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法人がPCを廃棄する方法と廃棄時の注意点をわかりやすく解説!
目次
法人がPCを廃棄するときの法令上の義務
法人(事業者)が事業を行う過程で排出した産業廃棄物は、「廃棄物処理法(外部サイト)」で法人の義務が定められています。不要となったPCも産業廃棄物に該当するため、家庭ゴミのようにゴミ収集場に簡単に捨てることはできず、厳格な手続きのもとで適正に廃棄することが求められます。
罰則規定も設けられているため、知らないうちに法律違反を犯してしまうことがないよう、概要を把握しておくことが重要です。
自らの責任で適正に処理しなければならない
廃棄物処理法第3条では、事業活動に伴って発生した廃棄物は、事業者自らが責任を持って適正に処理しなければならないと定められています。
法人が使用していたPCは「事業系PC」として扱われ、産業廃棄物に該当します。そのため、「家庭系PC」として処分すると法令違反となり、罰則の対象となります。
従って、法人が不要になったPCを廃棄する際には、PCメーカーによる回収サービスの利用、あるいは産業廃棄物処理業者やPCリサイクル業者に廃棄を依頼する必要があります。
参照:e-GOV法令検索-廃棄物の処理及び清掃に関する法律(外部サイト)
事業系PCは、「小型家電リサイクル法」の対象外
2013年4月に施行された「小型家電リサイクル法(外部サイト)」により、現在は家庭で不要となった「家庭系PC」は、自治体や家電量販店でも回収が行われています。
しかし、前述のとおり「事業系PC」は産業廃棄物扱いとなります。廃棄物処理法に基づき自治体や家電量販店での廃棄は許可されていませんので注意しましょう。
参照:環境省-1 小型家電リサイクル法 ~法律の概要・関係法令~(外部サイト)
マニフェストの交付と保管
マニフェストは、産業廃棄物管理票とも呼ばれ、廃棄物の排出事業者から運搬業者、処分業者まで廃棄の一連の手続きが適正に行われたかを把握するための書類で、排出事業者からみると廃棄依頼したPCがどのような状況にあるか把握できます。
マニフェスト伝票の流れは、はじめにPCの廃棄を依頼する排出事業者が、依頼日の日付を記入した複写式のマニフェスト伝票(7枚複写)を発行し、排出時の控えとしてA票を手元に残し、残りの6枚を収集運搬業者に渡します。収集運搬業者は運送完了時に控えとしてB1票を手元に保管、同じく運送完了を示すB2票を排出事業者に送付します。このとき、残りのマニフェスト伝票4枚は、中間処理業者に渡します。中間処理業者は、中間処分完了時に完了を示すC1票を手元に残し、同じく中間処分完了を示すC2票を収集運搬業者に、D票を排出事業者に送付します。残ったE票は最終処分が完了した後、排出事業者に戻ってきます。
以上、廃棄処分がひと通り完了すると、各伝票は以下のように保管されます。
マニフェスト伝票の種類と最終的な保管者 |
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排出事業者 |
A票(排出時の控え) |
B2票(運送完了の確認) |
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D票(中間処分完了の確認) |
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E票(最終処分完了の確認) |
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収集運搬業者 |
B1票(運送完了の控え) |
C2票(中間処分完了の確認) |
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中間処理業者 |
C1票(中間処分完了の控え) |
廃棄物処理法では、排出事業者が交付した伝票は交付日から5年間、運搬業者と処理業者から返送された伝票は受け取った日付から5年間の保管義務が定められているため、紛失しないよう注意しましょう。
参照:e-GOV法令検索-廃棄物の処理及び清掃に関する法律(外部サイト)
PCのリサイクル
PCのリサイクルに関しては、廃棄物のない資源循環型社会を目指し、「Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)」の3R政策を推進する「資源有効利用促進法(外部サイト)」が適用されます。使用済みで不要となったPCをそのまま捨てるのではなく、新たな資源として再利用することで、廃棄物を減らすとともに資源の有効活用も期待されています。
この法律により、PCメーカーによる回収とリサイクルが義務付けられており、違反した場合の罰則規定も定められているため注意が必要です。
具体的には、取り組みが十分でないことが顕著な場合に、行政措置として違反者本人だけでなく法人にも指導、勧告、罰金などの罰則が科されます。そのため、日頃からの従業員教育も重要といえるでしょう。
法人のPC廃棄方法
ここからは、法人が不要となったPCを廃棄する場合にどのような方法があるか、具体的に3つご紹介していきます。
PCの製造メーカーに回収・リサイクルをしてもらう
「資源有効利用促進法」に基づき、PCの製造メーカーが法人で使用していた不要なPCの回収・リサイクルをしてくれるため、法人ではPCの製造メーカーに依頼するのが一般的です。自社のPCを知り尽くしているメーカー自らが適切に処分してくれるため、情報漏えいのリスクも少なく安心して任せられるでしょう。
ただし、リサイクル料金はメーカーによっても異なりますので、依頼する前に見積りにて金額を確認する必要があります。
社内で使用するPCのメーカーを限定、あるいは数社に絞っている場合には、手続きも少なく効率的に廃棄処理を進められます。
産業廃棄物処理業者に廃棄を依頼する
法人で要らなくなったPCは、産業廃棄物処理業者に廃棄を依頼することも可能です。PCの製造メーカーでは自社製PCのみ回収となりますが、産業廃棄物処理業者ではメーカーを問わず回収してくれるため、多数のメーカーのPCを廃棄する場合に有効に活用できるでしょう。また、リサイクル料金がメーカーの回収よりも安く、1,000円前後から対応してくれる業者もいます。
なお、産業廃棄物処分業を行うためには、管轄の自治体に申請を行い、都道府県知事および政令指定都市では市長から産業廃棄物処分業許可証の交付を受ける必要があるため、廃棄の依頼をする際には必ず許可証の有無を確認しましょう。
PCのリサイクル業者に引き取ってもらう
PCの廃棄をできるだけ費用をかけずに行いたい場合には、PC専門のリサイクル業者を利用する方法もあります。故障しているPCやハードディスクがないPC、現在販売されていない古いPCでも無料で引き取ってくれる業者もあるため、国や自治体からの認証の有無などを参考に信頼できるサービスを選択しましょう。
なお、引き取り前に自分でデータを削除できない場合には、データの完全消去まで依頼できますが、その場合には消去の証明書を発行してくれる業者であれば安心です。
法人がPCを廃棄するときの注意事項
法人がPCを廃棄するにあたって注意すべき事項を、情報流出リスクの観点、資産管理の観点から解説していきます。
PC内のデータの完全消去
法人が利用するPCには、会社の機密情報、顧客情報、取引先情報、社員情報、インターネットバンキングのログイン情報など、重要情報が多数保存されています。もし、廃棄したPCから情報漏えいした場合には、銀行口座が不正に利用され、あるいは取引先や顧客など社会からの信頼を失うとともに、他社に被害を与えた場合には、損害賠償請求を受けるリスクもあります。
したがって、PCメーカー、産業廃棄物処理業者、PCのリサイクル業者のいずれを利用する場合でも、PCを受け渡す前に必ずPC内のデータを完全に削除しましょう。
データ消去サービスを提供する業者もありますが、利用するのに不安を感じる方には、ユーザー自身で完全消去が行えるツール「スイートデータ消去」をおすすめします。公的機関から国際基準に準拠した消去証明書が発行されるのに加え、情報漏えいリスクを低減できるため、安心してPCを廃棄できます。
委託先の信頼性を確認
PCの廃棄では、情報漏えいによる被害を未然に防ぐために、データの完全消去が大変重要であることをご紹介しましたが、産業廃棄物処理業者やPCのリサイクル業者の中には、データの消去も請け負う名目で悪意を持って個人情報を取得しようとする悪徳業者も存在します。
・産業廃棄物処分業許可証の交付を正式に受けているか
・事業所の所在地がきちんと明記されているか
・相場と比較し料金が安すぎないか
以上3点は依頼する前に必ず確認しましょう。
固定資産台帳の更新、管理シールなどの取り外し
10万円以上のPCは、償却資産に該当し原則として固定資産税の対象となるため、固定資産管理ソフトに資産登録してPCの管理を行っている企業も多いでしょう。
ただし、廃棄したにもかかわらず管理ソフトにて廃棄処理の登録をしないと、すでに保有していないPCが毎年の償却資産申告書に載ってしまうため、廃棄後に速やかに処理する必要があります。
また、PCの購入時に部署名、管理番号、ロゴマークなどのシールを会社で貼り付けた場合には、廃棄後に会社が特定され、情報漏えいするなどの万が一のリスクを考慮してすべて剥しましょう。
法人PCのレンタルがおすすめな理由とは?
ここまで、法人のPC廃棄方法と注意点についてご紹介しましたが、信頼できる業者の選定、データの消去など1台のPCを処分するだけでもかなりの手間がかかります。
この点、法人PCレンタルを利用すれば、廃棄の手続きは一切不要となり、IT部門の負荷軽減が期待できます。
また、固定資産として一度に多額の費用をかけて取得するのではなく、月々のレンタル費用として経費処理が可能なため、キャッシュフローの平準化にもつながるでしょう。さらに、万が一、故障の際には代替機を手配してもらえるなど、PCレンタルならではのメリットがあります。
当社では法人様向けに、最短1カ月・月額1,000円から利用できる機種もご用意していますので、PCレンタルを検討したいという方は、サードウェーブ法人パソコンレンタルをぜひご覧ください。
また、10台以上・12カ月以上ご利用の場合、最新機種や高性能PCなど豊富なラインナップから選べる、PCサブスクリプションもございますので、あわせてご検討ください。
まとめ
この記事では、法人がPCを廃棄するときの法令上の義務、廃棄方法、廃棄時の注意点などについて解説しました。
「廃棄物処理法」では、法人が廃棄するPCは産業廃棄物として扱われ、自らの責任において適正に処理しなければならないと定められているため、PCの製造メーカー、産業廃棄物処理業者、PCのリサイクル業者を利用して法令を遵守して手続きを行う必要があります。
また、PC内には機密情報など企業の重要情報が保存されているため、廃棄前に自分でデータを消去するか、あるいは信頼の置ける業者に完全消去をしてもらうのが重要です。
当記事を参考に、情報漏えいに注意しながら、適切にPC廃棄を進めてください。
最後に、廃棄の手間が一切不要なPCレンタル・PCサブスクリプションについてもご紹介しましたので、当記事を参考にぜひ導入をご検討ください。