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3Dモデルとは?作成方法とおすすめのソフト6選を詳しく解説!
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3Dモデルとは
3Dモデルとは、コンピュータを使用してモニター内の3D(3次元)仮想空間に作成された立体的なモデルデータです。2D(2次元)のデータが持つ「縦」と「横」の情報に加えて3Dデータでは「奥行き」の情報を持つため、360度全方位に思い通りに動かすことで、制作したモデルをあらゆる角度から確認できます。
3Dモデルは、人間や動物、キャラクターのほかにも、住宅や洋服、自動車やその部品など、多くの分野で活用されており、近年では、映画・アニメ・ゲーム・VTuberなど、日々の生活の中でも大変身近な存在となっています。
3Dモデルを利用するメリット
3Dモデルを利用する最大のメリットは、モデルを立体的に表現することで見た人誰もが完成イメージを理解しやすい点があげられます。
例えば、建築の分野で住宅建設を行う場合には、専門的な知識を持たない建築主でも3Dモデルを活用することで、設計の段階でよりリアルな完成イメージを共有可能です。
その他、製品開発の分野では、完成イメージを再現した試作品をもとに検証を行えるため、完成品を検証する場合と比較し、開発工数・コストの削減につながります。
さらに、ゲーム開発においては、キャラクターの顔、髪型、服装などの見栄えや登場するシーンの背景など、ゲーム内で表現したいポイントを思い描いたとおりに制作できます。
3Dモデルの活用場面
3Dモデルは、さまざまな業種・分野で活用されています。具体的な活用場面を3つご紹介していきます。
製品の試作品開発
自動車や電気機器などの製造業では、3Dモデルを活用することで業務効率の向上、コスト削減を実現しています。
通常、新製品を開発する場合には、設計、試作品の制作、試作品の評価、設計の見直しなどの作業を繰り返し、その過程で大きなコストがかかります。
しかし、3Dモデルでは完成度の高い試作品を制作することができ、設計の段階で部品の干渉などの問題を早期に発見でき、コストを抑えつつ開発期間を大幅に短縮可能です。
製品のカタログやパンフレットの作成
従来、製品のカタログやパンフレットを作成する場合には、製品の実物を撮影、もしくはイラスト化をしていたため、角度など少し表現を変えたいときは、再撮影、イラストの描き直しが必要でした。
これに対して、3Dモデルでは最初にモデルの制作をする必要はありますが、いったん3Dモデルが完成すればあらゆる角度を画像にできるため、カタログやパンフレット作成、変更の手間を大きく削減できます。
ゲーム開発に活用
ゲーム開発の場面では、ゲームの世界観に合った、自分のイメージ通りの3Dモデルを制作することも可能です。
サウンドやデザインにもぴったりなキャラクターを制作したい方も多いでしょう。3DCGと聞くと専門性の高い分野と感じますが、近年、3Dソフトの性能が向上しており、無料のソフトでも作成した3Dモデルをアニメーションとして動かすことができます。
3Dモデルを表現する方法
3Dモデルを表現するためには複数の方法が使用されます。ここでは、代表的な手法を3つご紹介していきます。
ワイヤーフレームモデル
ワイヤーフレームモデルは、3Dモデルを頂点と線で表現する手法で、ワイヤー(針金)で作られた骨組みのように見えるのが特徴です。体積を持たないためデータサイズが小さく、ほかの手法よりも高速な処理が行えます。
ただし、本来モデルの背後に隠れて見えないはずの線も表示されてしまうため、3Dモデルのより正確なイメージをつかむ点では、この後ご紹介する「サーフェスモデル」「ソリッドモデル」に及びません。
近年、パソコンのスペックが向上し、「サーフェスモデル」「ソリッドモデル」の大きなデータサイズでも高速で処理が可能になったため、ワイヤーフレームモデルだけでモデリングを行う機会は減っていますが、おおまかな形状を作成するモデリングの初期段階ではワイヤーフレームモデルが利用されています。
サーフェスモデル
サーフェスモデルは、厚みのない「面」で3Dモデルを表現する手法で、面は必ずしも閉じられている必要はありません。曲面など複雑な形状を表現するのに優れており、滑らかなカーブを描く家電や車のボディ、アニメやゲームのキャラクターなどのモデリングの場面で活用されています。
ただし、サーフェスモデルでは、3Dモデル内部が空洞で体積の情報を持たないため、次にご紹介するソリッドモデルのように、材料の質や密度を指定することができず、部品間の干渉チェックは行えません。
このため、部品開発の現場などでは、曲線を含めた複雑な形状をサーフェスモデルで作成した後にソリッドモデルに変換し、部品の干渉チェックを行うのが一般的です。
ソリッドモデル
ソリッドモデルは、頂点と線と面で3Dモデルを表現する手法で、すべての面が閉じられているため体積の情報を持つ特徴があります。同じように見える3Dモデルでも、サーフェスモデルでは中身の情報を持たず空洞であったのに対して、ソリッドモデルでは体積、重量、重心などの情報を持つため、よりリアルに3Dモデルの表現が可能です。
曲線など複雑な形状の描写ではサーフェスモデルに及びませんが、立方体や円柱などのシンプルな形状であれば簡単な操作で3Dモデルを作成できます。
なお、体積や重量などのモデル内部の情報を持つため、ワイヤーフレームモデル・サーフェスモデルと比較し、データサイズが大きくなる点に注意が必要です。
3Dモデルの作成方法
ここでは、3Dモデルを作成するにあたって必要となる手順を、6段階に分けて具体的にご紹介していきます。
3Dソフトの選択
3Dモデルを作成するソフトは、有料・無料含め、さまざまな機能を持つものが多数提供されているため、利用用途に合った3Dソフトを選択しましょう。有料ソフトの中には豊富な機能を搭載していることから、世界的に有名な映画制作会社でも利用されているソフトもありますが、高性能ゆえ使い方が難しく慣れるまで時間を要します。無料ソフトの機能も向上しているため、初めて3DCGに挑戦する方は機能がシンプルで使いやすいソフトをおすすめします。
三面図の作成
使用する3D作成ソフトが決まったら、次に作成したい3Dモデルの三面図を作りましょう。三面図は、3Dモデルを正面・側面・真上の3つの視点から描いた図で、3D(3次元)を2D(2次元)で表現する際に利用されます。
なお、人物がモデルの場合には、正面・側面・背面の3つの角度から三面図を作成するのが一般的です。
三面図を作成せず、次の3Dモデリングから始めることも可能ですが、三面図があるとより正確でスムーズに作業が進められます。
3Dモデリング
3Dモデリングは、パソコンを使用してモニター内の3D(3次元)空間内で、3Dモデルを作成する作業です。
先ほど作成した三面図を下絵として、3Dモデリングを進めていきますが、主な作業方法として「ポリゴンモデリング」があります。
ポリゴンモデルとは、三角形や四角形などの多角形(ポリゴン)をつなぎ合わせて3Dモデルを作成していく方法で、住宅・工業製品・ゲームのキャラクターや背景などさまざまな場面で活用されています。
テクスチャとマテリアルの設定
3Dモデルの形状を作成した後は、3Dモデルの表面に色や質感などの情報を追加して、よりリアルで臨場感のあるモデルにしていきます。
表面の色やデザインを追加する作業を「テクスチャの設定」、モデルの質感を表現するための作業を「マテリアルの設定」と呼びます。
スキニングとリギング
テクスチャの設定により、作成した3Dモデルがよりリアルに表現できますので、続いて3Dモデルが滑らかに動くように2つの作業を行います。
まず、「スキニング」の作業により、作成した3Dモデルに骨を加えるとともに、「リギング」により骨をつなぐ関節を支点に部位ごとに可動するように設定します。これにより、単なる立体であった3Dモデルをアニメーションのように動かすことが可能で、動きに不自然な部分があれば微修正を繰り返します。
レンダリング
3Dモデルが完成した後は、作成した3Dデータを画像や動画などの2Dデータに変換するために、レンダリングの作業を行います。元の3Dデータはサイズが非常に大きくそのままでは高スペックなパソコンでも滑らかに表示できないため、レンダリングによるデータサイズの縮小が必要不可欠です。
なお、レンダリングは膨大な量の演算処理を行うため、パソコンへの負荷が大きく、パソコンのスペックによって所要時間が大きく変わってきます。
3Dモデルを作成するのにおすすめの無料・有料ソフト
現在、3Dモデルを作成するソフトは多数提供されていますが、無料ソフトでも有料ソフト並みの機能を搭載し、モデリングからレンダリングまで必要な作業すべてに対応するものもあります。3Dモデリングを始めてみたいという方は、まずは無料ソフトに挑戦し、さらに完成度の高い作品を目指す場合に有料ソフトを検討するのがおすすめです。無料・有料それぞれ人気のソフトをご紹介しますので、ご自身の用途に合わせてご検討ください。
無料で利用できるおすすめの3Dソフト
ここでは、無料で利用できるにもかかわらず、豊富な機能を備える3Dモデル作成ソフトを3つご紹介していきます。
Meshmixer(メッシュミキサー)
「Meshmixer」は、2D3DCADソフト「AutoCAD」で世界的にも有名なアメリカのAutodesk社が開発・無償で提供している3Dモデル作成ソフトです。「スカルプト」と呼ばれる手法で、粘土をこねるように3Dモデルを作成していくのが特徴で、異なる3Dモデルデータ同士をMIXすることもできます。
Blender(ブレンダー)
「Blender」は、オランダの非営利団体Blender Foundationが開発・提供している3DCGソフトウェアです。通常、3Dモデル作成では各作業段階で複数のソフトウェアが必要ですが、Blenderは3Dモデリング、アニメーション、マテリアルの設定、レンダリングなどの一連の作業をBlenderだけで完結できるため、統合型3DCGソフトウェアとも呼ばれます。多機能にもかかわらず無料のため、世界中で多くのユーザーに利用されています。
Blenderについては、「Blenderの推奨スペックは?おすすめPC15選を紹介」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
Tinkercad(ティンカーキャド)
「Tinkercad」は、前述のMeshmixerと同じく、Autodesk社が開発・提供している3Dモデル作成用のWebアプリです。ブラウザ上で操作できるため、インターネット環境があればパソコンだけでなくタブレット端末でも利用できます。操作がわかりやすいため、お子さまの想像力育成のためのデザイン学習ツールとしても活用できるでしょう。
完成度の高い3Dモデル制作におすすめの有料3Dソフト
ここからは、映画製作会社でも使用される、完成度の高い3Dモデルを制作するのにおすすめの有料3Dソフトを3つご紹介します。
MAYA(マヤ)
「MAYA」は、前述のTinkercadと同じく、Autodesk社が開発・販売するハイエンド3DCGソフトウェアです。3Dモデリング、モーショングラフィックス、3Dアニメーション、レンダリングなど、3Dモデルの作成に必要な機能を搭載しており、映画・テレビ・CM・ゲーム・アニメーションなど幅広い映像制作の現場で利用されています。
MAYAについては、「Mayaの推奨スペックとは?動作環境とおすすめPC7選を紹介」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
3ds Max(スリーディーエス・マックス)
「3ds Max」も、Autodesk社が開発・販売するハイエンド向けの高性能な3DCGソフトウェアです。3Dモデリングやレンダリングなど3Dモデル作成に必要な機能を多数搭載しており、映画、アニメ、ゲームなどの制作現場で世界的に幅広く利用されています。また、建築設計分野では、CADソフトと組み合わせてよりリアルな映像表現を実現可能です。
Metasequoia(メタセコイア)
「Metasequoia」は、日本企業のテトラフェイス社が開発・販売している3DCGソフトウェアです。有料ソフトの中では、比較的安価な価格設定となっており、入門者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに利用されています。一部機能は制限されますが、無料版の提供もされているため、操作性を試したい方におすすめです。
3Dモデルの作成におすすめのパソコン
パソコンで3Dモデルを作成する場合には、CPU・メモリ・グラフィックボード・ストレージなどの主要なPCパーツに高いスペックが求められます。このため、作業を快適に行うためには用途に合ったパソコンを選ぶのが重要です。
当サイトでは、3DCG、3DCADを行うのにおすすめのパソコンを、それぞれ詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3DCGにおすすめのパソコンはこちら「3DCG業務を快適にこなせる業務用パソコンの選び方とは?」
3DCADにおすすめのパソコンはこちら「3DCADに最適なパソコンとは?必要なスペックや選び方について解説!」
まとめ
この記事では、3Dモデルの概要、活用場面、作成方法、おすすめの3Dモデル作成ソフトなどについて解説しました。
3Dソフトの高性能化が進み、3DCGがはじめての方でも簡単に3Dモデルが作成できるようになりましたが、快適に操作を行うためには使用するパソコンに一般的なパソコンよりも高度なスペックが要求されます。
当記事を参考に、ぜひ3Dモデル作成に関する理解を深めてください。