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2DCADと3DCADの違いとは?メリット・デメリットと使い分けのポイントを解説

この記事では、設計や製図で欠かせないツール「2DCAD」と「3DCAD」の違いや使い分ける際のポイント、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

おすすめの2DCADソフトと3DCADソフトもあわせてお伝えするので、自社に最適なソフトの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

2DCADと3DCADの基本情報

まず、設計をデジタルで行うソフトである「2DCAD」と「3DCAD」の特徴や用途についてそれぞれ解説します。

2DCADとは

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2DCADとは、PC上で平面の製図作業を行えるソフトのことです。

従来紙に書いていた設計図を、モニター上で作成できるようにしたもので、手書きよりも素早く簡単に作成できます。

主な利用シーンは、自動車設計、電化製品、建築・構造分野、インテリアデザインなどがあげられ、幅広い分野の図面作成が可能です。

元々は手書きで製図を行ってきた方が、2DCADで製図作業を行う場合、ソフトの基本的な使い方を理解するだけで活用できます。

3DCADとは

no20_3dcadパソコン_01.jpgのサムネイル画像

3DCADとは、PC上で立体形状の製図作業を行えるソフトのことです。

従来の設計業務は、手書きの設計図のように2次元(2D)で行ってきましたが、3DCADは平面図だけではなく、3次元(3D)に立体データを拡張し製図することが可能です。

主な利用シーンは、ロケット設計、航空機、造船、精密機器、デザイン性が求められる工業部品や民生品などの設計に活用されています。

PC上の仮想空間で立体モデルを作成できるので、360°の方向からも確認でき、完成イメージがしやすく、製品設計者と製造エンジニア間の食い違いがなく仕様を伝えられる特徴があります。

3DCADと2DCADの違い

次に、3DCADと2DCADの特徴と違いについて、それぞれ詳しく解説します。

視点

2DCADでは、製図で用いられる正投影図法の三角法を用いており、正面図、平面図、側面図といった3つの視点から見た構成を平面上で作成します。

一方で、3DCADでは、PC上の仮想の3D空間に3つの軸を用いて立体形状を作成します。作成した図面は立体図として描かれるので、視覚的にイメージを共有することが可能です。

作成方法

2DCADの作成方法は、三角法に基づき、X、Y、Zの視点から描かれており、正面図、平面図、側面図からみたときの形状を縦横2つの軸で表して作成します。

一方で、3DCAD作成方法は3種類あり、ワイヤーで外枠を組み立てるように、頂点と頂点をつなぐ線で形状を表す「ワイヤーフレームモデル」、線で囲まれた面で表す「サーフェスモデル」、中身の詰まった物体として表す「ソリッドモデル」を活用して立体を構成します。

役割

2DCADの役割は、平面上で製図作業を行うことです。初期段階で作成される基本設計図を試作するツールとして用いられることもあります。

一方で、3DCADは、立体的に図面を作成すること以外にも、体積・表面積・質量・重心などの幾何情報を算出できます。

作成図面の管理方法

2DCADは、視点ごとに図面を作成する必要があるので、視点が増えるたびに管理ファイルが増えたり、複雑な図面作成時はより視点が増えたりして工数がかかってしまいます。

一方で、3DCADはPC上に立体を作成できれば、図面を複製できたり、素早く平面図へと切り出したりすることができます。

機能面

2DCADの機能は、図面を作成する際に必要な機能や操作性を指し、図形の描画や編集、ファイルの入出力、寸法や注釈の入力、レイヤーやスケールの管理などがあげられます。

一方で、3DCADは、基本的なシミュレーション、図面作成、3Dモデリング、正確な寸法設定などの機能を利用することが可能です。

2DCADと3DCADのメリット・デメリット

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次に、2DCADと3DCADのメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく解説します。

2DCADのメリット

2DCADは、PC上で図面を設計できるため、手書きに比べて図面データの修正や保存、図面の再利用ができる点がメリットです。

また、3DCADに比べて拡張子による制限が少ない点があげられます。導入費用についても3DCADより安価です。

2DCADのデメリット

製造業の場合、平面上の図面データのみだと、部品同士の干渉をはじめとする設計不良を見落としてしまい、その結果、出戻りが発生してしまうおそれがあります。

そのため、詳細設計を行う過程で工数がかかりやすくなり、作業が円滑に進まなくなる可能性があります。

3DCADのメリット

3DCADで作成された3Dデータは、誰でも簡単に設計した形状や構造を認識できることがメリットです。

特に複雑な形状や曲面があるなど、図面の読み取り工数がかかる部品であっても、3DCADを活用すれば、設計物の形状を理解しながら、設計を進めることができます。

また、最近では仮想空間に没入できるVR(仮想現実)やAR(拡張現実)とデータ連携がとれるようになったため、設計や製造の現場において、今後の3DCAD活用の拡大が注目されています。

3DCADのデメリット

3DCADはいろいろなソフトの種類があり、カスタマイズ性や汎用性があるものを導入することを考慮すると、高価なものが多いです。

3DCADは2DCADと設計や操作方法が大きく異なります。例えば、3DCADの場合は平面図のほかに立体図を作成するため、2DCADに慣れていると工数が増えるので作業の負担が大きくなることがあります。

また、他社連携の際には3DCADソフトのバージョン管理が必要になる場合もあります。

2DCAD業務に最適なソフト3選とおすすめPC

次に、平面図面の作成・管理業務に最適な2DCADにおすすめのソフトを紹介します。

Fusion 360

Fusion 360は、2次元図面、3DCAM、レンダリング、モデリング機能、解析などの機能が搭載されたソフトです。

作成したデータはクラウド上に保存されるため、インターネット環境があれば、どの場所からでもアクセスでき、データの更新や共有をスムーズに行える点がメリットです。

一方で、インターネット環境がなければ作業できないというデメリットもあります。また、Fusion 360を利用する際は、最低2週間ごとにインターネットに接続する必要があります。

3DCADは負荷の高い処理が多いので、高い性能を備えたCPU、Intel® Core™ i9-14900KFと、処理性能が高いGPU、NVIDIA RTX™ A4500 20GBを備えたPCがおすすめです。

Onshape

Onshapeは、全ての作業をクラウド上でできる、オンライン3DCADソフトです。

高度な製品設計などに最適なソフトとして知られており、主に企業組織を対象として提供されています。個人でも無料で利用できますが、一部機能の制限があります。

マルチデバイス対応なので、PCのみならずスマートフォンやタブレットでもアクセスできたり、編集できたりするのがメリットです。

一方で、Onshapeは製品設計に最適なソフトとして知られていますが、アーティスティックな3Dモデリングには向いていません。

訪問先でOnshapeを使用するシーンが多く予想される場合は、持ち運びしやすいノートPCを選ぶことをおすすめします。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKSは、製品設計、図面作成、3次元設計、コミュニケーション機能を備えたソフトです。

一般的に3DCADによるモデリングは、2DCADに比べ難易度が高いといわれていますが、SOLIDWORKSは、直観的な操作で扱えるため、初心者でも導入しやすいのが特徴です。

初期段階から情報を共有することができるので、図面の設計や評価・改善を進めやすいです。意思疎通が容易に行えるため、生産性向上に役立ちます。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKSは、製品設計、図面作成、3次元設計、コミュニケーション機能を備えたソフトです。

一般的に3DCADによるモデリングは、2DCADに比べ難易度が高いといわれていますが、SOLIDWORKSは、直観的な操作で扱えるため、初心者でも導入しやすいのが特徴です。

初期段階から情報を共有することができるので、図面の設計や評価・改善を進めやすいです。意思疎通が容易に行えるため、生産性向上に役立ちます。

3DCAD業務に最適なソフトを紹介

3dcg_3dcad_2.jpgのサムネイル画像

3DCAD業務を効率化したり、ストレスなく快適な環境で利用したりするには、用途に合わせた適切なソフトを導入する必要があります。

以下の記事では、3DCADの活用におすすめのソフトを紹介していますので、ソフトの導入を検討している方は、「3DCGと3DCADの違いとは?特徴や用途、おすすめのソフトを詳しく解説」ぜひ参考にしてください。

2DCADと3DCADを使い分けるポイント

2DCADと3DCADは用途に応じて使い分けることで、作業効率化や生産性向上につながります。

以下では、使い分ける際のポイントについて、それぞれの特徴を踏まえて解説します。

用途に応じて設計しやすいソフトを選ぶ

3DCADはコマンド機能が多く、操作に慣れるまで時間がかかるため、シンプルな製図であれば、2DCADのみで作成しても問題ありません。

3DCADは、2DCADで作成した図面を基に短時間で試作品の作成に利用できます。試作品を作成する前に、PC上で、動作確認や体積確認、干渉チェックなど設計の成立性を解析できるので、図面の修正漏れが削減できます。

シンプルな製図であれば2DCAD、複雑な製図や解析は3DCADといったかたちで使い分けるとよいでしょう。

使用環境や用途に適したソフトを使用する

構造が複雑な部品や形状が入り組んでいる部品などを作成する場合は、サーフェス演算も可能な3DCADがあると便利です。

しかし、平面図で見ても判断するのが容易なプレス部品などであれば2DCADで対応できます。

また費用面でいうと、3DCADを使用する場合、ハイスペックなPCと高価なライセンスが必要になるのが一般的です。

自社の設計現場にどんな機能が必要なのか、2DCADや3DCADを使用する環境は整っているかなどを考慮して、導入するソフトを選択しましょう。

3DCADに関するFAQ

以下では、3DCADに関する疑問に回答しているので、参考にしてください。

3DCADの普及率は?

製造業に携わる日本企業の3DCADを活用している割合は、経済産業省による2020年度ものづくり白書(外部サイト)のデータによると17%と全体の約2割弱です。

一方で、2Dデータおよび3Dデータでの設計は44.3%、2Dデータでの設計は26.5%と、3DCADのみを利用して設計している日本企業の割合は低く、普及や活用が遅れているといえます。

参照:2020年度ものづくり白書(外部サイト)

3DCADの利用技術者試験の難易度は?

3DCAD利用技術者試験の合格率は、CAD利用技術者試験のデータによると、2022年度の3次元CAD利用技術者試験 2級の合格率は65.64%、2021年度は44.68%です。

続いて2023年前期の準1級合格率は70.09%、後期の準1級合格率は36.34%。2023年前期の1級合格率は35.19%、2023年後期で25.56%です。

年度によって差がありますが、3DCADの合格率から見る難易度は、2級と準1級が普通、1級が難しい結果となっています。

参照:CAD利用技術者試験(外部サイト)

建築業界でおすすめの3DCADソフトとは?

建築業界でおすすめの3DCADソフトはAutoCADです。AutoCADは、アメリカのAutodesk社が開発・販売しているCADソフトで、日本の設計事務所や大手ゼネコンで多く使用されています。

自由にカスタマイズできる幅が広く、建築に特化したツール「AutoCAD Architecture(オートキャド アーキテクチャ」の、ドアや壁など建築オブジェクトを自動挿入する機能などを使用すれば、建築設計やドキュメント作成を効率的に行えます。

まとめ

この記事では、「2DCAD」と「3DCAD」の違いや特徴、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。

特に3DCADを用いて3D設計を行えば、設計業務を効率化できたり、社内・クライアントとのコミュニケーションがとりやすくなったりと、さまざまなメリットが得られます。

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