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【2024年4月】グラフィックボードの価格高騰はいつまで?今後の価格についても解説
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2024年4月時点でのグラフィックボードの価格
ここでは、2024年4月時点におけるNVIDIA® GeForce RTX™ シリーズのグラフィックボードの価格を40シリーズと30シリーズに分けてご紹介します。
※価格はドスパラ内の製品で調査(2024年4月25日時点)
GeForce RTX 40シリーズ
最安価格 | 最高価格 | 平均価格 | |
RTX 4060 | 43,380円(Palit) | 62,800円(ASUS) | 50,476円 |
RTX 4060 Ti(8GB) | 57,800円(Palit) | 78,680円(ASUS) | 65,237円 |
RTX 4060 Ti(16GB) | 68,800円(Palit) | 68,981円(Palit) | 68,891円 |
RTX 4070 | 84,800円(MSI) | 99,800円(ASUS) | 92,813円 |
RTX 4070 SUPER | 98,270円(Palit) | 119,800円(ASUS) | 109,067円 |
RTX 4070 Ti SUPER | 128,900円(Palit) | 177,900円(ASUS) | 150,774円 |
RTX 4080 SUPER | 168,980円(Palit) | 229,800円(ASUS) | 191,640円 |
RTX 4090 | 279,800円(Palit) | 297,000円(Palit) | 287,933円 |
GeForce RTX 30シリーズ
最安価格 | 最高価格 | 平均価格 | |
---|---|---|---|
RTX 3050 | 26,980円(Palit) | 35,480円(ASUS) | 31,560円 |
RTX 3060 | 37,800円(MSI) | ー | ー |
グラフィックボードは若干の値下がり傾向
2024年4月現在では、グラフィックボードの価格が若干の値下がり傾向にあります。特に、ミドルハイクラスの「NVIDIA® GeForce RTX™ 4070」が10万円を下回り、ハイエンドクラスの「NVIDIA® GeForce RTX™ 4090」も30万円を下回る価格となっています、比較的新しい「NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Ti」や「NVIDIA® GeForce RTX™ 4060」は、前モデルである「NVIDIA® GeForce RTX™ 3060」の発売時と同じ価格帯で提供され、コストパフォーマンスが高いと評価されています。
コストパフォーマンスが高いグラフィックボードについて詳しく知りたい場合は、「コスパ重視のグラボ10選!選び方やおすすめメーカーも解説」の記事をご覧ください。
グラフィックボードの価格が高騰した理由
グラフィックボードの価格が高騰したのには、いくつかの理由があげられます。ここでは、グラフィックボードの価格が高騰した理由について解説します。
仮想通貨のマイニング需要が急増
ビットコインの価格が高騰し、仮想通貨(暗号資産)ブームが起きたことで、マイニング需要が急増しました。これにより、高性能なグラフィックボードがマイニング目的で大量に購入され、ゲーム用のグラフィックボードも影響を受けました。
2021年2月には、NVIDIA®がゲーム用のGPUにマイニング性能の制限を設けると発表し、同社のGPUがゲーム専用であることを明確にしました。2021年5月に最新世代のグラフィックボードはマイニング性能の規制がかかり、マイニングの影響をほとんど受けなくなりました。そして2022年4月には、仮想通貨価格の暴落にともない、マイニング需要が低下し、グラフィックボード市場は落ち着きを取り戻しています。
マイニング需要の急増により転売も増加
グラフィックボードの高騰は、前述したマイニング需要の急増とともに転売の需要も増加したことが大きな原因でした。特に、マイニングを行う「マイナー」は仮想通貨で採算が取れるため高価格でも購入し、転売を行う「転売ヤー」も売れる値段が上がることで得をする状況になっていました。しかし、NVIDIAがマイニング性能に規制をかけた2021年夏以降は、市場は徐々に正常化し始め、2023年4月には、転売による影響はほとんどなくなりました。
世界的な物価上昇と円安
グラフィックボードの価格高騰は、世界的な物価の上昇と円安にも大きく影響を受けています。グラフィックボードは輸入品であるため、緩やかに値下がりしている現在でも数年前に比べると価格は高いままです。また、ほかの電子機器も同様の理由で価格が上がっており、「PlayStation 5」なども世界的な経済情勢を考慮して値上げされました。
製造工程でのコスト増加と研究開発の確保
グラフィックボードの価格高騰には、製造から梱包までの各工程でかかるコストの増加が原因となっています。特に、TSMCやサムスンといった大手ファウンドリーが製造する半導体チップは、製造に必要な希少金属やネオンガスなどの価格高騰により、製品価格が20%〜30%ほど上昇しました。半導体製造に必要なネオンガスの70%を供給するウクライナが軍事的な影響を受けたため、ネオンガスの価格は20倍になったといわれています。また、TSMCやサムスンが行っている研究の費用確保なども価格上昇の一因となっています。
高性能化と冷却機能の強化
NVIDIA® GeForce RTX™ 40・30 シリーズでは、NVIDIA® GeForce RTX™ 20 シリーズと比較して消費電力が増加し、上位モデルでは300Wを超えています。そのため、グラフィックボードにはより多くのコンデンサーやスペックの強化が必要とされ、製造コストの上昇につながっています。また、消費電力の増加にともない発熱も多くなり、大型のGPUクーラーが必要になったことも価格高騰の原因のひとつです。さらに、部品の増加により故障リスクが高まり、保証交換の費用も増加しています。
技術革新にともなう半導体不足
近年では5G技術や電気自動車などの技術革新にともない、さまざまな業界で半導体の需要が急増しています。さらに、新型コロナウイルスの影響で製造業と物流が停滞し、世界的な半導体不足の原因となりました。そのため、グラフィックボードだけでなく、家電や自動車業界も供給不足に直面しています。2021年6月のイベントでは、NVIDIAのCEOから「品薄は半導体不足が直接の原因ではない」と発表があったため、グラフィックボードの品薄には半導体不足の影響が比較的少ないとされていますが、CPUやメモリは影響を受けています。
型落ち&中古製品の価格が硬直
新型グラフィックボードの価格が高騰していることで、型落ちや中古の製品も値下げする必要がなくなり、結果的に価格が高止まりしていました。通常は、新製品が登場すると型落ち製品は価格が下がりますが、新型の価格が高いため型落ちも安くならず、市場は硬直状態になります。これが中古市場にも影響を及ぼし、供給が少ないために価格が下がりにくくなっていました。さらに、ネット通販やフリマアプリでは需要にともない、出品者が価格を急激に上げることもあるため、中古市場は不安定な状態といえます。
グラフィックボードの価格が今後も下がりにくいとされる理由
グラフィックボードの価格はいくつかの理由から、今後も下がりにくいと予想できます。ここでは、グラフィックボードの価格が今後も下がりにくいとされる理由について解説します。
物価の上昇と円安が続くため
物価上昇と円安は2024年以降も続く見込みです。特に、グラフィックボードの価格は、原油価格の上昇にともなう物流費の上昇や、銅やアルミといった基本的な材料から希少金属まで、さまざまな材料価格の高止まりが影響します。また、グラフィックボードを輸入する際に円安の影響も受けるため、今後も価格が下がりにくいことが予想されます。
半導体チップのメーカーは価格を維持・上昇する方針のため
TSMCは、2020年から2023年にかけて半導体チップの価格を上げていますが、2024年もこの傾向が続く見込みです。これまで、インフレによる材料費高騰や製品開発に向けた研究開発費の確保のために値上げを行ってきましたが、2024年も引き続き製品価格を引き上げる方針のため、グラフィックボードの価格が下がるのは難しい状況といえます。
AI向けGPUの生産が優先されるため
2024年の第1四半期にかけて、AI向けGPUの生産が優先されることにより、ゲーミング向けGPUの供給が減少する可能性が高まっています。台湾の業界関係者によると、NVIDIAは2023年の第4四半期から供給量を削減しているとのことです。具体的なモデルについての詳細は不明ですが、高性能モデルRTX 4090の価格は急騰しており、北米や欧州の大手販売店では入手が難しくなっています。このことから、グラフィックボードの価格が下がりにくいと予想できます。
グラフィックボードの最適な買い替え時期
グラフィックボードを買い替える際は、なるべく最適なタイミングで買い替えたいものです。ここでは、グラフィックボードの最適な買い替え時期について解説します。
買い替えの頻度が高い場合は新型が発売されたタイミングで購入する
グラフィックボードの市場価格が高騰していると、中古価格も新品の相場に引き上げられることが一般的です。例えば、NVIDIA® GeForce RTX™ 3080は新品で10万円ほどで販売されていたのに対し、中古市場では6~7万円と、残価率は60~70%に達しています。
新型製品の価格は時間がたっても落ちにくい傾向があるため、グラフィックボードを高頻度で買い替える際は、新しいモデルが発売されたらすぐに購入し、次のモデルが出たときには早めに下取りに出して新型に買い替えるのが、最も費用対効果と満足度が高い方法といえるでしょう。
長期で使用する場合はお盆や大型連休前のセールで購入する
グラフィックボードを長期間使用する方は、最新モデルをお得に手に入れるチャンスを逃さないように、大型連休前のセールを狙うのがおすすめです。特に、お盆期間中は秋に新しいCPUやGPUが登場することを見越して価格が下がりやすいです。古いモデルを使用している方にとって、この時期はより大きな割引が期待できるため、夏の連休を購入のタイミングとするのがよいでしょう。
費用をなるべく抑えたい場合は中古製品を購入する
費用をなるべく抑えたい場合、中古のグラフィックボードを購入することもよい選択といえるでしょう。新品に比べて安価に手に入れられる点が魅力で、例えばRTX 30シリーズやAMD Radeon™ RX 6000シリーズなどのモデルでも、中古だと新品の価格から大幅に割引されることがあり、一部の中古製品では保証期間が残っていることもあります。最新の製品より性能が劣る旧型モデルの中古製品でも、一般的なゲームや動画編集などのアプリケーションでは十分に活用可能です。
ゲーミングPCを買い替えるときのよくある質問
ここでは、ゲーミングPCを使用している方や買い替えを考えている方に共通する、よくある質問をご紹介します。
また、コストパフォーマンスが高いゲーミングPCについて詳しく知りたい場合は、「ゲーミングPCのコスパがいい製品14選!選び方も解説」の記事もあわせてご覧ください。
ゲーミングPCの耐用年数はどのくらい?
ゲーミングPCの耐用年数は、機種のスペックによって異なります。基本的には、ロースペックやミドルスペックモデルは約3年で、ハイスペックモデルは約5年となっています。PCのパーツをアップグレードすることで、使用年数を延長できるため、カスタマイズも検討するとよいでしょう。
現在はゲーミングPCの自作に適した時期ではない?
最新のCPUとグラフィックボードが発売されていますが、CPUやマザーボードの価格が高騰しているため、自作のゲーミングPCを作るのには時期が不適切といえます。ただし、古い世代のAMD Ryzen™ 5000 シリーズやDDR4メモリなどの価格が下がっているため、旧型のパーツを使えば費用を抑えての自作が可能です。
しかし、古い規格のマザーボードを使用すると将来的なアップグレードが困難になることがデメリットです。保証やコストパフォーマンスを考慮すると、BTOメーカーの製品の購入(外部サイト)が推奨されるため、趣味などでない限り自作はおすすめできません。
ゲーミングデバイスが安くなる時期はいつ?
マウスやヘッドホンなどのゲーミングデバイスは、ゲーミングPCと同じタイミングで価格が下がります。Amazonや楽天市場などでも、セール期間中はゲーミングデバイスがタイムセール対象となることが多いです。購入を考えている方は、メーカーのセールやネット通販のセールを活用するとよいでしょう。
ゲーミングPCは何年で買い替えるべき?
ゲーミングPCの買い替えは、購入から3年を目安に考えるのが一般的です。3年が経過すると、PCだけでなくグラフィックボードなどの部品が古くなるため、PCと同様に買い替えの時期となることが多いです。
また、ゲームプレイ中に画像の乱れや動作の不具合が生じ始めたり、電源が入らなくなったりするなどのトラブルが発生するようになった場合、新しいPCへの買い替えが検討されます。ただし、使用しているPCが問題なく動作し、快適にゲームが楽しめる状態であれば買い替える必要はありません。
まとめ
この記事では、グラフィックボードの価格高騰がいつまで続くのかについて、今後も価格が下がりにくい理由をあげて解説しました。物流費や材料費が高止まりしているのに加えて、メーカーは今後も値下げを行わない方針のため、新製品が出たタイミングやセールの時期などに購入するのがよいでしょう。グラフィックボードの購入・買い替えを考えている方は、ぜひこの記事を参考に最適なタイミングでお買い求めください。