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Xeon Silver 4216とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Silver 4216」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Silver 4216と同シリーズのCPUのスペック、ベンチマークを比較した結果お伝えします。これからCPUを導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Silver 4216の基本スペック
| Intel® Xeon® Silver 4216 | |
| 製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
| 開発コード名 | Cascade Lake |
| プロセス | 14 nm |
| コア数 | 16 |
| スレッド数 | 32 |
| プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz |
| ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz |
| メモリの種類 | DDR4 2400 |
| L3キャッシュ容量 | 22MB |
| 対応ソケット | FCLGA3647 |
| PCI Express リビジョン | 3.0 |
| TDP | 100W |
| 発売日 | 2019/4 |
Intel® Xeon® Silver 4216は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
エントリーレベルのデータセンター向けに設計されたIntel® Xeon® SilverシリーズのCPUで、中でもXeon Silver 4216は、第2世代のIntel® Xeon® Silver 4200シリーズの最上位モデルにあたります。
また、Xeon Silver 4200シリーズには、Xeon Silver 4216の下位モデルのIntel® Xeon® Silver 4215やIntel® Xeon® Silver 4215RなどのCPUがあります。
この記事では、これらの製品や別シリーズのCPUとスペックやベンチマークを比較した結果もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4216はどのような用途におすすめ?
Xeon Silver 4216は、エントリーレベルのデータセンターやサーバー向けに設計されたXeon SilverシリーズのCPUで、コンピューティングやストレージに求められるハードウェア支援型のパフォーマンスを得られます。
また、Xeon Silver 4200シリーズでは最多の16コア32スレッドのスペックを備えており、マルチスレッド性能が高いため、優れた並列処理性能が求められる3Dレンダリングや機械学習でも十分なパフォーマンスを期待できます。
Xeon Silver 4216のスペック比較
| Intel® Core™ i5-1340P | Intel® Xeon® Silver 4216 | Intel® Xeon® Gold 6138T | |
| 製品コレクション | 第 13 世代インテル® Core™ i5 プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
| 開発コード名 | Raptor Lake | Cascade Lake | Skylake |
| プロセス | 10 nm | 14 nm | 14 nm |
| コア数 | 12(Pコア4+Eコア8) | 16 | 20 |
| スレッド数 | 16 | 32 | 40 |
| プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.9GHz | 2.1GHz | 2.0GHz |
| ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.6GHz | 3.2GHz | 3.7GHz |
| メモリの種類 | DDR5 5200 DDR4 3200 LPDDR5/x 6400 LPDDR4x 4267 |
DDR4 2400 | DDR4 2666 |
| L3キャッシュ容量 | 18MB | 22MB | 22MB |
| 対応ソケット | FCLGA1787 | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
| PCI Express リビジョン | 4.0 | 3.0 | 3.0 |
| TDP | 28W | 100W | 125W |
| 発売日 | 2023/1 | 2019/4 | 2017/4 |
Xeon Silver 4216のスペックを、同じIntel製CPUのIntel® Core™ i5-1340PやIntel® Xeon® Gold 6138Tとで比較してみていきます。
Core i5-1340Pは、Intel® Core™ iシリーズのノートパソコン向けの中で、一般ユーザー向けに設計されたPシリーズのCPUです。
コア数・スレッド数は12コア16スレッドと、Xeon Silver 4216と比べると少ない搭載数ですが、Xeon Silver 4216には搭載されていないEコアが搭載されているのが特徴です。
Eコアは、従来の性能を重視して設計されたPコアとは異なり、電力効率を重視したコアで、Core iシリーズでは、第12世代から搭載されました。
Eコアが搭載されていることもあり、Core i5-1340Pの消費電力は28Wと、低く抑えられているので、省電力性に優れたCPUを求めている方におすすめです。
また、Core i5-1340Pのターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.6GHzと高く、Xeon Silver 4216を大きく上回る数値であるため、高負荷がかかるクリエイティブ系のアプリケーションでも高い処理速度を実感できるでしょう。
次に、Xeon Silverシリーズの上位シリーズにあたるIntel® Xeon® GoldシリーズのXeon Gold 6138Tと比較すると、コア数・スレッド数は20コア40スレッドと、Xeon Silver 4216を上回る搭載数で、高いマルチスレッド性能がうかがえます。
加えて、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.7GHzと、Xeon Silver 4216よりも500MHz高い数値で、高負荷時の処理速度の高さがみられます。
高性能な分、消費電力は125WとXeon Silver 4216より25W高い数値ですが、よりハイスペックなCPUを求める方は、Xeon Gold 6138Tもあわせて検討してみてください。
Xeon Silver 4216と両製品のベンチマークも後ほど解説するので、より詳しい性能差を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Xeon Silver 4216とAMDシリーズのスペック比較
| AMD EPYC™ 7451 | Intel® Xeon® Silver 4216 | AMD Ryzen™ 7 PRO 4750G | |
| 製品コレクション | AMD EPYC™ 7001 Series | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 PRO 4000 Series Desktop Processors |
| 開発コード名 | Naples | Cascade Lake | Renoir |
| プロセス | 14 nm | 14 nm | 7 nm |
| コア数 | 24 | 16 | 8 |
| スレッド数 | 48 | 32 | 16 |
| プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.3GHz | 2.1GHz | 3.6GHz |
| ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz | 3.2GHz | 4.4GHz |
| メモリの種類 | DDR4 |
DDR4 2400 | DDR4 |
| L3キャッシュ容量 | 64MB | 22MB | 8MB |
| 対応ソケット | SP3 | FCLGA3647 | AM4 |
| PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
| TDP | 180W | 100W | 65W |
| 発売日 | 2017/6 | 2019/4 | 2020/7 |
競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD EPYC™ 7451のプロセスは14nmと、Xeon Silver 4216と同値ですが、コア数・スレッド数は24コア48スレッドと、Xeon Silver 4216を大きく上回る搭載数です。
また、プロセッサー・ベース動作周波数は2.3GHzと、Xeon Silver 4216の2.1GHzを200MHz上回る数値で、通常利用時の処理速度を求める方は、EPYC 7451のほうが適しているでしょう。
一方で、消費電力は180Wと高めなので、消費電力を抑えたい方は、用途に対して十分なスペックを発揮できるCPUか確認したうえで選定しましょう。
次に、AMD Ryzen™ 7 PRO 4750Gと比較します。
Ryzen 7 PRO 4750Gのコア数・スレッド数は8コア16スレッドで、Xeon Silver 4216の半分の搭載数ですが、プロセッサー・ベース動作周波数は3.6GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.4GHzと、Xeon Silver 4216よりも優れたクロック速度で、処理速度の高さがうかがえます。
消費電力は65Wに抑えられているので、処理速度や省電力性を重視してCPUを選定したい方は、Ryzen 7 PRO 4750Gも選択肢のひとつとして検討してみてください。
Xeon Silver 4216の特徴
Xeon Silver 4216の特徴を3つ解説します。
Xeon Silver 4216と同シリーズや前世代のCPUを比較してわかる特徴を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
Xeon Silver 4200シリーズの最上位モデル
Xeon Silver 4216は、Xeon Silver 4200シリーズの最上位モデルにあたるCPUです。
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CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingを比較すると、Xeon Silver 4216のスコアが最も高く、次いで高いスコアのIntel® Xeon® Silver 4214の127%の数値で、エントリーモデルのIntel® Xeon® Silver 4208とは、180%もの開きがあります。
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Xeon Silver 4216のコア数は、Xeon Silver 4200シリーズの最多の16コアで、次いで多い搭載数のXeon Silver 4214の12コアとは4コアの差があり、優れたマルチスレッド性能を備えています。
そのため、Xeon Silver 4200シリーズの中でより優れたマルチスレッド性能を備えているCPUを導入したい方は、Xeon Silver 4216がおすすめです。
前世代のXeon Silver 4116からシングルスレッド性能・マルチスレッド性能が向上
Xeon Silver 4216は、前世代の従来モデルにあたるIntel® Xeon® Silver 4116からさまざまなスペックの向上がみられるCPUです。
| Intel® Xeon® Silver 4216 | Intel® Xeon® Silver 4116 | |
| 製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
| 開発コード名 | Cascade Lake | Skylake |
| プロセス | 14 nm | 14 nm |
| コア数 | 16 | 12 |
| スレッド数 | 32 | 24 |
| プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 2.1GHz |
| ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.2GHz | 3.0GHz |
| メモリの種類 | DDR4 2400 | DDR4 2400 |
| L3キャッシュ容量 | 22MB | 16.5MB |
| 対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
| PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
| TDP | 100W | 85W |
| 発売日 | 2019/4 | 2017/7 |
Xeon Silver 4116は第1世代のCPUで、Skylake アーキテクチャが採用されていましたが、第2世代のXeon Silver 4216では、Cascade Lake アーキテクチャが採用されています。
また、Xeon Silver 4116のコア数・スレッド数は12コア24スレッドでしたが、Xeon Silver 4216では16コア32スレッドに向上しており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数も200MHzの向上がみられます。
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さらに、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較すると、Xeon Silver 4216のスコアはXeon Silver 4116の106%の数値で、確かなスペックアップがみられました。
優れたクロック速度を求める方には向いていない
Xeon Silver 4200シリーズの最上位モデルにあたるXeon Silver 4216ですが、ほかのCPUと比較するとクロック速度は劣っています。
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Xeon Silver 4216のプロセッサー・ベース動作周波数は2.1GHzと、Xeon Silver 4200シリーズの中ではエントリーモデルのXeon Silver 4208と並んで最も低く、最も高いXeon Silver 4215Rとは1.1GHzもの差があります。
そのため、通常利用時の優れた処理速度を求める方には向いていません。
優れたクロック速度を求める方は、Xeon Silver 4215Rや、上位シリーズのXeon GoldシリーズのCPUをおすすめします。
Xeon Silver 4216のベンチマーク
Xeon Silver 4216のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Silver 4216の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
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PassMarkのCPU Mark Ratingから比較します。
Xeon Silver 4216のスコアは20613と、AMD製のRyzen 7 PRO 4750GやEPYC 7451を上回る数値でした。
一方で、同じIntel製のXeon Gold 6138TやCore i5-1340Pと比較すると、わずかに下回るスコアです。
Xeon Silver 4216は、Xeon Gold 6138Tよりもコア数・スレッド数が少なく、ターボ・ブースト利用時の最大周波数も劣る数値で、Core i5-1340Pとはターボ・ブースト利用時の最大周波数や省電力性が下回ることから、下位に位置づけられたと考えられます。
CPU Mark Ratingは、CPUのおおまかな性能を数値で確認できるので、これからCPUを導入する方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Value)
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CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきましょう。
Xeon Silver 4216のスコアは27.5と、CPU Mark Ratingで最も高いスコアだったXeon Gold 6138Tの443%です。
その一方で、CPU Mark Ratingでは上回っていたRyzen 7 PRO 4750Gと比較すると、およそ3分の1のスコアで、大きな差がみられました。
同じIntel製のCore i5-1340Pと比較しても、スコアに開きがみられます。
コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、基本スペックとあわせてPassMarkのCPU Valueの結果も参考に、CPUを選定してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
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PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較します。
Xeon Silver 4216のスコアは1807と、5つの製品の中では最も低い数値です。
最も高いスコアだったのはCore i5-1340Pの3606で、Xeon Silver 4216とはおよそ200%の性能差があり、シングルスレッド性能の高さがうかがえます。
シングルスレッド性能は、Webブラウジングやメールの送受信といった、一般的なビジネスシーンで行われる比較的負荷の小さいタスクの処理性能を表します。
ビジネスタスクでのPCの使用を検討している方は、ほかのベンチマークとあわせてPassMarkのCPU Single Thread Ratingも参考にしてみてください。
消費電力
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最後に、消費電力も比較します。
Xeon Silver 4216の消費電力は100Wと、最も高い消費電力のEPYC 7451よりも80W抑えられた数値です。
最も低い消費電力だったのは、ノートパソコン向けCPUのCore i5-1340Pの28Wで、Xeon Silver 4216とは72Wの差があります。
CPUは、デスクトップ向けよりもノートパソコン向けのほうが消費電力が抑えられている傾向にあるので、省電力性に優れたCPUを導入したい方は、用途に対して十分なスペックを備えているかも確認したうえで、ノートパソコン向けCPUの導入を検討してみてください。
Xeon Silver 4216を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Silver 4216」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめPCまでを解説しました。
Xeon Silver 4216は、Xeon Silver 4200シリーズの中で最上位モデルにあたるCPUで、高いマルチスレッド性能を備えているのが特徴です。
エントリーレベルのデータセンター向けに設計されたXeon Silverシリーズでもあるため、データベースサーバーや仮想化環境に適しています。
これからCPUを選定する方は、この記事で紹介したXeon Silver 4216やほかの製品の基本スペック、ベンチマークを参考に、用途に合った製品を導入しましょう。















