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3DCADに最適なパソコンとは?必要なスペックや選び方について解説!
3DCAD業務を快適に遂行するためには、パソコンにもそれなりにスペックが求められます。
さらに適正なスペックがわからなければ、オーバースペックのパソコンを購入してしまったり、 作業効率の下がるロースペックのパソコンを選んでしまう可能性もあります。
3DCADに最適なパソコンの選び方を解説します。
目次
目次
3DCAD パソコンと通常のパソコンの違い
「求められるスペック」が違う
3DCAD用のパソコンと、通常のパソコンの大きな違いは求められるスペックです。一般的な事務作業では、エクセルやワード、会計システム、ブラウザやチャットなどパソコンへの負荷が大きくないツールを使用するため、低価格、小型、静音、低消費電力を重視したビジネス向けモデルで十分な作業内容となります。ミドルクラスのパソコンを用意すれば快適に作業を遂行できます。
3DCAD専用ソフトウェアの快適な動作のために
ところが3DCAD作業には、3DCAD専用のソフトウェアが必要です。このソフトウェアを快適に操作するためには、高いグレードのCPU、多くのメモリ、グラフィックボードが求められます。さらに2Dでの図面の設計のために別のソフトウェアが必要なケースが多く、余裕を持った構成のパソコンが必要です。また作業効率を向上させるためには周辺機器もあった方が良いでしょう。
このように3DCAD用のパソコンは、専用のものが売られているわけではないものの、使用するソフトウェアを無理なく動かせるハイスペックなパソコンが必要なのです。
3DCADパソコンに求められるスペック
3DCAD用のパソコンに求められるのは、専用ソフトウェアを余裕持って動かせるだけのスペックです。ここでは代表的な3DCADソフトウェアの動作環境をもとに、各パーツのグレードや容量について解説します。
代表的な3DCADソフトウェアの推奨スペック
まずは代表的な3DCADソフトウェアが推奨するスペックを確認しておきましょう。ここでは製造業向けとしてFusion360、建築業向けとしてAutoCADを例に公式サイトで紹介されている動作環境をまとめました。以下のスペックはあくまでもソフトウェアの動作を最低減補償するスペックです。これを満たしていたからといって、必ずしも快適に作業できるわけではありません。
ソフトウェア名 | OS | CPU | メモリ | グラフィックカード | ディスクの空き容量 |
Fusion360 |
Windows 10(64bit)/ |
x86ベースの64ビットプロセッサ(Intel Core i、AMD Ryzenシリーズなど)、4コア、1.7 GHz以上 | 4 GB の RAM (内蔵グラフィックス 6 GB 以上を推奨) | DirectX11 (Direct3D 10.1以上)/1 GB以上のVRAMを搭載した専用GPU/6 GB以上のRAMを搭載した統合グラフィックス | 8.5 GB のストレージ |
AutoCAD 2024 |
Windows 10(64bit)/ |
基本: 2.5 ~ 2.9 GHz のプロセッサ(ベース)、ARM プロセッサはサポートされていません。 推奨: 3 GHz 以上のプロセッサ(ベース)、4 GHz 以上(ターボ) [シェード(高速)]表示スタイルおよび[シェードとエッジ(高速)]表示スタイルには、機能レベル 12_0 の DirectX 12 が必要 ビデオ カード製造元の Web サイトにある最新のドライバを使用してください。 |
基本: 8 GB 推奨: 32 GB |
基本: 2 GB の GPU、帯域幅 29 GB/秒、DirectX 11 互換 推奨: 8 GB の GPU、帯域幅 106 GB/秒、DirectX 12 互換 |
10.0 GB (SSD を推奨) |
※Windowsを想定 ※2023年12月末現在 ※AUTODESK公式サイト(AutoCAD 2024(外部サイト)、Fusion 360(外部サイト))から引用
3DCADを快適に操作できるスペック
基本の動作環境を満たすのみでは、ソフトウェアの動作が遅く、また複数ソフトを立ち上げての作業が難しくなる可能性が高いでしょう。そのため、今回は本サイトでもイメージをつけていただくため、目安となる推奨スペックを検討いたしました。
CPU | Intel Core i5シリーズ以上 |
メモリ | 32GB以上 |
グラフィックカード | VRAM容量 6GB以上 |
ストレージ | SSD推奨 |
以上のスペックを満たしていれば、大規模なほとんどの3DCADソフトが、スムーズに動作すると考えられます。
3DCADパソコンの推奨グラフィックボード
3DCADは、立体的な画像を作成してディスプレイに描画することから、ハイグレードなGPUを使用するのが望ましいです。GPUとはグラフィックボードの頭脳的な役割を果たすパーツで、グレードが高いものは高額になりますが、より迅速な処理を可能とします。
3Dモデリングやレンダリングはミドルクラスでは力不足
3DCADソフトウェアで図面やデータを閲覧するだけであれば、いずれのメーカーであっても問題ありません。しかしながら3Dモデリングやレンダリングといった作業を行う場合はNVIDIAやAMDのミドルクラスでは力不足となります。こういった作業の頻度が高い場合はNVIDIAの「NVIDIA RTX™」シリーズや「NVIDIA T」シリーズ、AMDの「Fire Pro」シリーズのGPUが必要です。
これらのシリーズは業務アプリケーション向けのグラフィックボードです。認証を受けているアプリケーションが多数あり、高いパフォーマンスを安定して発揮できるよう設計されています。また先述したように、グラフィックボードに搭載するメモリの推奨ラインは6GBです。6GBのGPUには例えば、「NVIDIA RTX™ A2000」があります。
4コア以上かつミドルクラス以上CPUが必要
推奨スペックの項目ではCPUについては、「Intel i5シリーズ以上」と記しましたが、Inteli5シリーズと同様に4コア以上のAMDのRyzen5以上のシリーズでも問題ありません。CPUはパソコンの中央演算装置であり、各種データの処理や計算を行います。CPUのコア数とは同時に複数のプログラムを実行できる最大数を意味します。コア数が多ければ多いほど、同時並行で演算できる処理が増え、効率良く作業ができるのです。
ソフトウェアの動作だけならCore i3相当でも可
コア数はCPUのグレードに依存します。たとえばCPUの大手Intel社のハイグレードCPUである「i9 10980XE EE」のコア数は18、AMD社の「Ryzen Thread ripper Pro 3995WX」は64コアを誇ります。
3DCADでの作業においては、ここまでのハイグレードCPUは必要ありません。4コア以上であればスムーズに動作すると考えられますのでIntelであれば「Intel i3シリーズ以上」、AMDであれば「Ryzen3シリーズ以上」でことたります。とはいえその他の業務ツール等を同時に使用することを考えると、推奨を「Intel Core i5シリーズ」、「AMD Ryzen5シリーズ」としてあります。
CPUの詳細については、「CPUとは?パソコン選びにおけるCPUについて分かりやすく解説!」をご参照ください。
32GB以上のメモリがあれば快適に作業できる
メモリはパソコンにおける「まな板」や「作業台」と表現されることが多いパーツです。メモリ容量が大きければ、多数のデータを同時に処理できます。
3DCADでは大容量のデータを参照しながら作業することが多く、メモリ容量は最低でも16GB、作業内容によっては32GBほどあった方がよいケースもあります。設計するプロダクトの部品数が少なかったり形状がシンプルだったりするものであれば、16GBでも十分です。一方で、1000を超えるような部品数であり、複雑な形状のプロダクトを設計する場合も多く、そういった場合には32GBが必要になります。32GBあれば、安心と考えていいでしょう。
メモリの詳細については、「パソコンのメモリとは?購入前に把握しておくべきメモリの基本」をご参照ください。
データ量が多いためストレージも大きく
ストレージはSSDを推奨します。その理由は、データの読み込みの速さにあります。SSDであればOSの立ち上げ、ソフトウェアの立ち上げともにスムーズです。
またストレージの容量は500GB、扱うデータ量が多ければ1TB以上あると安心です。使用するソフトウェアにもよりますが、データをクラウドではなく端末に保存するものもあります。取引先等から送付されるデータを考慮するとストレージが大きければ融通が利くため、大容量のストレージを推奨しております。
SSDとHDDの詳細については、「SSDとHDDの違いとは?パソコンを選ぶ際のストレージの種類と使い分け」事をご参照ください。
3DCADは高解像度ディスプレイが必要
3DCADは、緻密な図面データや3Dモデリングを閲覧する必要があることから、高解像度のディスプレイが必要となります。各ソフトウェアによって推奨解像度は異なるものの、概ねFHD以上を推奨しています。4Kディスプレイであれば、さらに細部までキレイに描画されますので、作業内容によっては4Kディスプレイも検討しましょう。
3DCAD用としてノートパソコンとデスクトップパソコンどちらが良い?
基本的には先ほどの推奨スペックを満たしていれば、ノートパソコンとデスクトップパソコンのいずれでも作業は可能です。ただしそれぞれにメリットデメリットがあるため、業務内容や予算に応じて選択する必要があります。
執務室外での作業が求められる場合はノートパソコン
客先や現場で作業するケースが多い場合は、当然ながらデスクトップパソコンの持ち運びは難しいため、ノートパソコンが必要となります。ノートパソコンはバッテリー駆動時間にもよりますが3時間から8時間ほど作業が可能です。執務室内でしっかりと作業をするときは外部でディスプレイに接続しておけば、画面が小さいノートパソコンであっても作業効率が落ちません。
ただしノートパソコンは同等スペックのデスクトップパソコンと比較するとコストが高い傾向です。限られた予算でノートパソコンを導入する場合は、スペック面で妥協しなければならない可能性もあります。
執務室内での作業のみであればデスクトップパソコン
デスクトップパソコンは、ディスプレイ、キーボード等の周辺機器を作業者の好みに合わせて選択でき、作業効率が向上する環境を構築しやすい点がメリットです。
「細かくスペックを指定したい」、「作業者の指定するスペックを満たすパソコンがない」 などのお悩みをお抱えの方は、BTOパソコンも視野にいれて検討しましょう。BTOパソコンであれば希望するスペックを構築可能です。
BTOパソコンの詳細については、「BTOパソコンとは?メリット・デメリットや用途別に選ぶポイント」をご参照ください。
法人様向けBTOパソコンはドスパラプラスにおまかせを!
「自分で業務に適切なスペックの選定に自信がない」「パソコンの選定に時間をかけたくない」という法人のお客様は、ドスパラプラスにご相談ください。
使用方法や環境度、ご要望をいただければ、お客様の業務に最適な構成のパソコンを専門のスタッフが選定し、ご提案いたします。
3DCADパソコンのおすすめモデル
raytrek 4CZQ40Aはプロフェッショナル向けのNVIDIA RTXシリーズの中でもAda 世代と呼ばれるハイエンドなグラフィックスを搭載したデスクトップPCです。
CPUにはCore i9-14900KFを搭載しメモリも32GBメモリを採用しているので、3DCADの作業を快適に行うことができます。
まとめ
3DCAD用のパソコンを購入する場合は、CPU、メモリ、グラフィックボードを中心としてミドルグレードからハイグレードなものを選択する必要があります。使用するソフトウェアの動作環境をクリアしているだけでは、快適に作業できるとはいえませんので、本記事の推奨スペックを参考に最適なパソコンを選びましょう。