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RTX 2060 SUPERとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ 2060 SUPER」のスペックや特徴について解説します。

RTX 2060 SUPERを実際に使用している方の口コミもあわせてお伝えします。

RTX 2060 SUPERをいちから把握できるので、どのグラフィックボードが良いか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

最後には最新のRTX 4060 を搭載したおすすめのパソコンもあわせてご案内しております。

目次

RTX 2060 SUPERの基本スペック

NVIDIA RTX™ 2060 SUPER
アーキテクチャ NVIDIA Turing™
GPU TU106
プロセス 12 nm
トランジスタ数 108億
ダイサイズ 445mm²
CUDAコア 2176基
Tensorコア 272基
RTコア 34基
ベースクロック 1470MHz
ブーストクロック 1650MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 8GB
メモリバス 256 bit
バンド幅 448 GB/s
消費電力 175W
発売日 2019/7

RTX 2060 SUPERは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。RTX 2060 SUPERのメモリ容量は8GBの1種類で、RTX 20シリーズのエントリークラスとして2019年7月に発売されました。

アーキテクチャには前世代のGTX 16シリーズと同じTuring世代が採用されていますが、グラフィック処理性能やメモリ性能で大きなスペックアップがみられます。

高性能なTuring世代のグラフィックボードを比較的手ごろに導入したい方におすすめです。

RTX 2060 SUPERのスペック比較

NVIDIA RTX™ 2060 SUPER GeForce GTX 1660 SUPER NVIDIA RTX™ 2070 SUPER
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Turing™ NVIDIA Turing™
GPU TU106 TU116 TU104
プロセス 12 nm 12 nm 12 nm
トランジスタ数 108億 66億 136億
ダイサイズ 445mm² 284mm² 545mm²
CUDAコア 2176基 1408基 2560基
Tensorコア 272基 - 320基
RTコア 34基 - 40基
ベースクロック 1470MHz 1530MHz 1605MHz
ブーストクロック 1650MHz 1785MHz 1770MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8 GB 6 GB 8 GB
メモリバス 256 bit 192 bit 256 bit
バンド幅 448 GB/s 336 GB/s 448 GB/s
消費電力 175 W 125 W 215 W
発売日 2019/7 2019/10 2019/7

RTX 2060 SUPERのスペックを、前世代のGeForce GTX 1660 SUPERと、上位モデルであるNVIDIA RTX™ 2070 SUPERと比較してみていきましょう。

RTX 2060 SUPERの前世代にあたるGTX 16シリーズでは、RTX 20シリーズと同じTuring世代のアーキテクチャが採用されていましたが、GPUはGTX 1660 SUPERがTU116であるのに対し、RTX 2060 SUPERではグレードアップしたTU106が使われています。その結果、RTX 2060 SUPERのトランジスタ数は、GTX 1660 SUPERの163%、CUDAコアは154%の数値を誇ります。

メモリ容量は、RTX 2060 SUPERの方が2GB多い8GBです。メモリバスとベンド幅も133%の数値で、前世代からメモリ性能の向上もみられます。

一方で、上位モデルのRTX 2070 SUPERと比較すると、RTX 2060 SUPERからGPUがTU104に変更されたことで、トランジスタは125%、CUDAコアは117%の数値です。

ベースクロックは109%、ブーストクロックは107%の数値であることからも、演算能力の向上がわかります。また、メモリ性能はRTX 2060 SUPERと同等ですが、消費電力はRTX 2070 SUPERよりも40W高い215Wです。

コストを抑えてグラフィックボードを運用したい方は、導入コストだけでなく消費電力にも注目して商品を選定しましょう。

RTX 2060 SUPERの特徴

RTX 2060 SUPERの特徴を解説します。

RTX 20シリーズから搭載された演算回路やほか製品と比較した際の特徴を解説するので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

前世代のGTX 16シリーズにはなかったRTコア・Tensorコアを搭載

RTX 2060 SUPERをはじめとしたRTX 20シリーズでは、前世代のGTX 16シリーズにはなかったRTコア・Tensorコアが搭載されています。RTコアはレイトレーシングに特化した演算回路で、RTコアが多いほどレイトレーシング性能が向上します。

そのため、GTXシリーズ以前のグラフィックボードを所有または購入を検討していて、レイトレーシング性能を求めている方は、RTX 20シリーズ以降の製品がおすすめです。

また、RTX 2060 SUPERは、RTコアだけでなく、Tensorコアも搭載しています。Tensorコアはディープラーニングに特化した演算回路で、AIを活用した業務や研究を行う方がグラフィックボードの選定で重視すべき項目のひとつです。

RTコアと同様に、TensorコアはGTX 16シリーズ以前のグラフィックボードには搭載されていないので注意しましょう。

上位モデルのRTX 2070と同等の性能を持つ

RTX 2060 SUPERは、上位モデルのRTX 2070と同等の性能を持っているグラフィックボードです。

NVIDIA RTX™2060 SUPER NVIDIA RTX™ 2070
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Turing™
GPU TU106 TU106
プロセス 12 nm 12 nm
トランジスタ数 108億 108億
ダイサイズ 445mm² 445mm²
CUDAコア 2176基 2304基
Tensorコア 272基 288基
RTコア 34基 36基
ベースクロック 1470MHz 1410MHz
ブーストクロック 1650MHz 1620MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8 GB 8 GB
メモリバス 256 bit 256 bit
バンド幅 448 GB/s 448 GB/s
消費電力 175 W 175 W
発売日 2019/7 2018/10

GPUに同じTU106を採用しているため、プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは変わりません。

RTX 2070のCUDAコア・Tensorコア・RTコアは、RTX 2060 SUPERの105%の数値ですが、大きな開きはみられませんでした。また、メモリ性能をみてみても、容量やメモリバス、バンド幅、消費電力まで同じです。

一方で、ベースクロックやブーストクロックは、わずかにRTX 2060 SUPERが上回っています。

販売価格は上位モデルのRTX 2070の方が高い傾向にあるので、費用を抑えてグラフィックボードを導入し、コスパ良く運用したい方におすすめです。

下位モデルのRTX 2060との性能差も小さい

RTX 2060 SUPERは、下位モデルのNVIDIA RTX™ 2060とも性能差の開きが少ないグラフィックボードです。

NVIDIA RTX™ 2060 SUPER NVIDIA RTX™ 2060
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Turing™
GPU TU106 TU106
プロセス 12 nm 12 nm
トランジスタ数 108億 108億
ダイサイズ 445mm² 445mm²
CUDAコア 2176基 28GB:1920基
12GB:2176基
Tensorコア 272基 240基
RTコア 34基 30基
ベースクロック 1470MHz 8GB:1370MHz
12GB:1470MHz
ブーストクロック 1650MHz 8GB:1650MHz
12GB:1680MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8 GB 8 GB / 12 GB
メモリバス 256 bit 192 bit
バンド幅 448 GB/s 448 GB/s
消費電力 175 W 8GB:160W
12GB:185W
発売日 2019/7 2018/10
2022/11

GPUが同じTU106のため、プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは同値です。

また、RTX 2060は8GBと12GBの2種類あり、12GBの数値に注目して比較すると、CUDAコアやベースクロックはRTX 2060 SUPERと変わらず、ブーストクロックにおいては上回っています。

メモリ性能においても、規格やバンド幅が同値であることからも、性能差の少なさがわかります。

TensorコアやRTコアはRTX 2060 SUPERの方が優れているため、少しでも高いレイトレーシング性能やAIの処理性能を求めている方は、RTX 2060 SUPERがおすすめです。

RTX 2060 SUPERのベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 2060 SUPER(3DMark).png

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。業務で3Dを扱う方は、特に注目してみていきましょう。

RTX 2060 SUPERの数値は8663と、上位モデルのRTX 2080 SUPER Max-Qの102%のスコアでした。
RTX 2080 SUPER Max-Qは、ノートパソコンでの使用を想定したグラフィックボードなので、その分デスクトップ版よりも性能は抑えられています。

また、次世代のGeFore RTX 3060の数値は8697と、わずかにRTX 2060 SUPERを上回っています。加えて、GeFore RTX 3060(GA104)の数値は8889で、通常版よりも向上していました。

このように、対応デバイスやGPUの種類によって性能は変わるため、製品選定にベンチマークを参考にする方は、注意してみるようにしましょう。

レイトレーシング

RTX 2060 SUPER(3DMark PortRoyal).png

AMD Radeon RX 5700はデータがないため4製品で比較(データが取得でき次第、更新します)

光や影を表現・追跡する機能であるレイトレーシングのスコアもみていきましょう。

RTX 2060 SUPERの数値は5069と、4つの製品のなかで最も低いスコアでした。RTX 2060 SUPERは、3DMarkではRTX 2080 SUPER Max-Qを上回っていましたが、レイトレーシングでは、4%下回ったスコアです。また、GeFore RTX 3060と比較しても、2%ほど下回るスコアです。

3Dの処理性能が優れていても、レイトレーシング性能で劣るケースは他の製品でもみられる傾向なので、これからグラフィックボードを選定する方は、複数のベンチマークを比較して用途に適しているか見極めましょう。

消費電力

RTX 2060 SUPER(ワットパフォーマンス).png

消費電力もみていきます。

RTX 2060 SUPERの消費電力は175Wで、次世代のRTX 3060(GA104)と並ぶ数値でした。RTX 3060の通常版は170Wと、RTX 2060 SUPERよりも5W低い数値です。また、RTX 2080 SUPER Max-Qはノートパソコン用なので、ほかの製品よりも消費電力が抑えられた80Wです。

ワット数別の3DMarkスコアでも比較してみると、RTX 2060 SUPERの50に対し、消費電力で同値だったRTX 3060(GA104)は52と、わずかに上回っています。

このことから、上位モデルということもあり、RTX 3060(GA104)の方がコスパに優れたグラフィックボードといえるでしょう。

RTX 2060 SUPERを使用している方の口コミ・評価

実際にRTX 2060 SUPERを使用している方の口コミ・評価を紹介します。
RTX 2060 SUPERのリアルな使用感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

adobe Lightroom Classiccやnikon Capture NX-Dがサクサクと動いています。色は以前のパソコンと同じように見えます。

ケースの前後に合計3個、CPUクーラー風魔弐 FUMA2に2個、このグラボに2個全部で7個のファンがついていますが、室温20から25度くらいでは起動時に音は聞こえません。静かで速い、自作してよかったと思います。

ドスパラ通販サイトより引用

以前使っていたGTX960が高負荷の時にかなりうるさかったのですが、処理能力に余裕があるので、ずいぶん静かです。

替えて良かったです。

ドスパラ通販サイトより引用

1969-2Gからの載せ替えで、画像がきれいになりました。
1660Tiと迷ったが、こちらにして正解でした。

ドスパラ通販サイトより引用

上記の口コミから、RTX 2060 SUPERは、Adobeなどのクリエイティブアプリを快適に使用でき、旧モデルから大幅な性能向上が実感できるグラフィックボードだとわかりました。

RTX 2060 SUPERはどのような用途におすすめ?

RTX 2060 SUPERは、より高画質かつ快適な作業環境を実現したい方におすすめのグラフィックボードです。

RTX 2060 SUPERをはじめとしたRTX 20シリーズグラフィックボードは、AI]処理に特化したTensorコアの活用によってグラフィックレベルの底上げを行う「NVIDIA DLSS」に対応しています。

NVIDIA DLSSは、革新的なAIグラフィック技術を用いることで低解像度な画像から高解像度の画像を出力したり、フレームの品質向上を実現します。

また、3Dのレンダリングやビデオ編集などのクリエイティブ作業の効率化に貢献する「NVIDIA Studio」にも対応しているため、特に生産性を向上させたいクリエーターにおすすめです。

ただし、RTX 2060 SUPERは、GeForceシリーズにおいて、最新の世代よりも2世代古い製品になるため、現在は流通が限られています。

RTX 2060 SUPERの上位モデルにあたるRTX 3060や、近い性能を持つRTX 30シリーズのエントリークラスにあたるRTX 3050であれば、RTX 2060 SUPERの次世代にあたるグラフィックボードなので、手に入りやすいです。

RTX 3060の詳細は「RTX 3060とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で、RTX 3050の詳細は「RTX 3050とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX 2060 SUPER」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX 2060 SUPERは、前世代のGTX 16シリーズにはなかったTensorコア・RTコアが搭載され、レイトレーシング性能やAIの処理性能の大幅な向上がみられるグラフィックボードです。上位モデルのRTX 2070との性能差が小さく、コストを抑えて導入・運用できるのも嬉しいポイントですが、最新の世代よりも2世代古い製品になるため、現在は流通が限られています。

この記事を参考に、RTX 2060 SUPER以外の製品と性能面・コスト面を比較しながら、最適なグラフィックボードを選定しましょう。

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