake | Coffee Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 6 | 12 | 8 |
スレッド数 | 12 | 24 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.2GHz | 2.4GHz | 3.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.9GHz | 3.5GHz | 5.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 | DDR4 2400 | DDR4 2666 |
L3キャッシュ容量 | 18MB | 16.5MB | 16MB |
対応ソケット | FCLGA1787 | FCLGA3647 | FCLGA1151 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 45W | 100W | 95W |
発売日 | 2021/5 | 2020/2 | 2019/1 |
Xeon Silver 4214Rのスペックを、同じIntel製CPUのIntel® Xeon® W-11855MやIntel® Core™ i9-9900KFとで比較してみていきます。
Xeon W-11855Mのプロセスは10nmと、Xeon Silver 4214Rの14nmより微細な設計ですが、コア数・スレッド数は6コア12スレッドで、Xeon Silver 4214Rの半分の搭載数です。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は3.2GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.9GHzと、それぞれXeon Silver 4214Rの数値を大幅に上回っており、消費電力も45Wに抑えられています。
次に、Intel® Core™ iシリーズのCore i9-9900KFと比較します。
Core i9-9900KFのプロセスは14nmと、Xeon Silver 4214Rと同値ですが、コア数・スレッド数は8コア16スレッドで、Xeon Silver 4214Rよりも少ない搭載数です。
また、Core i9-9900KFは、CPU内蔵グラフィック非搭載で、なおかつオーバークロックに対応したKFシリーズのCPUであるため、プロセッサー・ベース動作周波数は3.6GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は5.0GHzと、高いクロック速度を備えています。
以上の結果から、優れたマルチスレッド性能を求める方はXeon Silver 4214R、タスクの大きさを問わず安定した高い処理速度を求める方は、Xeon W-11855MやCore i9-9900KFがおすすめです。
それぞれの製品のベンチマークも後述するので、より詳しい性能を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Xeon Silver 4214RとAMD Ryzenシリーズのスペック比較
AMD Ryzen™ 5 3600X | Intel® Xeon® Silver 4214R | AMD Ryzen™ 7 5825U | |
製品コレクション | AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 Mobile Processors with Radeon™ Graphics |
開発コード名 | Matisse | Cascade Lake | Barcelo |
プロセス | 7 nm | 14 nm | 7 nm |
コア数 | 6 | 12 | 8 |
スレッド数 | 12 | 24 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.8GHz | 2.4GHz | 2.0GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.4GHz | 3.5GHz | 4.5GHz |
メモリの種類 | DDR4 |
DDR4 2400 | DDR4 |
L3キャッシュ容量 | 32MB | 16.5MB | 16MB |
対応ソケット | AM4 | FCLGA3647 | FP3 |
PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 95W | 100W | 15W |
発売日 | 2019/7 | 2020/2 | 2022/1 |
競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Ryzen™ 5 3600Xのプロセスは7nmと、Xeon Silver 4214Rの半分の大きさに設計されています。
コア数・スレッド数は6コア12スレッドで、Xeon Silver 4214Rのほうが多い搭載数ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Ryzen 5 3600Xのほうが優れた数値です。
L3キャッシュ容量も32MBと大容量であるため、クロック速度や大規模なデータへの快適なアクセスを重視する方は、Ryzen 5 3600Xがおすすめです。
AMD Ryzen™ 7 5825UとXeon Silver 4214Rを比較してみても、Xeon Silver 4214Rのほうがコア数・スレッド数は多いですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数はRyzen 7 5825Uのほうが優れています。
また、Ryzen 7 5825Uは、省電力性に優れたノートパソコン向けのUシリーズのCPUであるため、消費電力が15Wに抑えられているのが大きな特徴です。
省電力性を重視してCPUを選定したい方は、コア数やクロック速度、L3キャッシュ容量だけでなく、消費電力にも注目してみてください。
Xeon Silver 4214Rの特徴
Xeon Silver 4214Rの特徴を3つ解説します。
Xeon Silver 4214Rと同シリーズのCPUを比較してわかる特徴や、上位シリーズとの性能差を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4214のリフレッシュモデル
Xeon Silver 4214Rは、同じXeon Silver 4200シリーズのXeon Silver 4214のリフレッシュモデルにあたるCPUです。
Intel® Xeon® Silver 4214R | Intel® Xeon® Silver 4214 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 12 | 12 |
スレッド数 | 24 | 24 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz | 2.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 16.5MB | 16.5MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 100W | 85W |
発売日 | 2020/2 | 2019/4 |
両製品のコア数・スレッド数は12コア24スレッドと同値ですが、Xeon Silver 4214Rのプロセッサー・ベース動作周波数は2.4GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.5GHzと、200MHz〜300MHzの向上がみられます。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較してみても、Xeon Silver 4214RのスコアはXeon Silver 4214の113%の数値で、シングルスレッド性能の向上もみられました。
CPUには、Xeon Silver 4214Rのように品番の末尾にRがついたリフレッシュモデルがあり、従来モデルよりもコア数・スレッド数やクロック速度のスペックアップがみられるので、よりハイスペックなCPUを導入したい方は、覚えておきましょう。
並列処理性能を高める「Intel Hyper Threading Technology」に対応
Xeon Silver 4214Rは、高負荷なタスクやアプリケーションの並列処理性能を高める「Intel® Hyper Threading Technology」に対応しています。
Intel Hyper Threading Technologyは、CPUに搭載された1つのコアで複数のスレッドを同時に実行することにより、CPUのリソースを効率的に使用してパフォーマンス向上を実現する機能です。
Xeon Silver 4214Rは12コア24スレッドを備えたCPUですが、Intel Hyper Threading Technologyを活用することで、要求の高いアプリケーションやタスクを同時に実行するケースでも、システムの応答性を維持できます。
グラフィック性能を駆使したファイルの作成や編集と、ウイルス保護ソフトウェアなどのアプリケーションの稼働も同時に効率的に行えるため、生産性の向上が狙えます。
Xeon Goldシリーズと比べるとマルチスレッド性能・クロック速度が劣る
従来モデルからスペックアップがみられるXeon Silver 4214Rですが、上位シリーズのIntel® Xeon® GoldシリーズのCPUと比較すると、マルチスレッド性能やクロック速度が劣ります。
Intel® Xeon® Silver 4214R | Intel® Xeon® Gold 5218R | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 12 | 20 |
スレッド数 | 24 | 40 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.4GHz | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.5GHz | 4.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2667 |
L3キャッシュ容量 | 16.5MB | 27.5MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 100W | 125W |
発売日 | 2020/2 | 2020/2 |
例えば、Xeon Silver 4214Rと同じリフレッシュモデルで、同時期に発売されたIntel® Xeon® Gold 5218Rと比較すると、Xeon Gold 5218Rのコア数・スレッド数は20コア40スレッドとXeon Silver 4214Rを上回っており、高いマルチスレッド性能がうかがえます。
また、プロセッサー・ベース動作周波数は2.1GHzと、Xeon Silver 4214Rを下回る数値ですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.0GHzで、Xeon Silver 4214Rを500MHz上回っています。
そのため、負荷の大きいクリエイティブ系のタスクやアプリケーションを同時並行で快適に処理したい方は、Xeon Gold 5218RをはじめとしたXeon GoldシリーズのCPUを検討してみてください。
Xeon Silver 4214Rのベンチマーク
Xeon Silver 4214RのベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Silver 4214Rの性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingから比較していきます。
Xeon Silver 4214Rのスコアは18324と、Xeon W-11855MやRyzen 5 3600Xを上回る数値でした。
Xeon Silver 4214Rは、Xeon W-11855MやRyzen 5 3600Xと比べてコア数・スレッド数が多く、マルチスレッド性能に優れている点が、上位に位置づけられたひとつの要因だと思われます。
一方で、Core i9-9900KFやRyzen 7 5825Uと比較すると、わずかに劣るスコアです。
Xeon Silver 4214Rは、Core i9-9900KFやRyzen 7 5825Uよりもコア数・スレッド数が多いですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数で大きな差がみられ、両製品のほうが省電力性に優れていることから、下回る結果になったと考えられます。
PassMark(CPU Value)
※Ryzen 7 5825Uは、情報が不足しているため、4製品で比較
PassMarkのCPU Valueは、CPUのコストパフォーマンスを数値化したベンチマークです。
Xeon Silver 4214Rのスコアは37と、4製品の中では最も低い数値でした。
特に、Ryzen 5 3600Xとの差が大きく、Ryzen 5 3600XのスコアはXeon Silver 4214Rの379%で、コストパフォーマンスのよさがうかがえました。
PassMarkのCPU Valueを確認すれば、一目でCPUのコストパフォーマンスを把握できるので、コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、注目してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきましょう。
Xeon Silver 4214Rのスコアは1972と、5つの製品の中では最も低い数値でした。
最も高いスコアだったのはXeon W-11855Mで、Xeon Silver 4214Rとは166%もの性能差がみられます。
AMD製のRyzen 7 5825Uと比較しても、155%の大きな性能差がみられることから、Xeon Silver 4214Rは、シングルスレッド性能に秀でたCPUとはいえないでしょう。
一方で、5つの製品の中ではコア数・スレッド数が最も多いため、マルチスレッド性能が高く、複数のアプリケーションやタスクの同時処理に長けています。
これからCPUを導入する方は、基本スペックやベンチマークを参考に、用途にあった製品を選定しましょう。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Xeon Silver 4214Rの消費電力は100Wと、5つの製品の中で最も高い数値でした。
省電力性に優れたノートパソコン向けのRyzen 7 5825Uが15Wと最も低く、Xeon Silver 4214Rと85Wも差があります。
消費電力が抑えられたCPUは、発熱量も低く冷却がしやすいため、安定した動作を期待できる一方で、消費電力が大きいCPUと比べると性能も控えめです。
これからCPUを選定する方は、消費電力だけでなく、基本スペックやベンチマークも確認して、用途に対して十分な性能を発揮できる製品を選びましょう。
Xeon Silver 4214Rを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon Silver 4214Rのカスタマイズが可能なおすすめPC
Xeon Silver 4214Rのカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon Silver 4214Rの導入を検討している方は、参考にしてください。
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X4612 標準モデル
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X8612は、THIRDWAVE Pro WORKSTATIONシリーズのフラッグシップモデルのPCです。
X4612と同様に、デュアルプロセッサー構成時には最大で28コア56スレッドを実現できるだけでなく、NVIDIA® TシリーズやNVIDIA® RTX™ シリーズなどのグラフィックボードを最大4枚まで搭載可能です。
そのため、高いグラフィック処理性能が必要な動画編集やディープラーニング、CADなどのクリエイティブシーンで優れたパフォーマンスを期待できます。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Silver 4214R」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめPCまでを解説しました。
Xeon Silver 4214Rは、データベースやサーバー向けに設計されたXeon SilverシリーズのCPUで、12コア24スレッドの優れたスペックを備え、Intel Hyper Threading Technologyに対応していることから、高い並列処理性能が求められるシーンで高いパフォーマンスを発揮します。
これからCPUを選定する方は、紹介した基本スペックやベンチマーク、ほかの製品との比較結果を参考に、用途に対して十分な性能を発揮できる製品を導入しましょう。