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AIの種類や活用するメリット・デメリットをわかりやすく解説
この記事では、AIの種類を4つの観点で分類し、それぞれの特徴を解説します。
AIを活用するメリット・デメリットもあわせてお伝えします。
自社でAIの活用を検討している方や、AIについて深く知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
AIの種類は2つに分類される
AIの種類は「タスクの幅」と「知能レベル」の2つの観点で分類されます。
AIの概要とあわせてそれぞれを具体的に解説します。
AIとは?
AI(人工知能)とは、人間が行う学習や問題解決といった知能をコンピュータによって再現する技術です。
AIを搭載したコンピュータは、人間の手でプログラムされたとおりの稼働だけでなく、自ら学習を繰り返し、状況に応じた対応を取ります。
また、人間では処理できない膨大なデータの分析や予測を得意としており、従来のコンピュータを上回る高精度な分析や業務の効率化、自動化に活用されています。
タスクの幅で分類されるAI
AIは、タスクの幅で「特化型AI(ANI)」・「汎用型(AGI)」・「人工超知能(ASI)」の3つに分類されます。
特化型AI(ANI)
特化型AI(ANI: Artificial Narrow Intelligence)とは、特定のタスクに特化したAIのことです。
特定の領域を対象としているため、汎用型AIを上回る高い分析・予測能力を兼ね備えています。
近年実用化されているAIのほとんどが特化型AIで、AIの自然言語処理や画像認識技術を活用したサービス・製品がさまざまな分野で誕生しています。
たとえば、将棋の対局AIや自動運転などが特化型AIの代表的な例です。
汎用型AI(AGI)
汎用型AI(AGI: Artificial General Intelligence)とは、複数の領域において人間と同等の能力でタスクを実行するAIのことです。
人間の手で設計されたプログラムによってタスクを実行する特化型に対し、汎用型AIは自律的に状況把握・思考・課題解決を行います。
たとえば、SF映画に登場するような、人間が指示しなくても自律的に行動する人型のアンドロイドが汎用型AIに該当します。
ただし、現在汎用型AIの研究開発は進んでいるものの、汎用型AIが実用化された例はありません。
人工超知能(ASI)
近年は、汎用型AIに加え、人間の知能を超越する人工超知能(ASI: Artificial Super Intelligence)の誕生も予測されています。
人工超知能は概念的な要素が大きく、汎用型AIと同様にまだ存在していませんが、AIが持つ可能性を象徴しています。
知能レベルで分類されるAI
AIは、知能レベルで「弱いAI」と「強いAI」の2つに分類されます。
この弱いAIと強いAIの定義は、アメリカの哲学者のジョン・サール氏が1980年に提唱したとされています。
弱いAI
弱いAIとは、人間に備わっている意識や思考を持たないAIのことで、設計されたプログラムに沿って、決められたタスクを機械的に実行するのが特徴です。
意識や思考を持たないため、不測の事態が発生した際の臨機応変な対応は困難です。
また、現在普及しているAIは、すべて弱いAIに分類されます。
弱いAIは、タスクの幅の観点でみると特化型AIと似ていますが、観点が異なるので言葉の使い分けに注意しましょう。
強いAI
強いAIとは、人間と同等以上の処理能力と自意識・精神を持ったAIのことです。
弱いAIとは異なり、人間のように自ら思考して状況に応じた行動を取ります。
ただし、強いAIは汎用型AIと同様に概念上の存在であり、現時点では実用化されていません。
AIの分析技術の種類
AIの分析技術にはさまざまな種類があり、主に「機械学習」・「ディープラーニング」・「ルールベース」の3つに分けられます。
機械学習
機械学習は、AIを実現するための分析方法のひとつです。
コンピュータは、データからパターンを学習することで、予測・決定などの特定のタスクを実行する能力を身につけます。
そして、この機械学習は、データの種類や状況によって「教師あり学習」・「教師なし学習」・「強化学習」の3種類に分類されます。
教師あり学習
教師あり学習は、正解ラベルの付いた教師データをもとに学習させる手法です。
コンピュータに正解パターンのデータを与えることで、正解と不正解が明確な課題の解決に利用できます。
代表的な活用事例が自動翻訳で、コンピュータに日本語に対応する英訳を学習させることで、自動で英語に翻訳します。
また、教師あり学習には、さらに「分類」と「回帰」の2種類の予測モデルがあります。
詳しくは「機械学習の予測モデルとは?得られるメリットや活用事例を解説」をご確認ください。
教師なし学習
教師なし学習は、教師データを与える教師あり学習とは異なり、コンピュータが与えられた入力データから自身でパターンや特徴を学習し、クラスタリングや次元削減を行います。
クラスタリングとは、入力データの特徴からデータをグルーピングすることで、次元削減は、高次元のデータから情報を抽出することを指します。
この教師なし学習を応用した代表的な技術が、異常検出です。
たとえば、工場の製造ラインに教師なし学習を施したAIを搭載すれば、クラスタリングによって不良品を検出できます。
強化学習
強化学習は、コンピュータに報酬の価値を最大化する行動を選択するように学習させる手法です。
報酬とは、コンピュータの行動に対する評価指標で、報酬を与えることでコンピュータが自身の行動の良し悪しを判断し、以降報酬を最大化するための行動を取れるようになります。
強化学習を採用した代表的な事例には、囲碁AIがあります。
囲碁AIは、自身が判断した一手に対して報酬を受け、試行錯誤を繰り返すことで、統計的に最適な一手を算出できるようになります。
ディープラーニング
ディープラーニング(深層学習)は機械学習の一種です。
人間の脳の働きを模したニューラルネットワークを用いることで、コンピュータは与えられたデータを階層構造で捉え、人間の手を介さずに自ら学習し、高度な分析を実現します。
たとえば、コンピュータで犬と猫を区別する際には、鳴き声や形状、大きさなどのデータの正確な読み取りが必要です。
ディープラーニングを活用すれば、与えられた大量のデータからコンピュータがこれらの特徴を学び取り、正しく区別できるようになります。
ディープラーニングのより詳しい内容や機械学習との違いは「機械学習と深層学習の違いとは?アルゴリズムの種類や活用シーンも解説」をご確認ください。
ルールベース
ルールベースは、人間が設定したルール・判断基準をもとにした分析技術です。
コンピュータが自動でルールを設定する狭義の機械学習に対して、ルールベースは人間が関与するため、論理的な処理に適しています。
AIの活用技術の種類
AIの種類は、活用されている技術によっても分類できます。
画像認識
画像認識とは、AIが与えられた顔や文字などの画像データを識別・分析する技術です。
具体的には、スマートフォンのロック解除や、顔認証の入退室システムなどに活用されています。
また、画像の内容に応じたカテゴリー分けも可能で、製造ラインの不良品検出や自動運転にも画像認識が応用されています。
音声認識
音声認識とは、AIが人間の話す言葉や音声データを理解し、情報を抽出する技術です。
人間の会話を認識し、文字情報への変換も可能で、Siri(外部サイト)やAlexa(外部サイト)といった音声アシスタントサービスが代表的な例です。
また、ビジネスでは、議事録作成アプリや自動電話対応サービスなどが業務効率化・自動化に効果的であるため採用されています。
専門用語を使用する医療・建築分野であっても、AIにデータを与えて学習させることで対応が可能です。
自然言語処理
自然言語処理(NLP)とは、自然言語の理解や処理、生成をコンピュータで行う技術です。
自然言語処理は、形態素解析や意味解析などのプロセスを踏むことで自然言語を正しく理解し、入力されたデータに対して適切な出力を行います。
自然言語処理の代表例には、チャットボットや翻訳アプリなどがあります。
より詳細な自然言語処理の仕組みや活用事例を知りたい方は「自然言語処理(NLP)とは?概要や流れ、活用事例をわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。
機械制御
機械制御とは、AIがロボットや自動車などの機械を操作する技術です。
代表的な例が製造ラインの自動運転ロボットや自動運転車などで、対象物の形状や周囲の環境といったデータをAIが瞬時に収集・学習・分析することで、状況に応じた最適な動作を行います。
機械制御の技術を生かしたAIは、業務の自動化やヒューマンエラーの防止につながることから、製造業や運送業などの多くの業界で活用されています。
予測
予測とは、AIの学習能力・分析能力を生かして未来に起こり得る事象を予測する技術です。
たとえば、過去30年の気象データを学習させれば、これまでの傾向から未来の天気の予測が可能です。
ビジネスでは、商品の過去の販売データから需要予測にも活用が可能で、在庫管理の最適化やマーケティング業務に役立てられています。
また、医療分野では、 血糖値や心拍数、血圧、脳波などのデータをもとにした体調不良や糖尿病などの早期発見に貢献しています。
AIを活用するメリット
AIを活用することで、業務の効率化やコストの削減といったメリットを得られます。
具体的な内容を解説するので、自社でAIの活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
業務の効率化・自動化
これまで人間が手動で行っていたタスクをAIに置き換えることで、業務の効率化・自動化を実現できます。
たとえば、議事録作成や情報収集、問い合わせ窓口業務といった定型業務は、自然言語処理や音声認識を活用することで、AIに置き換えが可能です。
また、AIは24時間365日稼働できるので、生産性の大幅な向上も期待できます。
ヒューマンエラーの削減
AIを活用すれば、人間が業務を行ううえで避けられないヒューマンエラーも抑制が可能です。
現在普及している特化型AIは、特定の分野において人間と同等以上の精度を発揮するので、特に長時間にわたる集中力が必要な業務などに置き換えることで、社内のヒューマンエラーの件数を削減できます。
たとえば、これまで人間が行っていた製品の検品業務も、AIの画像認識技術を活用することで、正確に不良品を検出でき、流出防止につなげられます。
コストの削減
AIを導入することで、経費のなかでも特に大きな割合を占める人件費の削減が期待できます。
これまで人の手で行っていた業務をAIに置き換えれば、その分の人件費や以降の採用コストを削減できます。
AIの導入には初期費用がかかりますが、長期的な視点で見れば、コストの削減につながるでしょう。
高精度な分析・予測
AIは、人間では処理できない大量のデータの分析と予測を得意としているため、従来のコンピュータや人間による手動の分析だけでは困難だった精度の高い分析・予測を実現できます。
実際に、製品の需要予測や天気予報、未来のトレンド予測、ビジネスにおける戦略的な意思決定などに役立てられています。
AIを活用するデメリット
AIの活用にはさまざまなメリットがある一方で、導入するうえで2つのデメリットがあります。
AIの活用を検討している方は、これから解説するデメリットも把握しておきましょう。
AI人材の確保が必要
AIを効果的に活用するには、専門知識を持ったAI人材の確保が不可欠です。
特に自社でAIを開発する場合は、AIの活用法に関する知識のみならず、プログラミングや統計学などの開発知識・スキルを持った人材が必要です。
AI人材がいない企業は、自社で育成するか、採用を検討してください。
近年のAIの急速な普及に伴い、AI人材の需要が高まっているので、早めの採用活動をおすすめします。
導入にコストがかかる
前述のとおり、AIを運用することでコストの削減が見込まれる一方で、導入時にはコストがかかります。
AIを自社で開発する場合には、開発環境の構築や人材確保のための開発コストや時間が必要です。
さらに、既存のAI製品・サービスを導入する際にも、導入コストが発生します。
AIの活用を検討している方は、スムーズに導入できるように、あらかじめ導入にかかるコストを算出し、予算を確保しておきましょう。
また、AI開発の環境構築には、機械学習や深層学習のための高性能なGPUを搭載できるPCが欠かせません。
弊社製品を活用してAI運用が行われています
以下にご紹介する記事は、ドスパラプラスで販売中のワークステーションを活用してAI技術を利用したシステム運用を行っている導入事例です。AI開発やAI運用をお考え際は是非ドスパラプラスにご相談ください。お客様のご要望に沿った最適なハードウェアをご提案・ご提供いたします。
堅牢・高性能なワークステーションがAIを活用したアユ計測業務における検知率の大幅な向上と効率化に貢献
中国計器工業株式会社(以下、中計工)は、画像解析システムによる魚の計測に、株式会社フューチャースタンダード(以下、フューチャースタンダード)の映像解析AIプラットフォームを採用。サードウェーブの堅牢かつ高性能なワークステーションを活用し、大幅な検知率向上とそれに伴う効率化を実現した。
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