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リアルタイムレイトレーシングとは?対応GPUも一覧で紹介

近年のゲームは3Dグラフィックが綺麗になりました。そのグラフィック表現に欠かせないのがレイトレーシングです。しかしレイトレーシングだけではリアルタイムのグラフィック処理に対応しきれないという課題がありました。3Dグラフィックをリアルタイムに表現できるようにしたのがリアルタイムレイトレーシングの手法です。 

本記事では、リアルタイムレイトレーシングについて、その特徴と対応GPUやパソコンについてもお伝えしていきます。 

目次

レイトレーシングについておさらい 

pixta_94419734_M.jpgのサムネイル画像

レイトレーシングray tracing光線追跡法とは、画像を生成する工程であるレンダリングの手法の一つです。光源の状況や物体の状態を加味して処理を行うことで、3Dグラフィックをディスプレイに表現します。 

従来のレイトレーシングは決められた位置・状況でのグラフィック処理に対応するのみでしたが、ゲームではプレイヤーの操作に応じて動き回るキャラクターや物体をリアルタイムに反映する必要があります。 

※レイトレーシングについては、レイトレーシングとは?効果や対応グラボを紹介の記事をご参照ください。 

リアルタイムレイトレーシングとは 

しかし、従来の技術では、リアルタイムに変化する情報が多すぎて、演算しきれないことがあったのです。 その、演算しきれないグラフィック処理に対応するために登場したのがリアルタイムレイトレーシングです。その名の通り即時(リアルタイム)にレイトレーシングを行います。 

動きに合わせた光の反射を即時に表現

pixta_75704804_M.jpgのサムネイル画像

リアルタイムレイトレーシングでは、地面の水たまりを反射させて景色をリアルタイムに映したり、キャラクターの動きに合わせた光の照射状況を変えたりなど、従来できなかった美しい3Dグラフィック処理が可能です 

リアルタイムレイトレーシングのメリットとデメリット 

メリット:まるで現実のようなリアルな映像表現が可能

リアルタイムレイトレーシングのメリットは、現実と見間違えるほどのリアルな映像が出力できる点です。ゲームであれば、現実世界と同様に光や影が表現されるため今までにはない没入感が得られます。また、製作者は自分の意図する世界観が的確に表現可能です 

デメリット:膨大なコンピューターリソースが必要 

ただし、大きなコンピューターリソースを必要とすることが、リアルタイムレイトレーシングのデメリットです。少なくとも、リアルタイムレイトレーシングに対応するGPUが必須だといえます 

もし機器側のリソースが足りないと、ゲームによっては使用するフレームレート(1秒間に描写する回数)が下がります。一時的にでも画像が乱れれば、オンラインFPSなどフレームレートが勝敗に影響するゲームでは不利になってしまいます。 

フレームレートとの関係に関しては「レイトレーシングとは?対応グラボ、選び方も紹介」でご紹介しています。合わせてご覧ください。 

リアルタイムレイトレーシングを助けるDLSS 

DLSSとは「Deep Learning Super Sampling(ディープラーニング スーパー サンプリング)」の略です。ゲーム内の同じシーンで綺麗なグラフィックと粗いグラフィックを用意し、学習済みのAIを搭載することで、できるだけ負荷をかけずにグラフィックを処理する技術です。 

DLSSに対応したゲームは動作が軽く、かつ高画質表示ができるメリットがあります。例えば、GeForce RTXシリーズに搭載されているTensorコア」を用いるとDLSSが活かせます。 

Tensorコアについて詳しく知りたい方は、「Tensorコアとは何なのか?性能や特徴についても解説!の記事をご参照ください。 

リアルタイムレイトレーシング対応のGPUとは 

リアルタイムレイトレーシングに対応している主なGPUは、NVIDIA社の「GeForce RTX」と、AMD社の「Radeon RX」の2種類があります。それぞれの製品についてスペックと特徴をみていきましょう。 

NVIDIA社のGeForce RTX 

まずはGeForce RTXについて、最新製品のスペックと特徴をみていきましょう。 

スペック項目 製品名 
GeForce RTX™ 4060 GeForce RTX™ 4070 GeForce RTX™ 4080 GeForce RTX™ 4090
CUDAコア 3,072基 5,888基 9,728基 16,384基
RTコア 第3世代(24基) 第3世代(46基) 第3世代(76基) 第3世代(128基)
Tensorコア 第4世代(96基) 第4世代(184基) 第4世代(304基) 第4世代(512基)
ベースクロック 1830MHz 2205MHz 1920MHz 2235MHz
ブーストクロック(MHz) 2460MHz 2505MHz 2480MHz 2520MHz
メモリ規格 8GB GDDR6 12GB GDDR6X 16GB GDDR6 24GB GDDR6X
メモリバス 128 bit 192 bit 256 bit 384 bit
NVIDIA DLSS  NVIDIA DLSS 3 NVIDIA DLSS 3 NVIDIA DLSS 3 NVIDIA DLSS 3

RTコアとは、レイトレーシングの演算に特化した半導体チップのこと。RTコア数とは、レイトレーシングの処理能力を意味します。RTコア数が多い分、より高負荷なレイトレーシング処理を行うことが可能となります。RTコアについて詳しくは「RTコアとは? 実現できることや特徴、性能を解説!」 で解説しております。合わせてご覧ください。

AMD社のRadeon RX 

続いてRadeon RXの最新製品のスペックと特徴です。 

スペック項目 製品名 
Radeon RX 7600 Radeon RX 7700 XT Radeon RX 7800 XT Radeon RX 7900 XT Radeon RX 7900 XTX
演算ユニット  32 54 60 84 96
Ray Accelerators 第2世代(32) 第2世代(54) 第2世代(60) 第2世代(84) 第2世代(96)
AI Accelerators 64 108 120 192 192
ゲーム周波数 2250 MHz 2171 MHz 2124 MHz 2000 MHz 2300 MHz
ブースト周波数 2655 MHz 最大2544 MHz 最大2430 MHz 最大2400 MHz 最大2500 MHz
メモリ規格 8GB GDDR6 12GB GDDR6 16GB GDDR6 20GB GDDR6 24GB GDDR6
メモリバス 128 bit 192 bit 256 bit 384 bit 384 bit

Radeonでは、Ray Acceleratorsがレイトレーシング性能の指標となります。演算ユニットひとつにつき、1つのアクセラレータが搭載されていますが、GeForce RTX™シリーズとは違い、特化したレイトレーシング用コアは搭載されていません。そのため、同等のGeForce製品に比べてRadeon製品はレイトレーシングパフォーマンスが概ねやや劣ります。

各GPUの性能目安になる3DMark Port Royal 

3DMark Port Royalは3DMarkが提供するリアルタイムレイトレーシングベンチマークです。どの程度レイトレーシングをリアルタイムで処理できるかを数値で評価しています。今回ご紹介したGeForce RTX™シリーズ/Radeon RXシリーズGPUの3DMarkスコアは下記の通りです。このベンチマークでは、GeForce RTX™ 4090が他を圧倒しています。購入の目安にしてください。

GPU名称 3DMark Port Royalスコア
GeForce RTX™ 4090 26095
GeForce RTX™ 4080 17903
Radeon RX 7900 XTX 15905
Radeon RX 7900 XT 13850
GeForce RTX™ 4070 11142
Radeon RX 7800 XT 10801
Radeon RX 7700 XT 9059
GeForce RTX™ 4060 6045
Radeon RX 7600 5399

リアルタイムレイトレーシング対応GPUはドスパラで

リアルタイムレイトレーシング対応GPUを搭載したグラフィックボードは以下のリンクからご購入いただけます。

まとめ 

リアルタイムレイトレーシングとは、場面ごとに変化する物体やキャラクターをリアルタイムに表現する仕組みです。よく性能が比較されるのは、NVIDIA社の「GeForce RTX」と、AMD社の「Radeon RXです。 

リアルタイムレイトレーシングの特徴を知って、より没入できるゲームプレイや開発に役立てましょう。 

このほかリアルタイムレイトレーシングの比較検討やご不明点は、ドスパラプラスへお気軽に下さいお問い合わせください。 

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