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RTX 3050 とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 3050」のスペックやベンチマークを解説します。
前世代とRTX 3050の違いや、口コミ・評判、RTX 3050搭載のおすすめのパソコンあわせてお伝えします。
RTX 3050をいちから知ることができるので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

RTX 3050の基本スペック

GeForce RTX 3050
アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ
GPU GA106
プロセス 8 nm
トランジスタ数 120億
ダイサイズ 276mm²
CUDAコア 2560基
Tensorコア 80基
RTコア 20基
ベースクロック 1552MHz
ブーストクロック 1777MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 8GB
メモリバス 128bit
バンド幅 224GB/s
消費電力 130W
発売日 2022/1

RTX 3050は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。RTX 3050のメモリ容量は8GBの1種類で、Ampere世代のアーキテクチャを採用したRTX 30シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードとして、2022年1月に発売されました。

Turing世代を採用していた前世代のRTX 20シリーズからの性能向上もみられます。

また、エントリークラスで比較的安価であるため、Ampere世代のグラフィックボードを一斉導入したい企業や大学におすすめです。

RTX 3050のスペック比較

GeForce RTX 3050 GeForce GTX 1650 GeForce RTX 3060
アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Ampere アーキテクチャ
GPU GA106 TU117 GA106 / GA104
プロセス 8 nm 12nm 8nm
トランジスタ数 120億 47億 GA106:132億 GA104:174億
ダイサイズ 276mm² 200mm²

GA106:276mm²
GA104:392mm²

CUDAコア 2560基 896基 3584基
Tensorコア 80基 - 112基
RTコア 20基 - 28基
ベースクロック 1552MHz 1485MHz 1320MHz
ブーストクロック 1777MHz 1665MHz 1777MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5 GDDR6
メモリ容量 8GB 4GB 8GB / 12GB
メモリバス 128bit 128bit 8GB:128bit
12GB:192bit
バンド幅 224GB/s 128GB/s 360GB/s
消費電力 130W 75W 170W
発売日 2022/1 2019/4 12GB(GA106):2021/2
12GB(GA104):2021/9
8GB(GA106):2022/12

RTX 3050のスペックを、従来モデルのGeForce GTX 1650と、同じRTX 30シリーズの上位モデルにあたるGeForce RTX 3060と比較してみていきましょう。

従来モデルのGTX 1650ではTuring世代のアーキテクチャを採用していましたが、RTX 3050では、プロセスの微細化に成功したAmpere世代を採用しています。プロセスが12nmから8nmに微細化され、GPUの性能も向上したことで、トランジスタ数は255%、CUDAコアは285%の数値にアップしています。メモリ周りでも、容量が4GBから8GBに倍増しており、規格がGDDR5からGDDR6に変わっているため、総合的にスペックアップされているといえるでしょう。

また、最も大きな違いとして、RTX 3050にはディープラーニングに特化したTensorコアと、レイトレーシングに特化したRTコアが搭載されましたが、GTX 1650には搭載されていません。TensorコアとRTコアは、RTXシリーズにしか搭載されていないコアで、AI技術やTensorコアを活用したNVIDIA独自のプラットフォーム「NVIDIA DLSS」は使用できないため、注意が必要です。

一方で、上位モデルのRTX 3060と比較すると、GPUが同じGA106のため、トランジスタ数やダイサイズはほぼ同値です。ただし、RTX 3060には性能が向上したGA104版もあるため、GA104版で比較すると大きく差が開きます。

CUDAコア・Tensorコア・RTコアは、RTX 3060の方が140%高い数値なので、複雑な作業の並列処理性能や、レイトレーシング性能を重視したい方は、RTX 3060がおすすめです。

消費電力は、RTX 3050の方が40W小さい数値なので、ランニングコストを抑えて運用したい方は、RTX 3050がおすすめです。

RTX 3060の詳細は「RTX 3060とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

RTX 3050の特徴

RTX 3050の特徴を解説します。

同じRTX30シリーズや前世代のRTX 20シリーズとの違いを中心に紹介するので、どのグラフィックボードを導入するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

前世代からRTコア・Tensorコアが進化

前世代のRTX 20シリーズでは、RTコアは第1世代、Tensorコアは第2世代が採用されていました。RTX 3050をはじめとしたRTX 30シリーズでは、それぞれ1世代進化し、RTコアは第2世代、Tensorコアは第3世代が採用されています。

第2世代のRTコアは、第1世代の最大2倍のスループットを実現してくれるため、レイトレーシングのタスクと同時並行でノイズ除去タスクを実行できます。

第3世代のTensorコアは、新しくTensor Float 32 (TF32) と 64 ビット浮動小数点 (FP64) を導入することでAIの高速化を実現し、トレーニング時間が数週間から数時間に短縮されました。Abobe PhotoshopなどのクリエイティブソフトとAIを組み合わせれば、より高速に高品質のポートレートを作成できます。

そのため、RTX 3050は、作業効率とクリエイティブレベルを引き上げたいクリエイターにおすすめです。

RTX 30シリーズ随一の省電力性と優れたメモリ性能

RTX 3050は、RTX 30シリーズにおいて随一の省電力性を誇ります。上位モデルと消費電力を比較した結果が、以下のとおりです。

GeForce RTX 3050 GeForce RTX 3060 GeForce RTX 3060 Ti GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3070 Ti
消費電力 130W 170W 200W 220W 290W

RTX 3050はRTX 30シリーズのエントリークラスということもありますが、消費電力は最も低い130Wです。性能差があるとはいえ、上記の上位モデルと比較すると40W〜160Wもの差があるため、Ampere世代のグラフィックボードをランニングコストを抑えて運用したい方におすすめです。

また、メモリにおいても、RTX 3050は優れた性能を持っています。

GeForce RTX 3050 GeForce RTX 3060 GeForce RTX 3060 Ti GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3070 Ti
メモリ容量 8GB 8GB / 12GB 8GB 8GB 8GB
メモリ規格 GDDR6 GDDR6 GDDR6 / GDDR6X GDDR6 GDDR6X

RTX 3050のメモリ容量は8GBと、エントリークラスとしては大容量で、上位モデルに見劣りしません。

加えて、メモリ規格は、前世代から処理速度が2倍になったGDDR6を採用しており、こちらも上位モデルと同等です。

前世代ハイエンドクラスのRTX 2080 Tiよりは性能が劣る

RTX 3050はRTX 30シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードで、前世代とはいえ、ハイエンドクラスのGeForce RTX 2080 Tiと比較すると、一部の性能が劣ります。

GeForce RTX 3050 GeForce RTX 2080 Ti
アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Turing™
GPU GA106 TU102
プロセス 8 nm 12 nm
トランジスタ数 120億 186億
ダイサイズ 276mm² 754mm²
CUDAコア 2560基 4352基
Tensorコア 80基 544基
RTコア 20基 68基
ベースクロック 1552MHz 1350MHz
ブーストクロック 1777MHz 1545MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8GB 11GB
メモリバス 128bit 352bit
バンド幅 224 GB/s 616 GB/s
消費電力 130W 250W
発売日 2022/1 2018/9

GeForce RTX 2080 Tiのアーキテクチャは、Ampere世代より1世代前のTuring世代であるため、プロセスやダイサイズはRTX 3050の方が優れた数値です。しかし、RTX 3050に対して、RTX 2080 TiのCUDAコアは170%、RTコアは340%の数値でした。

RTX 30シリーズでは、RTX 20シリーズより性能が向上した第2世代のRTコアを採用していますが、搭載しているRTコア数がこれだけ開いていると、レイトレーシング性能はRTX 2080 Tiの方が優れていると言わざるを得ないでしょう。 実際に、レイトレーシングのベンチマークを比較すると、RTX 3050のスコアは3532であるのに対し、RTX 2080 Tiは13584と大きな差がありました。

このように、世代が新しくてもクラスによっては前世代よりも性能が劣る場合があります。これからグラフィックボードを選定する方は、世代の新旧や上記項目の優劣だけでなく、ベンチマークにも着目して、必要なスペックを満たしている製品を選びましょう。

RTX 3050のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 3050(3D).png

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。

RTX 3050の数値は6197と、前シリーズのNVIDIA GeForce GTX 1070の102%、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERの103%のスコアでした。RTXシリーズは、GeforceシリーズにおいてGTXシリーズの上位にあたるため、3Dグラフィクスの処理性能でもその差があらわれた形です。

一方で、同じRTXシリーズのNVIDIA GeForce RTX 2060(Notebook refresh)と比較すると、1%劣るスコアでしたが、ほとんど差はありません。

レイトレーシング

RTX 3050(3DMark PortRoyal).png

レイトレーシングとは、光や影を表現・追跡する機能のことです。

RTX 3050の数値は3532で、前シリーズのNVIDIA GeForce GTX 1070の281%、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERの226%のスコアでした

RTXシリーズには高性能なレイトレーシング機能を発揮する「RTコア」が搭載されています。RTコアはGTX以前のシリーズには搭載されていないため、これほどの性能差が生まれたと考えられます。そのため、高いレイトレーシング性能を求める方は、RTコアが搭載されたRTXシリーズのグラフィックボードがおすすめです。

NVIDIA GeForce RTX 2060(Notebook refresh)との差は、3DMark同様にほぼありませんでした。

※AMD Radeon RX 5600Mにレイトレーシング機能はないため4製品で比較

消費電力

RTX 3050(ワットパフォーマンス).png

消費電力の観点でも見ていきます。

RTX 3050の数値は130Wと、前シリーズのNVIDIA GeForce GTX 1070から3Dグラフィックスの処理性能やレイトレーシング性能が向上しているにもかかわらず、20Wも抑えられている点は評価ポイントです。加えて、ワット数別の3DMarkスコアも48と、上記製品のなかでは優れた数値です。

このことから、RTX 3050は、少ない消費電力で高い3Dグラフィックス処理性能を発揮できるコスパに優れたグラフィックボードといえるでしょう。

これからグラフィックボードを導入する方は、消費電力はもちろん、ワット数別のベンチマークスコアも参考にして、高性能な製品を選定しましょう。

RTX 3050を使用している方の口コミ・評価

実際にRTX 3050を使用している方の口コミ・評価を紹介します。RTX 3050の使用感やおすすめの用途を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

今までGTX1650を使ってきましたが、PC買い替えを機にグラボも新調する事に。
特にゲームとかはせず動画視聴を主体としてるので、RTXシリーズでエントリーモデルともいえる3050の中から当商品を選択。
装着後は各種ベンチマークを試しましたが、とりあえず満足出来るスコアをマークしてくれました。
静音性も良く、普通に問題なく使えていて今のところ不具合も有りません。

ドスパラ通販サイトより引用

Davinci Resolveでビデオ編集をすることになり、価格とパワーのバランスで選びました。温度が上がらないと冷却ファンが回らないので、フルHDを編集してレンダリングしたくらいではまったく静かなものです。静音性優先で密閉型のケースで使っていますが、GPUの温度やファンの状態がわかるユーティリティも付いているので見えなくても安心。出力端子は、HDMIが1つ、DPが3つなので、マルチディスプレイで使う場合はケーブルの準備を忘れずに。

ドスパラ通販サイトより引用

静音で冷却性能もありつつコンパクトな設計で取り回しもよかったです

ドスパラ通販サイトより引用

上記の口コミから、RTX 3050は、動画視聴はもちろん、フルHDの動画編集でも静音性を保って稼働し、コンパクトな設計で自作もしやすいグラフィックボードだとわかりました。

RTX 3050はどのような用途におすすめ?

RTX 3050は、グラフィックデザインや映像編集を行うデザイナーや、これらを学ぶ専門学校などにおすすめのグラフィックボードです。HDMI 2.1やDisplayPort1.4aに対応しており、4K 120Hz HDR・8K 60Hz HDRの環境を実現してくれます。

さらに、RTX 3050は、ディープラーニングに特化したTensorコアを用いてAI技術を拡張し、画像や映像の解像度・忠実度を引き上げるNVIDIA独自のプラットフォーム「NVIDIA DLSS」にも対応しています。

高解像度の画像・映像の品質をより向上させられるため、クリエイティブレベルを上げたいクリエイターにおすすめです。

また、APIにクリエイター向けソフトウェアに対応するOpenGLが採用されている点も大きなポイントです。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

RTX 3050 搭載おすすめパソコン

RTX 3050搭載のおすすめのパソコンを紹介します。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX 3050」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX 3050は、RTX 30シリーズ随一の省電力性と優れたメモリ容量が特徴のグラフィックボードです。加えて、前世代からRTコア、Tensorコアが進化しており、より優れた作業環境を提供してくれます。

RTX 30シリーズのなかではエントリークラスにあたり比較的安価なので、企業や大学での一斉導入を検討している方におすすめです。

これからグラフィックボードを選定する方は、今回の記事を参考に、ほか製品と比較して、自社に合ったグラフィックボードを選定しましょう。

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