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DDR4とDDR5の違い!使用用途・性能・コストを徹底比較
この記事では、DDR4とDDR5の違いについて解説します。PCメモリは使用用途に応じて選ぶことが大切です。この記事を読むことで、DDR4とDDR5のどちらを購入すべきか判断できます。PCメモリ選びに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
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メモリ規格で抑えておきたい5つの知識
メモリの規格に関する前提知識を5つに分けて紹介します。メモリを正しく理解できているか不安な方は、参考にしてください。
そもそもDDRとは
DDRメモリはDouble Data Rate(ダブルデータレート)の略で、クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを送信する技術です。この技術により、メモリのデータ転送速度が向上し、コンピュータの性能が改善されます。例えると、自動車がギアを上げて速度を上げるのと似ていると考えると理解しやすいでしょう。
DDRの互換性
DDRメモリの各世代間、DDR4とDDR5に互換性はありません。なぜなら、物理的な形状から電気的な仕様まで、各世代で変更が加えられているからです。新しい世代のメモリは通常、速度が速く、省電力である一方で、旧世代のメモリとは直接交換ができないのです。例えば、パズルのピースが合わないのと同じで、形状が異なるために直接組み合わせることはできません。
メモリ帯域幅とメモリクロックの関係性
メモリ帯域幅は、一定時間内にメモリが処理できるデータ量を指し、メモリクロックはこの帯域幅に直接影響を与えます。メモリクロックが速いほど、より多くのデータを短時間で転送できるため、帯域幅が広がるのです。この関係性は、水道管と水の流れに似ています。パイプの直径が広いほど(帯域幅が大きいほど)、より多くの水(データ)を短時間で送れるのと同じ原理です。
メモリクロックとクロック信号
メモリクロックは、メモリがデータを読み書きする速度を決定するクロック信号の周波数を指します。このクロック信号は、メモリとプロセッサ間のデータ転送のタイミングを同期させるために使用されます。初心者にとっては、信号機が交通の流れをコントロールするのに似ていると考えるとわかりやすいでしょう。信号機が速いリズムで切り替わると、車はスムーズに進みます。同様に、クロック信号が速いとメモリはデータをより速く処理します。
メモリタイミングは完了するのに必要な時間
メモリタイミングは、メモリモジュールがデータにアクセスするために必要な時間を示します。一般的には、以下の値で記載されています。
- CL(CAS Latency)/ tCL
- tRCD
- tRPおよびtRASなど
これらの値が小さいほど、メモリのパフォーマンスが向上します。例えば、「3200MHz CL14-14-14-35」と「3600MHz CL16-18-18-」のように表記されます。
すべての作業において高速ではない
DDR5メモリは一部の作業では高速に動作しますが、すべての作業において高速なわけではありません。一部の作業では性能が大幅に向上しますが、ほかの作業においてはほとんど変わらない、またはDDR5メモリの特性による性能の向上を実感できない場合もあります。
クリエイティブ作業に関しては、DDR5によって性能が若干向上する可能性はあります。顕著な違いは期待できないため、クリエイティブ作業専用にDDR5を選ぶ必要はありません。現時点ではDDR4がコストパフォーマンスに優れており、低価格でありながら十分な性能を提供する点で有利です。
ただし、DDR5は将来的にはよりよい選択肢になる可能性があり、将来のプラットフォームでの再利用が見込めます。現在は、まだ発展途上なことから価格も高めです。
DDR4とDDR5の購入する際の選び方
メモリに関する前提知識とDDR4とDDR5の違いについてわかったので、ここからは2つのメモリを購入する際の選び方について解説します。DDR4とDDR5のどちらを購入しようか悩んでいる方は、参考にしてください。
容量で選ぶ
メモリの容量は、使用するアプリケーションやタスクによって必要な容量が異なります。一般的なWebサイト閲覧や文書作成などの軽量な作業であれば、8GBや16GBのDDR4メモリでも十分です。
対応マザーボードで選ぶ
DDR4とDDR5は物理的な形状や電気的な仕様が異なるため、互換性はありません。
DDR5メモリを使用するためには、DDR5に対応するマザーボードが必要です。購入前には、マザーボードの仕様を確認し、選択したメモリタイプとの互換性を確認することが大切です。
将来的にシステムをアップグレードする予定がある場合、新しい技術規格に対応するマザーボードを選択することで、将来の性能向上や互換性の拡張を見越した投資となります。
アップグレード時はマザーボードも変更する
DDR4からDDR5に交換する場合は、マザーボードもDDR5対応のものに変える必要があります。
メーカーのWebサイトやマザーボードのマニュアルには、サポートするメモリの種類、速度、最大容量などの詳細情報が記載されています。また、最新のCPUやマザーボードは多くの場合DDR5をサポートしていますが、旧世代の製品にはDDR4が最適です。
しかし、クリエイティブ作業といったリソースが多く消費されるアプリケーションを使用する場合は、32GB以上のDDR5メモリを検討するとよいでしょう。DDR5はデータ転送速度が向上しているため、同じ容量でもDDR4より高いパフォーマンスを期待できます。容量を増やせば、マルチタスクの効率が向上し、システムの応答性も改善されます。
クロック速度で選ぶ
クロック速度はメモリ性能の重要な指標であり、データへのアクセスおよびその処理速度を決定します。
メモリ | クロック速度 |
DDR4 | 2133MHzから3200MHzの範囲 |
DDR5 | 4800MHz以上 |
高いクロック速度は、動画を高画質で編集する作業や、大量の情報を扱う大きなデータベースの管理など、迅速なデータ処理が必要な作業をスムーズにこなせます。ただし、クロック速度が高いほど価格も上昇する傾向にあるため、予算と必要性を考慮して選択することが大切です。
レイテンシで選ぶ
レイテンシとは、メモリがデータの要求に応えるまでにかかる時間のことです。クロックサイクル(コンピュータが基本的な操作を行う速度の単位)で測定されます。レイテンシが低ければ低いほど、データへのアクセスが速くなり、結果としてコンピュータ全体の動作速度や効率が向上するのです。
メモリの種類によって、このレイテンシの値は異なります。例えば、DDR5は、技術的にデータをより高速に転送する能力を持っています。そのため、レイテンシが少し高くなる傾向です。しかし、この高速なデータ転送能力により、実際にコンピュータを使用する際の体感速度において、レイテンシの違いによる影響はあまり感じにくいでしょう。
使用用途で選ぶ
DDR4は現行システムで広く使用されており、価格も手頃です。一方、DDR5は高速なデータ転送速度と低消費電力を特徴としており、最新の高性能コンピュータシステムでの利用が見込まれます。
- クリエイティブ作業
- 高度なグラフィックス処理
- 大量データ処理など
これらを必要とするユーザーにとって、DDR5は魅力的な選択肢です。しかし、一般的な用途であればDDR4でも十分な性能を提供します。
メモリのブランドで選ぶ
DDR4とDDR5を販売しているメーカーは、多数あります。以下のメーカーはメモリで特に有名なブランドです。
ブランド | 特徴 |
Corsair | 高性能メモリの製造で知られ、特にゲーミングPCや高負荷作業用のPC向けに人気。 |
Crucial | Micron Technologyのブランドで、信頼性とコストパフォーマンスに優れたメモリを提供。 |
G.SKILL | ゲーミングPCやカスタムPCユーザーに人気のブランドで、高性能ながらも手頃な価格の製品が特徴。 |
Kingston | 広範なPCユーザーに選ばれるブランドで、幅広い製品ラインナップを持ち、特に価格対性能比が高いと評価。 |
どのブランドで購入しようか悩んだ場合、シェア率が高い「Corsair」または「Crucial」で購入するとよいでしょう。
PCメモリの取り付け方と取り外し方
最後にPCメモリを取り付ける方法と取り外す方法について紹介します。メモリの取り付け方も取り外し方も、正しい手順で行うことが大切です。それぞれ参考にしてください。
メモリの取り付け方
PCメモリの取り付けは簡単ですが、正しい手順を踏むことが大切です。まず、PCの電源を切って、ケースを開いてください。次に、マザーボードのメモリスロットの両端にあるクリップを開き、メモリモジュールを正しい向きでスロットに差し込みます。メモリがスロットにはまると、クリップが自動で閉じてメモリが固定されます。このとき、力を入れすぎず、メモリモジュールを傷つけないように注意してください。
メモリの取り外し方
メモリの取り外しも、取り付けと同じで簡単です。PCの電源を切り、ケースを開けた後、メモリスロットから取り外したいメモリモジュールの両端にあるクリップを同時に押し下げます。クリップが解放されるとメモリモジュールが少し浮き上がるので、それをつかんでゆっくり引き抜きます。取り外す際には、メモリやほかのコンポーネントに無理な力がかからないよう、慎重に作業を行いましょう。
PCメモリを選ぶうえで重要なポイント
PCメモリ選びにおいては、互換性、容量、速度、そして信頼性が重要なポイントです。現在のPCに最適なメモリを選ぶためには、まずはマザーボードがサポートするメモリタイプ(DDR4やDDR5など)を確認することが大切です。DDR4は汎用性が高く、コストパフォーマンスに優れているため、多くのユーザーに適しています。一方、DDR5はより高速なデータ転送速度を誇り、クリエイティブ作業や高負荷のアプリケーションを快適に楽しむために設計されています。容量に関しては、最低8GBを推奨しますが、16GB以上を選ぶと将来的なニーズにも対応できるでしょう。信頼性の高いブランドから選ぶことで、安定したパフォーマンスと長期間の使用が見込めます。
おすすめのPCメモリをお探しの方は、「メモリの型番を簡単に確認する方法を5つ紹介!おすすめメモリ12選」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。