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RTコアとは? 実現できることや特徴、性能を解説!
GPUの性能を比較する際に「RTコア」という単語を目にすることがあるかもしれません。しかし、「そもそもRTコアって何?」「RTコアが導入されていることでどのようなメリットがあるの?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、RTコアの概要や特徴などについて詳しく解説します。
目次
RTコアとは?
RT=レイトレーシング
RTコアの‟RT”とは、Ray Tracing(レイトレーシング)を略した言葉です。
レイトレーシングは、端的に言えば、光(Ray)を追跡(Trace)する技術です。レイトレーシングとは、「光源から出ている光の方向や量を把握し、物体の表面や水面などで起こる光の屈折や反射を計算して現実世界に近い映像を表示させる技術」のことです。
RTコア数はレイトレーシングの処理能力
RTコア数とは、レイトレーシングの処理能力を意味します。RTコア数が多ければ、より高負荷なレイトレーシング処理を行うことが可能となるので、「RTコア数」はGPUの性能を判断する材料の一つになります。
GPUの性能を比較する際には「CUDAコア数」「Tensorコア数」などの指標が存在しますが、「RTコア数」もGPUの性能比較のために使用されます。このような指標は、アメリカの大手半導体メーカーNVIDIA(エヌビディア)社のGPUによって採用されています。
GeForce RTX 20シリーズ(Turing世代)から採用
RTコアという概念は、NVIDIA GeForce RTX 20シリーズ(Turing世代)から採用されています。NVIDIA独自の概念でありながら、同じアメリカの半導体メーカーであるAMD(Advanc0ed Micro Devices)社の製品Radeon™ RX 6000シリーズにもRTコアに相当する「レイ・アクセラレーター」という機能が存在します。
※CUDAコアについてより詳しく知りたい方は、「CUDAコアとは。数が多いと何が良い?」をご参照ください。また、Tensorコアについて知りたい方は、「Tensorコアとは何なのか?性能や特徴についても解説!」をご参照ください。
RTコアの性能
次にRTコアの性能について解説します。
レイトレーシングを高速化
レイトレーシングは、現実世界で起きる光の反射や屈折を再現するため膨大な処理を行います。そのためCPUや通常のGPUで行うには負荷が高い処理が必要となっています。RTコアは非常に性能が高く、レイトレーシングの処理に特化したコアのため、RTコアを搭載することでレイトレーシングを高速化することが可能です。
最新のTuring世代のRTコアは、前のPascal世代と比較すると、リアルタイムレイトレーシングが25倍高速化されます。
CPUの約30倍以上の処理スピード
またRTコアはCPUと処理スピードを比較した場合、約30倍以上の処理スピードがあるため、映画の特殊効果のレンダリングでも使用されるほど高性能なものとなっています。このようにRTコアは非常に高い性能を発揮するため、レイトレーシングにおいて必要不可欠な存在となっています。
レイトレーシングとの関係性
レイトレーシングにおいてRTコアはどのような処理を行うのでしょうか。本項ではRTコアとレイトレーシングの関係性について説明します。
レイトレーシングの歴史
もともと、レイトレーシングの技術自体は映画業界で広く使われていました。映画ではCGであってもより現実に近い表現が求められるため、光の方向や量から反射や屈折を現実のように表現できるレイトレーシングは、非常に重要な技術となっていました。
その後、レイトレーシングの技術は映像表現の進歩が目覚ましいゲーム業界でも注目され始めました。
ゲームでの活用から誕生したRTコア
ゲームでは、決まったアングルで撮るシーンに対してレイトレーシングを行う必要がある映画業界とは異なり、プレイヤーがキャラクターやカメラの視点を自由に動かすことができる分、視点に合わせてリアルタイムでレイトレーシングを行う必要がありました。それには高い処理能力が必要となり、CPUや通常のGPUではカバーできないほど高負荷な処理となったのです。
そのような背景の中、レイトレーシングの処理に特化したRTコアが開発されました。
リアルタイムレイトレーシングにはRT搭載GPUが必須
RTコアが搭載されているGPUであれば、リアルタイムに視点が切り替わるゲーム中でもレイトレーシングを体感することが可能です。常に視点が変わるような環境でリアルタイムにレイトレーシングの処理を行うことを、リアルタイムレイトレーシングと言います。
こうしてレイトレーシングとRTコアは、切っても切れない関係性となったのです。
リアルタイムレイトレーシングについて詳しくは、「リアルタイムレイトレーシングとは?対応GPUやパソコンも紹介」の記事をご参照ください。
まとめ
NVIDIA GeForce RTX 20シリーズからRTコアが搭載され、RTコアにより非常に負荷が高い処理であるリアルタイムレイトレーシングが実現しました。近年のゲームではリアルタイムレイトレーシングが必要となるものも増えてきているため、より現実に近い世界を投影したい場面ではRTコア搭載のGPUが必要不可欠だと言えます。
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