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Xeon Bronze 3204とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Xeon® Bronze 3204」のスペックや特徴について解説します。
Xeon Bronze 3204のベンチマークや、カスタマイズが可能なおすすめPCもお伝えするので、これからCPUを導入するうえで、複数の製品を比較して性能を見極めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Xeon Bronze 3204の基本スペック
Intel® Xeon® Bronze 3204 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm |
コア数 | 6 |
スレッド数 | 6 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.9GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 1.9GHz |
メモリの種類 | DDR4 2133 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB |
対応ソケット | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 |
TDP | 85W |
発売日 | 2019/4 |
Intel® Xeon® Bronze 3204は、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUです。
小規模ビジネスや一般的なストレージサーバーに最適なエントリーレベルのパフォーマンスを提供するIntel® Xeon® BronzeシリーズのCPUで、中でもXeon Bronze 3204はミドルクラスにあたります。
また、Xeon Bronzeシリーズには、Xeon Bronze 3204の従来モデルにあたるIntel® Xeon® Bronze 3104や、Intel® Xeon® Bronze 3408UなどのCPUがあり、この記事ではこれらのCPUと性能を比較した結果もお伝えするので、ぜひ選定の参考にしてください。
Xeon Bronze 3204はどのような用途におすすめ?
Xeon Bronze 3204は、エントリーレベルのサーバー向けのCPUであるため、ファイルサーバーやWebサーバーなどで標準的なアプリケーションを実行するのに適しています。
また、消費電力は85Wと、第2世代のCPUとしては抑えられているため、コストや省電力性を重視する方にもおすすめです。
ただし、コア数・スレッド数は6コア6スレッドと、ほかのCPUと比較すると性能的に劣るため、動画編集や3Dレンダリングといった、複数の処理を並行して実行する、マルチスレッド処理を必要とする用途には適していません。
Xeon Bronze 3204のスペック比較
Intel® Core™ i3-7320 | Intel® Xeon® Bronze 3204 | Intel® Core™ i5-4460 | |
製品コレクション | 第 7 世代インテル® Core™ i3 プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 4 世代インテル® Core™ i5 プロセッサー |
開発コード名 | Kaby Lake | Cascade Lake | Haswell |
プロセス | 14 nm | 14 nm | 22 nm |
コア数 | 2 | 6 | 4 |
スレッド数 | 4 | 6 | 4 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 4.1GHz | 1.9GHz | 3.2GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.1GHz | 1.9GHz | 3.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 2133/2400 DDR3L 1333/1600@1.35V |
DDR4 2133 | DDR3 1333/1600 DDR3L 1333/1600@1.5V |
L3キャッシュ容量 | 4MB | 8.25MB | 6MB |
対応ソケット | FCLGA1151 | FCLGA3647 | FCLGA1150 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
TDP | 51W | 85W | 84W |
発売日 | 2017/1 | 2019/4 | 2014/6 |
Xeon Bronze 3204のスペックを、同等のスペックを持つIntel製CPUのIntel® Core™ i3-7320やIntel® Core™ i5-4460とで比較してみていきます。
Core i3-7320のプロセスは14nmと、Xeon Bronze 3204と同値ですが、コア数・スレッド数は2コア4スレッドで、Xeon Bronze 3204と比べると少ない数値です。
一方で、プロセッサー・ベース動作周波数は4.1GHzと高く、Xeon Bronze 3204の1.9GHzを大きく上回っていることから、通常利用時の処理性能の高さがうかがえます。
消費電力もXeon Bronze 3204より低い51Wに抑えられているので、冷却がしやすく、安定した処理速度を維持したい方にも適しているでしょう。
次に、Core i5-4460と比較すると、コア数・スレッド数は4コア4スレッドで、Core i3-7320と同様に、Xeon Bronze 3204を下回る数値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数は3.2GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.4GHzと、Xeon Bronze 3204よりも優れた数値です。
L3キャッシュ容量は劣りますが、タスクの負荷を問わず、高い処理速度を求める方は、Core i5-4460がおすすめです。
また、Xeon Bronze 3204と両製品のベンチマークを比較した結果も後ほど解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
Xeon Bronze 3204とAMD Opteronシリーズのスペック比較
AMD Opteron™ 4284 | Intel® Xeon® Bronze 3204 | AMD Opteron™ 6220 | |
製品コレクション | AMD Opteron™ 4200 Series Processor | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | AMD Opteron™ 6200 Series Processor |
開発コード名 | Valencia | Cascade Lake | Interlagos |
プロセス | 32 nm | 14 nm | 32 nm |
コア数 | 8 | 6 | 8 |
スレッド数 | 8 | 6 | 8 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 3.0GHz | 1.9GHz | 3.0GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.7GHz | 1.9GHz | 3.6GHz |
メモリの種類 | DDR3 | DDR4 2133 | DDR3 |
L3キャッシュ容量 | 8MB | 8.25MB | 16MB |
対応ソケット | C32 | FCLGA3647 | 不明 |
PCI Express リビジョン | 不明 | 3.0 | 不明 |
TDP | 95W | 85W | 115W |
発売日 | 2013/1~3 | 2019/4 | 2013/7~9 |
競合のAMD Opteron™シリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD Opteron™ 4284とAMD Opteron™ 6220のコア数・スレッド数は、両製品とも8コア8スレッドで、Xeon Bronze 3204の6コア6スレッドを上回る数値です。
加えて、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数もXeon Bronze 3204を上回っており、L3キャッシュ容量はどちらも引けを取らない数値です。
Xeon Bronze 3204よりも性能が高い分、消費電力も高い数値ですが、より速い処理速度を求める方は、AMD製の両製品を検討してみてください。
Opteron 4284とOpteron 6220のベンチマークも後ほど解説するので、あわせてご確認ください。
Xeon Bronze 3204の特徴
Xeon Bronze 3204の特徴を3つ解説します。
Xeon Bronze 3204ならではの特徴や、従来モデルのCPUと比較した結果を中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
Intel Deep Learning Boostに対応
Xeon Bronze 3204は、AIのワークロードの高速化を目的に開発されたIntelの独自機能である「Intel® Deep Learning Boost」に対応しています。
Intel Deep Learning Boostは、AIのワークロードにおける推論フェーズに焦点を当てており、従来の32bit精度の浮動小数点(FP32)を8bitの整数演算(INT8)に置き換えて演算する仕組みを活用することで、推論の高速な処理を実現します。
AIは、データ分析や機械学習、画像認識まで幅広いワークロードに対応しており、今後AIを取り入れた事業を行いたいと考えている方は、Xeon Bronze 3204をはじめとしたIntel Deep Learning Boost対応のCPUを検討してみてください。
従来モデルのXeon Bronze 3104からクロック速度やシングルスレッド性能が向上
Xeon Bronze 3204は、従来モデルのXeon Bronze 3104と比較すると、クロック速度やシングルスレッド性能の向上がみられるCPUです。
Intel® Xeon® Bronze 3204 | Intel® Xeon® Bronze 3104 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Skylake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 6 | 6 |
スレッド数 | 6 | 6 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.9GHz | 1.7GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 1.9GHz | 1.7GHz |
メモリの種類 | DDR4 2133 | DDR4 2133 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB | 8.25MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 85W | 85W |
発売日 | 2019/4 | 2017/7 |
コア数・スレッド数は6コア6スレッドと同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やプロセッサー・ベース動作周波数は、1.7GHzから1.9GHzに200MHz向上しています。
加えて、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingを比較すると、Xeon Bronze 3204のスコアはXeon Bronze 3104の107%の数値で、スペックアップがみられます。
CPUのコストパフォーマンスを数値化したCPU Valueを比べてみても、スコアにおよそ270%の差がみられることから、コストパフォーマンスの向上もみられました。
Xeon Silverシリーズと比べて性能が低め
従来モデルからのスペックアップがみられるXeon Bronze 3204ですが、上位シリーズにあたるIntel® Xeon® SilverシリーズのCPUと比較すると、性能が劣ります。
Xeon Silverシリーズは、エントリーレベルのデータセンターにおいてハードウェア支援型のパフォーマンスを発揮するCPUで、Xeon Bronzeシリーズからクロック速度や電力効率が向上しています。
Intel® Xeon® Bronze 3204 | Intel® Xeon® Silver 4208 | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー |
開発コード名 | Cascade Lake | Cascade Lake |
プロセス | 14 nm | 14 nm |
コア数 | 6 | 8 |
スレッド数 | 6 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.9GHz | 2.1GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 1.9GHz | 3.2GHz |
メモリの種類 | DDR4 2133 | DDR4 2400 |
L3キャッシュ容量 | 8.25MB | 11MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA3647 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 3.0 |
TDP | 85W | 85W |
発売日 | 2019/4 | 2019/4 |
例えば、同じ第2世代で同時期に発売されたIntel® Xeon® Silver 4208と比較すると、コア数・スレッド数は8コア16スレッドでXeon Bronze 3204を上回っています。
加えて、プロセッサー・ベース動作周波数は2.1GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.2GHzと、処理速度の向上もみられ、L3キャッシュ容量も増量された数値です。
さまざまなスペックの向上がみられる中で、消費電力が据え置きである点から、電力効率の向上もうかがえます。
そのため、Xeon Bronze 3204をはじめとしたXeon BronzeシリーズのCPUの導入を検討している方は、上位シリーズのXeon Silverシリーズもあわせて検討してみてください。
Xeon Bronze 3204のベンチマーク
Xeon Bronze 3204のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Xeon Bronze 3204の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingから比較していきます。
Xeon Bronze 3204のスコアは4804と、AMD製のOpteron 4284やOpteron 6220を上回る数値でした。
一方で、Intel製のCore i3-7320やCore i5-4460と比較すると、わずかに下回っています。
Core i3-7320やCore i5-4460は、Xeon Bronze 3204よりもコア数・スレッド数は少ないですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数が大きく上回っているため、上位に位置づけられたと考えられます。
PassMarkのCPU Mark Ratingは、CPUのおおまかな性能を一目で把握できるベンチマークなので、目当てのCPUがある方は、基本スペックやほかのベンチマークを含めて確認してみてください。
PassMark(CPU Value)
PassMarkのCPU Valueもみていきましょう。
Xeon Bronze 3204のスコアは29.7と、5つの製品の中ではOpteron 6220に次いで低い数値でした。
最も高いスコアだったのは、Core i5-4460の162.3で、Xeon Bronze 3204の546%の数値で、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
Core i3-7320やOpteron 4284ともおよそ150%の開きがみられました。
PassMarkのCPU Valueは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されます。
CPUのコストパフォーマンスを把握するうえで参考になるベンチマークのひとつなので、コストパフォーマンスに優れたCPUを導入したい方は、ぜひ確認してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingも比較します。
Xeon Bronze 3204のスコアは1088と、5つの製品の中で最も低い数値でした。
最も高いスコアだったのはCore i3-7320で、Xeon Bronze 3204とは230%の開きがみられます。
また、上位の2製品がIntel® Core™ iシリーズで、ほかのメーカーやシリーズの製品と大きな差がみられることから、Core iシリーズのシングルスレッド性能の高さがうかがえました。
シングルスレッド性能は、Webサイトの閲覧やメールの管理といった、単一のスレッドで実行できる比較的負荷の小さいタスクの処理性能を表すので、特にビジネスシーンでの使用を検討している方は、注意してみてください。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Xeon Bronze 3204の消費電力は85Wと、AMD製の両製品と比較すると抑えられています。
その一方で、Intel製CPUの中では最も高い消費電力でした。
消費電力が抑えられたCPUを導入したい方は、そのほかの基本スペックやベンチマークも加味したうえで、用途に対して十分なスペックを発揮できるCPUを選定してください。
Xeon Bronze 3204を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Xeon Bronze 3204のカスタマイズが可能なおすすめPC
Xeon Bronze 3204のカスタマイズが可能なおすすめPCを紹介します。
Xeon Bronze 3204の導入を検討している方は、参考にしてください。
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X4620 標準モデル
THIRDWAVE Pro WORKSTATION X8612は、THIRDWAVE Pro WORKSTATIONシリーズのフラッグシップモデルにあたるPCです。
デュアルプロセッサー構成時には、最大28コア56スレッドの搭載が可能で、標準搭載されているNVIDIA® T600 4GB以外にも、最大4基までGPUを搭載できます。
また、デスクサイドでの使用を想定して作られたモデルで、商用100V電源での運用が可能であるため、オフィスでの使用にも適しています。
まとめ
この記事では、Intel社が開発したCPU「Xeon Bronze 3204」のスペックや特徴、ベンチマーク、カスタマイズが可能なおすすめのパソコンまでを解説しました。
Xeon Bronze 3204は、エントリーレベルのサーバータスクに適したCPUで、コア数・スレッド数は6コア6スレッドと、ほかのCPUと比べて性能は抑えめであるため、サーバーで標準的なアプリケーションを実行するのに適しています。
また、AIのワークロードを高速化する「Intel Deep Learning Boost」に対応しているため、業務でAIを活用する方にもおすすめです。
CPUの選定に悩んでいる方は、この記事で紹介した基本スペックやベンチマークを参考に、用途に対して十分なスペックを備えている製品を選定してみてください。