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Core i7-12700Tとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発したCPUの「Intel® Core™ i7-12700T」のスペックや特徴について解説します。
Core i7-12700Tのベンチマークスコアや、ほかのCPUと比較した結果、おすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、CPUの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Core i7-12700Tの基本スペック
Intel® Core™ i7-12700T | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake |
プロセス | 10 nm |
コア数 | 12(Pコア8+Eコア4) |
スレッド数 | 20 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.4GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.7GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 25MB |
対応ソケット | FCLGA1700 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 |
TDP | 35W |
発売日 | 2022/1 |
Intel® Core™ i7-12700Tは、アメリカの半導体メーカー「Intel®」が開発した12世代のCPUです。
Intel® Core™ iシリーズの中では性能を重視して設計されたIntel® Core™ i7シリーズにあたり、12コア20スレッドの高スペックを備えているため、資料作成やWebサイトの閲覧といった、比較的負荷の小さい一般的なビジネスシーンだけでなく、動画編集やグラフィックデザインなどのクリエイティブシーンまでさまざまな用途に対応しています。
加えて、品番の末尾にTがつく省電力モデルのCPUで、ノートパソコン向けと比べて消費電力が高い傾向にあるデスクトップ向けCPUでありながら、優れた省電力性を備えているのも大きな特徴です。
Core i7-12700Tと同じTシリーズのCPUには、従来モデルのIntel® Core™ i7-11700Tや、最上位モデルのIntel® Core™ i9-13900Tなど、多くの製品があります。
この記事では、Core i7-12700TのスペックをTシリーズの製品や競合のAMD製のCPUと比較した結果もお伝えするので、ぜひ選定の参考にしてください。
なお「CPUの性能比較表|2024年最新版」では、比較対象となる基本スペックやCPUの性能目安となるPassMarkのベンチマークスコアを製品別で比較してご覧いただけます。どのCPUを導入すべきか悩んでいる方や、最新のCPUを検討している方は参考にしてください。
Core i7-12700Tはどのような用途におすすめ?
Core i7-12700Tは、12コア20スレッドを備えたミドルレンジのCPUですが、消費電力を抑えられたTシリーズにあたるため、消費電力が35Wと低く、省電力性とパフォーマンスの両立を重視する方におすすめです。
一般的なオフィスワークや動画視聴などの日常的な作業はもちろん、負荷の軽い動画編集やグラフィックデザインなどのクリエイティブタスクでも十分な性能を発揮します。
ただし、高負荷なレンダリングやプログラミングなどの用途にはスペック不足になる場合があるため、これらの用途には、消費電力が高く、より高いパフォーマンスを発揮するCPUがおすすめです。
Core i7-12700Tのスペック比較
Intel® Xeon® Gold 5218T | Intel® Core™ i7-12700T | Intel® Core™ i9-11950H | |
製品コレクション | 第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 11 世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー |
開発コード名 | Cascade Lake | Alder Lake | Tiger Lake |
プロセス | 14 nm | 10 nm | 10 nm |
コア数 | 16 | 12(Pコア8+Eコア4) | 8 |
スレッド数 | 32 | 20 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.1GHz | 1.4GHz | 2.6GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.8GHz | 4.7GHz | 5.0GHz |
メモリの種類 | DDR4 2667 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
Up to 3200 |
L3キャッシュ容量 | 22MB | 25MB | 24MB |
対応ソケット | FCLGA3647 | FCLGA1700 | FCBGA1787 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 5.0 and 4.0 | 不明 |
TDP | 105W | 35W | 45W |
発売日 | 2019/4 | 2022/1 | 2021/5 |
Core i7-12700Tのスペックを、Intel® Xeon® Gold 5218TとIntel® Core™ i9-11950Hとで比較してみていきます。
Xeon Gold 5218TをはじめとしたIntel® Xeon® シリーズは、Intel® Xeon® シリーズからメモリ速度や容量の向上がみられるCPUです。
Xeon Gold 5218Tのコア数・スレッド数は16コア32スレッドと、Core i7-12700Tの12コア20スレッドを上回る数値で、高い並列処理性能がうかがえます。
一方で、ターボ・ブースト利用時の最大周波数はCore i7-12700Tのほうが優れた数値であるため、高負荷時の処理速度を重視したい方は、Core i7-12700Tが適しています。
また、Xeon Gold 5218Tの消費電力は105Wと高めなので、複数台の導入を検討している方や消費電力を抑えたい方は、注意しておきましょう。
次に、Core i7-12700Tと同様のCore iシリーズのCore i9-11950Hと比較します。
Core i9-11950Hは、ハイエンド向けに性能重視で設計されたノートパソコン向けCPUです。
そのため、Core i7-12700Tの前世代にあたる第11世代のCPUですが、Core i9-11950Hのプロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数は、Core i7-12700Tを大きく上回っており、処理性能の高さがうかがえます。
L3キャッシュ容量もほとんど差がなく、ノートパソコン向けである分、消費電力も45Wと抑えられています。
Core i7-12700Tと両製品のベンチマークを比較した結果は、後ほど詳しく解説します。
より詳細な性能差を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
Core i7-12700TとAMDシリーズのスペック比較
AMD EPYC™ 7551 | Intel® Core™ i7-12700T | AMD Ryzen™ 5 5600 | |
製品コレクション | AMD EPYC™ 7001 Series | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | AMD Ryzen™ 5 Desktop Processors |
開発コード名 | Naples | Alder Lake | Vermeer |
プロセス | 14 nm | 10 nm | 7 nm |
コア数 | 32 | 12(Pコア8+Eコア4) | 6 |
スレッド数 | 64 | 20 | 12 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 2.0GHz | 1.4GHz | 3.5GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 3.0GHz | 4.7GHz | 4.4GHz |
メモリの種類 | DDR4 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR4 |
キャッシュ | 64MB | 25MB | 32MB |
対応ソケット | SP3 | FCLGA1700 | AM4 |
PCI Express リビジョン | 3.0 | 5.0 and 4.0 | 4.0 |
TDP | 180W | 35W | 65W |
発売日 | 2017/6 | 2022/1 | 2022/4 |
競合のAMDシリーズのCPUともスペックを比較します。
AMD EPYC™ 7551のコア数・スレッド数は32コア64スレッドと、Core i7-12700Tを上回る搭載数で、マルチタスクを快適に行いたい方におすすめです。
L3キャッシュ容量も64MBと大容量で、大規模なデータでも高速にアクセスできます。
一方で、EPYC 7551のターボ・ブースト利用時の最大周波数は3.0GHzと、Core i7-12700Tを大きく下回っています。高スペックなデスクトップ向けCPUである分、消費電力も180Wと高めで性能差がみられるので、これからCPUを選定する方は、用途にあわせて重視したい項目に注目しましょう。
次に、AMD Ryzen™ 5 5600と比較すると、コア数・スレッド数は6コア12スレッドとエントリークラスで、Core i7-12700Tのほうが搭載数が多いです。
Ryzen 5 5600のプロセッサー・ベース動作周波数は3.5GHz、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.4GHzとどちらも高い数値で、タスクの負荷の大きさを問わず、安定した処理速度を提供します。
また、消費電力は65Wと、デスクトップ向けCPUとしては抑えられており、コストパフォーマンスを重視したい方にもおすすめです。
Core i7-12700Tの特徴
Core i7-12700Tの特徴を3つ解説します。
ほかのシリーズのCPUと比較した結果を中心にお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
省電力性を重視して設計されたTシリーズのCPU
Core i7-12700Tは、デスクトップ向けCPUの中では省電力性を重視して設計されたTシリーズのCPUにあたります。
Core i7-12700Tの消費電力(TDP)は、Core iシリーズの中でもトップクラスに低い35Wで、前述でほかのCPUと比較したとおり、優れた省電力性が備わっています。
また、Core iシリーズのデスクトップ向けCPUには、Core i7-12700Tと同様に発熱や消費電力が抑えられたSシリーズのCPUがありますが、TシリーズはSシリーズよりもさらに省電力性に特化しているのが特徴です。
ランニングコストを抑えたい方は、Core i7-12700TをはじめとしたTシリーズのCPUを検討してみてください。
従来モデルでは搭載されていなかったEコアが追加されスペックが大幅に向上
Core i7-12700Tは、従来モデルにあたるCore i7-11700Tから大幅なスペック向上がみられるCPUです。
Intel® Core™ i7-12700T | Intel® Core™ i7-11700T | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 11 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake | Rocket Lake |
プロセス | 10 nm | 14 nm |
コア数 | 12(Pコア8+Eコア4) | 8 |
スレッド数 | 20 | 16 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.4GHz | 1.4GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.7GHz | 4.6GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 25MB | 16MB |
対応ソケット | FCLGA1700 | FCLGA1200 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 4.0 |
TDP | 35W | 35W |
発売日 | 2022/1 | 2021/3 |
Core i7-11700Tは、Core i7-12700Tの前世代にあたる第11世代のCPUで、Rocket Lake アーキテクチャが採用されていましたが、Core i7-12700TではAlder Lake アーキテクチャが採用されており、プロセスも14nmから10nmに微細化されています。
最も大きな違いとして、Core i7-12700Tでは、Core i7-11700Tで搭載されていなかった電力効率を重視して設計されたEコアが追加されています。
そのため、コア数やターボ・ブースト利用時の最大周波数が向上していても、消費電力は35Wと据え置きです。
また、CPUのシングルスレッド性能を数値化したPassMarkのCPU Single Thread Ratingをみてみても、Core i7-12700TのスコアはCore i7-11700Tの121%の数値で、大きな性能差がみられました。
CPUは、一般的に新しい世代のほうが設計技術が向上しており、高性能である傾向にあるので、より高い性能を求める方は、選定の際に意識してみてください。
無印シリーズやKシリーズとの性能差が大きい
前世代からのスペックアップがみられるCore i7-12700Tですが、Core i7-12700TをはじめとしたTシリーズのCPUは、性能よりも省電力性を重視して設計されているため、よりハイスペックなCPUを求める方は、一般コンシューマー向けの無印モデルや、オーバークロックに対応したKシリーズがおすすめです。
Intel® Core™ i7-12700T | Intel® Core™ i7-12700 | Intel® Core™ i7-12700K | |
製品コレクション | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー | 第 12 世代インテル® Core™ i7 プロセッサー |
開発コード名 | Alder Lake | Alder Lake | Alder Lake |
プロセス | 10 nm | 10 nm | 10 nm |
コア数 | 12(Pコア8+Eコア4) | 12(Pコア8+Eコア4) | 12(Pコア8+Eコア4) |
スレッド数 | 20 | 20 | 20 |
プロセッサー・ベース動作周波数 | 1.4GHz | 2.1GHz | 2.7GHz |
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 | 4.7GHz | 4.9GHz | 5.0GHz |
メモリの種類 | DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR5 4800 DDR4 3200 |
DDR5 4800 DDR4 3200 |
L3キャッシュ容量 | 25MB | 25MB | 25MB |
対応ソケット | FCLGA1700 | FCLGA1700 | FCLGA1700 |
PCI Express リビジョン | 5.0 and 4.0 | 5.0 and 4.0 | 5.0 and 4.0 |
TDP | 35W | 65W | 125W |
発売日 | 2022/1 | 2022/1 | 2021/11 |
例えば、Core i7-12700Tの無印シリーズにあたるIntel® Core™ i7-12700や、オーバークロック対応モデルのIntel® Core™ i7-12700Kと比較すると、コア数・スレッド数などの項目は同値ですが、プロセッサー・ベース動作周波数やターボ・ブースト利用時の最大周波数で性能差がみられます。
処理性能が高い分、消費電力も増えていますが、より高性能なCPUを求める方は、無印シリーズやKシリーズのCPUを検討してみてください。
Core i7-12700Tのベンチマーク
Core i7-12700TのベンチマークのPassMarkを中心に解説します。
Core i7-12700Tの性能をより詳細に知りたい方は、参考にしてください。
PassMark(CPU Mark Rating)
PassMarkのCPU Mark Ratingからみていきます。
Core i7-12700Tのスコアは21568と、Core i9-11950HやXeon Gold 5218Tを上回る数値でした。
Core i7-12700Tは、Core i9-11950Hよりも多くのコアを搭載しており、Xeon Gold 5218Tと比べてターボ・ブースト利用時の最大周波数やL3キャッシュ容量が高く、省電力性に優れているため、上記のような結果が出たと思われます。
一方で、AMD製のEPYC 7551やRyzen 5 5600と比較すると、わずかに下回っています。
EPYC 7551は消費電力こそ高いものの、全体的な基本スペックがCore i7-12700Tを上回っており、Ryzen 5 5600は優れた省電力性と処理性能の高さがみられるため、Core i7-12700Tを上回る結果になったと思われます。
そのほかのベンチマークもみていきましょう。
PassMark(CPU Value)
CPUのコストパフォーマンスを数値化したPassMarkのCPU Valueも比較します。
Core i7-12700Tのスコアは63.6と、5つの製品の中では2番目に高い数値でした。
最も高いスコアだったのはRyzen 5 5600の180.2で、2位のCore i7-12700Tの283%数値で、コストパフォーマンスの高さがうかがえます。
また、Core i7-12700TとCPU Mark Ratingで引けを取ったEPYC 7551を比較すると、Core i7-12700TのスコアはEPYC 7551の173%の数値でした。
CPU Valueのスコアは、販売価格をCPU Mark Ratingで割って算出されます。
コストパフォーマンスを一目で見極めたい方は、CPU Valueも参考に、CPUを選定してみてください。
PassMark(CPU Single Thread Rating)
PassMarkのCPU Single Thread Ratingもみていきましょう。
Core i7-12700Tのスコアは3608と、5つの製品の中で最も高い数値でした。
CPU Mark RatingやCPU Valueで1位だったRyzen 5 5600の110%の数値で、シングルスレッド性能の高さがうかがえます。
また、最も低いスコアだったEPYC 7551の207%の数値で、大きな性能差がみられました。
同じIntel製のCore i9-11950HやXeon Gold 5218Tとは、およそ10%〜60%の開きがみられます。
シングルスレッド性能は、メールの管理やWebサイトの閲覧といった、単一のスレッドで実行される比較的負荷の小さいタスクの処理性能を表します。
特にビジネスシーンでのPCの利用を検討している方は、CPU Single Thread Ratingにも注目しておくとよいでしょう。
消費電力
最後に、消費電力も比較します。
Core i7-12700Tの消費電力は35Wと、5つの製品の中では最も低く、省電力性の高さがみてとれます。
最も高い消費電力だったのがサーバー向けのEPYC 7551で、Core i7-12700Tとは145Wもの差があります。
ランニングコストが気になる方や、消費電力が抑えられたCPUを使用したい方は、ほかの基本スペックとあわせて消費電力も確認しておきましょう。
ただし、消費電力を重視するあまり、用途に対してスペック不足なCPUを導入してしまわないように、注意が必要です。
PassMarkのベンチマークスコアや消費電力を製品別で比較したい方はこちら
Core i7-12700Tを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。