Stable Diffusionのプロンプト(呪文)をカテゴリー別に解説！使い方やモデルもあわせて紹介

この記事では、画像生成AI「Stable Diffusion」で使用できるプロンプト（呪文）を人物や服装、ポーズなどのカテゴリー別で解説します。

使い方やモデルもあわせてお伝えするので、Stable Diffusionで思い通りの画像を生成したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

Stable Diffusionのプロンプト(呪文)とは？

プロンプト（呪文）とは、Stable Diffusionなどの画像生成AIに「描いてほしいイラストの内容を伝えるための文章」です。

画像生成AIには、自然言語処理（NLP）の技術を活用したものが多く、日本語や英語などの自然言語で生成したい画像を指定します。

例えば「カフェでコーヒーを飲む女性」のイラストを書いてほしい場合は、この内容をAIに伝えるために、プロンプト独自の書き方で文章にします。

また、プロンプトは画像動生成AIだけでなく、IT分野で広く使われている言葉で、一般的には、システムの操作時に入力や処理などを促す文字列を指します。

プロンプトの構造

Stable Diffusionのプロンプトの構造はシンプルで、専門的な知識がなくても使用可能です。

Stable Diffusionのプロンプトは、英語をカンマで区切って入力します。

例えば、先ほどの例の「カフェでコーヒーを飲む女性」の場合、「woman,drinking coffee,cafe」のように、名詞や動詞で区切って入力する方法が一般的です。

プロンプトの使い方

ほかの例でもプロンプトの使い方を解説します。

例えば「青い髪の少女が音楽室でピアノを弾いている様子」をイラストにしたい場合、画像生成AIに入力するプロンプトには、以下の2種類が挙げられます。

• A blue-haired girl is playing the piano in the music room.
• A girl,playing piano,blue hair,music room

前者は文章ベースのプロンプトで、後者は単語ベースのプロンプトです。

どちらのプロンプトでもほとんど同じ内容のイラストを生成できますが、現在主流となっているのは、単語ベースの記述です。

文章ベースのプロンプトだと、画像生成AIに内容を理解してもらいにくい傾向にあるため、単語ベースのプロンプトの使用をおすすめします。

また、最初に書かれた単語ほど優先してイラストに反映される傾向にあるため、単語の順番も工夫してみましょう。

Stable Diffusion(Stability AI社)が公開しているプロンプトガイドライン

Stable Diffusionを開発するStability AI社は、プロンプトの基礎的な使い方を示したプロンプトガイドラインを公開しています。

このプロンプトガイドラインでは、プロンプトの要素を1.Core Prompt（コアプロンプト）、2.Style（スタイル）、3.Artist（アーティスト）、4.Finishing touches（最後の仕上げ）の4つに分けて解説しています。

詳しい内容は、Basics of Prompt Engineering|Stability AI（外部サイト）から確認できるので、これからStable Diffusionをはじめとする画像生成AIを使用する方は、ぜひご覧ください。

また、以下では、プロンプトガイドラインに記載のあるコアプロンプトやスタイル、最後の仕上げとして使用できるプロンプトを紹介するので、参考にしてください。

人物に関するプロンプト(呪文)

ここからは、Stable Diffusionで使用できるプロンプトをカテゴリー別に紹介します。

まずは、人種や性別、年齢などの人物に関するプロンプトをお伝えします。

人種

以下のプロンプトを使用すれば、日本人やアジア人、白人などの人種を指定できます。

エルフや妖精のようなアニメ・ファンタジー作品に登場するキャラクターの指定も可能です。

性別

生成される画像の性別を指定したい場合は、以下のプロンプトを使用してください。

年齢

年齢は、具体的な数字や単語で指定できます。

髪の毛

髪の毛の色や長さ、スタイル、質感もプロンプトで指定が可能です。

よりリアルに近い人物を描画できるので、ぜひ使用してみてください。

髪の長さ

ヘアスタイル

髪色

髪質

表情

プロンプトでは、喜び・悲しみ・驚きなどのリアルな表情も表現できます。

喜びの表情

怒りの表情

悲しみの表情

驚きの表情

顔のパーツ

目の色や形、鼻の大きさなどの顔のパーツの設定も可能です。

体形

身長や骨格などをプロンプトで指定することで、よりリアルに近い人物を画像で表現できます。

人数

イラストで描かれる人物の人数もプロンプトで指定できます。

数字や名詞で簡単に指定できるので、実践してみてください。

そのほかの人物に関するプロンプト

そのほかにも、化粧の有無をプロンプトで指定できます。

ポーズ・姿勢に関するプロンプト(呪文)

Stable Diffusionのプロンプトでは、人種や性別、表情だけでなく、ポーズや姿勢も指定できます。

イラストにしたいポーズや構図がある場合は、以下のプロンプトを参考にしてください。

服装に関するプロンプト(呪文)

服装に関するプロンプトをトップスやボトムス、靴などのジャンル別に紹介します。

コスプレや着ぐるみなどのアニメ風のイラストで使用しやすいプロンプトもあわせてお伝えするので、参考にしてください。

トップス

主要なトップスのプロンプトは、以下のとおりです。

ボトムス

ボトムスでも以下のようなさまざまな種類を指定できます。

靴

靴のプロンプトも紹介します。

人物の全身をイラストで描きたい方は、靴にもこだわりましょう。

コスチューム衣装(制服・民族衣装・コスプレなど)

アニメ寄りの画像を生成したい方は、コスチューム衣装に関するプロンプトも参考にしてみてください。

スポーツ関連

スポーツをしている人物を描きたい方は、以下のプロンプトを使用してみてください。

着ぐるみ

以下のプロンプトを使えば、リアルでは見られないような着ぐるみを着た人物を描けます。

先頭の動物名を変更すれば、さまざまな着ぐるみを表現できます。

柄・素材

服装や装飾品の柄・素材にこだわりたい方は、以下のプロンプトがおすすめです。

装飾品に関するプロンプト(呪文)

頭や顔に付ける装飾品に関するプロンプトを紹介します。

髪色や質感、顔のパーツだけでなく、装飾品にもこだわってプロンプトで指示することで、より見栄えのよい画像を生成できます。

頭の装飾品

主要な頭の装飾品に関するプロンプトは、以下のとおりです。

顔の装飾品

メガネやピアスなどの顔の装飾品を表現したい方は、以下のプロンプトを使用してください。

背景・場所に関するプロンプト(呪文)

プロンプトを活用すれば、登場する人物の特徴とあわせて、背景や場所の指定も可能です。

背景のテーマを指定する場合

背景のテーマを指定できるプロンプトは、以下のとおりです。

具体的なテーマはないけれど、大まかに屋内や屋外、車内などのように指定したい方は、参考にしてください。

家の中を背景とする場合

家の中を背景とする場合、以下のように具体的な場所を指定できます。

自然を背景にする場合

自然を背景に設定したい方は、以下の森や海、星空、雪景色などの背景がおすすめです。

好みの背景がある方は、英語の単語で指定しましょう。

背景の施設・建物を指定する場合

イラストに登場する人物がいる場所を指定する場合は、以下のプロンプトを参考にしてください。

光源に関するプロンプト(呪文)

光源や人物への光のあたり具合は、以下のプロンプトで調整できます。

構図に関するプロンプト(呪文)

構図にこだわりたい方は、これらのプロンプトを使用してみてください。

食べ物に関するプロンプト(呪文)

食べ物に関するプロンプトをジャンル別に紹介します。

イラストに人物だけでなく、リアルな食べ物も登場させたい方は、参考にしてください。

和食

代表的な和食のプロンプトは、以下のとおりです。

洋食

洋食のプロンプトはさまざまですが、主要なものを紹介します。

中華

中華もあわせて紹介します。

そのほかの食べ物

そのほかの食べ物や飲み物のプロンプトも紹介します。

乗り物に関するプロンプト(呪文)

最後に、乗り物に関するプロンプトも紹介します。

「自転車に乗っている少年」や「電車の中にいる男性」など、乗り物と人物を一緒に描きたい方は、使用してみてください。

陸上の乗り物

陸上の乗り物に関するプロンプトは、以下のとおりです。

空の乗り物

空の乗り物を表現したい方は、これらを参考にしてください。

水上の乗り物

水上の乗り物のプロンプトも紹介します。

レジャー関連の乗り物

「レジャー施設で遊ぶ子ども」などをイラストで描きたい方は、参考にしてください。

宇宙の乗り物

リアルでは表現しにくい宇宙の乗り物のプロンプトも紹介します。

プロンプト(呪文)で理想の画像が生成できない際の対処法

AI技術が進化する過程で、Stable Diffusionをはじめとした自動生成AIの技術も高まっていますが、一度で理想の画像が生成できるとは限りません。

プロンプトで理想の画像が生成できない際は、以下の対処法を実践してみてください。

• プロンプト（言葉）を換える
• プロンプトの順番を変える
• 強調構文を使用する（例：(forest:1.5), (waterfall:0.5)のように、強調したい単語を括弧でかこい、後に：数字を記入する。上記の場合、森が1.5倍、滝が0.5倍に強調される）
• ほかの人のプロンプトを参考にする
• ChatGPTにおすすめのプロンプトを聞く

Stable Diffusionを使って画像生成を行うならモデルの活用も重要

※Civitaiより引用

Stable Diffusionでは、プロンプトを使って理想の画像を生成できますが、より効率的に高品質な画像を生成するなら、モデルの活用も重要です。

以下でリアル系（実写）・アニメ系・アート系のおすすめのモデルを一覧で紹介します。

Stable Diffusionのリアル系(実写)のおすすめモデル一覧

Stable Diffusionのリアル系（実写）のおすすめモデルは、以下のとおりです。

• BlazingRealDrive（外部サイト）（日本人風の少女の画像が得意）
• chilled_remix_v2（外部サイト）（リアルに近いアジア人風が得意）
• Beautiful Realistic Asians（外部サイト）（写真のようなリアリティのある画像が得意）
• Soda Mix（外部サイト）（アニメキャラ寄りの画像が得意）
• BlueberryMix（外部サイト）（幅広い国籍の人物の生成が可能）

Stable Diffusionのアニメ系のおすすめモデル一覧

Stable Diffusionのアニメ系のおすすめモデルは、以下のとおりです。

• ShiratakiMix（外部サイト）（アニメ系モデルの中でトップクラスのクオリティ）
• Kohaku-XL alpha（外部サイト）（実在するアニメキャラの生成実績が豊富）
• BreakDomainXL（外部サイト）（さまざまな色調の画像が得意）
• SakuraMix-v5.0（外部サイト）（アニメキャラと背景がハイクオリティ）
• silicon28-negzero（外部サイト）（アニメ風の壮大な風景描写が得意）

Stable Diffusionのアート系のおすすめモデル一覧

Stable Diffusionのアート系のおすすめモデルは、以下のとおりです。

• Openjourney（外部サイト）（絵画風・漫画風の画像生成が可能）
• Counterfeit-V3.0（外部サイト）（幾何学的なアートの描写が得意）

上記以外にもStable Diffusionのモデルを知りたい方は「Stable Diffusionで利用できるモデルを一覧でカテゴリー別に解説！」をご確認ください。

Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボード

Stable Diffusionのような高いグラフィック処理性能が求められるイラスト自動生成AIには、高性能なグラフィックボードの利用が重要です。以下のリンクからStable Diffusionにおすすめのグラフィックボードをご購入いただけます。

Stable Diffusionの利用環境については「Stable DiffusionにおすすめのPCやグラボ、推奨スペックを徹底解説！」、中でもグラフィックについては「Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボード（GPU）は？選び方や買い替える際の注意点も解説」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

まとめ

この記事では、画像生成AI「Stable Diffusion」で使用できるプロンプト（呪文）を人物や服装、ポーズ、食べ物などのカテゴリー別で解説しました。

プロンプトを駆使することで、より理想に近い画像を生成できます。

プロンプトの使い方やリアル系・アニメ系・アート系モデルもあわせてお伝えしたので、これからStable Diffusionを使用する方は、ぜひ実践してみてください。