- HOME
- 法人様向けお役立ちコンテンツ
- Core i7-1265Uとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
Core i7-1265Uとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Core™ i7-1265U」のスペックや特徴について解説します。
Core i7-1265Uのベンチマーク、ほかの製品と比較した結果や、おすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、CPUの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Core i7-1265Uの基本スペック
Intel® Core™ i7-1265U | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake |
プロセス | 10 nm |
コア数 | 10(Pコア2+Eコア8) |
スレッド数 | 12 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.8GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 LPDDR5 5200 LPDDR4x 4267 |
L3キャッシュ容量 | 12MB |
対応ソケット | FCBGA1744 |
PCI Express リビジョン | 不明 |
TDP | 15W |
発売日 | 2022/1 |
Intel® Core™ i7-1265Uは、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
Intel® Core™ iシリーズの中では、グラフィックス処理性能や並列処理性能を重視して設計されたIntel® Core™ i7シリーズにあたり、メールの管理や資料作成といった一般的なビジネスシーンはもちろん、グラフィックデザインや動画編集クリエイティブシーンにも対応できます。
加えて、ノートパソコン向けCPUの中でも特に省電力性に優れたUシリーズにあたり、消費電力が抑えられている点も大きな特徴です。
また、UシリーズのCPUには、Core i7-1265Uの下位モデルにあたるIntel® Core™ i5-1245Uや、後継モデルのIntel® Core™ i7-1365Uなど、さまざまな種類の製品があり、この記事では同シリーズや競合製品と比較した結果もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
なお「CPUの性能比較表|2024年最新版」では、比較対象となる基本スペックやCPUの性能目安となるPassMarkのベンチマークスコアを製品別で比較してご覧いただけます。どのCPUを導入すべきか悩んでいる方や、最新のCPUを検討している方は参考にしてください。
Core i7-1265Uはどのような用途におすすめ?
Core i7-1265Uは、10コア12スレッドのスペックを備えており、Microsoft PowerPointを使用した資料作成やWebサイトの閲覧、メールの管理といったビジネスタスクはもちろん、負荷の小さいWebデザインや動画編集などのクリエイティブタスクにも活用できます。
また、省電力性に優れたUシリーズのCPUで、電力効率に重視したEコアを8コア搭載しており、消費電力も15Wと低く抑えられているため冷却がしやすく、安定した処理速度を保ちたい方にもおすすめです。
ただし、大容量の動画編集や3Dレンダリングなどの高負荷なタスクでは十分なスペックを発揮できない場合があるため、これからCPUを導入する方は、用途に適したスペックを備えたCPUを選定するようにしましょう。
Core i7-1265Uのスペック比較
Intel® Core™ i9-9880H | Intel® Core™ i7-1265U | Intel® Xeon® E-2186G | |
製品コレクション | 第 9 世代インテル® Core™ i9 プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | インテル® Xeon® E プロセッサー |
開発コード名 | Coffee Lake | Alder Lake | Coffee Lake |
プロセス | 14 nm | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 8 | 10(Pコア2+Eコア8) | 6 |
スレッド数 | 16 | 12 | 12 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.3GHz | 1.8GHz | 3.8GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.8GHz | 4.8GHz | 4.7GHz |
メモリの種類 | DDR4 2666 LPDDR3 2133 |
DDR5 4800 DDR4 3200 LPDDR5 5200 LPDDR4x 4267 |
DDR4 2666 |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 12MB | 12MB |
対応ソケット | FCBGA1440 | FCBGA1744 | FCLGA1151 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 不明 | 3.0 |
TDP | 45W | 15W | 95W |
発売日 | 2019/4 | 2022/1 | 2018/7 |
Core i7-1265Uのスペックを、Intel® Core™ i9-9880HやIntel® Xeon® E-2186Gとで比較してみていきます。
Core i9-9880Hは、高いグラフィック処理性能を備えたHシリーズのCPUで、コア数は8コアと、Core i7-1265Uの10コアよりも少ない搭載数です。
また、Core i7-1265Uには電力効率を重視して設計されたEコアが8コア搭載されていますが、Core i9-9880Hには従来のPコアしか搭載されていないため、Core i9-9880HよりもCore i7-1265Uのほうが消費電力は低く抑えられています。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数やL3キャッシュ容量は、Core i9-9880Hのほうが優れた数値でした。
このように、CPUによって性能差はさまざまであるため、これからCPUを導入する方は、クロック速度や消費電力など、重視したい項目を明確にしたうえで、ほかの製品と基本スペックを比較してみてください。
次に、Xeon E-2186Gと比較します。
Xeon E-2186Gのコア数は6コアと、Core i7-1265Uのほうが多く搭載しており、Core i9-9880Hと同様に、Eコアが搭載されていません。
その一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は3.8GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.7GHzと高く、処理性能の高さがうかがえます。
性能が高い分、消費電力は95Wと高めですが、安定した処理速度を求める方は、Xeon E-2186Gも検討してみてください。
Core i7-1265UとAMDシリーズのスペック比較
AMD EPYC™ 3251 | Intel® Core™ i7-1265U | AMD Ryzen™ 5 2600X | |
製品コレクション | EPYC Embedded 3000 Series SOC | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors |
開発コード名 | Snowy Owl | Alder Lake | Pinnacle Ridge |
プロセス | 14 nm | 10 nm | 12 nm |
コア数 | 8 | 10(Pコア2+Eコア8) | 6 |
スレッド数 | 16 | 12 | 12 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.5GHz | 1.8GHz | 3.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.1GHz | 4.8GHz | 4.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2666 | DDR5 4800 DDR4 3200 LPDDR5 5200 LPDDR4x 4267 |
DDR4 |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 12MB | 16MB |
対応ソケット | TR4 | FCBGA1744 | AM4 |
PCI Express リビジョン | 不明 | 不明 | 3.0 |
TDP | 55W | 15W | 95W |
発売日 | 2018/2 | 2022/1 | 2018/4 |
競合のAMD Ryzen™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD EPYC™ 3251のコア数は8コアと、Core i7-1265Uの10コアを下回る搭載数で、EコアはIntel製CPU独自のコアであるため、AMD製のEPYC 3251には搭載されていない点が大きな違いです。
また、EPYC 3251のプロセッサー・ベース動作周波数は2.5GHzと、Core i7-1265Uの1.8GHzを上回る数値ですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数はCore i7-1265Uのほうが優れているため、複雑なエフェクトや高解像度の画像処理など、高負荷なタスクにおいて高い処理速度を求める方は、Core i7-1265Uのほうがおすすめです。
次に、AMD Ryzen™ 5 2600Xと比較すると、コア数は6コアとCore i7-1265Uのほうがコアの搭載数は多く、スレッドは同値です。
そして、Ryzen 5 2600Xのプロセッサー・ベース動作周波数は3.6GHzと、Core i7-1265Uを大きく上回っており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数も4.2GHzと高い数値です。
デスクトップ向けCPUである分、ノートパソコン向けのCore i7-1265Uと比べて消費電力は高めですが、タスクの負荷を問わず高い処理速度を維持したい方は、Ryzen 5 2600Xも検討してみてください。
Core i7-1265Uと両製品のベンチマークは、後ほど詳しく解説するので、あわせてご覧ください。
Core i7-1265Uの特徴
Core i7-1265Uの特徴を3つ解説します。
Core i7-1265Uならではの特徴やデメリットもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
省電力性に優れたUシリーズ(超省電力モデル)のCPU
Core i7-1265Uは、低消費電力のノートパソコン向けCPUの中でも特に省電力性に優れた超省電力モデルのCPUです。
Core iシリーズでは、品番の末尾にUのつく製品が超省電力モデルのUシリーズとして位置づけられており、Core i7-1265UのTDPは15W、MTP(CPUがブースト時に消費される電力)は55Wと、CPUの中ではトップクラスに低く抑えられているため、省電力性に優れたCPUを導入したい方は、Core i7-1265UをはじめとしたUシリーズのCPUに注目してみてください。
第12世代のUシリーズの中ではトップクラスの性能を持つ
Core i7-1265Uは、第12世代のUシリーズの中では、トップクラスの性能を持つCPUです。
CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingのスコアを第12世代のUシリーズのCPUで比較すると、Core i7-1265UはIntel® Core™ i5-1240Uに次いで高い数値でした。
特に、UシリーズのエントリークラスにあたるIntel® Core™ i3-1210Uとの性能差が大きく、Core i7-1265UのスコアはCore i3-1210Uの125%の数値です。
また、プロセッサー・ベース動作周波数を比較すると、Core i7-1265Uが最も高い数値で、第12世代のUシリーズの中では、通常利用時の処理性能が高いことがわかりました。
より基本スペックが高いCPUを求めるなら第13世代やHシリーズのCPUがおすすめ
第12世代のUシリーズの中ではトップクラスの性能を持つCore i7-1265Uですが、省電力性に特化して設計されたCPUであるため、ほかのシリーズの製品と比べて性能は控えめです。
よりハイスペックなCPUを求める方は、次世代の第13世代のCPUや、省電力性よりも性能を重視して設計されたHシリーズのCPUがおすすめです。
例えば、後継モデルで第13世代のCore i7-1365Uと比較すると、コア数・スレッド数は同値ですが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は5.2GHzに向上しており、なおかつ消費電力は15Wのままで、性能と省電力性の両面のスペックアップがみられます。
また、同じ第12世代のIntel® Core™ i7-12650Hと比べると、コア数自体は10コアと同値ですが、Core i7-12650HのほうがPコアを多く搭載しているのが注目ポイントです。
プロセッサー・ベース動作周波数やL3キャッシュ容量もCore i7-1265Uを大きく上回っており、性能の高さがうかがえます。
Core i7-1265Uよりも高い性能を備えたCPUを求めている方は、上記の2つのCPUも検討してみてください。
Core i7-1265Uのベンチマーク
Core i7-1265UのベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Core i7-1265Uの性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。
Core i7-1265Uのスコアは13953と、Core i9-9880HやEPYC 3251を上回る数値でした。
Core i7-1265Uのコア数は、両製品を上回る10コアで、ターボ・ブースト利用時の最大周波数も高く、省電力性にも優れていることから、上位のスコアになったと考えられます。
一方で、Xeon E-2186GやRyzen 5 2600Xと比較すると、下回る結果でした。
Xeon E-2186GやRyzen 5 2600Xは、Core i7-1265Uと比べて少ないコア数ですが、プロセッサー・ベース動作周波数が高く、Core i7-1265Uを大きく上回っている点が上位に位置づけられている要因のひとつだと考えられます。
CPUのおおまかな性能を比較したい方は、基本スペックとあわせてCPU Mark Ratingを参考にしてみてください。
PassMark(CPU Value)
CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueもみていきましょう。
Core i7-1265Uのスコアは32.8と、5つの製品の中では中間の数値でした。
最も高いスコアだったのはRyzen 5 2600Xの180.7で、Core i7-1265Uの550%の数値でコストパフォーマンスの高さがうかがえました。
PassMarkのCPU Valueは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されます。
CPUのコストパフォーマンスを把握するために参考となるベンチマークなので、ぜひほかのベンチマークとあわせて確認してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較します。
Core i7-1265Uのスコアは3281と、5つの製品の中で最も高い数値でした。
特に、AMD製CPUとの差が大きく、Core i7-1265Uのスコアは、Ryzen 5 2600Xの137%、EPYC 3251の174%の数値で、シングルスレッド性能の高さがうかがえます。
また、Intel製の両製品とも約20%〜30%の性能差がみられました。
Webサイトの閲覧やMicrosoft Wordを使用した資料作成といった、単一のスレッドで実行できるタスクの処理性能を求める方は、PassMarkのCPU Single Thread Ratingを参考に、高いシングルスレッド性能を備えたCPUを選定してみてください。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Core i7-1265Uの消費電力は15Wと、5つの製品の中で最も低く抑えられていました。
ほかのCPUと比較すると、デスクトップ向けのRyzen 5 2600Xや、サーバー向けのXeon E-2186Gと80Wもの差がみられました。
Core i7-1265Uは、超省電力性モデルのUシリーズのCPUなので、消費電力が抑えられたCPUを導入したい方は、Core i7-1265UをはじめとしたUシリーズを検討してみてください。
PassMarkのベンチマークスコアや消費電力を製品別で比較したい方はこちら
Core i7-1265Uを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Core i7-1265Uを搭載したおすすめPC
Core i7-1265Uを搭載しているおすすめPCを紹介します。
Core i7-1265Uの導入を検討している方は、参考にしてください。
Surface Pro 9(QIY-00010)
Surface Laptop 5 15も、Surface Laptop 5 13.5と同様に、ビジネスシーンでの使用が適したPCです。
Instant On機能が備わっているため、ディスプレイを開くだけですぐに仕事に取りかかれます。
また、生体認証でサインインが可能なWindows Helloにも対応しており、第三者による不正なサインインを防げるため、オフィス外でのリモート時でも安全に使用できます。
特にリモートワークを取り入れている企業におすすめのPCです。