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RTX 4060とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX™ 4060」のスペックや特徴について解説します。
RTX 4060のベンチマークや口コミ・評判、おすすめパソコンもあわせてお伝えするので、グラフィックボードの得意分野やリアルな使用感を把握したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
RTX 4060の基本スペック
GPU名称 | GeForce RTX™ 4060 |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ |
開発コードネーム | AD107 |
プロセス | 5 nm |
トランジスタ数 | 189億 |
NVIDIA CUDAコア | 3072基 |
レイトレーシング コア | 第3世代 |
Tensorコア | 第4世代 |
ベースクロック(MHz) | 1830MHz |
ブーストクロック(MHz) | 2460MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 8GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 128bit |
グラフィックスカード電力(W) | 115W |
最小システム電力(W) | 550W |
最大GPU 温度(°C) | 90°C |
対応API | DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
長さ | メーカーによって異なる |
幅 | メーカーによって異なる |
スロット | 2スロット |
発売日 | 2023/6 |
GeForce RTX™ 4060は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、GeForce RTX™ 40シリーズのグラフィックボードです。
RTX 40シリーズの中ではエントリークラスにあたり、比較的手に取りやすい価格帯であるのに加え、前世代のRTX 3060から大幅なスペックアップがみられ、なおかつ省電力性にも優れている点が特徴です。
なお、RTX 40シリーズには、RTX 4060の上位モデルのGeForce RTX™ 4070や、最上位クラスのGeForce RTX™ 4090などの製品があります。
グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、複数の製品のスペックを比較して、用途に合ったものを選びましょう。
RTX 4060のスペック比較
GPU名称 | GeForce RTX™ 4060 | GeForce RTX™ 3060 | GeForce RTX™ 4060 Ti |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ | NVIDIA Ampereアーキテクチャ | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ |
開発コードネーム | AD107 | GA106/GA104 | AD106 |
プロセス | 5 nm | 8 nm | 5 nm |
トランジスタ数 | 189億 | GA106:132億 GA104:174億 |
229億 |
NVIDIA CUDAコア | 3072基 | 3584基 | 4352基 |
レイトレーシング コア | 第3世代 | 第2世代 | 第3世代 |
Tensorコア | 第4世代 | 第3世代 | 第4世代 |
ベースクロック(MHz) | 1830MHz | 1320MHz | 2310MHz |
ブーストクロック(MHz) | 2460MHz | 1780MHz | 2540MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 12GB GDDR6 |
8GB GDDR6 16GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 128bit | 8GB:128bit 12GB:192bit |
128bit |
グラフィックスカード電力(W) | 115W | 170W | 160Wまたは165W |
最小システム電力(W) | 550W | 550W | 550W |
最大GPU 温度(°C) | 90°C | 93°C | 90°C |
対応API | DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
長さ | メーカーによって異なる | ー | 244mm |
幅 | メーカーによって異なる | ー | 98mm |
スロット | 2スロット | ー | 2スロット |
発売日 | 2023/6 | 12GB・GA106:2021/2 12GB・GA104:2021/9 8GB・GA106:2022/12 |
8GB:2023/5 16GB:2023/7 |
RTX 4060のスペックを前世代のGeForce RTX™ 3060と、上位モデルのGeForce RTX™ 4060 Tiと比較してみます。
RTX 4060は、RTX 3060の後継モデルとして作られたグラフィックボードで、さまざまな面でスペックアップがみられます。
RTX 3060ではNVIDIA Ampere アーキテクチャが採用されていましたが、RTX 4060では、2023年8月時点で最新のNVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャが採用されています。
加えて、プロセスが8nmから5nmに微細化されたことでトランジスタ数が増量しており、高解像度の画像や複雑なビジュアルエフェクトの処理性能の向上がみられます。
スペック向上がみられるにもかかわらず、消費電力が55Wも抑えられている点も注目ポイントでしょう。
一方で、RTX 4060 Tiは、トランジスタ数やCUDAコア、ベースクロックなどの数値においてRTX 4060を大きく上回っており、メモリ容量もRTX 4060の倍増の16GBと、スペックの高さがうかがえます。
RTX 4060 Tiの消費電力は、RTX 4060よりも45W〜50W高いですが、より高スペックなグラフィックボードを求める方は、RTX 4060 Tiがおすすめです。
RTX 4060の特徴
RTX 4060の特徴を3つ解説します。
RTX 4060が対応しているNVIDIAの機能や、ほか製品と省電力性やメモリ性能を比較した結果を中心に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「NVIDIA Studio」や「NVIDIA Canvas」などさまざまなクリエイティブ制作ツールに対応
RTX 4060は、「NVIDIA Studio(外部サイト)」や「NVIDIA Canvas(外部サイト)」など、NVIDIA独自のさまざまなクリエイティブ制作ツールに対応しています。
「NVIDIA Studio(外部サイト)」は、AIの技術を活用して3Dアニメーションのノイズの修正や高画質の写真の生成、ビデオ編集タスクの高速化などをサポートするプラットフォームです。
また、「NVIDIA Canvas(外部サイト)」は、AI技術を活用したペインティングアプリで、線の描写や塗りつぶしなどの簡易的なスケッチを行うだけで、AIがリアルに近い風景画を生成します。
標準搭載された9つのスタイルと15種類のマテリアルを活用すれば、効率的に風景画を作成できます。
そのほかにも、高品質なライブ配信を実現する「NVIDIA Encoder(外部サイト)」や、3Dデザインの制作に役立つ「NVIDIA Omniverse™(外部サイト)」に対応しているため、クリエイティブシーンでのグラフィックボードの使用を検討している方におすすめです。
前世代・同シリーズよりも省電力性に優れている
RTX 4060は、省電力性に優れている点が大きな特徴です。
前世代・RTX 40シリーズのほか製品と消費電力を比較した結果が、以下のとおりです。
GPU名称 | GeForce RTX™ 4060 | GeForce RTX™ 3050 | GeForce RTX™ 3060 | GeForce RTX™ 4060 Ti | GeForce RTX™ 4070 |
消費電力 | 115W | 130W | 170W | 160Wまたは165W | 200W |
RTX 4060は、前世代のエントリークラスのGeForce RTX™ 3050から大幅にスペックアップしていますが、消費電力で比較するとRTX 4060のほうが15W低い数値です。
従来モデルのRTX 3060と比較してみても55Wも低く、省電力性の向上がみられます。
加えて、同シリーズの上位モデルよりも低い数値であることから、NVIDIA Ada Lovelaca アーキテクチャのグラフィックボードをコストを抑えて運用したい方には、RTX 4060がおすすめです。
RTX 40シリーズのほかの製品と比べてメモリ性能が下回る
RTX 4060は、RTX 40シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードであるため、同シリーズのほかの製品と比べてメモリ性能が劣ります。
RTX 40シリーズの6製品のメモリ性能を比較した結果が、以下のとおりです。
GPU名称 | GeForce RTX™ 4060 | GeForce RTX™ 4060 Ti | GeForce RTX™ 4070 | GeForce RTX™ 4070 Ti | GeForce RTX™ 4080 | GeForce RTX™ 4090 |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリ容量 | 8GB | 8GB 16GB |
12GB | 12GB | 16GB | 24GB |
メモリ規格に注目すると、GeForce RTX™ 4070以降の製品には、RTX 4060が搭載しているGDDR6よりも1スペック上のGDDR6Xが採用されています。
メモリ容量をみてみても、最上位クラスのGeForce RTX™ 4090は、RTX 4060の3倍の24GBです。
メモリ性能を重視する方は、上記の表を参考に、ほかの基本スペックを加味したうえで選定してみてください。
RTX 4060のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを比較するうえで注目しておきたい項目なので、把握しておきましょう。
3DMark
グラフィックボードの3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアからみていきます。
RTX 4060のスコアは10597と、前世代のGeForce RTX™ 3070(notebook)やRTX 4060のノートブック版を上回る数字でした。
一方で、GeForce RTX™ 2080 SUPER(notebook)や競合のAMD Radeon RX 7600と比較すると、RTX 4060がわずかに下回る結果でした。
ノートブック版はデスクトップ版と比べて性能が劣る傾向にありますが、上記のように全ての製品に共通していえるわけではないので、グラフィックボードを選定する際は、基本スペックだけでなく、ベンチマークの確認もおすすめします。
レイトレーシング
レイトレーシングは、影や光を精巧に表現するための機能で、グラフィックを制作するデザイナーが注目しておきたいベンチマークです。
RTX 4060のスコアは6022と、3DMark同様に、RTX 4060のノートブック版を上回っていますが、前世代のRTX 3070(notebook)を下回る数値でした。
また、3DMarkでは競合のRadeon RX 7600に劣るスコアでしたが、レイトレーシングではおよそRadeon RX 7600の109%の数値です。
このように、グラフィックボードによって得意・不得意は異なるので、用途が決まっている方は用途に応じたベンチマークを確認するようにしましょう。
消費電力
消費電力の観点でもみていきましょう。
RTX 4060の消費電力は115Wと、RTX 4060のノートブック版や前世代のRTX 3070(notebook)と同じ数値でした。
一方で、RTX 2080 SUPER(notebook)よりも35W、Radeon RX 7600より50W低い数値で、省電力性のよさがうかがえます。
ワット数別の3DMarkを比較しても、5製品の中で最も高い数値であることから、ワットパフォーマンスにも優れていることがわかります。
RTX 4060を使用している方の口コミ・評価
RTX 4060を実際に使用している方の口コミ・評価を紹介します。
CPUにインテル最新世代の Core i7-13700H(最大5.0GHz/14コア/20スレッド)を搭載し、グラフィックス機能にはフルHD環境でゲームをするのに十分な性能と思われる、NVIDIA GeForce RTX 4060 8GBを採用している点が購入の決め手です。その上価格を極限まで抑えており、大変コストパフォーマンスに優れたモデルであると思います。ディスプレイのリフレッシュレートも144Hzあり、実際にゲームをプレイすると滑らかに画面を描写してくれます。
※ドスパラ通販サイトより引用
1650からの乗り換えなので省電力性も考えTiではなくこちらを購入。
性能ガンガンに使うようなゲームがPORTAL with RTXしかなかったのでそれで試しましたが、4Kは動作の引っ掛かりが多くこれは多分酔うだろうって有様でしたが、FHDならば時折もたつくかなって感じはありましたがまあ行けるかなくらいにスムーズに動きました。
ある程度軽いゲームなら4K、重量級ならFHDで使い分ければ快適かなとは思います。
※ドスパラ通販サイトより引用
何かと評価が分かれるGPUですが、FullHDでゲームをするには十分だと思います。
あと、省電力に倒していることも私としてはGoodポイントです。
今後DLSS 3対応のゲームが増えることを期待しつつ、使い込んでいく予定です。
※ドスパラ通販サイトより引用
以上の口コミ・評価から、RTX 4060は、フルHDのゲーミングに適していて、なおかつ省電力性のよさを実感できるグラフィックボードであることがわかりました。
RTX 4060はどのような用途におすすめ?
RTX 4060は、「NVIDIA Studio(外部サイト)」や「NVIDIA Canvas(外部サイト)」をはじめとしたクリエイティブ制作ツールに対応しているため、高品質なクリエイティブを効率的に制作したい方に適しています。
加えて、「NVIDIA Broadcast(外部サイト)」では、AIによるノイズキャストやエコー除去を活用することで、快適なライブ配信環境を整えられるので、オンライン授業を取り入れている大学やリモートワークでオンライン会議を行う機会の多い企業におすすめです。
また、RTX 40シリーズの中ではエントリークラスにあたり、同シリーズのほかの製品よりも手に取りやすいため、最新のAda Lovelace世代のグラフィックボードを手軽に導入したい方におすすめです。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年ほどで3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。