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RTX 4060 Tiとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 4060 Ti」のスペックや特徴について解説します。

RTX 4060 Tiのベンチマークをほかの製品と比較した結果、口コミ・評判や、おすすめPCもあわせてお伝えするので、どのグラフィックボードを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

RTX 4060 Tiの基本スペック

GPU名称 GeForce RTX™ 4060 Ti
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ
開発コードネーム AD106
プロセス 5 nm
トランジスタ数 229億
NVIDIA CUDAコア 4352基
レイトレーシング コア 第3世代
Tensorコア 第4世代
ベースクロック(MHz) 2310MHz
ブーストクロック(MHz) 2540 MHz
ビデオメモリ容量・規格 8GB GDDR6
16GB GDDR6
メモリインターフェイス幅 128bit
グラフィックスカード電力(W) 160Wまたは165W
最小システム電力(W) 550W
最大GPU 温度(°C) 90°C
対応API DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ 244mm
98mm
スロット 2スロット
発売日 8GB:2023/5
16GB:2023/7

GeForce RTX 4060 Tiは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、GeForce RTX™ 40シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードです。

メモリ容量は8GB・16GBの2種類で、エントリークラスでありながら上位モデルに引けを取らない大容量である点が大きな特徴です。

また、前世代からスペックアップがみられるにもかかわらず、省電力化に成功している点も特徴のひとつです。ランニングコストを抑えてグラフィックボードを運用したい方にもおすすめです。

なお、RTX 40シリーズには、RTX 4060 Tiのほかにも上位モデルのGeForce RTX™ 4070 Tiや、同じエントリークラスのGeForce RTX™ 4060など、2023年8月時点で合計6製品のラインナップとなっています。

RTX 4060 Tiのスペック比較

GPU名称 GeForce RTX™ 4060 Ti GeForce RTX™ 3060 Ti GeForce RTX™ 4070
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ NVIDIA Ampereアーキテクチャ NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ
開発コードネーム AD106 GA104 AD104
プロセス 5 nm 8 nm 5 nm
トランジスタ数 229億 174億 358億
NVIDIA CUDAコア 4352基 4864基 5888基
レイトレーシング コア 第3世代 第2世代 第3世代
Tensorコア 第4世代 第3世代 第4世代
ベースクロック(MHz) 2310MHz 1410MHz 1920MHz
ブーストクロック(MHz) 2540MHz 1670MHz 2480MHz
ビデオメモリ容量・規格 8GB GDDR6
16GB GDDR6
8GB GDDR6
8GB GDDR6X
12GB GDDR6X
メモリインターフェイス幅 128bit 256bit 192bit
グラフィックスカード電力(W) 160Wまたは165W 200W 200W
最小システム電力(W) 550W 600W 650W
最大GPU 温度(°C) 90°C 93°C 90°C
対応API DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ 244mm 242mm 244 mm
98mm 112mm 112 mm
スロット 2スロット 2スロット 2スロット
発売日 8GB:2023/5
16GB:2023/7
2020/12 2023/4

RTX 4060 Tiのスペックを、前世代のGeForce RTX™ 3060 Tiと上位モデルのGeForece RTX™ 4070とで比較します。

RTX 4060 Tiは、前世代のRTX 3060 Tiの後継モデルにあたるグラフィックボードで、大幅に性能が向上しています。

RTX 4060 Tiのアーキテクチャは、従来モデルのRTX 3060 TiのNVIDIA Ampereアーキテクチャより1世代新しいNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャです。

プロセスは8nmから5nmにまで微細化されたことでトランジスタ数が増加し、並列処理性能や演算処理能力の向上がみられます。

メモリ容量も8GBから16GBへ倍増しており、従来モデルのRTX 3060 Tiの容量では満足できなかった方でも、動画編集や3Dモデリングなどの大きな容量が必要な作業にも使用できます。

一方で、RTX 4070は、RTX 4060 Tiと同じRTX 40シリーズのグラフィックボードで、アーキテクチャには同じNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャを採用しています。

トランジスタ数やCUDAコア数は、RTX 4070が上回っており、ビッグデータ分析や科学研究といった大規模なデータの複雑な処理は、RTX 4070のほうが得意としています。

ただし、RTX 4070のメモリ容量は12GBとRTX 4060 Tiよりも少ないため、メモリ容量を重視したい方は、RTX 4060 Tiがおすすめです。

また、消費電力を比較すると、RTX 4070のほうが100W高いため、ランニングコストを抑えたい方は、ほかのスペックとあわせて消費電力も確認するようにしましょう。

RTX 4060 Tiの特徴

RTX 4060 Tiの特徴を3つ解説します。

RTX 4060 Tiとほかの製品を比較した結果や、場合によってはデメリットになり得る特徴をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

RTX40シリーズの中でも上位の大容量メモリを搭載

RTX 4060 Tiは、RTX 40シリーズのエントリークラスでありながら、シリーズ内で上位の大容量メモリを搭載しているのが大きな特徴です。

RTX 40シリーズの6製品のメモリ容量を比較した結果が、以下のとおりです。

GPU名称 GeForce RTX™ 4060 Ti GeForce RTX™ 4060 GeForce RTX™ 4070 GeForce RTX 4070 Ti GeForce RTX4080 GeForce RTX4090
メモリ容量 8GB
16GB
8GB 12GB 12GB 16GB 24GB

RTX 4060 Tiのメモリ容量は8GBと16GBの2種類で、16GBを採用すれば、ミドルクラスのRTX 4070やRTX 4070 Tiよりも大容量のメモリを使用できます。

エントリークラスであるにもかかわらず、ハイエンドクラスのGeForce RTX 4080と同等のメモリ容量である点も注目ポイントです。

メモリ容量を重視してグラフィックボードを選定したい方は、そのほかの基本スペックも加味したうえで、用途に合った製品を選びましょう。

前世代のミドルクラスにあたるRTX 3070をしのぐ性能を持つ

RTX 4060 Tiはエントリークラスのグラフィックボードですが、前世代のミドルクラスにあたるGeForce RTX 3070をしのぐ性能を持っています。

GPU名称 GeForce RTX™ 4060 Ti GeForce RTX™ 3070
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ NVIDIA Ampereアーキテクチャ
開発コードネーム AD106 GA104
プロセス 5 nm 8 nm
トランジスタ数 229億 174億
NVIDIA CUDAコア 4352基 5888基
レイトレーシング コア 第3世代 第2世代
Tensorコア 第4世代 第3世代
ベースクロック(MHz) 2310MHz 1500MHz
ブーストクロック(MHz) 2540MHz 1730MHz
ビデオメモリ容量・規格 8GB GDDR6
16GB GDDR6
8GB GDDR6
メモリインターフェイス幅 128bit 256bit
グラフィックスカード電力(W) 160Wまたは165W 220W
最小システム電力(W) 550W 650W
最大GPU 温度(°C) 90°C 93°C
対応API DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ 244mm 242mm
98mm 112mm
スロット 2スロット 2スロット
発売日 8GB:2023/5
16GB:2023/7
2020/12

RTX 4060 Tiのトランジスタ数は、RTX 3070の131%の数値に向上しており、並列処理性能の向上がみられます。

レイトレーシングに特化した演算回路のレイトレーシングコア(RTコア)と、ディープラーニングに特化したTensorコアも、RTX 3070からそれぞれ1世代進化しているのも大きな変化です。

また、RTX 4060 TiのベースクロックはRTX 3070の154%、ブーストクロックは146%の数値に向上している点から、エネルギー効率やリアルタイムのタスクの応答性向上がみられるため、生産性を高めたい方にもおすすめです。

メモリ容量も8GBから16GBに倍増しているので、Webサイトの閲覧やリモート会議などの普段使いはもちろん、動画編集や3Dモデリング、ディープラーニングにも使用できるでしょう。

8GB版だとスペックが物足りない可能性がある

RTX 4060 Tiには、メモリ容量が8GBと16GBの2種類ありますが、8GB版だとスペックに物足りなさを感じる可能性があります。

【RTX 4060 Tiのスペック比較】では、上位モデルのRTX 4070とのスペックを比較しましたが、CUDAコアやトランジスタ数は大きな性能差がみられました。

16GB版を選べば、RTX 4070よりもメモリ容量が大きい利点がありますが、8GBの場合は、人によってはRTX 4070の購入が選択肢にあがると思われます。

RTX 4060 Tiのベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを比較するうえで注目しておきたい項目なので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 4060 Ti_3D.png

3Dグラフィックスの処理性能を数値化した3DMarkのベンチマークをみていきます。

RTX 4060 Ti(8GB)のスコアは13460、RTX 4060 Ti(16GB)のスコアは13331と、8GBのほうが高い数値でした。

また、RTX 4060 Ti(8GB)・RTX 4060 Ti(16GB)ともに、 NVIDIA Volta™を採用したディープラーニング向けTitan Vや、前世代のGeForce RTX 3080 Ti(notebook)を上回っています。

一方で、IntelのGPU製品ブランドIntel Arcシリーズ(2022年発売開始)のArc A770のスコアは13489と、わずかに下回る結果でした。

レイトレーシング

RTX 4060 Ti_レイトレーシング.png

リアルな影・光を表現するためのレイトレーシング機能のベンチマークも比較します。

RTX 4060 Ti(8GB)のスコアは8049、RTX 4060 Ti(16GB)のスコアは7978と、3DMarkと同様に、8GBのほうが高い数値でした。

3DMarkでは上回っていた前世代のGeForce RTX 3080 Ti(notebook)と比較すると、RTX 4060 Ti(8GB)・RTX 4060 Ti(16GB)ともにわずかに下回っていますが、Arc A770よりも11%~12%上回る結果でした。

また、Titan Vがほかの4製品を大きく下回っている点も特徴的です。

製品やシリーズによって得意・不得意分野は異なるので、グラフィックボードを選定する際は、用途に合ったベンチマークの確認をおすすめします。

消費電力

RTX 4060 Ti_消費電力.png

最後に、消費電力もみていきましょう。

RTX 4060 Ti(8GB)の消費電力は160W、RTX 4060 Ti(16GB)は165Wで、5つの製品の中では低めです。

最も高い消費電力だったのはTitan Vの250Wで、RTX 4060 Ti(8GB)と90Wもの差があります。

ワット数別の3DMarkスコアをみてみても、RTX 4060 Ti(8GB)とRTX 4060 Ti(16GB)が特に優れており、ワットパフォーマンスのよさがうかがえます。

RTX 4060 Tiを使用している方の口コミ・評価

RTX 4060 Tiを実際に使用している方の口コミ・評価を紹介します。

NUC 9 Extremeに収まる短いGPUボードを探していたところ。17cmと最高に横に短いこの製品を見つけました。

実際取り付けてみると、スペースに余裕があります。

価格も手ごろで、消費電力も少ないので、価格が下げ止まっている3060Tiの短縮バージョンよりもいい感じですね。

ドスパラ通販サイトより引用

画像生成AIに使うためこの商品を購入しました。画像生成AIではビデオメモリーの大きさが重要なので、16Gもあるこの商品は要求を満たしてくれました。速度もRADEONでちまちま作業しているときよりかなり早くなったので個人的には大満足です。

ドスパラ通販サイトより引用

4080が高くて買えない人用のVRAM16GBボード。

今までNVIDIAでVRAM16GB以上のボードは4080・4090・3090しかありませんでした。(業務用は除く)

それらは17万円以上します。

そこに新たに加わったのが「4060 Ti 16GB」です。

性能は1世代前の3070程度しかありませんが、VRAM16GBのボードがかなり安く買えるようになりました。

AI・VR・ゲーム開発などでVRAMの容量を重視したい人には悪くない選択じゃないでしょうか。

それらをやらない人は、性能が圧倒的に上なのに同価格帯にいる4070の方が良いと思います。

ドスパラ通販サイトより引用

以上の口コミ・評価から、RTX 4060 Tiは、フルHDのゲーミングに適していて、なおかつ省電力性のよさを実感できるグラフィックボードであることがわかりました。

RTX 4060 Tiはどのような用途におすすめ?

RTX 4060 Tiは、RTX 40シリーズのエントリークラスのグラフィックボードでありながら、16GBの大容量メモリを搭載しているため、Webサイトの閲覧や書類作成、リモート会議の参加といった一般的な業務はもちろん、画像・動画編集や3Dモデリングなどのクリエイティブシーンでも使用が可能です。

加えて、NVIDIA独自のクリエイティブ制作ツールの「NVIDIA Canvas(外部サイト)」や「NVIDIA Omniverse™(外部サイト)」にも対応しているため、効率的に高品質なクリエイティブを制作したい方にもおすすめです。

また、RTX 40シリーズの中では比較的手に取りやすい価格で、なおかつ省電力性にも優れているので、コストを抑えて運用したい方や、一度に複数台のグラフィックボードを使用する企業・大学などにも適しているでしょう。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年ほどで3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

ドスパラでRTX 4060 Tiがご購入いただけます

以下リンクからRTX 4060 Tiがご購入いただけます。合わせてご覧ください。

RTX 4060 Tiを搭載しているおすすめパソコン

最後に、RTX 4060 Tiを搭載しているおすすめのパソコンを2つ紹介します。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX™ 4060 Ti」のスペックや特徴、口コミを解説しました。

RTX 4060 Tiは、16GBの大容量メモリと省電力性が特徴のグラフィックボードです。

NVIDIAのさまざまなクリエイティブ制作ツールにも対応しているので、Webサイトの閲覧や書類作成だけでなく、幅広いクリエイティブシーンでの使用も可能です。

ベンチマークも紹介したので、どのグラフィックボードを導入すべきか悩んでいる方は、ほかの製品のスペックやベンチマークと比較して、自社に最適な製品を選定してください。

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