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仮想化とは?現代のITシステムに必須の技術、その内容を解説!
「社内のITシステムが老朽化してきた」 「各システムに柔軟にリソースを割り振りたい」
そんな時に有用なのが仮想化です。オンプレミスのシステムを仮想化できれば、老朽化したサーバーの延命にも有効ですし、各仮想サーバーに柔軟にリソースを割り振れるようになります。また、その他にも複数のメリットがあるのです。
本記事では、仮想化について、その内容やメリット、課題などをお伝えしていきます。
目次
仮想化とは
仮想化とは、物理ハードウェアに仮想化ソフトウェアをインストールし、論理的なハードウェアを必要な数だけ構築して、柔軟にCPUやメモリ、ハードディスクなどのリソースを割り振ることです。
ただし物理的に用意されたリソースの上限を仮想化されたハードウェアは超えられず、例えば3GBのストレージが5台ある場合は、最大で15GBのストレージしか仮想環境では扱えません。
仮想化とクラウドの違いについては、「仮想化とクラウドの違いとは?何が違うのかをわかりやすく解説」をご覧ください。
仮想化が登場した背景
昔は、ハードウェアの導入に非常にコストがかかりました。そのため、仮想化はハードウェアの効率的な利用方法として発展しました。一方現代では、高性能になってきたサーバーのハードウェアを有効に利用する手法として注目されています。
従来のシステムでは、一度システムを構築するとハードウェアリソースの拡張・縮小が難しい場合もあり、どうしても余裕を持った設計が必要でした。そこで仮想化技術を用いることによって、余ったシステムリソースを他のシステムに振り向けて柔軟に活用することが容易になったのです。
代表的な仮想化技術とは
ITシステムにおいて仮想化されるものは、代表的なもので4つに分けられます。
サーバー
仮想化ソフトウェアで既存の物理サーバーを統合して仮想化することで、必要に応じたリソースが配分できるようになります。また、複数の物理サーバーを仮想環境に集約することで、省電力化・省スペース化することもできるようになりました。
仮想サーバーと物理サーバーの違いについては、「仮想サーバーとは?物理サーバーとの違いやメリットについても解説!」をご覧ください。
デスクトップパソコン
サーバー上に、パソコンのデスクトップ環境を構築することで、パソコンの管理運用の省力化、セキュリティの向上、情報漏えいの対策になります。
従来は各従業員が使用するパソコンに、1台ずつソフトウェアのインストールやOSのセキュリティパッチ適用などを実施する必要がありました。また、拠点間を移動する際のパソコン紛失による情報漏えいも大きな問題になっていました。
そこでデスクトップを仮想化することで、パソコンの運用管理はサーバー側で一元的に実施できるようになります。モバイルデバイスからデスクトップ環境にいつでもアクセスでき、モバイルデバイス側にはデータが残らないので、情報漏えいも発生しにくくなります。
ストレージ
システムのハードディスク空きスロットに余裕を持たせておけば、必要に応じて仮想ストレージの拡張が可能です。また、ストレージごとに実施していた管理作業も一元化できるので、作業コストを削減できます。
ネットワーク
物理ネットワークの上に論理ネットワークを複数作成できます。ストレージ同様、ネットワークの管理も統合によって一元化できます。論理ネットワークは必要に応じて仮想サーバーに割り当てが可能です。
仮想化のメリット
仮想化には複数の明確なメリットがあります。順番にみていきましょう。
各種コストの削減
リソースを効率よく使える
仮想化することにより、サーバーを統合して余剰のハードウェアリソースを他のシステムに振り向け、リソースを効率よく使えることが、大きなメリットの一つです。
人件費や保守費用が削減
さらに物理サーバーの稼働台数を削減することにより消費電力やスペースの削減、サーバー管理のための人件費、保守費用の削減などの効果があります。
老朽化によるリプレースコストも削減
またシステムはサーバーが老朽化するたびに新しいサーバーに移し替える必要があったため、その際のリプレースコストが数年おきに発生し、場合によっては億以上のコストになることもありました。
そこでシステムを仮想化すると、ハードウェアの老朽化を意識する必要がなくなるため、リプレースのコストも大きく削減できます。同時にシステム環境の変化による再学習時間やトラブルの発生なども最小限で済みます。
状況に応じた拡張・縮小
サーバーの物理リソースを拡張する場合、不足分を増やすことになります。従来は設置スペースや供給電力、拡張制限などを考慮したうえで、余裕をもってサーバーを構築する必要がありました。
また一般的にサーバーの縮小は困難でした。特にハードディスクはRAID(HDDを並列化し一つのドライブのように扱う)を組みなおす必要があり、メモリやCPUは載せ替えが必要になる場合もあります。
さらに一般的な企業では、ただリソースを拡張・縮小するだけでも、計画→稟議→手配→構築→テスト→運用という手順となるため、非常に時間もコストもかかることが現実でした。
サーバーを仮想化すると、物理リソースが不足するシステムを他システムの余剰で補え、余計なリソース拡張・縮小作業の必要はありません。
障害発生時のシステム冗長性確保
物理サーバーが1台しかない場合は、何か障害が発生するとサービス自体が停止してしまいます。かといって、物理サーバーを2台構成にしようとすると、単純に2倍のハードウェアコストがかかってしまいます。
物理サーバーを集約して仮想化すれば、簡単に各サーバーを冗長構成にできます。一部の物理サーバーが障害でダウンしても、仮想サーバーは別の正常な物理サーバー上に移動できるため問題はありません。ハードウェアを交換した場合も、仮想サーバー上は特に設定変更は必要ないため安心です。
仮想化の課題
仮想化においてはメリットばかりではなく課題もあります。順番にみていきましょう。
物理サーバーのリソース
仮想サーバーの処理能力は物理サーバーのリソースに依存します。そのため、各仮想サーバーに必要なリソースを計算し、余裕をもたせて準備することが必要です。
また仮想化後は、ハイパーバイザーとよばれる層を通して各仮想サーバーの処理がなされるため、物理サーバーよりも仮想環境のレスポンスが悪くなる可能性もあります。そのため、仮想環境においてはサーバーリソースを増やさなくてはならない場合も出てくるでしょう。
事前に複数の仮想サーバーを動かせるリソースを、余裕をもって確保しておきましょう。
仮想環境の管理
仮想環境の管理には、物理サーバーの管理とは異なる知識が必要になります。
自社に仮想化運用のノウハウがなければ、ノウハウを多く持つベンダーに依頼することになります。
運用のランニングコストについては事前に試算しておきましょう。特に小規模のシステムについては、仮想化によってコストメリットが発生するのか慎重に確認する必要があります。
仮想環境のセキュリティ対策
従来の物理サーバーで実施していた対策とは違う、仮想環境特有の、特にハイパーバイザーに対するセキュリティ管理が必要になります。仮想環境は仮想化ソフトを使って構成されるため、従来型のセキュリティ対策ではサイバー攻撃を防ぎきれない危険性があるのです。
ファイアーウォールやIPS、仮想環境に特化したセキュリティ対策ソフトなどを導入して、有効な対策を講じていきましょう。
※IPSはIntrusion Prevention Systemの略で、不正侵入検知システムを指します。異常な通信を検知すると、その通信を遮断します。
物理サーバーの移行
システムによっては、単純に物理サーバーから仮想環境へ移行するだけではシステムが動作しなくなる可能性があります。このようなトラブル時には、仮想サーバーへの移行ノウハウがないと対処できないこともあります。
自社に移行ノウハウがない場合は、仮想環境についてのノウハウが豊富なベンダーに移行を依頼した方が安全でしょう。
サーバーのご導入はドスパラプラス
オンプレミスのシステム仮想化で、サーバーの導入を検討されている方は、以下のページをぜひ一度ご覧ください。ご不明点がございましたら、お気軽お問い合わせください。
まとめ
オンプレミスのシステムを仮想化することで、老朽化システムへの対応やコストメリット、柔軟なリソースの割り振りなど多くのメリットがあります。しかし仮想化には課題も複数存在し、課題への対処にあたっては仮想化のノウハウが必要になることもあります。
自社だけでは対応できないと予想される場合は、外部のベンダーへの対応依頼を必要に応じて検討しておきましょう。