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Fusion 360の推奨スペックとは?注意点とおすすめPC12選を紹介
この記事では、Autodesk社が提供している高機能3DCADソフト「Fusion 360」の推奨スペックに適したPCの特徴やシステム要件について紹介します。
各パーツの推奨要件やPCを選ぶときの注意点も合わせてお伝えするので、PC選びに迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Fusion 360とは
Fusion 360とは、Autodesk社が開発したクラウドベースの3DCADソフトウェアのひとつです。
3Dモデリングをはじめとした、2D・3D図面の設計、シミュレーション、CAM(コンピュータ支援製造)などの機能を1つのプラットフォームに統合した包括的なツールです。
また、工作機械メーカーなどの製造業界、建築・土木業界、製品開発などで広く使用されており、図面や配線、配管図の作成、3D製品設計などの業務で使われています。
CADエンジニアやデザイナーにとってFusion 360は、業務に欠かせない重要なツールとなっています。
また、クラウドベースのプラットフォームなので、時間と場所を問わずデータを共有、管理、保護、確認でき、業務効率の向上や適切な情報に基づいたビジネスの意思決定が可能です。
Fusion 360について詳しくは「Fusion 360とは?特徴や法人・個人利用の方法と注意点を解説」でもご説明しています。あわせてご覧ください。
Autodesk公式に記載されたFusion 360の動作環境
Fusion 360を利用するPCの動作環境について、Autodesk公式を参考にそれぞれ詳しく記載されているので、Autodesk Fusionの動作環境(外部サイト)を参考にしてください。
Autodesk Fusion の動作環境 | |
OS | Apple® macOS macOS 14 Sonoma - 2024 年 1 月 30 日 macOS 13 Ventura - (バージョン 2.0.15289 以降) macOS 12 Monterey macOS 11 Big Sur - 2024 年 3 月まで(詳細はこちら) Microsoft® Windows® Windows 11 Windows 10 (64 ビット) バージョン 1809 以降 |
CPU | x86 ベースの 64 ビット プロセッサ(Intel Core i、AMD Ryzen シリーズなど)、4 コア、1.7 GHz 以上。32 ビットはサポートされません。 Apple シリコン プロセッサには Rosetta 2 が必要です。詳細については、こちらの投稿を参照してください。 |
グラフィックス | DirectX11 (Direct3D 10.1 以上) 1 GB以上の VRAM を搭載した専用 GPU 6 GB以上の RAM を搭載した統合グラフィックス |
メモリ | 4GBのRAM (内蔵グラフィックス6GB以上を推奨) |
ディスク空き容量 | 5.8GB |
Autodesk公式に記載されている動作環境は、「最低限このスペックを満たしておけば動作する」という目安なので、快適に活用できるかどうかではないことに注意してください。
参照:Autodesk Fusionの動作環境(外部サイト)
モデリング規模ごとの推奨スペック
以下では、小規模3Dモデリング、中規模以上3Dモデリング、大規模3Dモデリングそれぞれの業務内容にあった推奨スペックを紹介します。
小規模の3Dモデリング
CPU | ・Intel® Core™ i5 ・AMD Ryzen™ 5 1.7GHz |
グラフィックス | ・NVIDIA® Tシリーズ ・内蔵GPU |
メモリ | 8~16GB |
ストレージ | 250GB~500GB(SSD推奨) |
小規模の3Dモデリングでは、日用品や家具、小物など個人ユーザー向けの製品の設計に利用されることが多いです。
Fusion 360を快適に利用するには、シングルスレッド性能やマルチスレッド性能が高いCPUが求められるので、クロック周波数が1.7GHz以上を備えたIntel® Core™ i5 シリーズやAMD Ryzen™ 5 シリーズなどのCPUが必要です。
趣味・学習などで利用する初心者や個人ユーザー向けの製品設計をする方は、GPUにNVIDIA® GeForce RTX™ 3050や、NVIDIA® GeForce RTX™ 4050を搭載したPCを選びましょう。
また、Fusion 360で3DCADやレンダリング、アセンブリ、2次元図面などを活用すると、メモリ消費量が多くなるので、小規模の3Dモデリング用途で使用する場合は、8GB〜16GBのメモリを備えておきましょう。
中規模以上の3Dモデリング
CPU | ・Intel® Core™ i7 ・AMD Ryzen™ 7 3GHz |
グラフィックス | ・NVIDIA® Tシリーズ ・NVIDIA RTX™ Aシリーズ ・AMD Radeon™ Proシリーズ ※NVIDIA、AMDはGPU 4GB以上 |
メモリ | 16~32GB |
ストレージ | 500GB~1TB(SSD推奨) |
中規模以上の3Dモデリングでは、自転車の設計・製造、機械加工やプロトタイプ作成などに利用されることが多いです。
最適なPCスペックは、ハイエンドモデルと呼ばれる豊富な機能と高い処理性能を備えた上級者向けの製品がおすすめです。
例えば、3Dモデリングや画像・動画編集などのクリエイティブシーンに最適なスペックは、GPUにNVIDIA® GeForce RTX™ 4060や、NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Tiが搭載されたPCが最適だといえます。
また、Fusion360で3DCADのモデリングや3DCAM、レンダリング、アセンブリなどの作業を行うと、メモリ消費量が多くなるので、500GB〜1TB程度のメモリを備えておくことをおすすめします。
大規模以上の3Dモデリング
CPU | ・Intel® Core™ i9 ・AMD Ryzen™ 9 ・Intel® Xeon® シリーズ |
グラフィックス | ・NVIDIA® GeForce RTX™ 40 シリーズ ・NVIDIA RTX™ Aシリーズ |
メモリ | 32GB以上 |
ストレージ | 1TB以上(SSD推奨) |
大規模の3Dモデリングは、商業施設や複合施設、高層マンションなどがあげられます。
特に大規模なプロジェクトでは、処理速度が遅いと作業効率に影響するので、GPUにNVIDIA® GeForce RTX™ 4080やNVIDIA® GeForce RTX™ 4090などの高性能なGPUを選びましょう。
Fusion 360のさまざまな機能を最大限活用する場合は、メモリ容量が大きいほどPCの処理速度が向上するので、1TB以上のメモリも備えておくことをおすすめします。
また、一般的なPCと比べて高性能なCPUとGPUが搭載されたワークステーションでは、ディープラーニングや医療イメージングなどの用途に活用できるNVIDIA RTX™ Aシリーズも最適といえます。
なお通常のSSDよりデータ転送速度が速いNVMe M.2 SSDを利用すれば、作業効率がより向上するのでおすすめです。
Fusion 360の推奨スペックに関する注意点
Fusion 360公式が推奨するスペックを満たしていれば、基本的には利用できますが、使用する際に注意すべき点があるので紹介します。
ノートPCでも利用できますが、Laptop GPU搭載を推奨
Fusion 360は内蔵GPU搭載のノートPCでも利用できますが、ストレスなく快適に利用したい方は、専用GPUが搭載されたデスクトップPCが最適です。
ノートPCでFusion 360を活用する場合は、この記事の後半で紹介する、Laptop GPUを搭載したおすすめPCをぜひご確認ください。
複雑なモデリングを行う際は、性能の高い専用GPUを搭載したPCを活用するのが望ましいので、併せて紹介しているおすすめのデスクトップPCもチェックしてみましょう。
大規模設計では高性能なGPUを搭載したPCが必要
ゼネコンやサブコンでの大規模な建築物の設計業務では、高性能なGPUを搭載したPCが必要です。
例えば、自動車や工業用機械の設計は、CPUとGPUに大きな負荷がかかるため、Fusion 360の推奨スペックを満たしていても、性能が不十分なケースがあります。
Fusion 360を活用して中規模・大規模な設計に携わっている方、今後設計を考えている方は、高性能なGPUを搭載したNVIDIA® GeForce RTX™ 4080やNVIDIA® GeForce RTX™ 4090、AMD Radeon™ RX 7900 XTXなどの製品がおすすめです。
最低スペックを満たしていないと動作しない恐れがある
Autodesk公式に記載された動作環境は、最低限動作するためのスペック条件です。ストレスなく快適に利用できる条件ではないので注意しましょう。
例えば、メモリは4GBのRAM(内蔵GPU6GB以上を推奨)と記載されていますが、モデリング規模や用途によって必要とされるメモリ容量は異なります。
複雑なモデリングをした際にメモリが不足することで、ストレージのアクセスが増え、動作が重くなることがあります。
Autodesk公式に記載された動作環境に準じたスペックのPCを購入してしまうと、安定したパフォーマンスが発揮できないので、先述したとおり、小規模、中規模、大規模3Dモデリングそれぞれの業務内容にあったPCを選ぶことが大切です。
Fusion 360を利用した業務ができるおすすめデスクトップPC8選
ここでは、Fusion 360を使用して中規模3Dモデリングや大規模3DモデリングにおすすめのデスクトップPCを紹介します。
raytrek 4CX49-K
製品名 | raytrek 4CX49-K | raytrek 4CH49 | raytrek 4CZ47iS | raytrek 4CX47-K | raytrek ILCA-PC4070TiS | raytrek 4CH46 | raytrek 4CX46i-K | raytrek 4CX46i |
OS | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Pro | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Home Pro | Windows 11 Home Pro |
CPU | Intel® Core™ i7-14700KF | Intel® Core™ i9-14900F | Intel® Core™ i9-14900KF | Intel® Core™ i7-14700KF | Intel® Core™ i7-13700F | Intel® Core™ i9-14900F | Intel® Core™ i7-14700F | Intel® Core™ i7-14700F |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4090 24GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4090 24GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti SUPER 16GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 12GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti 12GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 8GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Ti 8GB | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Ti 8GB |
メモリ | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD | 1TB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD |
raytrek R5-RL6RはIntel13世代core i7を搭載したノートパソコンです。CPUに搭載されたCore i7-13620Hは当社従来品に搭載されていたCPUよりも消費電力が軽減し、発熱量と冷却音を抑えられています。さらに、クラフィックボードにはGeForce RTX 4060 8GB LaptopGPUを搭載し、クリエイティブな作業でも快適に行うことができます。
また、ストレージには1TB Gen4 SSDを標準搭載し、別ソケットへのSSD追加やメモリ容量を最大64GBまでカスタマイズできるなど、拡張性の高さも魅力です。
raytrek R5-RL5R
raytrek R5-RL5RはIntel13世代core i7を搭載したノートパソコンです。CPUに搭載されたCore i7-13620Hは当社従来品に搭載されていたCPUよりも消費電力が軽減し、発熱量と冷却音を抑えられています。さらに、クラフィックボードにはコストパフォーマンスに優れたGeForce RTX 3050 6GB LaptopGPUを搭載し、クリエイティブな作業に必要なスペックと価格のバランスを両立したモデルです。
製品名 | raytrek R6-RL | raytrek R5-RL6R | raytrek R5-RL5R |
OS | Windows 11 Pro | Windows 11 Pro | Windows 11 Pro |
CPU | Intel® Core™ i7-13700H | Intel® Core™ i7-13620H | Intel® Core™ i7-13620H |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 8GB LaptopGPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 8GB LaptopGPU | NNVIDIA® GeForce RTX™ 3050 6GB LaptopGPU |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD |
Fusion 360に関するよくある質問
以下では、Fusion 360に関する疑問に答えているので、参考にしてください。
Fusion 360とRyzenのCPUとの相性はいいの?
Fusion 360公式の動作環境には、Intel® Core™ i シリーズまたは、AMD Ryzen™ シリーズのCPUが推奨されています。
AMD製のCPUを搭載したPCを利用している方でも、推奨スペックを満たしていれば、問題なくFusion 360を動かすことができます。
しかし、Intel®が扱うCPUの種類は豊富で、かつビジネスシーンでの利用率が高いため、これからPCの購入を検討している方は、IntelのCPUを搭載したPCを選ぶことをおすすめします。
Fusion 360は性能が低いPCでも動作可能?
Fusion 360が推奨するスペックの要件を満たしていないと、利用できません。
仮にソフトを起動できたとしても、途中で画面がフリーズしたり、動作が重くて作業ができなかったりするので注意しましょう。
用途や作業規模にもよりますが、Fusion 360の推奨スペックを満たしたうえで、PCの構成を検討することが大切です。
Fusion 360はタブレットでも操作可能?
タブレットでFusion 360を利用した3Dモデリングの作業はできませんが、操作はできます。
作成されたデータはクラウド上に保存されるので、インターネットさえつながっていれば、タブレットやスマートフォンでどこからでも操作できます。
Fusion 360は、iOS版、Android版のアプリがあるため、ダウンロードすれば、社内のチーム、クライアント、社外の人とも共有できます。
Fusion 360でスキルアップする方法
Fusion 360でスキル向上を目的に利用したい方は、Fusion 360の学習教材(外部サイト)を活用して学ぶことをおすすめします。
基本的な操作方法を体系的に学べるチュートリアルが掲載されており、最新の業界動向や未来の働き方など、役立つコンテンツが充実しています。
3DCADをはじめ、CAM、CAE、ジェネレーティブデザインを学べるほか、教育機関での導入事例やプロジェクト内容を動画で見られるのもうれしいポイントです。
まとめ
この記事では、高機能3DCADソフト「Fusion 360」の推奨スペックに適したPCの特徴や動作環境、注意点について紹介しました。
Fusion 360の活用におすすめのデスクトップPCとノートPCもお伝えしたので、求める性能や用途に応じ、最適なスペックを備えたPCを選びましょう。