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自然言語処理(NLP)とは?概要や流れ、活用事例をわかりやすく解説

この記事では、自然言語処理(NLP)の概要や仕組みについて解説します。

活用事例も合わせてお伝えします。

NLPとは何か知りたい方や、自社の事業に取り入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

自然言語処理(NLP)とは

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自然言語処理(NLP)は、人が日常的に使用する自然言語の理解や生成、処理をコンピュータで行うAI技術です。

NLPの対象には、論文や記事などの「書き言葉」だけでなく、会話やSNSなどのコミュニケーションで使う「話し言葉」も含まれています。

自然言語は、使用する人によって意味合いが異なったり、受け取り手によって解釈が変わってしまうため、コンピュータによる機械的な分析には高い技術が必要です。

しかし、昨今は機械学習や深層学習の進歩により、コンピュータが人間と同様に言語を理解し、反応する能力が大幅に強化されており、さまざまなシーンでNLPが活用されています。

自然言語と人工言語

人が使用する言語には、自然言語のほかに「人工言語」があります。

NLPをより深く理解するためにも、まずは自然言語と人工言語のそれぞれの特徴や違いを解説します。

自然言語

自然言語は、日本語や英語といった、人がコミュニケーションを取るうえで日常的に使用している言語を指します。

文化や社会を通じて自然に進化し発展してきたため、自然言語と呼ばれています。

NLPにおいては、自然言語は使用する人によって意味合いや解釈が変わってしまう曖昧さと多様性がある点が課題のひとつです。

人工言語

人工言語は、特定の目的や用途のために人為的に作られた言語です。

具体的には、プログラミング言語や数式などが人工言語の例として挙げられます。

自然言語を補助する役割を持つ国際補助語も人工言語のひとつで、自然言語と人工言語を適切に使い分ければ、より効率的かつ正確にコミュニケーションが可能です。

また、人工言語は、一貫性と明確さがあるため、曖昧さがある自然言語よりも使いやすいのが特徴です。

一方で、特定の場面でのみ使用される言語で文化的な背景がないことから、自然言語よりも普及していません。

注目されている理由

近年は、スマホやインターネットの普及といったデジタル化により、日常的に大量のテキストデータが生成されるようになりました。

具体的には、SNSやビジネスチャットツールを利用する人が増えたことで、これまでの書類でのやり取りがデジタルデータに置き換わっています。

NLPを活用すれば、デジタルデータを解析し、顧客のニーズの把握や効果的なマーケティング施策の立案が可能であるため、ビジネスで応用する企業が増えています。

また、NLPは、音声認識や機械翻訳にも応用可能です。

すでにスマート家電や翻訳サービスなどが普及しており、日常をより快適にする製品・サービスの誕生に役立つことから、NLPに対する注目や需要が高まっています。

NLPとChapGPTの関係性

昨今注目を集めているAIチャットサービスの「ChapGPT」も、NLPの技術を活用した事例のひとつです。

NLPを基板として大量のテキストデータを学習したChapGPTに対して質問や指示をすると、ChapGPTが適切な回答を提供してくれます。

また、ChapGPTにはインターネットに接続して回答を生成する機能も備わっているため、検索エンジンの代わりとして活用する人も増えています。

今後、ChapGPTのような革命的なサービスの展開が急激に進むことが予想されており、NLPの応用範囲の拡大に注目です。

ChatGPTに関して詳しくは「ChatGPT APIとは?できることや活用手順、注意点を解説」でご紹介しています。合わせてご覧ください。

自然言語処理(NLP)の仕組み

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NLPは、大きく分けて「機械可読目録」と「コーパス」の2つから成り立っています。

機械可読目録とコーパスが機能することで、複雑かつ曖昧な特性があるNLPの処理が可能です。

機械可読目録

NLPは、書き言葉を中心とした自然言語をコンピュータが理解できる形に変換するための通信規格です。

NLPにおいて目の役割を持っており、機械可読目録が機能することで、コンピュータは言葉を数学的に処理・解析できます。

機械可読目録の代表的な応用事例が図書館の書籍検索システム「OPAC」です。

書籍のタイトルや著者、ISBNなどの情報が機械可読目途によってコンピュータで処理できるデータに変換され、図書館の蔵書を検索できるオンラインシステムのOPACに活用されています。

コーパス

コーパスは、NLPが機能するために使用される大量の言語データを指します。

コーパスには、新聞や書籍、Web上の情報ページなどが含まれており、言語のパターンや構造を理解するために機械学習モデルに使用されます。

NLPのアルゴリズム開発や解析にも活用されるため、正確な処理を行うためにも、使用されるデータは量だけでなく、質も重要です。

自然言語処理(NLP)の流れ

NLPは、一連のプロセスを通して人の言葉を理解し、回答を生成します。

以下にその主要なプロセスを紹介します。

形態素解析

形態素解析は、テキストを個々の単語やフレーズに分割するプロセスです。

テキストを意味を持つ最小単位の言葉に分解することで、コンピュータはそれぞれの意味を理解しやすくなります。

具体例として「私は友人と東京へ出かけました」の文章を形態素解析すると「私/は/友人/と/東京/へ/出かけ/まし/た」となります。

「わかち書き」(単語と単語の間にスペースがある)された英語などの言語は分解が容易ですが、日本語などの単語同士の間にスペースがない言語は、そのままだと処理が複雑になるため、上記のような形態素解析が必要です。

構文解析

次に、構文解析が行われます。

構文解析は、形態素解析で分解された単語の組み合わせとその関連性を理解するためのプロセスです。

文の主語や目的語、形容詞といった文法を中心に解析して、文の全体的な構造を理解します。

「私は友人と東京へ出かけました」の文章を構文解析すると「私」・「友人」・「東京」が名詞として認識され、「出かけ」が動詞として認識されます。

また、「私は」を主語、「出かけました」が述語として分類することで、それぞれの単語がどの単語に関わるのか理解できるため、NLPにおいて重要なプロセスです。

意味解析

意味解析は、単語やフレーズの意味を理解し、その意味を文脈に基づいて解釈するプロセスです。

「私は友人と東京へ出かけました」の文章は、以下の2つの解釈ができます。

  • 私が、友人と東京の両方のもとへ出かけた
  • 私と友人で、東京へ出かけた

そのため、意味解析を通して、どちらの解釈が正しいのか判断が必要です。

意味解析では、辞書を活用して単語の意味や関係を調べます。

上記の文章の場合、「私」と「友人」が同じ名詞で人を表す名称だと理解することで、関係の強さを把握します。

さらに、「友人」が出かける先の対象として不適切なことを理解することで「私と友人で東京へ出かけた」という解釈が正しいと判断します。

文脈解析

最後に、文脈解析が行われます。

文脈解析は、全体的な会話や文書の文脈を考慮して情報を解釈するプロセスです。

「私は友人と東京へ出かけました」の文章は、単体の場合前述のような解釈ができますが、前後の文章や全体を考慮すると、意味合いが変わる可能性があります。

そのため、前後の文章においても構文解析や意味解析を行うことで、文章の解釈をより正確なものにします。

自然言語処理(NLP)で実現できること

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NLPは、その豊富な可能性により多くの分野で利用され、革新的な解決策を提供しています。以下に、その主要な活用領域をいくつか紹介します。

大量のテキストデータ解析

NLPは、大量のテキストデータから情報を抽出するテキストマイニングにおいて力を発揮します。

たとえば、SNSの投稿からユーザーの感情を分析し、商品の開発・改善につなげられます。

また、ビジネス関連のテキストを解析し、自社にとって有益な情報を抽出することで、新たな事業の創出や意思決定に活用可能です。

さらに、常に新しい情報や論文が展開される研究分野においても、NLPを活用すれば、効率的に情報を収集でき、新たな知見や研究の加速につながります。

動画・画像データの処理

NLPは、書籍やSNSのテキストだけでなく、動画や画像といった非構造化データの解析にも活用されます。

たとえば、動画の音声トラックをテキストに変換し、自動字幕を生成することで、視覚障害のある人に向けた動画の作成が可能です。

また、画像内のテキストの読み取りも可能で、写真で撮影した書類の画像からテキストを抽出し効率的にデジタル化できるため、業務の生産性向上にも役立ちます。

このように、データへのアクセスや利便性を向上させられる点が、NLPを活用するメリットのひとつです。

自然言語処理(NLP)の活用事例

NLPは、そのテキスト解析能力や動画・画像データの処理能力から、さまざまな業界で活用されています。

具体的な活用事例を紹介するので、自社での活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

スマートスピーカー

スマートスピーカーは、スマートフォンや専用のスピーカーに搭載されている、NLPのもっとも一般的な活用事例のひとつです。

デバイスに対して「今日の天気を教えて」や「照明を付けて」などのように指示をすると、音声コマンドが言葉の内容を理解し、ユーザーの質問に答えたり、日常的な作業を自動化してくれます。

SiriやAlexaが代表的な事例であり、文字を入力したり、スマートフォンを操作して調べる必要がなく、手軽に目的の情報の取得や行動ができることから、多くの人が利用しています。

AIチャットボット

AIチャットボットは、製品やサービスに対する顧客の質問への自動回答に用いられるケースが多い活用事例です。

日本人はチャットする際に主語や目的語が抜けがちですが、直前の会話などから文脈解析を行い、適切な返答がされるような仕組みになっています。

また、ビジネスにおいては、業務の効率化を実現するだけでなく、24時間稼働してくれるため、顧客満足度の向上にも役立っており、問い合わせ対応に活用している企業が増えています。

音声認識AI

音声認識AIは、NLPの音声をテキストに変換する技術を活用しています。

前述したチャットボットに組み合わせることで、質問者はより手軽に利用できます。

ビジネスシーンでは、これまで手入力していた議事録を音声AIが代わりに行うことで、業務の効率化や漏れのない正確な議事録作成が可能です。

また、AIは学習を重ねることで業界用語を理解できるようになるため、自動車の音声制御システムや医療の診断支援など、幅広い業界ですでに活用されています。

文字認識AI

文字認識AIは、紙媒体に書かれた文字をデジタルテキストに変換する技術です。

カメラで紙を撮影するだけで、自動で紙媒体のデータの電子化が可能です。

そのため、注文書や申込書などの顧客情報のデータ化を進めている企業から、業務の効率化やセキュリティリスクの軽減を目的に採用が多くみられています。

翻訳・要約

NLPは、テキストの自動翻訳や要約にも活用されています。

入力された日本語に対して文脈解析や意味解析を行い、適切に解釈することで、より正確な翻訳・要約が可能です。

また、音声認識と組み合わせたサービスもすでに展開されており、外国に旅行した時や、外国人から道を尋ねられた時など、さまざまなシーンで活用されています。

検索エンジン

検索エンジンは、ユーザーが検索窓に入力した内容を理解し、もっとも関連性の高い情報を表示するためにNLPを使用しています。

入力された内容の一部が誤っていたり、完全一致していない言葉の場合でも、ユーザーの検索意図を想定し、ユーザーが求めているであろう情報を表示してくれます。

このことで、ユーザーはより早く目的のデータを見つけられます。

自然言語処理(NLP)の課題

NLPの課題のひとつが、自然言語の多様性と曖昧さです。

たとえば、自然言語には、同じ単語が異なる文脈で異なる意味を持つことや、同じ意味を持つフレーズが異なる表現で表されるケースがあります。

そのため、意味解析や文脈解析のプロセスで、NLPの活用者の意図と反する解釈をされる場合があります。

また、AIが機械学習をしているといえど、ニッチな業界の専門用語や風刺などの言葉のニュアンスに対する理解は、まだまだ発展途上です。

加えて、人ではなくコンピュータが稼働するため、プライバシーや倫理といった観点の知識不足が見られるケースは少なくありません。

個人を特定できる情報を含むテキストデータの取り扱いには十分な注意が必要です。

まとめ

この記事では、NLPの特徴から仕組み、活用事例まで解説しました。

NLPは、自然言語の理解や生成、処理をコンピュータで行うAI技術です。

その優れたテキスト解析能力は、スマートスピーカーやAIチャットボットに活用されています。

しかし、複雑かつ曖昧な性質がある自然言語の処理は容易ではありません。

今後AIの機械学習や深層学習がより発展してくことで、さらに高性能なNLPを活用した製品・サービスの展開が予想されます。

自社の事業にNLPを取り入れたい方や、実際にNLPを活用してみたい方は、この記事を参考に取り組んでみてください。

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