Core i9-13900とは？スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Core™ i9-13900」のスペックや特徴について解説します。

Core i9-13900のベンチマークや後継機種のCore i9-14900を搭載したおすすめPCもあわせてお伝えするので、どのCPUを導入したらいいか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

Core i9-13900の基本スペック

Core i9-13900は、Core iシリーズの中でもトップクラスの24コア32スレッドを搭載しているCPUです。

高い処理性能と演算性能を備えているため、動画編集や3DCG制作といったクリエイティブシーンから、大規模なデータを使った分析業務まで、幅広いシーンで高いパフォーマンスを発揮します。

加えて、ハイスペックでありながら消費電力は65Wと少ないため、ランニングコストを抑えたい方にもおすすめです。

ただし、Core i9-13900はハイエンドクラスのCPUでほかの製品と比べて価格が高いため、価格重視の方には向いていません。

また、Webサイトの閲覧やビジネスメールのやり取りといった一般的なビジネスシーンではオーバースペックになる場合もあるため、複数の製品を比較して用途に合った製品を選定しましょう。

なお「CPUの性能比較表｜2024年最新版」では、比較対象となる基本スペックやCPUの性能目安となるPassMarkのベンチマークスコアを製品別で比較してご覧いただけます。どのCPUを導入すべきか悩んでいる方や、最新のCPUを検討している方は参考にしてください。

Core i9-13900はどのような用途におすすめ？

Core i5-13400は、Microsoft Officeを使用した資料作成などのビジネスシーンではもちろん、DTMや動画編集、Webデザインなどのクリエイティブシーンでも高いパフォーマンスを発揮します。

また、Core i5-13400の消費電力は65Wと省電力性に優れているため、コストを抑えて運用したい方にもおすすめです。

一方で、Webサイトの閲覧や動画視聴、リモート会議などの用途ではオーバースペックになる場合があるため、一般的なビジネスシーンでのみ使用する方は、1グレード下位のCore i3のCPUも選択肢のひとつとして検討するとよいでしょう。

Core i9-13900のスペック比較

Core i9-13900のスペックを、前世代のIntel® Core™ i9-12900と、オーバークロック対応モデルのIntel® Core™ i9-13900Kとで比較してみていきます。

前世代のCore i9-12900は、Pコア8＋Eコア8の計16のコアが搭載されていましたが、Core i9-13900ではEコアが8コア増量され、計24コアが搭載されています。

プロセッサー・ベース動作周波数は、Core i9-12900のほうが優れていますが、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Core i9-13900が上回っており、スペックアップがみられます。

また、L3キャッシュ容量も6MB増量されていますが、これだけのスペックアップにも関わらず、消費電力が据え置きである点が注目ポイントでしょう。

次に、Core i9-13900Kと比較すると、コア数とスレッド数は同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数はCore i9-13900Kが上回っています。

一方で、ターボ・ブースト利用時の最大周波数はCore i9-13900のほうが優れた数値です。

ただし、Core i9-13900Kの消費電力は125Wと、Core i9-13900の65Wより60W高い数値なので、省電力性を重視したい方は、Core i9-13900がおすすめです。

このように、世代やモデルの位置づけによって性能は大きく異なるので、CPUの導入を検討している方は、複数の製品の基本スペックや後述するベンチマークを比較して、求める性能を備えた最適なCPUを選定しましょう。

Core i9-13900とAMDシリーズのスペック比較

競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。

AMD Ryzen™ 9 7900のプロセスは5nmと、Core i9-13900の10nmより微細に設計されていますが、搭載されているコア数・スレッド数は12コア24スレッドで、Core i9-13900よりも少ない搭載数です。

一方で、Ryzen 9 7900のプロセッサー・ベース動作周波数は3.7GHz、L3キャッシュ容量は64MBと、Core i9-13900を大きく上回る数値で、消費電力は同じ65Wでした。

次に、AMD EPYC™ 7452と比較すると、EPYC 7452のプロセスは7nmで、Ryzen 9 7900と同様にCore i9-13900より微細な設計です。

コア数・スレッド数は32コア64スレッドと、Core i9-13900を大きく上回っており、並列処理性能や演算能力の高さがうかがえます。

プロセッサー・ベース動作周波数もCore i9-13900を上回り、L3キャッシュ容量は3倍以上の容量です。

Core i9-13900と両製品のベンチマークを比較した結果は、後ほど解説するので、より詳細なスペックの性能差を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

Core i9-13900の特徴

Core i9-13900の特徴を3つ解説します。

従来モデルやほかの製品と比較したことでわかる特徴や、ハイスペックゆえのデメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

Core iシリーズ無印モデルの最上位クラスの性能を誇るCPU

Core i9-13900は、Core iシリーズ無印モデルの最上位クラスに位置づけられているCPUです。

コア数・スレッド数の搭載数は24コア32スレッドと、Core iシリーズ最上位グレードのCore i9シリーズの中では最も多く、その性能の高さはCPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingに表れています。

上記のグラフは、Core iシリーズの製品のCPU Mark Ratingを上位の製品から並べたものです。

Core iシリーズの中では、Intel® Core™ i9-13900KSが最も高いスコアです。

無印モデルに限定すると、Core i9-13900が最も高いスコアを誇り、動画編集や3DCG制作などのクリエイティブ作業を快適に行いたい方や、データ分析や仮想化などの業務用途でPCを使用する方におすすめです。

前世代のCore i9-12900Kをしのぐ性能を持つ

Core i9-13900は無印モデルのCPUでありながら、前世代のオーバークロック対応モデルであるIntel® Core™ i9-12900Kをしのぐ性能を持っています。

両製品のPassMarkのCPU Mark Rating（CPUの総合的な性能を数値化したベンチマークスコア）を比較すると、Core i9-13900のスコアは49187と、Core i9-12900Kの118％の数値です。

また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingでも、Core i9-13900のスコアは4409と、Core i9-12900Kの104％の数値で、向上がみられます。

プロセッサー・ベース動作周波数はCore i9-12900Kが上回っていますが、シングルスレッド性能やCPUの全体的なスペックを重視する方は、Core i9-13900がおすすめです。

高い省電力性を求めるならCore i9-13900Tがおすすめ

Core i9-13900は、消費電力が65Wと省電力性に優れていますが、MTP（CPUがブースト時に消費される電力）が219Wと高めです。

省電力モデルのIntel® Core™ i9-13900Tであれば、消費電力は35W、MTPは106Wに抑えられており、より優れた省電力性を実感できます。

また、Core i9-13900TのCPU Mark Ratingは44056と、Core i9-13900と比較すると劣りますが、Core iシリーズの中では上位であるため、高い性能も期待できるでしょう。

より高い省電力性を求める方は、Core i9-13900Tも検討してみてください。

Core i9-13900のベンチマーク

Core i9-13900のベンチマークのPassMarkを中心に解説します。

Core i9-13900の性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。

PassMark（CPU Mark Rating）

まずは、CPUの総合的な性能を数値化したPassMarkのCPU Mark Ratingのベンチマークスコアを比較します。

Core i9-13900のスコアは49187と、競合のAMD EPYC™ 7K62やEPYC 7452を上回る数値でした。

一方で、競合のRyzen 9 7900や、同じIntel製でリアルタイム分析や機械学習、人工知能、クラウドのワークロード向けに設計されたIntel® Xeon® Platinum 8347Cと比較すると、わずかに下回っています。

Core i9シリーズとRyzen 9シリーズは、それぞれのシリーズの最上位グレードとして競合関係にあるため、Core i9シリーズのCPUの導入を検討している方は、Ryzen 9シリーズの製品を比較対象にするとよいでしょう。

比較する際は、基本スペックだけでなく、上記のようにベンチマークにも注目することで、より詳細な性能差を把握できます。

PassMark（CPU Value）

※Xeon Platinum 8347CとEPYC 7K62はヒットしなかったため3製品で比較

CPUのコストパフォーマンスのベンチマークスコアであるPassMarkのCPU Valueも比較します。

Core i9-13900のスコアは89.4と、EPYC 7452の245％の数値で、大きな差がみられました。

一方で、Ryzen 9 7900と比較すると、数値に30％以上もの開きがあり、Ryzen 9 7900のコストパフォーマンスの高さがうかがえました。

コストパフォーマンスを重視したい方は、上記のように複数の製品のCPU Valueを比較してみてください。

注意点として、コストパフォーマンスを追求するあまり、求めるスペックを満たしていないCPUを導入してしまっては本末転倒なので、ほかの基本スペックやベンチマークを参考にしながら選定してください。

PassMark（CPU Single Thread Rating）

PassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきましょう。

Core i9-13900のスコアは4409と、5つの製品の中で最も高い数値です。

特に競合のEPYC 7K62やEPYC 7452との性能差が大きく、Core i9-13900のスコアはEPYC 7K62の210％、EPYC 7452の222％でした。

また、CPU Mark RatingやCPU Valueで下回っていたXeon Platinum 8347Cと比較すると、およそ80％もの開きがあり、Core i9-13900のシングルスレッド性能の高さがうかがえます。

シングルスレッド性能が高いと、Webサイトの閲覧やアプリケーションの使用といった単一のスレッドで実行されるタスクを高速に処理できるため、これらのタスクをスムーズに実行したい方は、シングルスレッド性能の高いCPUを選定しましょう。

消費電力

※AMD EPYC 7K62がヒットしなかったため4製品で比較

最後に消費電力も比較します。

Core i9-13900の消費電力は65Wと、Ryzen 9 7900と並んで4つの製品の中で最も低い数値でした。

CPU Single Thread Ratingで上回っていたXeon Platinum 8347Cの消費電力は210Wで、Core i9-13900より145Wも高い数値であることから、Core i9-13900の省電力性のよさがうかがえます。

競合のAMD EPYC 7452と比較しても、90Wの差がみられました。

PassMarkのベンチマークスコアや消費電力を製品別で比較したい方はこちら

Core i9-13900を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

ドスパラでCore i9-13900がご購入いただけます

無印のCore i9-13900は現在ご購入いただけませんが、以下リンクからその他のCore i9-13900がご購入いただけます。合わせてご覧ください。

※名称末のアルファベット（K、KFなど）の違いはこちらで解説しています。合わせてご覧ください

最新モデルCore i9-14900を搭載したおすすめPC

Core i9を搭載したパソコンをお求めの方は、最新の14世代CPUが搭載されたものがおすすめです。

以下で最新モデルのCore i9-14900を搭載したおすすめPCを5つ紹介します。

Core i9-14900の導入を検討している方は、参考にしてください。

raytrek TPHE

Magnate FE-EMは、コンパクトな本体と優れた搭載能力が特徴のPCです。

光学ドライブやHDDだけでなく、2スロット専用タイプのグラフィックボードにも対応しています。

raytrek 4CHE

raytrek 4CHEは、ミドルタワー型のデスクトップPCです。

ユーザーの用途に応じて機能拡張ができる設計となっており、3.5インチ、2.5インチのストレージベイ、PCI-Eスロットなど、必要な機能を追加できます。
PCケースの前面・側面・天面・底面には、ホコリの侵入を防ぐフィルターが設置されており、簡単に着脱できるので、フィルターだけを外してすぐに掃除が可能です。

まとめ

この記事では、Intel社が開発したCPU「Core i9-13900」のスペックや特徴、ベンチマーク、おすすめのパソコンまでを解説しました。

Core i9-13900は、Core iシリーズの中でも最上位に位置づけられているCPUで、動画編集や3Dを扱うクリエイティブシーンから、大規模なデータを処理する分析業務まで、幅広いシーンで高いパフォーマンスを発揮します。

省電力性にも優れているため、高スペックとともにコストを抑えて運用したい方にもおすすめです。

CPUの選定に悩んでいる方は、この記事を参考に、ほかの製品と比較して導入を検討してみてください。