- HOME
- 法人様向けお役立ちコンテンツ
- RTX A2000とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
RTX A2000とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ A2000」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説します。
RTX A2000を使用している方の口コミ・評判や、RTX A2000をカスタマイズできるおすすめのパソコンも合わせて紹介するので、自社でRTX A2000の導入を検討している方や、グラフィックボードについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
RTX A2000についてわかるだけでなく、導入を検討するための判断材料が把握できます。
目次
目次
RTX A2000の基本スペック
NVIDIA RTX™ A2000 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
GPU | GA106 |
プロセス | 8 nm |
トランジスタ数 | 120億 |
ダイサイズ | 276 mm² |
CUDAコア | 3,328基 |
ベースクロック | 562MHz |
ブーストクロック | 1200MHz |
メモリ規格 | GDDR6 |
メモリ容量 | 6GB/12GB |
メモリバス | 192 bit |
バンド幅 | 288 GB/s |
発売日 | 6GB:2021/12、12GB:2022/4 |
RTX A2000は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているプロフェッショナル向けグラフィックボードです。
RTX A2000のメモリ容量は、6GBと12GBの2種類があり、6GBは2021年12月、12GBは2022年4月に発売されました。
RTX A2000は、NVIDIAが提供しているNVIDIA RTX™シリーズのなかで、低価格モデルに位置づけられます。AI・3D レンダリング関連で高いパフォーマンスを発揮したい方向けのハイエンドモデルや幅広いジャンルに応用が利くミドルモデルとは異なり、グラフィックボードの導入を検討し始めた層がターゲットといえるでしょう。
RTX A2000は、手に入れやすい価格帯であるのに加え、コンパクトで搭載しやすく、省電力で稼働することから、これからグラフィックボードの導入を検討している企業や団体に評価され、選ばれています。
RTX A2000のスペック比較
RTX A2000のスペックを旧モデルのNVIDIA RTX™ A4000と上位モデルのNVIDIA RTX™ A4500と比較してみていきましょう。
NVIDIA RTX™ A2000 | NVIDIA RTX™ A4000 | NVIDIA RTX™ A4500 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
GPU | GA106 | GA104 | GA102 |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 120億 | 174億 | 283億 |
ダイサイズ | 276 mm² | 392 mm² | 628 mm² |
CUDAコア | 3,328基 | 6,144基 | 7,168基 |
ベースクロック | 562MHz | 735MHz | 1050MHz |
ブーストクロック | 1200MHz | 1560MHz | 1650MHz |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 6GB/12GB | 16GB | 20GB |
メモリバス | 192 bit | 256 bit | 320 bit |
バンド幅 | 288 GB/s | 448 GB/s | 640 GB/s |
発売日 | 6GB:2021/12、12GB:2022/4 | 2021/4 | 2022/2 |
RTX A2000は、RTX A4000のあとに作られているため、トランジスタ数が174億から120億に、ダイサイズが392 mm²から276 mm²に減っています。
一方で、CUDAコアは、RTX A2000が3,328基であるのに対し、RTX A4000は6,144基です。ベースクロックやブーストクロックも、RTX A4000の方が高めです。そのため、映像関連や複雑な処理を行う方には、RTX A4000がおすすめです。
RTX A4500は、RTX A2000(12GB)が発売されたあとにリリースされたモデルですが、トランジスタ数、ダイサイズはRTX A2000(12GB)よりも高い数値になっています。加えて、メモリ容量もRTX A2000が16GBまでであるのに対し、RTX A4500は20GBに対応しています。
20GBの容量を求めている方は、上位モデルであるNVIDIA RTX™ A4500がおすすめです。
RTX A2000の特徴
RTX A2000の特徴を4つ解説します。
製品の特徴を把握しておけば、導入時に迷うことがなく、自社に合ったものを選択できます。
性能面だけでなく、コスト面や機能面といった、多角的に導入を検討するための特徴も解説するので、漏れなく把握しておきましょう。
プロフェッショナル向けGPU
RTX A2000は、NVIDIAが製造するGPUの中でもプロフェッショナル向けに位置するNVIDIA RTXシリーズのミドルレンジGPUです。
旧世代のプロ向けGPUであるQuadroシリーズでは、NVIDIA Turing™/NVIDIA Pascal™を採用していたのに対し、NVIDIA RTXシリーズではNVIDIA Ampere アーキテクチャを採用しています。
APIは旧Quadroと同じくOpenGLとなっており、3DCGやCADソフトなどOpenGLを採用したクリエイター向けソフトで主に力を発揮します。
コンパクトで搭載しやすい
RTX A2000は、コンパクトで搭載しやすいのが特徴のひとつです。RTX A2000のサイズは、長さ169mm×高さ68.9mmx厚さ32.3mmです。
同じNVIDIA RTXシリーズ低価格モデルのRTX A4000と比較してみると、RTX A4000は長さ 241mm×高さ 111mm×厚さ18mmであるため、一回り小さくよりコンパクトといえます。
従業員が多くスペースが限られている企業や研究室でも、RTX A2000であれば搭載し他製品を導入しやすいでしょう。
また、グラフィックボードを交換する際に、持ち運びや組み立てがしやすいサイズ感であるのも嬉しいポイントです。
消費電力が抑えられる
消費電力が抑えられる点も、RTX A2000の大きな特徴です。RTX A2000の消費電力は、70Wです。
一方で、NVIDIA RTXシリーズのハイエンドモデルであるRTX A6000の最大消費電力は、300Wでおよそ23%に抑えられます。
フリーランスがひとりで作業するならともかく、企業で使用する場合はRTX A2000がおすすめです。特に数十人の従業員単位でグラフィックボードを使用または導入を検討している方は、性能だけでなく、消費電力にも着目して選定すると良いでしょう。
シリーズの中ではメモリ容量が少ないが、ECC機能付き
RTX A2000のGPUのメモリ容量は6GBもしくは12GBと、NVIDIA RTXシリーズのなかで最も少ない容量です。同じ低価格モデルのRTX A4000であっても16GBです。
ミドルモデルやハイエンドモデルの製品になると20GB〜48GBまで揃っているため、20GB以上の容量を求めている方は、上位モデルまで選択肢を広げましょう。
とはいえ、6GBや12GBであっても、AIや3D、高解像度の映像が扱えないわけではないため、仕事や研究の内容、扱うデータの量によっては、十分にパフォーマンスを発揮します。
容量の大きいミドルモデルやハイエンドモデルは、その分価格も高いため、自社に合った製品を選択することで、コストを抑えられます。
また、A2000はNVIDIAの2000クラスのGPUの中で、ECCメモリを初めてサポートしたGDDR6メモリ。まさにプロフェッショナルモデルと言えます。
ECCメモリについて詳しくは > こちら
RTX A2000のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
※この表では、品番を基準とした近似値の類似製品を比較対象としています
まずは、3DMarkのベンチマークスコアを見ていきましょう。3DMarkのスコアが高いほど、3D グラフィックスを扱うシステムの能力が高いです。
RTX A2000と同じNVIDIA社が2015年に発売したNVIDIA GeForce GTX 980 Tiのスコアは、5789であるのに対し、RTX A2000のスコアは、5879と上回っていました。加えて、2019年に発売したNVIDIA GeForce RTX 2060 Max-Qの5609と比べても上回る結果だとわかります。
一方で、2019年に発売したNVIDIA GeForce RTX 2060 の5953と、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERの6000と比較すると、RTX A2000は下回っている結果でした。
RTX A2000は2021年に発売された製品であるため、3DMarkのベンチマークスコアだけを見ると、3Dグラフィックを扱う性能に特化した製品ではないことがうかがえます。
レイトレーシング
※この表では、品番を基準とした近似値の類似製品を比較対象としています
レイトレーシングの性能をスコア化した数字も見ていきましょう。
レイトレーシングとは、光や影を表現・追跡する機能を指します。高解像度の映像を扱う方が重視すべき指標です。
RTX A2000の3DMarkのベンチマークスコアは、上記5つの製品のなかでは3番目でしたが、レイトレーシングにおいては、RTX A2000が最も高いスコアでした。
特に3DMarkでは下回っていたNVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERと比較すると、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERが1561であるのに対し、RTX A2000は3391とおよそ2倍のスコアです。
とはいえ、同じNVIDIA社のNVIDIA GeForce RTX 3080のスコアは、11584とおよそ3倍であるため、グラフィックボードのなかでRTX A2000が際立って高いわけではありません。
レイトレーシングの性能が高いグラフィックボートを導入したい方は、スコアが上位のNVIDIA GeForce RTX 3060や3080といった3000シリーズがおすすめです。
消費電力
※この表では、品番を基準とした近似値の類似製品を比較対象としています
最後に、消費電力のスコアも見ていきます。
RTX A2000のスコアは70と、5つの製品のなかでは2番目に低い結果でした。RTX A2000はサイズもコンパクトであることから、省電力で使用できます。
一方で、ゲーミングに特化した機能が豊富に搭載されているNVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERは、スコアが125とRTX A2000のおよそ1.8倍の電力を消費します。
このように、グラフィックボードによって消費電力は大きく異なるため、大人数での導入を検討している企業の担当者は、選定の際に性能だけでなく、消費電力にも注目しましょう。
自社に必要なスペックのグラフィックボードが選定できれば、性能面はもちろん、コスト面においても後悔することはないでしょう。
RTX A2000を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
RTX A2000はどのような用途におすすめ?
RTX A2000のGPU メモリ容量は、6GBと12GBの2種類と、ハイエンドモデルやミドルモデルの製品と比べると少ないですが、PCI Express Gen 4をサポートしているため、AIやデータサイエンスといったビッグデータであっても、安定した速度で快適に扱えます。
また、APIがOpenGLとなっているため、3DCGや3DCADなどのOpenGLを採用しているクリエイター向けソフトウェアの使用などでの活用例が多くなっています。
さらに、メモリのエラー内容をチェック・修正してくれるECC (Error Correction Code) 機能も備わっているため、顧客のお金の情報を扱う金融機関や、多くの学生の個人情報を扱う大学などを中心に導入・活用されています。
ビジネスにおいても、オフィスソフトはもちろん、WEB会議での使用も支障はありません。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするために生まれたものですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。今回ご紹介しているRTX A2000を含むQuadro/RTXシリーズは、3DCADや3DCGモデリング、医療用イメージングなどのグラフィック系作業者向けに開発・設計されており、OpenGLに最適化されています。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。
したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際やGPUを駆使した解析など研究分野では処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅は広がります。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。一つ目の事例では、RTX A2000と同じシリーズにあたるNVIDIA RTX™ 4000を搭載したワークステーションを映像解析AIプラットフォームを活用した魚類計測システムの運用環境として、ご導入いただきました。AI領域での利用にもNVIDIA RTX™ シリーズは最適です。
その他にもGPUを搭載したハードウェア導入事例が満載。高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。